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  • 東大合格に塾・予備校は必要? 現役東大生に聞いてみた!

    東大合格に塾・予備校は必要? 現役東大生に聞いてみた!

    はじめに

    東大を目指すのに、塾・予備校って通うべきなのかな……?

    そう悩んでいる読者の皆さんは少なくないはず。

    ただし、いざ判断材料を探すとなった時、宣伝効果のことを考えてしまうと塾・予備校のパンフレットはどこまでが客観的な情報なのか分からないですし、周りの同級生はまだ成功経験者ではないので意見を聞くにしてもなかなか参考にしづらいですよね。

    現役東大生の生の声を聞きたい!

    今回は、そんな皆さんのニーズにお応えして、FairWindメンバー35人にアンケートをとり、受験生の時の塾・予備校の使用実態を調査してみました。

    果たして現役東大生は塾・予備校に通っていたのでしょうか?

    東大生の声 ~塾・予備校に通っていた東大生編~

    塾・予備校に通っていたのは35人中24人でした。塾・予備校に通い始めた時期、通っていた場所、選んだ理由、そして通ってよかったと思うことについて聞いてみました。

    塾・予備校に通いはじめた時期

    塾・予備校に通い始めた時期としては、高校生以前からが6名、高校生からが11名、浪人生からが7名いました。(複数の塾・予備校に通っていた場合、それぞれ1人分として計算)

    高校生から通い始めた方々の具体的な通い始めの時期としては高校1年生からが4名、高校2年生からが4名、高校3年生からが3名とほぼ均等に分かれ、特定の学年に集中しているわけではありませんでした。

    人によって通い始めの時期は様々のようです。

    通っていた塾・予備校

    通っていた塾・予備校は、河合塾が7名、駿台が6名、東進が4名、鉄緑会が2名、代ゼミが1名、その他が6名でした。(複数の塾・予備校に通っていた場合、それぞれ1人分として計算)

    こちらも特定の塾・予備校に集中している、というわけではありませんでした。
    FairWindに所属する東大生のほとんどが地方高校出身であるため、塾・予備校の全国展開の規模によって結果が多少変わると思われます。

    いずれにせよ、相性の合う塾・予備校というものは人によって異なるようです。

    選んだ理由

    ①塾・予備校ならではの良さに惹かれた

    体験入塾や講習会で塾・予備校の授業の楽しさに気づいた方が複数いたようです。
    また、学校のカリキュラムと自分の学習スタイルが合わなかったため、塾・予備校がうまく補完してくれそうだったという声が聞かれました。

    集団で受ける対面授業か個別で受ける映像授業のどちらが良いかという点については人それぞれのようです。
    中には現役生の時と浪人生の時とで学習スタイルを変え、授業形態を映像から対面に変えた方もいました。

    他には、地元での評判が一番良かったり地元で最も有力だったりする塾・予備校を選んだという声が聞かれました。
    特に合格実績に注目した方もいました。

    ②通いやすかった

    金銭面では授業料が安いところを選んだという声が聞かれました。
    中には特待制度を利用したという方もいました。

    また自宅からの通いやすさ、通学時間の良さを理由に塾・予備校に通うことを決めた方もいたようです。

    ③環境に影響された

    兄弟、友達が多く通っていたという理由から周りに合わせて塾・予備校を選んだ方が特に多かったです。
    (逆に周りが通っていたからという理由で選んだら大失敗だったという声も……)
    中には兄弟揃って同じ予備校で浪人して合格したという経験談も!

    また、地方ならではということで、そもそも選べる大手塾が限られていたという方が数人いました。

    また浪人を経験した人たちからは、宅浪は親が許さなかったことや予備校に行けば勉強はさぼらないだろうという考えがあったとの声も。

    ④行く必要性を感じた

    特定の塾・予備校を意識したわけではなくても、そもそも行くべき時期になったと感じたり、自分の勉強だけで受かると思えなかったりして自ら進んで塾・予備校に通うことを選んだ方がいました。

    東大合格の一番の近道であると感じて通うようになった方もいたようです。

    通ってよかったこと

    ①楽しく勉強できた

    勉強を楽しいと思えたまま受験に臨めたことをあげた方が何人かいらっしゃいました。素敵ですね!

    ②授業・先生がハイレベルだった

    地元の塾・予備校や高校では学べないような高いレベルの授業を受けられたなどといった授業の質の高さや、良い先生が授業してくれたり個性的で知識のある先生に出会えたりするなどの講師の良さについてあげる方がいました。

    ③塾・予備校ならではの強みがあった

    高校のレベルがあまり高くないため高校で習う内容だけでは足りておらず、受験に特化した知識・戦略を学べた、勉強に関して信頼でき完全に身を任せられる情報源を得られた、自分で一から学んだらたどりつけない受験の心得や役立つ考え・東大の傾向などをサクッと手に入れられた、などといった塾・予備校ならではの強みを上げてくださる方が多くいました。

    ④質問できる環境だった

    満足するまで講師に質問できた、質問できる環境があったという声も。

    一見高校でもできそうですが、高校の先生方は時に事務作業や部活動の指導に追われ職員室にいなかったりしますよね。
    塾・予備校では先生方は教えることに特化していますから、講師室に行けばほぼ必ず質問に対応してくれます。

    ⑤ライバルがいた

    周りに競える人がたくさんいた、優秀なライバルと競えた、切磋琢磨できたなどといった声が多数寄せられました。

    そのほか、高校には東大目指す同期・先輩がほとんどいないが塾・予備校に通うことで東大志望や東大生とたくさん出会えたという方や、周りのレベルを知ることができ、競争相手の実力が分かることで変に焦らなくてよかったという方も。

    また、模試の受験者が多い、東大志望の人が多く集まって集中的に対策できたという声もありました。

    ⑥施設がよかった

    校舎がきれいであることや学校が開いていないときでも自習室を使えるなど、施設面で充実していることをあげる方がいました。

    ⑦ペースメーカーになった

    学校の授業進度が遅かったり部活が忙しかったりするなどの理由で、自分のペースに合う勉強ができる塾・予備校を選んだという声が聞かれました。

    また、塾・予備校で深い理解で先取りができた人もいれば、自分で計画立てるのが苦手で塾・予備校に通うことで授業のペースに合う勉強をできたという方もいました。

    中には生活リズムを保てたり勉強の習慣がついたりした方もいたようです。

    ⑧その他

    塾・予備校に通うことで東大を目指そうと思えたと答えた方がいました。

    また、映像授業で何回も授業を見ることができた、大手だが少人数指導で添削も丁寧にたくさんしてもらえた、良質なテキストを使えた、いろいろな大学の問題に触れることができたなどといった意見もありました。

    まとめ

    塾・予備校に通っていた方は、良くも悪くも周りの環境に影響されている部分があり、ライバルの存在を感じられるという点をよいこととして挙げている方が多かった印象です。
    また、自分の学習スタイルとの相性ペースメーカーとしての塾・予備校の役割を挙げる方も数多くいました。

    塾・予備校に通うかどうか迷ったら、まずは無料の体験授業を受けるのも一つの手かもしれません!

    東大生の声 ~塾・予備校に通っていなかった東大生編~

    塾・予備校に通っていなかった東大生は35人中11人いました。塾・予備校に通わなかった理由、塾・予備校に通う代わりに自分でしていた勉強、通わなくてよかったと思うことについて聞いてみました。

    塾・予備校に行かなかった理由

    ①高校での勉強で十分だった

    学校で東大対策の授業があったことから高校での勉強だけで十分だった方、塾に通わずにある程度の成績を保てていたため通う必要性を感じていなかった方がいたようです。

    また、最低限高校で学んだことを問題演習に生かしていく勉強の方がレベルアップにつながると考えた方も。

    ②距離の制約があった

    近所に大学受験の塾がないことなどから通学に時間をとられることを気にした方も多かったです。

    また、地方ならではのこととして、東大を目指せるレベルの塾がなかったことを挙げた方もいました。

    ③塾のスタイルが嫌だった

    塾に行く体力がない、勉強を強制されるのが嫌い、口出しされたくないなど、自分の生活習慣や勉強法と合わなかった方がいたようです。

    塾・予備校に行く代わりにしていた勉強

    ①学校・通信教材に頼った

    高校が提供してくれる東大対策の授業や過去問添削、Z会の東大コースの添削指導(過去問演習)をうまく活用していた方が多かったようです。
    具体的な勉強法として、普段は学校から用意された課題や教材での学習に全力に取り組み課題と復習に時間をかけ、二次試験前は問題の形式や自分の得意・不得意を分析して自分に合った戦略を立てていたという声も。

    中にはネットの情報はあまり見ずに、勉強法など分からないことはすべて先生に聞いたという方もいました。 

    ②自分で頑張った

    複数の塾・予備校の東大模試問題集や共通テスト実践問題集、東大の過去問など、市販の参考書・問題集を解いたり、ネットで情報を集めたりして自分で対策していた方もいました。
    自分で課題を見つけて、それを解決することを繰り返していたようです。

    塾・予備校に行かなくてよかったと思うこと

    ①自分のペースで勉強できた

    塾・予備校のカリキュラムに沿わなくて良いことで、勉強を強制されず自分のやりたい勉強を自分のペースでのびのびとできたという方が多かったです。

    中には、高校から提示される1種類の勉強法や参考書類を利用することで、どの勉強法や参考書類を採用するか悩んだりどの参考書に情報が書いてあるか探さなければならなくなったりすることが少なかったという方もいました。

    また、塾で指定された勉強方法に縛られなかったことで自分に合った勉強法を見つける能力がつき、大学の授業でもその能力を活用することができたという体験談も!

