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  • 【東大生が語る】日本史地理選択のすゝめ

    【東大生が語る】日本史地理選択のすゝめ

    はじめに

    東大を文系で受験する人は全員、日本史・世界史・地理の中から二科目を選んで受験することになりますが、その組み合わせの中で圧倒的に選ばれにくい組み合わせがあります。

    そう、日本史地理選択です。

    なんだか日本史地理選択って、不利なイメージがあったりして選びにくいですよね……。
    実際、日本史地理選択で受験した筆者もその不利な面を実感しました……。

    でも、日本史地理選択ならではのメリットも存在するのでは?

    そんな思いから今回は、筆者の経験を踏まえて日本史地理のイメージについて率直に、赤裸々に書いてみようと思います!

    記事の性質上、筆者の主観が多分に含まれてしまうことにはご注意ください!

    日本史地理選択の不利な面

    まず初めに、日本史地理選択が他の選択に比べて不利だなと思う点についていくつか紹介します。

    1. 日本史と地理の間に内容面の重複が少ない

    最初にして最大の難点だと思う点を挙げました。

    日本史は人類が誕生してからの、古代から現代について扱うのに対し、地理は地形のでき方といった人類が誕生するはるか前のことか、産業・貿易といったより現代的なものを扱うため、二者の間で扱う時代の重複が小さくなっています。

    これにより学ぶ内容にも重複が生じづらくなってしまっています。

    日本史と地理の間に内容面の重複が小さいことを見てきましたが、他の科目の間ではどうなのでしょうか。

    まずは日本史と世界史についてです。

    これは言わずもがなですね。どちらも「歴史」について扱う科目ですから、ほとんど同じ時代について扱いますし、内容面にも重複が出て、一方の理解が他方の理解を助けてくれる印象です。

    それでは世界史と地理についてはどうでしょうか。
    ここでは具体的な問題を例に挙げて説明していこうと思います。

    2022年の東大地理では、18世紀から19世紀の船の航路にまつわる問題が出ました。この問題を解く上で「季節風貿易」などに関する知識があるとだいぶ考えやすいのですが、この知識は世界史で習うものなのです!

    日本史地理選択だとこの問題を合理的に推論して解くことを求められます。世界史地理選択であれば知識から解けるのに……。結構辛いですね。

    2. 日本史地理を選択する人が少ない分、情報量が少ない

    次に挙げる点も多くの高校生がぶつかる壁なのではないでしょうか。

    筆者も実際東大にいてみて、日本史地理選択の人に出会う機会は滅多にないです。
    自分がいるクラスには30人ほどいるのですが、その内日本史地理選択は2、3人ほど。割合にしてわずか1割ほどです!(もちろんこれが全体の割合なわけではないのですが。)

    このことは日本史地理選択での合格体験談の数の少なさに直結します。それはつまり、受験勉強における戦略面で参考にできる情報量が少ないことを意味しますね。科目バランス、目標点数、試験当日の試験時間を日本史と地理でどう振り分けるのかなど……。

    これら戦略面の情報が少ないと、自分の試行錯誤で頑張らなければいけない部分が大きくなってしまい、最短経路で受験勉強を進めることが難しいです。

    「巨人の肩の上に立つ」と言うように、先輩たちの経験を上手く利用することは勉強において大切ですし、そもそも経験の蓄積が他の選択肢に比べ少ないことは見逃せないデメリットと言えそうです。

    日本史地理選択にはこんなメリットがある!!!

    ここまで日本史地理選択のデメリットばかり並べて、ネガキャンのようになってしまっていますが、日本史地理選択は悪いところばかりではありません! ここからは日本史地理選択のメリットと言える点を紹介していきます。

    1. そもそもの内容自体は軽い

    日本史地理選択であれば、受験科目として世界史を学習する必要がありません。
    学校の必修で日本史と世界史を習っている人はなんとなく感じているかもしれませんが、一般に日本史よりも世界史の方が暗記量は多いとされています。

    実際、世界全体のことを扱う世界史より、日本中心に扱う日本史の方が覚えることが少なさそう、ということは直感的にも感じることではないでしょうか。

    さらに言うと、世界史は同時代における複数地域で起こったこととその関連を見なければならないため、時間軸に加え地域軸も意識する必要があり、いわゆる「縦軸と横軸」の両方を考えることの難しさがあります。