    さらに、勉強時間が他の人より少ないかもしれないと焦ったことがあったが、塾に通わなかったことには全く後悔していないという声も寄せられました。

    ②お金の節約になった

    塾・予備校代を大きく省けることで教育費がおさえられたことを挙げる方も。

    ご家庭によって状況は様々だと思いますが、金銭面に関しては慎重な判断が必要ですね。
    塾・予備校に通うことを許可してくれた親御さんには、感謝の気持ちを忘れないようにしましょう。

    ③時間を効率よく使えた

    通塾時間が省けることで自学自習の時間などが増えたという方が数名いました。
    塾・予備校の拘束時間は結構長いですものね……。

    まとめ

    塾・予備校に通っていなかった人は、学校の勉強だけで十分であるという人と自力で勉強できると考えたという人の大きく2つに分かれていました。

    通わなくてよかった点としては、自分のペースでできる自由性金銭や時間の制約をあげる人が多かったです。
    東大生の中にも塾・予備校に通うことなく合格を勝ち取った人は少なくありません!
    自分でできることもたくさんあります!

    おわりに

    塾・予備校に通うかどうかを判断するにあたって、その基準については個人差はあるものの、自分の学習スタイルとの相性の良さをはじめとした一定の共通点を見出すことができました。

    塾・予備校の利用の必要性について、大学受験を終えたときに自分の選択に悔いの残らないよう、今回の記事を参考にしながらじっくり考えてみてください。

    ただし忘れてはいけないのは、どのような選択をしたとしても勉強する主体は自分自身であり、自ら努力する姿勢を絶やさないことが大切であるということです。

    挫折しそうになった時も、自分が東大を目指そうと決めた時の初心を思い出して、自分を信じて頑張ってください! 応援しています。

  • 【東大生に聞く】受験本番のメンタル立て直し術【大ピンチ!?】

    【東大生に聞く】受験本番のメンタル立て直し術【大ピンチ!?】

    いくら受験に向けて勉強していても、本番の試験で実力が出せない不安は、ついてまわるものですよね。

    特に、試験でピンチに陥って、自分のペースが乱れて実力が出せなかった……という想像で不安になる人も、少なくないのではないでしょうか?

    試験の内容部分(問題)については、本番に向けて実力をつけていくことができますが、本番での気の持ちようは練習が難しいですよね。

    そこで実際にピンチに陥りながらも受験を乗り越えた東大生たちにアンケートを取ってみました。この記事では、その結果をご紹介します!

    項目は、

    1. 受験本番でメンタルが崩れそうになったときはいつか? また、それはなぜ?
    2. そのときの感情は?
    3. その後どうやってメンタルを立て直した?

    の3つです。

    今回は、共通テスト編二次試験編の2つに分けて紹介していきます。気になるエピソードだけでもぜひチェックしてみてください!

    私はこうやってピンチを乗り越えた! ~共通テスト編~

    大問が半分分からない!?(理科二類 1年)

    ── 受験本番でメンタルが崩れそうになったときはいつ? 

    数学ⅠAの時間、大問1、2が半分くらい分からなかったとき。

    ── そのときの感情は?

    終わったと思った。

    ── その後どうやってメンタルを立て直した?

    割り切って分からない問題は全て飛ばして、急いで最後まで行って戻って来ればまだ大丈夫と自分に言い聞かせた。

    共通テストは時間との勝負。分からない問題が多いとパニックになりますよね。
    そんなときこそ、点数をとる戦略に集中して乗り切ることも大切です。

    また、この方のように、「わからない問題が多いときは割り切って飛ばす」などと事前に決めておいてもよいかもしれません。

    完答が当たり前だったのに……(理科二類 1年)

    ── 受験本番でメンタルが崩れそうになったときはいつ? 

    共通テストの数学の後。いつも完答が当たり前と思っていたのに、ⅠAもⅡBも解き終わらなかったから。

    ── そのときの感情は?

    理系科目で点を稼がないといけないのにやらかした。文系科目もあんまり手応えがない……どうしよう。

    ── その後どうやってメンタルを立て直した?

    休憩時間に高校の友達と他愛のない話をして心を落ち着かせた。理科で絶対挽回する! と心を入れ替えて、数学のことは一旦忘れることにした。

    休憩時間に友達と話したり、あるいは少し散歩するなどして平常心を取り戻すことができたという声もいくつか聞かれました。

    試験から一旦頭を切り替えることで落ち着くことができるのかもしれません。

    また、終わった科目は考えず、次の科目に集中するというのも切り替えの方法として多く聞かれました。

    私はこうやってピンチを乗り越えた! ~二次試験編~

    隣の人が優秀!?(文科三類 1年)

    ── 受験本番でメンタルが崩れそうになったときはいつ?

    隣の席の人が、全ての教科において問題を解き終わるのが異常に早かったとき。

    ── そのときの感情は?

    自分は時間ギリギリなのに隣の人は見直しにも時間を割いている、どうしよう……。

    ── その後どうやってメンタルを立て直した?

    見直しをすれば必ずしも良い答案が書けるというわけではないと考えるようにした。

    試験のときに隣の席の人が気になる、というのは受験生あるあるかもしれません。この例のように、隣の人が優秀そうだと嫌でも意識してしまいますよね……。

    ただ、それでメンタルを崩してはもったいないというもの。隣の人の点数も実際は分からないのですから、発想を転換することも大切です。

    数学0完の危機!(文科一類 1年)

    ── 受験本番でメンタルが崩れそうになったときはいつ?

     二次の数学のとき。解ける問題がなくて、1問も完答できそうになかった。

    ── そのときの感情は? 

    0完はやばい、どうにかして解かないと……。

    ── その後どうやってメンタルを立て直した?

    めちゃめちゃ焦ったが、「あれだけ過去問を解いてきたのに今全く解けないってことは難化してるってことだから、他の人も解けてない」と思い、落ち着いて思いつく限りのことを書いた。

    本番に向けて努力を積み重ねてきたのに解けない! という状況は誰しもパニックになってしまいそうですが、逆に言うと、それだけ問題が難化したのかもしれません。

    実際、今年(2022年)の共通テストは難化したことで有名ですが、今でも時折東大生の間で難しかったと話題になることがあります。

    自分が難しいと感じた問題は、他の人にとっても難しい可能性が高いので、この方のように、焦りすぎず落ち着いて今できることに集中することが重要です。

    数学の手ごたえが……(理科三類 1年)

    ── 受験本番でメンタルが崩れそうになったときはいつ? 

     二次の数学終了後。目標点の最低ラインに全然届いてなさそうだったし、解答用紙を回収された後に1問解法を思いついてしまった。

    ── そのときの感情は?

      落ちたかもしれない……。

    ── その後どうやってメンタルを立て直した?

    今までの努力が全く報われないのは嫌だから、せめて2日目の教科で今年の勉強の成果を出そうと心に決めて、2日目の試験に挑んだ。

    試験でうまくいかないことがあるとつい合否のことを考えて追い詰められてしまいますが、「自分の努力の成果を出す」というモチベーションがあれば、最後まで頑張りやすいかもしれません。

    余談ですが、筆者(文系)も世界史の大論述が時間内に終わらなさそうでパニックになったとき、ここで書かなかったら今までの努力を裏切ってしまう! と、なんとか震える腕を押さえて書ききったことがあります。

    おわりに

    いかがでしたか。

    今は東京大学で学んでいる学生も、もともとは普通の受験生として失敗し、くじけそうになりながらも試験を乗り切ってきました。

    くじけそうになった時こそ勝負所

    受験生のみなさん、ぜひ粘り強く頑張ってください!

  • 【勉強も、それ以外も!】理想の高校生活を求めて【合格体験記】

    【勉強も、それ以外も!】理想の高校生活を求めて【合格体験記】

    東大生はみんな受験時代勉強漬けだったのでしょうか?

    結論から言うと、そんなことはありません。一生に一度の高校生活です。しっかりと満喫していきましょう!
    この記事では、勉強と他の活動を両立させながら現役合格を果たした先輩の体験をご紹介します。


    はじめに

    「東大に合格するためには、勉強ばかりの生活を送らないといけない」
    このようなイメージを持っている方は、みなさんの中にも多いのではないでしょうか?