    一方日本史は横軸を意識する必要が小さく、縦軸中心に勉強していけば良いというところがあるため、世界史よりも勉強しやすいと言えるでしょう。

    加えて高校日本史は中学で学ぶ内容の延長線にあるため、その内容を高校での学びに活かしていける点は取り組みやすい要因にもなると思います。

    2. 頭の使い方が似ている

    次に、日本史と地理は問題のタイプが近く、タイトルの通り問題を解くときの頭の使い方が近いため、一方の勉強が他方にも活きるという利点を紹介していきます。以下、各教科ごとに詳しく説明していきます。

    まずは地理について。地理はおそらく皆さんが思っている通り、地図や図表を読み解いて論理的に推論する能力が求められます。

    上で言う能力がどういったものか例を挙げて説明します。

    まず、ある年にある変化が起こったとしましょう。地理ではまず、その変化をグラフから読み取る能力が求められます。次に、その変化がなぜ起こったのか、原因となる出来事・それを引き起こす背景などを考える必要があります。


    以上が「読み解く」と「論理的に推論する」の例となります。

    次に日本史について。日本史は地理とは違い、上のような読解などが求められる場面は少ないと思われがちなのではないでしょうか。しかしそれは大きな間違いです。

    実は日本史でも図表やグラフ、絵などを読み解いて思考し答えを導く問題は数多く存在するのです。これについては言葉で説明するより、近年の共通テストを見ればすぐに理解できることでしょう。

    ここまで地理と日本史の問題の特徴を見ていきましたが、これらは個別の特徴というよりそれより大局的な、問題に取り組む際の姿勢を現した特徴と言えるでしょう。そのため、地理で学んだ読解力が日本史に活きる、といったように相乗効果を期待できるのです。

    3. 内容の重複が少ない分、幅広く学べる!?

    最後に、筆者の友人でこのような考え方をする方がいたので、余談として紹介します。

    確かに科目間で内容に重複があれば、その内容について深い理解ができたりして有利と言えるでしょうが、一方学べる範囲が狭まってしまう可能性を秘めていると言えるのではないでしょうか。

    日本史地理選択だと、重複が少ない分扱える内容そのものは増えるので、今後の生活で自分の琴線に触れるものが増えるということがメリットと言えると筆者は考えます。

    「狭く深く」か「浅く広く」か、自分のタイプに合わせて考えられると良いと思います!

    筆者の体験談

    ここからは体験談として、筆者が日本史地理選択でどんな壁にぶつかったか、その壁をどう乗り越えたのかについて話していこうと思います。

    少しでもみなさんを勇気づける内容になっていれば幸いです。

    筆者がぶつかった壁

    ではまず、筆者がぶつかった壁についていくつか紹介します!

    一つ目の壁は、試験本番、考えて解く問題が多いことです。

    東大の社会は2科目一気に150分で行うのが特徴的ですが、そう聞くだけでも疲れますよね。

    それに加えて日本史地理だと、世界史の一問一答のような暗記寄りな問題が少ないため、150分ほとんど考えっぱなしになってしまいます。これは想像以上にきついです……。

    僕の場合日本史→地理の順番で解いていたのですが、地理の大問3つのうち最後の一つはいつも頭が回らず、直感で適当に解答するという具合でした。

    当然そのような状態で解いても出来が良い訳が無く、その最後の大問が社会の中で一番出来が悪いというのが定番となっていました。

    タチが悪いことに、その最後の大問を解き直すといつも、「なんでこんなことに気づかなかったんだ」「最初に解いてたら楽勝だったのに!!」と思う始末でした。似たような経験をしたことのある人はみなさんの中にも多いのではないでしょうか。

    それに加えて、考えるところが多いということは確実に正答できたなと思える部分が小さいということでもあります。

    推論を基に出した答えは、どんなに自信があったとしても全く的外れということは往々にしてあります。これは皆さんも数学などで経験したことがあるのではないでしょうか。

    このような経験が災いして、最低限これくらいは得点できただろうという部分が小さくなってしまうがために、試験時間中に安心できることが少ないのです。

    これは意外に辛いものです。共通テストの日本史(世界史)が全部古文の資料問題だったらと想像してみてください。おそらく、自分の読みが合っているのか不安になり、従来の問題より大幅に時間がかかることが容易に想像できるのではないでしょうか。

    考えて解く問題が多いことは、知識が無くても解けるかもしれないというメリットと同じかそれ以上に、上に挙げたデメリットが存在すると感じました。

    二つ目の壁は、地理で出てくる、世界史に寄ったような問題がなかなか解けないことです。

    これは日本史地理選択の不利な面を紹介する際に触れたので、ここでは割愛しますね!

    三つ目の壁は、日本史地理選択が不利であるというのを必要以上に考えすぎてしまい、自分の成績が悪い理由を科目選択のせいにしてしまったことです。

    特に現役の時は、「日本史地理じゃ成績が伸びる訳ないんだ!」と完全に投げ出してしまい、社会の勉強から逃げた時期がありました。もちろん、それによって成績は上がる訳がなく、悪循環に陥る一方でした。

    壁をどう乗り越えたか

    上の記述を踏まえて、筆者が上に書いた壁をどう乗り越えたかについて紹介しようと思います。

    一つ目の壁、考えて解く問題が多いということへの僕の対処法は、「慣れ」と「パターン化」という二つのキーワードに集約されます。

    「慣れ」については言葉通りですね。
    単純に問題を解く体力が付いたというのもありますし、問題を解いていく順番などが固まってきてどこか「ルーティン化」が進んでくるとかなり楽になりました。

    「パターン化」については問題を解く能力とも関連があることかもしれません。
    考える問題にも「型」があって、その「型」をある程度パターンとして持てるようになると解くのも早くなるし、解答への自信も増すようになりました。

    例えば日本史において、抽象的な史料が与えられたらどんな具体的な事象と結びつくのか

    考えたり、逆に具体的な事象が与えられたら抽象的にどんな意味があるのか考えるといったことですね。

    演習を積んでいくうちに、これが自然にできるようになるとかなり楽になったなと思います。

    つまり、日本史地理選択だとしても何か特別なことが必要な訳ではなく、他の教科と同じように地道に演習を積んでいくことが大切だった、ということですね。

    二つ目の壁、世界史チックな問題が解けないことへの僕の対処法は、最低限、頻出な世界史の知識だけは必ず押さえる、というものでした。

    世界史要素と言われても世界史の全ての分野が問われるわけではありません。むしろ問われる部分は小さいと言えるでしょう。
    過去問で繰り返し問われる分野をしっかり押さえれば、意外と世界史要素の問題でも解けるんだな、と気づけるはずです。

    そこから外れる問題は諦めましょう。他の問題を解ければ十分合格点は取れるんだよ、ということを意識することが大切でした。人生、何事も諦めが肝心ですね。

    三つ目の壁、日本史地理選択自体を言い訳にしてしまうことについては、次のように考えるようにして割り切るようにしました。

    まず、日本史地理という選択肢を取ったのは紛れもない自分自身です。その責任はもちろん他の誰かが取ってくれるものではないですよね。

    また受験勉強において、選択科目を選ぶまでの時間より、選んでから実際に学んでいく時間の方が圧倒的に長くて重要です。その重要な時間を、うだうだと過去の選択への後悔に使うのは明らかにもったいないですよね。

    「選択の質ではなくその後の行動の質を上げる」という考えができるようになってからは、受験勉強も割り切って進められるようになりました。

    ちなみにこの考え方は受験勉強一般に通用するものだと思います。
    多くの場合、選択をした直後というのは物事の全体が見えておらず、見えている一部を切り取って価値判断を下してしまうものですが、その価値判断が後になって覆ることは往々にしてあるものではないでしょうか。

    このことから言えることは、「やってみなくちゃわからない」ということです。当たり前すぎますか? でも、切羽詰まっているとこういう当たり前のことも見失ってしまうものです。

    今まで書いてきた三つの壁への対処法を振り返ってみると、どれもすぐに思いつく当たり前のことだったと思います。
    「当たり前のことを当たり前にやる」ことが大切ということですね。

    おわりに

    今回の記事を通じて、日本史地理についてイメージが膨らみましたか?

    日本史地理を選ぶに至らずとも、皆さんの選択肢の一つに日本史地理が加われば嬉しいです!

    また上でも示唆したように、選んだ選択肢を正解だと言えるよう動くことは正解の選択肢を選ぶこと以上に大切だと考えます。考え抜いた上で選んだ選択肢をやり切ることも大事にしてくださいね!