    私は、勉強を常に取り入れつつも、「勉強ばかりではない高校生活」を送ってきました。
    というのも、自分のやりたいことを諦めたくなかった私にとって、それが理想的な高校生活だったからです。

    この記事では、結果的に東大に合格できた私が、実際にどのような高校生活を送っていたかを紹介します。

    もちろん、東大合格の一番の近道が勉強なのは大前提であり、私の高校生活は模範的とはいえないかもしれませんが、「こんな過ごし方もできるんだな」くらいの気持ちで読んでいただければと思います。

    (今回の記事では、具体的な勉強法にはあまり触れていません。東大生の勉強法が気になる方は、各教科の勉強法の記事をご覧ください。)


    1年生

    がむしゃらに勉強していた入学当初

    地方の公立中学から県内トップレベルの高校に進学した私は、入学当初は同級生との実力の差を感じ、不安しかありませんでした。
    中学時代の成績は上位だったので、入学直後のテストで校内順位が100位以下だったときは、周りのレベルの高さも分かっていたつもりでしたが、やはりショックを受けました。

    そんな中、地元中学とは比べ物にならない量の課題が出され、予習も必須となり、必死に勉強する日々が続きました。
    「ちゃんとやらなきゃ」という気持ちが、自分を体力的にも精神的にも追い込んでいました。学校があれほど嫌になったのは1年生のこの時期くらいです。

    しかし、同級生とよく話すようになると、悩んでいるのが自分だけではないことに気づき、少しずつ気持ちが楽になっていきました。

    「勉強以外もやっていい」ことへの気づき

    入学してしばらく経った頃、私は小学4年生から始めた卓球を高校でも続けるために、卓球部への所属を決めました。

    週6回の活動によって勉強が疎かになるのではという不安もありましたが、卓球を続けたい気持ちは、それ以上に強いものでした。
    また、勉強以外のことに熱中できる部活動の時間は、自分にとっての気分転換にもなっていたように思います。

    入部後は、勉強にかける時間を確保するために、時間の使い方への意識が高まりました。

    たとえば、片道1時間かかる通学時間は、電車で単語帳を開いたり、一緒に登校する友達と世界史の問題を出し合ったりして勉強時間に変えました。授業間の休み時間もほぼ勉強にあてました。

    こうした勉強時間の生み出し方を学んでから、勉強以外のことも十分やれるのだと気づきました。やりたいことが多い自分には、勉強をやりつつ他のことも楽しむというスタイルが合っていたのだと思います。

    部活動や行事など、勉強以外の活動を通して友人も増え、高校生活が楽しめるようになっていきました。


    2年生

    学習習慣の確立

    2年生になり高校生活に慣れてくると、自分の生活リズムに合わせた学習習慣が確立し、1年生の時よりも効率的に学習できるようになりました。

    具体的には、私は夜が苦手だったので学習塾には通わず、早起きをして課題や予習に取り組むようにしました。
    そのため、起床後は5時半まで、朝食後は6時半まで、登校後は8時半までというように、朝の勉強時間は固定化され、習慣的に勉強をするようになりました。

    また、学習計画は細かく立てたいタイプだったので、テキストを1日何ページ進めれば期限通りに課題が終わるか計算し、部活などの忙しさも考慮しながら、その日のノルマを定めていました。
    そのおかげで、自分の学習の進み具合を把握しやすく、ある程度自己管理ができていたように思います。

    東大に憧れをもった夏

    私が東大を目指すようになったきっかけは、2年生の夏に行われた大学探訪です。

    東京を訪れ、東大在学中の母校OB・OGの方々とお話をし、「東大生」に漠然とした憧れを持つようになりました

    数学や物理が苦手だった私は、文系を選択したことで成績が少しずつ上がり始めてはいましたが、当時はまだ東大を目指せるほどの実力も自信もありませんでした。

    ただ、目標は高いほうがいいかなと思い、この頃から模試の第一志望欄に東京大学と書くようになりました。

    部活動を通して気づいた精神面の弱さ

    他方、部活動では、後輩が入部して練習がますます楽しくなり、先輩方が引退して女子部のキャプテンになったので、試合で勝ちたい気持ちも強くなっていました。

    そんな矢先、秋の大会でふと「失敗しそう」と思った直後、うまくボールが打てなくなってしまいました
    しかも1回だけではなく、その後の練習でも同じ調子でした。

    急に下手になるとは考えにくいので、きっと精神的な問題だったのでしょう。
    実力を発揮できないつらさ、キャプテンの重圧、今後の不安などが重なって、気持ちの整理をつけることはかなり難しかったです。

    思わぬ形で精神面の弱さに気づくこととなりましたが、周りの人に励まされながらその弱さに向き合い、元通りではないもののある程度改善することはできました。

    色々と試した上で効果があったように感じたのは、自分にとっての「お守り」を身につけることでした。

    大会では、友人からの応援の手紙や、自分を鼓舞する言葉を書いたメモをポケットに入れて、「大丈夫、大丈夫」と唱えることにしたのです。
    不思議なもので、それだけでも気持ちを少しは落ち着けられるようになりました。

    今でも、「あの出来事がなければもっと楽しめたのに」と思うこともありますが、プレッシャーがより大きいであろう入試を迎える前に精神面の弱さに向き合えたことは、自分にとって大きかったと思います。


    3年生

    高校生活最後の行事を全力で楽しむ

    学年が上がり、ついに受験生となりましたが、一生に一度の高校生活を友人たちと一緒に楽しみたかった私は、高校生活最後の行事へ積極的に関わることに決めます。

    特に、最も大きな学校行事である9月の体育大会では、応援関係のリーダーとして夏休み前から準備を重ねました。

    受験生の夏休みに勉強以外のことに熱中するのはリスクを伴う選択であり、実際に活動期間中は勉強が身に入らないことも多くて焦りや不安もありましたが、高校生の間にしかできないような貴重な経験ができました。

    また、行事を通してますます友人たちとの距離が縮まり、どんなに疲れていても友人と話すだけで元気をもらっていました。

    勉強の遅れを感じつつ受験モードに突入

    全ての行事を終えたのは10月末で、そこから一気に受験モードへと切り替えました

    勉強以外にもエネルギーを注いだ分、周りの受験生から遅れをとっていたことは事実なので、巻き返しのために時間を見つけてはとにかく勉強をしていました

    各教科の課題を克服すべく、教科担当の先生方に添削をお願いし、自分の苦手分野と正面から向き合いました。

    しかし、特に苦手意識の強かった数学が足を引っ張り、模試でもB以上の判定はほとんど取れず、過去問を解いてもなかなか目標点に届かなかったので、入試が近づくにつれて不安が増していきました。

    受験期の心の支え

    不安に苛まれていた受験期は、周りの人からの支えのありがたみを強く感じていた時期でもあります。

    担任の先生は、たとえ模試の判定が悪くても、どこを改善したら良いか指摘した上で、大丈夫という言葉をかけてくれました。

    地元の大学に進学してほしそうだった家族も、努力を認め、「あんたは運のいい子だから」と言い続けて応援してくれました。

    友人も、私が不安な気持ちを口にしたら励ましてくれる人たちばかりでした。

    そうした励ましが私にとっての救いになり、東大への受験を決めたのは自分なのだから頑張ろうという気持ちを強くさせてくれました。

    入試当日から合格発表まで

    ついに迎えた東大入試当日は、緊張と不安でいっぱいでしたが、お守りたちをリュックに入れ、頑張ってきた自分を信じるしかないと思いながら会場に向かいました。

    試験開始直前に見返す用のノートには、自分が間違えやすいところを厳選して書いただけではなく、緊張することを見越して自分を励ます言葉も最初のページに添えていました。

    直前に最初のページを見返して、いつものごとく「大丈夫、大丈夫」と唱えていたのを今も覚えています。

    自分を信じて挑んだ1日目でしたが、最も心配していた数学で思うように問題が解けず、2日目が残っているのにホテルで一人落ち込んでいました。

    なんとか立て直して2日目を乗り切りましたが、合格点に届いているとは思えず、合格発表が怖くて仕方ありませんでした。

    だからこそ、合格者の中に自分の受験番号があったときは、喜びと驚きと安堵が入り混じって涙が止まりませんでした。自分の努力を心から認めることができたのも、このときでした。


    おわりに

    以上が私の送った「勉強ばかりではない高校生活」です。いかがだったでしょうか?

    勉強以外にもエネルギーを注いだ分、受験の面で周りよりも出遅れたことは否めませんし、勉強に集中していれば入試にも自信を持って挑めたのかもしれません。

    しかし、高校時代に妥協せずやりたいことに取り組んだのは、自分にとって正解だったと思っています。

    なぜなら、それが理想の高校生活だったから、そして、部活動や行事を通して、精神面の弱さへの向き合い方を学び、お互いに励まし合える友人関係を築けたように、やりたいことを追い求めた結果得られたものも多くあったからです。

    もちろん、全てを追い求めるのは現実的には難しく、多少の取捨選択も必要ではありますが、できないと思いこんで、やりたいことを諦めてしまうのは勿体無いのではないかと私は思います。

    多少のリスクが伴うことを理解し、それなりの覚悟をもった上で、やりたいことを追求してみても良いのではないでしょうか。

    この記事を最後まで読んでくださったみなさんには、自分は何をやりたくて、どんな高校生活を送りたいのか、ぜひ一度立ち止まって考えてみてほしいです。

    みなさんが、自分にとって「これが正解だ」と思えるような高校生活を送れることを祈っています。

  • 【メルマガ試し読み】今しんどいと思っている高校生へ

    【メルマガ試し読み】今しんどいと思っている高校生へ

    過去に配信されたメールマガジンの記事になります。東大生の生の声が綴られています。お楽しみください!(なお、執筆者の科類や学年は執筆時点でのものとなります。)


    理科一類2年 U.H.

    こんにちは!今回は、精神的にしんどいな、と思っている方に少しでも寄り添いたいと思い、この記事を書かせていただきました。 他のメルマガの記事は技術的なことが多いと思うので、軽く読んでいただければと思います。 

    この記事を読んでくださっている皆さんの中には、「しんどい」「つらい」と思っている方もいるかと思います。 しかし、精神的に辛いと思う理由は人によって千差万別です。 
    例えば、「成績が上がらない」だったり、「部活がうまくいかない」だったり、あるいは「人間関係がうまくいかない」と感じているかもしれません。 

    「しんどい」と感じる理由はおそらく人それぞれだとは思いますが、それぞれに共通していることはあると思います。 それは、「特定の世界に閉じこもっていること」だと思います。 
    例えば、成績が向上しないことに悩んでいる人は、あれをやっても成績が伸びない、これをやっても成績が伸びないと、 『受験の世界』にばかり目が行きがちで、他のことに目が行きづらい状態になっていると思います。 その他にしんどいのも、『部活の世界』あるいは『友達関係の世界』にちょっとだけのめり込みすぎているのかもしれません。 

    そのような時は、一旦落ち着いて視野を広げてみてください。 具体的には、今自分が悩んでいる環境から離れてみたり、離れることが難しいなら、普段自分がしないような行動を心がけてみるといいと思います。 
    例えば、勉強を少し休んで散歩や運動をしてみたり、部活を少し休んでみたり、友達に相談してみたり、などです。 そうすることによって、皆さんの悩みが少し相対化されるのではないでしょうか。 皆さんの悩んでいることはきっといい方向に向かうし、たとえ解決しなくても、自分の抱えていたしんどさが少し小さく感じられると思います。 

    しかし、受験を控えている高校生、特に高校3年生は「今はしんどいのは当たり前、それを乗り越えてこそ受験」のような、 自分の抱えるしんどさを精神論で乗り切るように指導されたり、受験に対してそのような不文律を感じ取ってしまっている人も多いのではないでしょうか。これらの指導や空気感は、受験生に対して、ある種の「しんどさ」を強要しているようにも見えます。 さらに、受験は点数のみで結果が出る一元的な世界です。『受験の世界』に閉じこもってしまっても仕方がないと思います。 

    ここから先はなんの気休めにもならないかもしれませんが、しんどいなら、少し休んでもいいと思います。 大学に入れば、今きっと皆さんが感じている『受験の世界』の圧力もどうでもよくなるほど、いろんな人がいて、いろんな価値観が存在します。 大学は高校とは比べ物にならないほど広い世界です。まだ大学生の私がそう感じるのだから、きっと大学を卒業してから感じる社会はもっと広いのだと思います。 『受験の世界』で結果を出すのも大事ですが、それだけではありません。しんどい時こそ、一度立ち止まってみることも大切だと思っています。 

    もちろん頑張るのは大切です。しかし、そこで精神を壊してしまうほど、『受験の世界』に閉じこもるのも違うと思います。 自分のできる限りの努力をして、休む時は休んで、受験に臨んでください!応援しています!

     


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  • 【逆境を味方に】地方から効率アップで東大へ【合格体験記】

    【逆境を味方に】地方から効率アップで東大へ【合格体験記】

    ↑ 高校3年生のときの教室


    はじめに

    東大生のうち、首都圏出身者は約6割。初めて見る人にとっては衝撃の数字ではないでしょうか。

    しかし、都会に住んでいなければ東大合格は難しいか、有名な塾に通わなければいけないかというと、必ずしもそうではありません。

    この記事では、東大とは無縁の田舎から文科二類に合格した私の経験と工夫をお伝えします。


    ど田舎から東大へ

    私の出身は、佐賀平野の端のとある町です。家の周りには田畑が広がり、3km先にある2階建ての中学校を望むことができました。

    大学進学が決して当たり前ではない地域で、東大をはじめとする最難関大はテレビの中の遠い存在でした。中学では部活動中心の日々が続き、最後の夏の大会が終わるまで、受験に向けた勉強はほとんどしていませんでした。

    そんなど田舎で育った私が東大を意識し始めたのは、高校1年の夏でした。

    県内ではトップといわれる公立高校に進むことができ、同級生のレベルの高さを思い知らされていた時期です。
    将来の目標どころか、文系と理系のどちらに進むかすら決め切れていなかった中、当時の学年主任の先生から呼び出され、こんな風に声をかけられます。

    「入ったあとに学部を選べる大学もあるよ」

    「ちなみに東大っていうんだけど」

    今思えば妙な誘い文句です。

    まさか自分が東大を目指すことになるとは思っていなかったので、その場では苦笑いと曖昧な返事でごまかしました。
    それ以降、どこかこそばゆく感じながらも、模試などの志望欄に「東大」と書いてみるようになりました。


    電車通学生の勉強法

    高校時代は電車通学で、家から学校まで片道1時間ほどかかっていました。

    電車といっても、都会のように便利なものではありません。自宅の最寄駅に停まるのは1時間に1本、昼間にいたっては2時間に1本しかないというひどい有様でした。1分の寝坊が命取りです。その気にならずとも、時刻表はすべて頭に入ります。

    北部九州の進学校には、いまだに朝補習(0限)の文化が残っているところがあります。私の母校もその例に漏れず、7時50分から一日の授業が始まっていました。

    その時間に間に合うために朝は6時起き、放課後はバドミントン部の活動後、21時ごろに帰宅する生活が続きます。平日は疲れてしまって十分な勉強時間を確保できず、授業の課題をこなすのがやっとでした。

    中には3年間だけ高校の近くに引っ越す友人もいましたが、そんなことはできません。
    環境を変えられないのならば、自分が変わるしかない。逆境も逆手にとってしまえばこっちのものです。少ない勉強時間で確実に力を伸ばしていくため、自然と効率を重視するようになりました。

    具体的な方法は次の2つです。
    1. 授業で9割理解する
    2. 電車の時間でコツコツ暗記


    1. 授業で9割理解する

    学校で授業を受けている時間は、毎日7時間ほど。これより家庭学習の時間のほうが長いという人はほとんどいないでしょう。

    ならば、授業をおざなりにする手はありません。特に私の場合、塾や通信教育は利用していなかったので、学校の授業がすべてでした。授業の内容はその場で理解してしまうことを目標にして、疑問点はその日のうちに解消するよう徹底していました。

    一度理解してしまえば、あとは定期試験や模試の前に苦手な部分を確認するだけで十分です。まとめて復習するのと比べると、効率は格段に上がります。

    ここでのポイントは、覚えるのではなく「理解」することです。

    授業中、板書を写しながら、常に「なぜ」を意識するようにしていました。

    文系であれば、社会科目が一番わかりやすいかもしれません。

    たとえば、なぜオーストラリアで白人至上主義が形成されたのか。なぜ東京に人口が集中するのか。授業中に先生が話してくれるのは、事実や答えの背景にある「なぜ」の部分です。教科の枠を超え、地学や生物の知識ともつながって本当に楽しかったのを覚えています。

    数学などでも同様です。

    ベクトルの使い方を知るだけではなく、なぜその問題でベクトルが役立つのかを考える。穴埋め式の試験でしか使えないような小手先の技を覚える前に、なぜその方法が成り立つのかを確かめる。正解にたどり着くまでの思考を言語化することで応用の幅が広がり、記憶にも残りやすくなります。

    このように「なぜ」を理解していたからこそ、東大の入試問題にも楽しく取り組めたのではないかと思います。


    2. 電車の時間でコツコツ暗記

    理解重視で勉強してきた私ですが、中学時代からずっと苦しんでいたことがありました。

    暗記です。

    様々な知識がつながっていくのが楽しかった反面、何の関連もない事柄をひたすら覚えるのは大の苦手だったのです。

    電車に揺られる時間は片道30分ほど。最初のうちは、移動時間くらいゆっくりしたいと割り切っていました。

    しかし、高2になって「覚えていないから解けない」という問題が増えてきてからは、さすがに悔しさと危機感を抱きはじめました。

    まずは英単語帳からはじめ、その日の気分に応じて4択式の英文法の問題集や古文単語帳を開くようになりました。時にはスマホを使ってCDの音声を聞いたり、気になるところをその場で調べたりしながら取り組むこともありました。

    言語ですから、すべてに明確な由来があるわけではありませんが、たとえば「pull up」で「駐車する」という意味になるのは、手綱を引いて馬を止める動作の名残です。これを知るだけで絶対に忘れなくなります。

    何度も毎日繰り返していくうちに習慣化し、受験期には社会や理科の暗記も電車の中で済ませるようになりました。

    結局、机の前に座って「今から暗記をやるぞ!」という時間を作ったことはほとんどなかったのですが、むしろ電車の中でちょっと確認するくらいのほうが気軽で良かったのかもしれません。

    1日1時間でも、2年間続ければ約700時間。我ながら置かれた環境をうまく利用できたと思っています。


    支えてくれたもの

    質を高めることで相対的な勉強量の不足をカバーして、高3の秋までにはなんとか東大を狙えるレベルに到達することができました。

    周囲からはこのままいけば大丈夫だろうと言われるようになり、私自身もそう信じて突き進んでいました。

    しかし、二次試験の直前、それも東京に向けて出発する前日になって、それまでに感じたことのなかった強い不安に襲われます。これまでに積み重ねてきたことよりもやり損ねたことに目が行き、培ってきたはずの自信を完全に失ってしまいました。