  • 【東大生が教える】日本史の勉強法

    【東大生が教える】日本史の勉強法

    はじめに

    中学校で習う日本史に比べると、高校日本史の内容は格段に深く細かくなっており、学習に苦労している方も多いと思います。確かに暗記が多く大変な科目ではありますが、高得点をとることができるか否かで試験にも大きく影響する重要な科目です。

    そこで、今回は日本史の勉強について共通テストや私大受験、二次試験のための対策にも言及しながらアドバイスをしていきます。


    日本史を勉強する上で

    これから日本史を学習していく人は、事前に日本史を概観できていると学習した内容が頭に入りやすくなります。

    そこでおすすめするのが、「学習漫画日本の歴史」などの日本史を通史形式で描いた漫画を読むことです。漫画なので読み終えるのにそれほど時間がかからず、楽しみながら読むことができ、内容を吸収しやすいと思います。ただし、内容を「覚えよう」とするのではなく、あくまでざっくりと理解する姿勢が重要です。「覚えなければ」という意識があるとどうしても楽しむことができず、読むのに時間をかけてしまいがちだからです。既に高校で日本史を学んでいる人にもおすすめなので、ぜひ一度試してみてください。

    そして、歴史はおもしろいと感じられると覚えやすくなるものなので、日本史は楽しんだ人勝ちだといえます。私が高校日本史を学習していたときは、教科書に載っている人物や出来事などについて、電子辞書に搭載されている百科事典やウィキペディアを使っておもしろいエピソードを探していました。皆さんも日本史の学習を楽しむ姿勢を持ち、工夫して学習すると良いと思います。


    日本史の勉強の基本

    1. 勉強法総論

    どの教科にも通ずることではありますが、最も重要なことは授業をきちんと聞くことです。高校日本史の中には、教科書の記述がわかりにくく自力では理解が難しい事柄も多くあります。しかも、そのようなポイントに限って試験の頻出事項であることが多いです。授業では当然そのようなポイントを先生方が解説することになるので、それを聞き逃さないようにしましょう。また、わからないことがある場合は先生に質問をしてすぐに疑問を解消する癖をつけましょう。これを怠ると、理解できていないことが多いのに受験直前期になって気づき、結局それらを解消できないまま本番を迎えてしまう可能性が高くなるからです。

    授業後の学習の流れとしては、まず最初に教科書の精読をすべきです。教科書の精読をすることで、歴史の流れや語句の定義、出来事の背景・意義・影響を掴みましょう。私大入試を除き、試験で解答となるものは全て教科書に書いてあるのでこの作業は非常に重要になります。教科書を精読した後は、単語のチェックをしましょう。この際、用語集をただ眺めるだけでは良くありません。日本史は漢字を含めて覚えなければならないため、書き取りをして漢字ミスのないようにする必要があります。一点を争う本番では漢字のミスが非常に痛い失点となることを心に留めておきましょう。学校で何らかの空欄補充問題集をもらっている人はぜひそれを活用してください。学校でもらっていない人も同じような問題集はたくさん市販されているので、それを購入することをおすすめします。

    自分でまとめノートを作る人もいるかと思いますが、ノート作りは必要な労力が大きいので、時間の限られた高校生にはあまりおすすめしません。ただし、テストで間違ったポイントなどをまとめた復習ノートは、いつでもどこでもノート一冊で間違いを潰していけるのでとても便利です。

    2. 分野ごとの勉強法

    政治史

    政治史では、各時代の統治機構をしっかりと理解しておくことが重要です。教科書には詳しく書かれているので、精読をして確実に押さえましょう。外交関係については、日本を取り巻く国際情勢もよく理解しておく必要があるので、世界史の知識が役立ちます。世界史を選択していない人は、日本の周辺国について成立時期・最盛期・衰退時期などの知識は最低限押さえておきましょう。また、近現代の政治史を苦手とする人は多いですが、それは近現代以前の時代の歴史に比べて、近現代を学習する時間が少ないことが大きな原因だと思います。それゆえに、時間的余裕がある人は、近現代史については授業前に教科書を読んでおくなど先取りをして授業に臨むと良いと思います。

    経済史

    経済用語については漠然とした理解で済ませてしまうことが多いですが、経済史を理解する上で経済用語は非常に重要なので、わからない用語は先生に聞いたりネットで調べたりしてしっかり理解できるように努めましょう。

    社会史

    町や村落の様相、庶民の生活などを扱う社会史も、内容が複雑なゆえに理解が疎かになりがちな分野です。しかし、近年この分野の研究が進んでいることもあり、入試では頻出の分野体的に理解していくことが良いと思います。

    文化史

    暗記の負担が重いため後回しにしがちですが、試験では文化史の問題で正確に答えられると周囲に差をつけることができます。文化史を学習する際は必ず資料集を手元におき、絵画・仏像などについては図版を見て用語と一致させましょう。また、文学作品についてはその作品の内容を少し知っているだけでもかなり覚えやすくなります。