    この1年間、自分がやりたかったことを犠牲にし、負担になりそうな人間関係を多少切り捨ててまで勉強を最優先にしてきたのに、それがすべて無駄になってしまうのではないか。その怖さは今でも鮮明に覚えています。

    ついには、私が東大を目指すきっかけを作ってくれた学年主任の先生の前で涙をこぼしてしまいました。

    そんなとき私を支えてくれたのは、他でもなく、それまで切磋琢磨してきた友達でした。「本当はめっちゃ怖い」「さすがにしんどい」と弱音を吐くことができたのは、それが初めてだったと思います。

    きっと大丈夫と言われていただけに、勝手にいろいろなことを背負ってしまっていたのでしょう。受験会場に到着してからも、その友達の顔を思い浮かべると心を落ち着けることができたような気がします。自分のことで精一杯だったはずなのに私に寄り添ってくれた友達には、今も心から感謝しています。

    高校時代を振り返ってみても、一番楽しかったのは、放課後の教室で友達と一緒にわからん、わからん、と言いながらなんとか目の前の問題を理解しようとしていた時間でした。1人で考えたこと、1人で覚えたことよりも、友達と一緒にやったことのほうが何倍も記憶に残りやすかったと思います。

    もちろん、同級生だけでなく、応援してくれた家族や地元の友達、最後の最後まで向き合ってくれた先生、本当に多くの人に支えられていたからこその合格でした。

    受験前に作成していた「合格したら報告する人」のリストは、200人をゆうに超えていました。


    おわりに 〜始まらないキャンパスライフ〜

    学年主任の先生の前で涙を流したのは全部で2回。1回目は受験直前、2回目は合格発表の日。嬉しさと安堵と感謝がぐちゃぐちゃに入り混じった涙でした。

    しかし、喜べたのも束の間。上京後の私を待っていたのは、思い描いていたものとは全く違う生活でした。

    コロナ禍で入学式は中止。
    キャンパスに行くこともできず、数少ない友人との交流はすべて画面上。

    せっかく興味深い講義を聞いても、それについて語り合える相手がいない。それどころか、毎日出される大量の課題に追われるばかり。高校時代は思考すること、議論することがあんなにも楽しかったはずなのに。

    このままでは、これまで自分を支えてくれた人に顔向けできない。そんな思いも脳裏をよぎります。と同時に、そうした支えが受験期の自分にとっていかに大きなものだったたか痛感しています。

    自らの選んだ道が間違っていなかったと自信を持って言えるのは、もう少し先のことになりそうです。

    努力の結果が思い通りの形になるかは、誰にもわかりません。
    それでも、一つの目標に向かって頑張ってきたという自信が、きっとあなたの糧となるはずです。

    みなさんの高校生活が悔いのないものになることを願っています。

    最後までお読みいただきありがとうございました。

  • 【受験以外でも使える】モチベーションの保ち方

    【受験以外でも使える】モチベーションの保ち方

    はじめに

    受験勉強に限らず、何事においても、モチベーションを保つことはなかなか大変です。しかし、モチベーションが下がると、勉強の質が下がるなど、様々な負の影響が出てきてしまいます。

    そこで、この記事では、筆者の経験などを交えながら、苦しい受験勉強の中で、どうすればモチベーションを維持できるのかについて、読者の皆さんにお伝えしていきます。


    モチベーションとは?

    そもそも、モチベーション (motivation) とは、一体どういう意味なのでしょうか?

    日本語訳としては「動機」または「動機付け」とされていることが多いです。一般に動機という言葉は、「やる気」または「意欲」という言葉とほぼ同じ意味で使われています。

    やる気がないと目標の達成は難しいということは、皆さんもご存知だと思います。モチベーションは、目標を達成するために必要なものであるということが分かりますね。


    モチベーションを保つには?

    ここからは、モチベーションの保ち方を3つ紹介していきます。


    1. なりたい自分を想像してみる

    1つ目は、将来なりたい自分を想像してみることです。

    受験勉強の場合であれば、第一志望の大学に合格して大学生活を送っている自分を想像してみるのがいいでしょう。なりたい自分を想像すると、やる気が出ますし、理想の自分になるためにはどう努力すればいいのかということを考えやすくなります。

    私も、受験期にやる気が全く出なくなってしまうことがあったのですが、そういうときはいつも東大のキャンパス内を堂々と闊歩する自分の姿を想像していました。そうすると、「今だらけていては、こんな姿には到底なれないぞ」と気合いを入れ、また勉強に向かうことができました。

    また、英検準一級を取ろうとしていたときにも、将来英語を使って海外の人との交流を深めている様子などを想像して、モチベーションを上げていました。

    皆さんそれぞれに理想のなりたい自分があると思いますが、具体的に想像してみるとモチベーションが上がったり、気合いを入れ直すことに繋がるはずです。


    2. 大目標のための小目標を立てる

    2つ目は、大きな目標を達成するために小さな目標を立てることです。

    目標を大きく掲げるのは確かに大事ですが、ただ漫然とその目標に向かうだけでは途中でブレてしまいがちです。

    そこで、大目標を達成するための小さな目標をいくつか立ててみましょう。すると、堅実に目標に向かうことができるようになります。

    たとえば、「第一志望に合格する」という大きい目標を設定したとしましょう。

    この目標を達成するために必要なことは、苦手な科目を基礎から固める、得意な科目では演習を積むなど、多岐に渡ります。ここで、苦手科目を固めるということにスポットを当てると、たとえば物理の電磁気を1週間で完璧にするなどの小さな目標が立てられます。

    私は、苦手科目だった物理を克服するとき、この方法を使いました。問題集を分野ごとに区切り、それぞれの分野をいつまでに完璧にするかという目標を立てることで穴をつくらずに物理を固めることができました。

    このように、小さい目標をいくつか立てることで、途中でブレることなく大きな目標を達成に導くことができます。


    3. ネガティブな感情に囚われない

    3つ目は、ネガティブな感情に囚われないことです。

    受験勉強に限らず、何かの目標を達成しようと努力しているときに、不安や焦りなどのネガティブな感情が出てくることは誰しもあります。重要なのは、その感情に流されないことです。

    ネガティブな感情に囚われてしまうと、目標に対して迷いが生じ、集中できなくなってしまい、さらにネガティブになるという負のスパイラルが生じてしまいます。

    ネガティブになってしまったときの解決法としては、気分転換に軽い運動をしたり、深呼吸をするなどの方法があります。気分を変えてネガティブな感情から抜け出すと、また目標達成に向かって集中することができます。

    私がネガティブになったときには、好きなアーティストの曲を聞いたり、散歩をしたりすることで気分転換をしています。

    ネガティブな感情に囚われなければ、モチベーションが下がる可能性は低くなるでしょう。


    終わりに

    ここまで、モチベーションの保ち方についていくつかの具体例を用いて説明してきました。

    これらはあくまで一例であり、他にも皆さんにあった様々な方法があることでしょう。受験勉強以外の場合でも使えるような方法もありますので、参考にして頂けると幸いです。

    受験生の皆さん、高校生の皆さん、コロナ禍でなかなか思うように学習や勉強ができない日々だとは思いますが、私達はいつでも皆さんを応援しています。

  • 【メルマガ試し読み】共通テスト英語の対策

    【メルマガ試し読み】共通テスト英語の対策

    過去に配信されたメールマガジンの記事になります。東大生の生の声が綴られています。お楽しみください!(なお、執筆者の科類や学年は執筆時点でのものとなります。)


    文科三類2年 S.N.

    こんばんは、文科三類2年のNです。今回は共通テスト英語の対策について書いていこうと思います。
    ただ、ご存知の通り共通テストは今年から始まる形式です。センター試験世代の僕はもちろん、受験生の皆さんもわからない部分が多いかと思います。
    ですので、今回の記事では「令和3年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト問題作成方針」などを参考にしながら、
    ポイントになりそうなところを中心に分析し、対策についても触れていきたいなと思います。

    共通テスト英語は、リーディング(80分・100点)+リスニング(60分・100点)で構成されているので、
    それぞれの問題形式ごとにポイントになりそうなところを考えていきたいと思います。
    まずは「令和3年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト問題作成方針」からリーディングに関係しそうな文言を少し見てみましょう。

    高等学校学習指導要領では,外国語の音声や語彙、表現、文法、言語の働きなどの知識を、
    実際のコミュニケーションにおいて、目的や場面、状況などに応じて適切に活用できる技能を身に付けるようにすることを目標としていることを踏まえて、
    4技能のうち「読むこと」「聞くこと」の中でこれらの知識が活用できるかを評価する。
    したがって、発音、アクセント、語句整序などを単独で問う問題は作成しないこととする。