    日本史の入試対策

    1. 共通テスト

    受験生がするべきことはセンター試験のときと変わらず、試験までにしっかりとした理解に基づいた知識の吸収をすることです。ただし、問題傾向が変わるので問題演習は入念にしておく必要があります。直前期(試験の1〜2ヶ月前)にはインプットよりもアウトプットに重点を置き、その過程で知識に漏れがあったら潰すという作業を繰り返すことが効率的でおすすめです。

    2. 私大試験

    私大の日本史では教科書に載っていないマニアックな事柄が当たり前のように出題されます。とはいえ、問題の多くは教科書に載っている事項なので、まずは教科書の内容の吸収を最優先しましょう。全体的に難易度が高く他の問題での挽回がしにくい私大入試では、こういった基本問題を落とすと致命傷になりかねません。教科書に載っていない事項については、用語集や資料集に載っている知識の吸収に留めるべきです。深入りするとキリがないため、基本が疎かになってしまう可能性があります。

    3. 国公立二次試験

    東大

    東大の二次試験の日本史の出題形式は他大学に見られない独特のものです。細かい知識は必要ありませんが、教科書を中心として学習したことを確実に理解していなければならないうえ、短時間で資料の読み取りを行い、厳しい制限字数に収まるよう解答をまとめる論理な力や文章力も問われます。また、古代・中世・近世・近現代から一題ずつ出題されるため、万遍なく勉強しておく必要があります。それゆえに、東大日本史には特に入念な過去問演習が必要になります。
    演習を行った後には、高校や塾の先生に添削をしていただき、それを踏まえて解答を修正し自分で納得のいく答案を仕上げるという作業を繰り返すことが理想的です。もし、添削していただくのが厳しいのであれば、ネットや過去問集で公開されている各予備校の解答例を比較し、完璧な解答に必要な要素を拾い集めていく作業が有効だと思います。過去問に手をつけてしばらくは、制限時間を気にせずじっくり考えて解くのがおすすめですが、共通テスト終了後は時間を測って制限時間内に質の良い解答を仕上げられるように練習しましょう。
    なお、駿台文庫の『日本史の論点』は論述に必要な視点を身につけることができる優れた参考書なので、ぜひ使ってみてください。

    東大以外

    東大以外の大学の論述問題は、短い問題文の指示に従って事実を並べていく形のものが多い印象があります。過去問が十分に手に入らない大学も多いので、似通った出題形式をとる他大学の問題に取り組むなどしないと十分な演習量を確保できない恐れがあります。制限字数が多く、書き始めると修正が難しい場合もあるので、あらかじめ論述の要素をまとめた簡単な設計図を書いてから清書をすることをおすすめします。
    なお、前述の参考書『日本史の論点』は論述問題を課す多くの大学の対策として使えるものになっています。


    おわりに

    いかがでしたでしょうか?日本史は負担の大きい教科ではありますが、しっかりと取り組めば高得点を狙える科目でもあります。この記事の内容は私の経験から考えたことなので、あくまでも参考程度にしてください。人それぞれ合う勉強法と合わない勉強法があります。この記事に書かれたことを実践してみてももちろん良いですが、自分に合わないなと感じたらすぐにやめてください。自分で納得のいく勉強をすることが何より大切です。

    最後まで読んでいただいてありがとうございました。

  • 【日本史編】東大生が勧める参考書や問題集、勉強法

    【日本史編】東大生が勧める参考書や問題集、勉強法

    このページでは主に東大受験生向けに、日本史の勉強法、おすすめの参考書・問題集など、何人かの東大生のアドバイスをまとめて紹介します。参考書についてはその名前と、東大生によるおすすめの使い方や長所の説明を掲載しています。ぜひ参考にしてみてください。


    基本の勉強法

    このページでは日本史の基本的な勉強法を紹介します。日本史をどのような流れで勉強していたのか、東大生の生の声を聞いてみましょう!


    こんにちは! ついこの間、帰省していた時に弟の勉強を見ていて気になったことがあったので、日本史の勉強法について、高校時代の僕のやり方を書いていきます。あくまでも個人的なやり方なので、自分には合わない、という人もいるかもしれません。日本史を習ってない人はごめんなさい。

    まず、年号とか用語とか、そのような単語を単体で覚えようとすると、きついです。歴史には流れがあり、その流れの中にいろんな人物が登場していろんな事件が起こります。単語だけ覚えようとするより、流れの中に単語を当てはめた方が覚えやすいので、まずはある程度の範囲の流れをおさえます。例えば、「江戸幕府の体制が確立するまで」といったものです。
    大まかな流れをおさえたら、その流れを補足説明するための道具として、人物や事件、年号を覚えます。

    次は覚えたことを確認し、定着を図る作業です。
    僕の学校では、文章中の穴埋め式で用語を確認できる教材と一問一答の教材が配られていたので、その両方を活用していました。

    まずは、一問一答の教材1ページを見てみて、その範囲に該当する教科書部分をざっと読んで復習、語句を覚えます。一問一答に取り掛かる前に一度、知識をインプットするのです。それから一問一答の該当ページをやってみる。知識のアウトプットです。そして、間違えたもの、分からなかったものを答えを見て確認します。これが2度目のインプット。

    僕の弟は、一問一答のページの範囲がどうせ分からないから、と答えを写してからそれを覚える、というやり方をしていました。これだとインプットの一回だけ。僕は自分の記憶を刺激する回数がより多い方を選び、全く覚えていない範囲でも、とりあえず教科書を見て覚えてから、一問一答に取り掛かっていました。これをもう一つの教材でも同じようにするので、記憶に触れる回数に明らかな差が出ますよね?
    僕の弟と同じ勉強法をしていて、日本史ができないという人はやり方を変えてみてほしいです。あとはテスト前に、友達と問題を出し合うなりして、楽しく勉強できれば「覚えるだけ」という認識になりがちな日本史への取り組みも変わってくるのではないでしょうか。

    この記事が少しでも皆さんの参考になっていれば幸いです。(文3・2年)


    東大・論述対策

    このページでは、東大日本史の対策法を紹介します。論述問題の東大日本史にどのように立ち向かっていたのか、東大生の声をお届けします! 東大だけでなく、一般的な日本史の論述対策にも役立つ情報だと思うので、ぜひ参考にしてみてください。


    こんにちは! 僕が高校時代にやっていた日本史論述対策を紹介します! それは「教科書準拠のノートを利用する」ということです。

    僕が高校時代に使っていた山川出版社の教科書の場合、「詳説日本史ノート(詳説日本史ノート編集部)」というものがあります。本来は単語の暗記用で使うものですが、空白があり書き込みが十分できます。
    そこに、教科書を読んでいて重要だと思ったフレーズ・模試の解説の中で論述を解くうえで使えそうなフレーズを書き込むのです。
    また、ノートに書いてある文の中で論述に使えそうなフレーズにはマーカーなどで印をつけます。
    すると、ノートに論述で使えるフレーズがたくさん書き込まれていることになるので、それを音読などで暗記しましょう!
    暇なときに眺めているだけでもなんとなく覚えていくので、そのフレーズを解答に盛り込むと筋の通ったものが出来上がるはずです。(文 1・2年)


    東大の日本史論述は提示された史料や文章を利用しながら解答する独特な形式です。本番の試験で過去問の類題が出る可能性は低いですが、東大の問題に取り組むうえで必要な思考の仕方を養えるので、演習には過去問が最適です。25年分取り組むとなおよいです。

    参考文が提示されている以上はそれに即して解答する必要があります。参考文は解答者へのヒントというより、「この側面からこの知識を使って解答しなさい」という出題者側の要求みたいなものだと捉えた方がいいです。
    それを読み取る練習としても過去問がいいです。ただし、近現代史の問題は知識がないと中身のない解答しか書けないものも多いので、一問一答などで知識を確かなものにしましょう。

    また、解答を書くときは時間も意識しましょう。目安としては1題につき15~20分で解答し終わる練習をしましょう。それくらいで仕上げないと地歴の試験で時間が足りなくなる可能性が出てきます。

    日本史の問題といっても、日本史の知識だけで解くよりも政治・経済など社会科学の知識も利用した方が解きやすい(理解しやすい)問題も散見されるので、
    高校で履修している場合はそれらもフル活用しましょう。要は習ったことを無駄にするのはもったいない、ということです。

    25年分仕上げたら予備校の東大模試で演習しましょう。また、受けた東大模試は必ず復習しましょう。たまに的中します。(2015年度はそうでした)

    日本史の知識を習得するなら、教科書程度で十分です。また、教科書で使われているフレーズ、言い回しは非常に便利なので、演習の際に見つけたものはノートなどに簡単にまとめて暗記するとよいでしょう。(文1・1年)