    ここで注目すべき文言は最後の「発音、アクセント、語句整序などを単独で問う問題は作成しないこととする。」でしょう。
    ここにあるように共通テスト英語のリーディング試験ではセンター試験の最初のほうの大問で出ていたような「文法や発音の問題」は出ません。
    では、発音・アクセントや文法は共通テスト英語の対策をするときに意識していなくても問題ないのでしょうか?実際はそうではありません。
    なぜなら発音・アクセントも文法も英語を使う上で必須であり、「リーディングで直接問われない=必要ない」とはなり得ないからです。
    例えば、発音・アクセントは共通テスト英語の残りの半分(100/200点)を占めるリスニングで試されることになるでしょう。
    似たように聞こえる単語をアクセントの違いで聞き分ける、聞いて意味を理解するなどはリスニング問題で必須の能力であり、
    リスニング配点の上昇によりむしろ発音・アクセントの重要性が高くなっていると言えるでしょう。
    発音・アクセントを蔑ろにすることなく、普段使う単語帳や問題集でも音声付きのものはできるだけそれを活用して音・文字・意味をリンクさせておきましょう。
    また文法について言えば、語句整序などで単一の内容が問われることは無くなりました。それは逆に文法を含め総合的に英文を理解できるか問うてくるということです。
    「完了形」「仮定法」のような狭義の文法事項もそうですが、文章構成の仕方やディスコースマーカー(つなぎ言葉)の使い方など
    英作文をするときに意識するような広義の文法事項をも駆使して英文を読むことが求められるでしょう。
    そういった意味ではたまには英作文をして基本的な文法から文章構成までの要素を使いこなせるか試してみるというのもリーディング問題対策になるかもしれません。

    発音・アクセントの話でも文法の話でもわかるように、リーディング問題の対策をするにしてもただ読むだけの勉強をしていては英語全体の得点力につながりません。
    「実際のコミュニケーションにおいて」「適切に活用できる」英語力を目指して多面的に勉強していきましょう。

    再び「令和3年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト問題作成方針」から一部引用して今度はリスニングのポイントを分析してみましょう。

    「リスニング」については,生徒の身近な暮らしや社会での暮らしに関わる内容について,概要や要点を把握する力や必要とする情報を聞き取る力等を問うことをねらいとする。
    十分な読み上げ時間を確保し,重要な情報は形を変えて複数回言及するなど,自然なコミュニケーションに近い英語の問題を含めて検討する。

    内容やねらいが書かれている前半部分にあるように、リスニング問題では概要や要点の理解が重要になりそうです。
    つまり、流れている音声全てを完璧に理解できなくても、どういうことが話されているのか、重要な情報は何かを把握できれば良いということです。
    リスニング問題に臨む際の心構えについて、上の文言や僕の経験を踏まえてまとめるなら「聞き取れない言葉があっても気にし過ぎない」という感じでしょうか。
    出てきた単語が聞き取れなかったとき、そこで集中が切れてしまうとその後に続く言葉にどんどん置いていかれてしまいます。
    置いていかれてわからない部分が増えるとさらにパニックになって頭に入って来なくなるといった悪循環に陥ることも少なくありません。
    しかしここで気をつけるべきは「問われるのは要点である」ということです。
    一単語が聞き取れなかったくらいで要点がつかめなくなることはそうありません。
    また、引用した部分の後半にもあるように「重要な情報は形を変えて複数回言及する」可能性もあります。
    ですからリスニング問題では聞き取れなくても気にし過ぎず、続く内容を把握することに努めましょう。

    今回は「令和3年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト問題作成方針」などを参考に英語の共通テストを分析してみました。
    受験生の皆さんがこういった出題者側の意図を意識して対策することは少ないのではないでしょうか?
    分析していてわかるとおり、出題者側は変な問題を出そうとしているのではなく英語を実際に使う能力を重視し、それを図るための問題を目指しているようです。
    ならばこちらもその意図を踏まえて対策しておくほうが賢いというものです。古来から言われるように良い成果を得るためには敵を知ることが大切です。
    今回使った「令和3年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト問題作成方針」は大学入試センターのHPで見ることができます。
    今回引用していない英語の問題作成方針や他の教科の問題作成方針もぜひ読んで共通テスト対策に使ってみてください。

    読んでいただきありがとうございました。


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  • 【メルマガ試し読み】勉強の合間の息抜き

    【メルマガ試し読み】勉強の合間の息抜き

    過去に配信されたメールマガジンの記事になります。東大生の生の声が綴られています。お楽しみください!(なお、執筆者の科類や学年は執筆時点でのものとなります。)


    理科一類1年 S.M.

    今回は勉強の間の息抜きについてです。
    勉強を続けているとどうしても集中できない、疲れて勉強できないといったことがあると思います。
    今回はそのようなときの息抜きの方法として運動、読書、映画、散歩の4つを挙げます。

    ① 運動
    僕はもともとサッカー部に入っていたので現役のときにはメニューを決めてやっていました。
    大体試合の後のオフには緩い運動をして、試合が特になかったときには走るなどしていました。
    高3の引退後の長期休暇や模試のない休日には1時間の運動をしていました。特に眠くなる午後に軽くジョギングしたりボールを蹴ったりしていました。
    ストレッチもするようにしてください。高校3年生の秋の模試シーズンにはあまり運動ができないので突然運動をすると大抵どこか痛めます。
    運動はいいストレス発散になるので、運動部だった人には特におすすめします。
    家族で卓球をしたり、友達とボウリングをしたりもいいのでぜひやってみてください。

    ② 読書
    息抜きとして読書もおすすめです。このときには専門書などを読むよりも小説がいいです。
    小説の世界に入っている間は勉強のことを忘れて楽しめるのでおすすめです。ついでにお勧めの本も紹介しておきます。
    お勧めするのは河野裕さんの「階段島」シリーズです。
    みなさんと同じ高校生、七草が行き着いた不思議な孤島、階段島で幼馴染の真辺と邂逅したことで始まる青春ミステリ小説です。
    進路や文理選択に悩んでいる高校生にはぜひ読んでほしいシリーズです。
    高2までと高3の模試でくじけたときには長編小説を読んでいましたが、高3の時は時間も惜しかったので短編小説をよく読んでいました。
    短編小説ではありませんが、1章ごとに話が完結している東野圭吾さんの「ナミヤ雑貨店の奇蹟」をお勧めします。
    映画化もされていたので知っている人もいるかもしれませんが、人々が時空を超えた手紙のやり取りを通して成長していく心あたたまる物語です。
    (本ではなくマンガを読むのもいいですが、特に深く考えずにどんどん次の巻を読んでしまうことと、
    読み終わった後の後悔が大きいのでここではおすすめはしません、、)

    ③ 映画
    映画は家で見ることも映画館で見ることもありました。
    家で見るときは金曜ロードショーをたまに見たり、映画を見るのに罪悪感があったときは洋画を英語で見たりしていました。
    2時間程度で終わるのでちょうどよい気分転換になっていました。
    映画館で見るときは気になる映画があったときにいつ行くというのを決めてその日のその時間までは勉強頑張ろうとやる気にも息抜きにもしていました。
    昼間に見に行ってしまうとそのあと遊んでしまうので映画が終わった後に周りに店が閉まっている夜に行っていました。
    晩御飯のあとに夜映画を見て満足して家に帰り、風呂で感慨に浸ってから寝るということをやっていました。

    ④ 散歩
    最後に僕が一番やっていた息抜きが散歩です。
    休日に自習室で1日中勉強をしていてミスが多くて嫌になったときや集中が切れたときによく近くを一周していました。
    また、模試のときには昼休憩に散歩を必ずしていました。
    散歩をすると頭がすっきりして前の教科のことを忘れて次の教科にも気持ちよく臨めるのでおすすめです。
    特に暖房が付いているときは生温かい空気が部屋に残っているので、外の気持ちいい空気を吸うといいです。
    センター試験のときも会場近くのスーパーまで行きましたし(友達が弁当を買い忘れていたので笑)、
    東大入試本番も昼休憩が長かったので本郷キャンパスを歩き回っていました。
    ただ、昼休憩に散歩をすると眠くなってしまうという人もいると思うのでそこは人それぞれです。
    注意点としては本番直前期の夜一人の散歩はしない方がいいかもしれません。
    夜で暗いうえ寒いので考えがどんどんマイナス方向へ行ってしまいます。
    精神衛生上よくないので冬の夜は早く帰って明るくて暖かい部屋で過ごしましょう。

    ここまで読んでいただきありがとうございました。
    勉強ばかりでは体も精神も参ってしまうのでぜひ参考にしてみてください。


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  • 【浪人を経て東大へ】浪人時代の体験記

    【浪人を経て東大へ】浪人時代の体験記

    はじめに

    あなたは「浪人」ということに対してどのようなイメージを持っていますか? 一般的には現役合格について語られることが多いかもしれません。しかし、浪人だからこそ得られる経験もあります。そこでこの記事では、私が浪人を経験して東大に合格するまでの道のりを紹介しながら、浪人期に考えていたことを正直に綴ろうと思います。手本になれない部分もたくさんありますが、一つの浪人体験記として参考になれば幸いです。


    現役での大学受験を終えて

    初めての大学受験が明けた春先。合格者一覧の中に自分の番号はありませんでした。しかし、不合格を突きつけられた私は、正直涙も出ませんでした。自分の弱さなどずっと感じていたからです。十分な努力ができず、やるべきことをかなり残したまま受験に臨んだことに後悔がありました。本番も得意だった数学で失敗し、他の教科でもうまくいかず。不合格は当然の結果でもありました。そして、現役の頃はその弱さから、「このまま合格して大学でうまくやっていけるのだろうか」「まだやり残したことはある」といった思いがあり、合格が本当に良いものなのか、葛藤すら抱えていたのです。