    まず、用意する教科書と参考書は、
    山川出版詳説日本史
    山川出版新日本史(東大ネタの宝庫。河合塾も駿台もこれを意識した問題を作っていることがあります。)
    駿台のセンターで学ぶ日本史シリーズ(解説が非常に詳しく、論述にそのまま使えるし東大ネタが多い。それと駿台のテキストを丸写ししたものなのでそれなりに良い。問題を解くのでなく、解説をじっくり読んで自分で説明できるようにすること。)
    東大日本史25カ年(解説をじっくり読むこと)
    です。私自身東大日本史にかなり苦しんだ経験があり、浪人して上記の参考書と教科書で従来の日本史観がガラリと変わり、今では大学で役立っています。

    古代律令体制や中世封建社会、共同体、身分制度、村と都市機構、議院内閣制、荘園制、金本位制など東大が狙うテーマを中心に学習していきましょう。具体的には、教科書を何度も読み、③と④の解説を人にきちんと説明できるくらいまでじっくり読み理解するのです。

    東大模試の日本史は東進が一番バランスがいいです。河合塾は要約で、駿台は知識問題なので(←これ、模試作成者が言ってました笑)
    ちなみに、駿台書籍の日本史時代の特徴と展開も使ってみるといいですよ。(現役生には少し難しいかもしれませんが、東大ネタの宝庫です)
    そして、余裕があるなら、インターネットで、最新の学説を調べてみるといいですよ。それに関連した問題が出る可能性もありますから。
    さらに、東大日本史学科の教授の専門はきちんと把握しましょう。そして、きちんと対策をしましょう。

    これらをこなせば、50点も十分いけます。(文3・1年)


    みなさんこんにちは。今日は東大日本史の対策について記事を執筆したいと思います。

    まずはみなさん、東大の日本史と聞いて、どのような印象を受けるでしょうか? 全記述式が四題、各時代から均等に出る、教科書と違うことを答えなければいけない(?)…などなど、手のつけにくそうな印象を受けるかもしれません。
    では、東大日本史で及第点(40点前後)を安定して取るには、どのような勉強をすれば良いのでしょうか?
    有名塾の人気講師の授業を受けるのもありかもしれません。しかし、地方に住んでいるとなかなかそのような勉強は難しいですよね。僕も経済的・地理的に塾に通えなかったので、参考書を用いて勉強していました。今回ご紹介するのは、そのときに使っていた参考書です。なお、東大日本史を攻略することに限定して記事を書いているので、センターの対策はここでは触れません。あしからず。

    ①二次で40点を目指す人

    基本的に二次対策の勉強は詳説日本史B(山川出版社)が中心になります。この教科書を使う理由は、多くの東大の日本史の教授が執筆しているからです。つまり、出題者=執筆者という理想的な教科書になっています。東大の日本史は、自分が知っている知識をひけらかすというよりむしろ「東大の先生が持っている歴史観=出題者が問いたい歴史観」に基づいて答えるという解答姿勢が大事になっています。
    具体的な勉強法として、まずは各章を読み込みます。このときに大事になってくるのは、時代背景をおさえながら教科書をよむことです。例えば、「律令制の整備の背景には唐・新羅との対外関係があった」といった時代ごとのエッセンスを大事にしつつ読んでいきましょう。なんなら教科書の余白に書いても構いません。
    わからない単語や、東大日本史で重要になってくる単語(院宮王臣家など)は日本史用語集(山川出版社)でおさえましょう。用語集の単語説明の仕方は、実際に記述する際のお手本にもなるので、軽く文章構成を覚えるくらいにはしておきましょう。

    東大日本史対策で教科書の次に大事なのは、難関校過去問シリーズ、いわゆる赤本です。
    東大の日本史25カ年(塚原哲也、教学社)を使って過去問演習をしていきましょう。初めは答えを見ず、時間制限もかけずに問題を解く訓練をしましょう。この際、信頼できる先生に添削指導をしてもらうことを強くお勧めします。文章の書き方・他の答案との差のつけ方などを学べることでしょう。直前期は一日一年分を時間を決めて解くといいと思います。

    二次で40点を目指す人は、現役の場合だと15年分も解ければ上出来だと思います。何度も同じようなテーマがでてくるので、過去問で問題に触れるつどに教科書・ノートなどに解答のエッセンスをまとめましょう。おすすめは教科書の該当箇所に書くことです。そうすれば、普段教科書を読む際に自然と覚えることができます。
    なお、ここまでで挙げた勉強法は、センターで日本史が安定して9割以上取れる程度の知識量を前提としているので、二次対策と並行してセンターの対策も怠らずしっかりやっておきましょう。

    ②二次で50点を目指す人

    ここからは、東大の二次試験で日本史50点ほどを目指し、日本史を得点源としていきたい人向けのアドバイスです。現時点で40点程度取れる実力のある人、どうしても日本史で得点を取らないといけない人は読んでください。中途半端な実力のまま50点以上を目指すと、テクニックも定着しないので注意してください。