    そして直面した不合格。だったらもっと自分に磨きをかけるため「もう一度チャンスをくれ」と。その思いを胸に、浪人への覚悟はいち早く決めました。


    再挑戦の第一歩

    浪人生活を始めるとき、多くの人が予備校などの所属先を考えます。私も相当悩みました。百聞は一見にしかずということで、実際東京に赴いて駿台の体験授業を受けましたが、それでもなお地元に残るか東京で下宿するかで頭を悩ませ続け、行き詰まった私はここで初めて泣いてしまったのを憶えています。やはり受験とは辛さも伴うもの。それまでは実感のなかった「もう一年」という大きな選択を前にして、一度は屈してしまいました。

    最終的には、家族や先生に相談しながら、長期戦を乗り越える上で自分の過ごしやすい方として、地元に残って新たな生活を始めることに決めました。このとき母校の先生がかけてくれた言葉を今でも憶えています。

    大事なのはどこで勉強するかよりもどう勉強するかだ、と。

    これは再スタートの覚悟を決める上で印象的な言葉でした。今でも思うことですが、何事においても主体性が鍵を握っています。特に受験において誰かに依存していては非生産的な結果しか生まれません。確かに勉強をする環境も非常に大事ですが、受験は自分の工夫次第で大きく変えられるということを、今この記事を読んでくれているあなたにも肝に銘じていただきたいと思っています。


    自分と向き合う2度目の受験勉強

    3月下旬、心機一転として地元の新たな塾に身を置き、もう一度合格に向けて進み始めました。しかし、ふりだしに戻ったわけではありません。浪人の強みは大きく3つあります。これまでの学力の積み上げが1年分大きいこと、現役で一度失敗を経験していること、そして失敗の原因となった弱点を補完するための時間が存分に与えられていること。これらの強みを活かせば、現役生よりも不利であることは決してないはずです。

    しかし、浪人はそんなに甘くはありません。学力の積み上げがあると言っても、勉強の方向性がずれていては伸びが悪く現役生にあっという間に追い抜かされてしまうし、時間も適切に使わなければあっという間に過ぎていきます。浪人生が学力的にリードしているのは当然なので、もはや模試の判定にも安心できない世界でした。現役時にA判定を出していたので、浪人してからの記述模試ではA判定から下がれないと思っていました。そんな浪人期は、未習分野もなく生活スタイルも違う点で、現役の時とは全く違う一年になりました。

    ここで、浪人期に行っていた勉強を記そうと思います。自習ベースの予備校だったのですが、その際に添削や映像授業を頻繁に利用していました。自分の間違い方の癖や答案における論理の不備などを指摘してもらえる添削は大切な武器になります。私は、主に過去問の添削を予備校の先生方にお願いし、浪人期は毎週取り組んでいました。加えて、英語は英作文の添削を秋以降集中的に受けていました。その他にも現役時から使っていたZ会も利用したりと、独りよがりの勉強にならないような工夫を心がけていました。また、映像授業も、自学自習だけでは身につかない考え方をプロから学べる点で強力でした。地方にいながらトップレベルの授業を受けられるのは現代の科学技術の恩恵ではないでしょうか。自分と向き合った勉強を大事にする一方で、プロからフィードバックや新たな知見を得ることは、長い受験勉強をする上でも安心材料となります。

    ところで、時間を適切に使わなければあっという間に過ぎていくと書きましたが、私自身気の緩みはたくさんありました。予備校から帰った後、息抜きと称して無駄な時間を過ごしてしまったことは受験時代の後悔です。確かに、最適なペースで進み続けるのはとても難しく、だらけてしまうこともありますが、一生懸命努力をして臨んだ受験はきっと輝かしい思い出になります。未練のない努力をしてほしいということを、受験を終えた身として伝えさせてください。


    迎えたリベンジの冬

    私は長丁場の受験で勉強の方向性を見失わないように、長期的なスケジュールと、そこから割り出される日々のスケジュールを立てることを大切にしていました。しかし、一年間スケジューリングを行っていたものの、冬になっても完成には程遠く、課題を残したままセンター試験はやってきました。順風満帆に受験が進むとは限りません。ここまでくると、重視すべきは積み上げた学力よりも本番でいかに力を発揮できるかです。私は受験に対する不安や緊張はあまり感じないタイプだったのですが、一発勝負の試験で体調不良でダウンするのはなんとしても避けたい思いがあり、そういう意味での緊張を抱えて臨みました。これも母校の先生から頂いた言葉なのですが、私は、過度に緊張しないように「槍が降っても気にしない」精神を大事にしていました。センター試験の受験会場は自宅からだいぶ離れたところにあり慣れない場所でしたが、多少の緊張があっても緊張している自分を受け止めて落ち着いて受けきることができ、一つ大きな安心を得ることができました。

    最後のセンター試験では、現役時より点数を伸ばし、東大の足切りも越えたものの、9割には届きませんでした。しかし自分は東大に合格する一心で受験をしてきたので、引き下がる意味もありませんでした。合格者のセンター平均点は9割と言われますが、実際は9割に届かなかった合格者も割といる印象です。根拠のない自信は盲進になりかねませんが、これまで培った自分の能力を信じて、怯まず強気でいることは私にとっての合格の秘訣でした。

    センター試験が終われば東大への最後の道が始まります。去年と違ってここで勝負は決着。出した結果が次の進路。なんとしても勝たねばという気持ちは去年より強くなりました。現役の時よりもセンター利用を多く取り入れたり私大受験数を増やしたりと、浪人時は現役時より詰まったスケジュールでした。その分効率よく勉強すべきでしたが、要領の悪かった私は課題を計画通りに進められませんでした。やり残した勉強を仕上げるのが当初の目標だったのに、センター前と同様この時期でもやり残したことはたくさんあって、一年を後悔することもありました。でも腹を括らなければなりません。私は一年間、予備校で毎日現状報告の日記を書いていたのですが、東大受験のために上京する直前の日、覚悟をノートに宣言しました。

    これまでに解いた問題を手にとって振り返ってみて、積み重ねてきたことの多さに気づきました。何もかもを完璧にやってきたわけではなく、できずに終わることもたくさんあります。でも、それもこの一年で自分がしてきた選択なので、自分自身で可能性を潰すことなく、最後は合格という“正解”を描けるようにしようと思います。

    合格した今振り返ってみると、この言葉を記して良かったなと思っています。これまでの受験勉強の結晶として、最後に自信を繋いでくれた言葉でした。完璧な準備をして受験に臨める人はいません。そのため、できなかったことに目を向けて萎縮したり不安を感じるのではなく、これまでの自分の道のりを肯定的に認めてあげることが大切です。受験勉強をする上で周りの人に頼ることも時には必要ですが、本番で受験をするのは自分自身なので、自分なりの覚悟を持つことがとても大切なのではないでしょうか。

    ここで、私が出願した併願校について少しお話しします。センター利用は、取りやすい理科大や明治大に加え、早稲田にも出願しました。結果として早稲田以外のセンター利用に合格しましたが、これらは東大受験前に合格が決まるので、取っておけば安心材料になるはずです。一般受験は早慶と明治に出願しましたが、センター利用の合格が濃厚だったこと、移動の負担もあることを踏まえて早慶の受験に絞りました。本命の受験に支障が出ないように併願校の受け過ぎには注意ですが、やはり本命の前に併願校を受験しておくのは良い練習にもなります。

    東大入試本番。この時期はちょうど国内にコロナウイルスが現れ始めた頃なので、体調にはより一層の注意を払っていました。ただでさえ特別な場で、通常とは違った空気感がありましたが、試験も通常通りに運ぶわけではありませんでした。国語は時間が間に合わず、現役時と同じ過ちはしないと一年間注意し続けてきた数学で二の舞を踏み、理科も序盤から詰まり、英語でも挽回できるほどではありませんでした。1日目の夜は、澄ました顔をして実は不安を募らせていた気がします。2日目最後の英語でも、想定外に周りがペンを走らせる音が気になってしまいました。焦って問題に手がつかなくなりましたが、私は、その時取り組んでいた大問から一旦離れ、これまでにない解き順に舵を切って状況をたて直しました。試験ではこれまで通りの平常心で臨む一方で、臨機応変さも大切です。本番でのトラブルは即座に対応できるようできるだけ想定しておいた方が良いので、事前に対策を考えたり調べておくと安心ではないでしょうか。

    色々ありましたが、かくして2度目の3月10日、東京大学への合格を果たしました。もしかしたら失敗していたかもしれないと思うと、改めて合格まで走り抜けられたことに感謝が溢れる一年でした。振り返ってみると、浪人の一年は長いようで意外と短く、自分にとっては一瞬でした。浪人に限らず今受験勉強を頑張っている方には、辛いことも乗り越えて、「今、ここ」を大切に合格への道を歩んでほしいと思っています。