    とまあ大げさなことを書きましたが、①に加えてする勉強は、詳説日本史研究(山川出版社)を使ってより東大日本史に特化した前提知識を身につけること、詳説日本史では扱ってないテーマを専門的に勉強することが基本になります。
    これを本番で書ければ、採点官が「お、分かってるな」と思うような文章の書き方、用語の形容の仕方が身につきます。ただし、何度も言うように詳説日本史のスタンダードな内容が頭の中に入っていることが大前提です。
    あと、この参考書はすべて読む必要はありませんが、勉強するにはかなりの時間を要します。他の科目との兼ね合いを考えて、余裕があればこれを使って勉強してください。他の受験生と日本史でかなりの差をつけられます。
    個人的に、挙げればきりがありませんが、ヤマト政権と政治制度、律令制と国際関係、郡評論争、大王と天皇(古代天皇制の性格)、律令制の内実、東北との関係、院宮王臣家と初期荘園、9世紀の天皇権力強化と官僚制について、摂関政治期の太政官制などを読み込めば古代は完璧になると思います。

    あと挙げられる実践的なアドバイスとしては、基本的に史料を第一とすること、論述の作法に則ること、綺麗な字で書くようつとめること、一文は15字程度にして読みやすくすること、因果関係がわかりやすく書くことをモットーにすると、採点官への印象が良くなります。
    各大手予備校の模試に関しては意見が分かれるところですが、個人的に駿台の日本史が本番に近い印象を受けました。模試で扱ったテーマもフォローアップしつつ、基本の教科書に戻って勉強すると良いでしょう。

    以上長々と書きましたが、僕個人の勉強の経験から話しているので、ここで書かれていることを参考にしつつ、みなさんは自分なりのやり方を編み出してください。健闘を祈ります。(文3・2年)


    一問一答の使い方

    このページでは、誰もが持っているであろう一問一答の使い方をご紹介します。単調でつまらなく感じてしまいがちな一問一答を東大生はどのように利用していたのでしょうか。


    定評のある3冊の一問一答を自分なりに比較してご紹介します!

    山川教科書準拠のような問題集で、受験勉強の手助けとなるだけでなく、教科書学習の後の確認用としても使えます。東大受験に必要な語句を過不足なく掲載しているという印象ですが、赤シートが付属しておらず(市販の赤シートでも透けます)、隠しながらの勉強が少し難しいというのが難点です。
    東進…単語の掲載量が山川よりも多く、私大入試もカバーできるよう構成されているので、東大受験には必要のないような難しい単語もあります。難易度が★★★までありますが、東大受験においては★★くらいまでで十分でしょう。赤シートを用いた学習がとてもしやすいです。
    日本史ターゲット…東進と同じく難易度別になっていますが、東進が時代ごとにまとめられ難易度はごちゃまぜになっているのに対し、こちらは難易度ごとにまとめられています。資料問題や図表問題も多めに取り扱っているというのが特徴です。

    このように見てくると、問題レベルが東大に最適な山川、学習のしやすさや他大学へのカバーが魅力的な東進、ターゲットと、3者にそれぞれ良さがあります。
    ぜひ実際に手にとって、自分に合いそうな単語帳を選んでみてください。

    また資料問題の一問一答についてですが、東大では資料の穴埋めや資料名を答えるという問題はまず出題されないので、私大などでそういった問題が頻出の方はぜひやるべきだと思いますが、東大受験の場合では無理をしてやる必要はないかと思います。それよりも資料の本文をよく読み込むことが大切です。

    また勉強の中心に一問一答を据えてしまうとただ単語の暗記のみの勉強になってしまい、記述力の向上に繋がらなくなる場合があります。ぜひあくまでも一問一答は補助教材として扱い、二次試験での記述練習や教科書の読み込みに多く時間を割くようにしてみてください。(文1・1年)


    僕は日本史の一問一答をする前に、教科書や研究ノート(これは学校によっては使っていないかもしれませんが…)で解く範囲を暗記してから一問一答の問題集に取り組んでいました。そして、間違えたところや、問題文に出てきた事項などを再度教科書などで確認して定着させていました。地味な作業かもしれませんが、暗記して一問一答を解いて確認する作業は、問題集1ページ分ならかかっても30分くらいで終わると思います。

    ほかの教科に飽きたときなど、気分転換くらいの気持ちでやってみるのもいいかもしれません。(文1・1年)