    浪人経験から得たこと

    ここでは浪人経験から得たことを大きく二つに分けて示したいと思います。

    • 途中見出しにも掲げたように、自分と向き合うことは勉強に限らず大切です。受験勉強は、簡単に言えば「分からない」を「分かる」に、そして「分かる」を「解ける」に変えていくものです。自分がこのうちのどこに位置するのかを把握することは、やるべき勉強を決める上での基盤となります。例えば三角関数自体がよく分かっていなければ基本からやり直すことになり、三角関数の基本や公式の意味が分かっているもののいざという場面で運用できないのなら問題集で練習する、といったように立ち位置によって課題は違います。その位置を把握するための手段として有用なのが模試や添削です。実践的な場で自分が出した解答や第三者のフィードバックをもとに、自分が見えていなかった自分まで見つけ出し、成長へとつなげていってください。
    • よく「浪人生は伸びない」と言われますが、決してそんなことはありません。そのように言われるのは、実際に勉強量を増やしても実力が伸びないケースが多いからです。しかし浪人の一年間で大きく成績を伸ばす人もおり、私自身現役時は38点足りませんでしたが、浪人をして合格最低点を16点上回ることができました。点数は学力の本質ではないので証拠とするのもおこがましいですが、ここで言いたいのは自分次第でいくらでも成績を伸ばすことが可能だということです。成績を伸ばす具体的な方法は人それぞれなので、ここで明確な答えを呈示することはできませんが、迷った時には先達の様々な意見を参考にして自分なりの勉強を確立すると良いのではないでしょうか。

    おわりに

    ここまで読んでいただきありがとうございました。私は一年浪人して東大に合格することができましたが、理論を積み重ねるばかりで行動力に欠けた人間でした。正直、もう一度同じ道を経て受験をしても合格する保証はないですし、もっと頑張ればよかったという後悔もあります。だからあくまで参考程度に留めてもらえると幸いです。むしろ大事なのは自分の生き方です。受験勉強、特に浪人となると辛いこともありますが、それを乗り越えた先には今よりももっと素晴らしい自分が咲くはずです。共通テストの導入や指導要領の改訂、そしてコロナ禍という新たな局面での受験が控えていますが、その状況で今できること、やるべきことを見つけて受験勉強に励んでほしいと思っています。

    応援しています。

  • 【東大生が教える】地理の勉強法

    【東大生が教える】地理の勉強法

    はじめに

    受験科目としての地理に、皆さんはどのような印象を持っているでしょうか。

    つかみどころの無い用語が出てきたり、淡々と固有名詞を覚えていったり、「こんなの知らないよ!」と舌打ちしてしまうような資料が出題されたりして、ネガティブな印象を抱く人も少なくないかもしれません。

    しかし、受験地理は、少ない労力で大きな点数をもぎ取れる可能性を秘め、更に教養も深められるお得な教科であると僕は考えています。

    そこでこの記事では、そんな地理の魅力と、実際の勉強法を紹介していきます。

    地理の魅力

    まず、地理は覚えなければいけないことばがとても少ないです。恥ずかしい話ですが、僕は今でも都道府県の位置を全部覚えていません。自信を持って言えるのは半分くらい。受験生時代、名古屋県とか平気で言ってしまっていました。(それが常識的にどうなのか、ということはここでは置いておきます。)

    ところが、そんな僕でも地理でアドバンテージをとれていましたなぜでしょうか?

    それは、受験地理において必要なのは、たくさんことばや理論を知っていることではなく、「基本的な理解をもとに、その場で応用する」ことだからです。これは東大などの論述式試験に限った話ではなく、センター試験でも通用する話です。

    もちろん、もっと高度な知識(といっても教科書や資料集にあるものが大半である)を求められる問題もあります。しかし、地理は「その場で考えて、自分なりの解答をなんとかひねり出す」ことで点数に結びつく問題がとても多いです。逆に言えば、知識があるだけでは答えられない問題が出題されます。つまり、地理は暗記科目ではないのです。

    地理の勉強法

    0. 概観

    以下、受験地理の勉強法を紹介していきますが、地理で9割を超えるようないわゆる「高得点」を安定して取るのはまず困難です。どんなに得意な人でも知らない・わからない問題は発生してしまいます。目標とするところは「ちょっと得意」くらいにした方が無難でしょう。

    地理は、ある程度まではすぐに点を取れるようになりますが、その上を目指すことが非常に大変な教科です。センター試験・共通テストでいえば、6割くらいまでは基礎を学び問題に慣れれば到達します。個人差は大いにありますが、学校の授業+1日1時間勉強×3ヶ月くらいで取れるようになるでしょう。

    しかし、他教科との兼ね合いや志望校が要求する水準との関係もありますが、センター試験・共通テストの目標点は高くても85点くらいにして、高望みし過ぎない方がいいです。マニアックな問題まで取りこぼさないようにしてしまうと、ドツボに嵌りかねません。標準的・頻出の問題を拾いきれば大丈夫です。最小の努力で最大の結果を得ることを目指しましょう。(「自分は受験地理が得意だ!!」と思った人はさらに高みを目指してください!ただし、他の教科を疎かにしてはいけません。受験はあくまでも総合点勝負であることを忘れずに。)

    では、具体的に勉強法を紹介していきます。とはいえ細かい部分になると、結局は個人の弱点などに依るので、この記事では勉強する上での大きな柱を挙げます。

    1. 大→小の順で学ぶ

    ここでの「大」は、「自然」と「産業」のこと、つまり基礎を指します。これらの盤石な理解を足場として、様々な方向へ推測の架け橋を架けられます。その中でも「気候」「資源」は非常に大事です。センター試験には必ずこの分野からの出題が複数ありました。地理界のアダムとイブといえるでしょう。これらを学ぶ時、なぜ?どうして?を大切にしてください。

    例えば、ロシア東部・シベリアは同緯度の地域と比べて卓越して寒いです。これをただそういうものだとして覚えるのではなく、原理から理解しましょう。そうすることで、ロシアの場合以外の場合にも応用できるようになるのです。

    こうした基礎を自分のものとした後に、地域ごとの情報をインプットすると頭に入ってきやすいです。もちろん、並行して学ぶのもありです。

    根本原理を理解する時には、教科書や資料集以外からも多種多様な情報を集めて、妥協せずに完全に納得することが近道です。また、日常生活に関係することから出題されることもよくあります。常にアンテナを広く伸ばし、日常からも学ぶことができるといいですね。(覚える、暗記する必要性は小さいです。覚えるべきことは、問題に遭遇した時に、その問題を解きながら吸収していきましょう。)

    2. 地図帳を愛でる

    地図帳の最後の方にカラフルな地図が何種類もついていますよね。ここが地図帳の一番役に立つ部分です。少々乱暴なことを言えば、このあたりのページを見ながら問題を解くと、マーク式問題の半分くらいは正解できると思います。気候や標高、災害、資源分布等の多角的なデータを、目で見て身体に染み付けましょう。暇な時は地図帳を見ること!

    学習したての時は、「あー、見たことあるけど、なんだっけ……。」ということが多発すると思います。それでもめげずに、その度に地図帳を繰って、補強を重ねていきましょう。そう簡単に会得できるものではありませんが、是非マスターして武器にしてほしいです。さらに、自分なりに大切だと思うことがあればどんどん書き込んだり付箋をつけたりして、自分だけの地図帳を紡ぎましょう!

    3. 問題に多く触れる

    結局これが一番大事なことです。他の教科にも通じる話ですが、問題を解けるようになるためには、たくさん問題を解かなければなりません。知識を得ただけでは点に結びつかないのです。楽譜を覚えても演奏できないのと同じ。知識が完璧でないからといって問題に挑戦しないのは愚かなことですし、そもそも完璧な知識なんて誰も持っていません。足場がぐらついている段階でも、どんどん問題に挑戦しましょう。何が自分に足りていないのかが見えてくるし、案外もう通用するフェイズに進行しているかもしれませんよ。

    足場が固まった(標準的なことを理解した)後は、橋を架ける技術を磨いて(得点をもぎ取りに)いくことになります。ゴール地点がマーク式の問題を解くことならマーク式の問題集や過去問を、記述も必要ならその大学の過去問を真剣に考え抜いて徹底的に解き、解説を読み込み、読み込み(大事なことなので2回言いました)、問題の全てを自分のことばで解説できるようにして、己の血肉としましょう。

    そして少し時間を空けてからの解き直しを忘れずに。1週間経ってから解き直してもスラスラ解けるようなら、身についた証拠です。解説を読み込んだ後に、問題に対する理解度に応じて自分なりの記号をつけておけば、解き直しの際の時間短縮につながります。何も見ないで全選択肢・問題について正解・不正解の理由を説明できるようになれば完璧です。

    これらの作業を丁寧にこなしていきましょう。地理で合格点を取るためにセンスなんてものはあまり関係なく、成績が上がらないはずがありません。(実際にこの大変な解き直しループを完遂できる人は残念ながら少ないと思いますが……。)他の問題集をやって寄り道している時間はありません。狡猾に、効率的に点数を稼ぐことを目指しましょう。私たちに残された時間は多くありません!

    おわりに

    以上、高校地理について、僕の経験に基づき、ある意味偏見にまみれながら書かせていただきました。

    これは地理に限った話ではありませんが、「情報を鵜呑みにしない」ことがこれからの世界では大切になってきます。当然、僕のこの話も含めて。最後の選択をするのは自分であるべきです。世間に溢れかえっている情報を取捨選択して、自分にとって最善の選択ができるよう頑張ってください!

    最後までお読みいただき、ありがとうございました。