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  • 【東大生に聞いた】自分の興味を探し続けて【工学部化学生命工学科】

    【東大生に聞いた】自分の興味を探し続けて【工学部化学生命工学科】

    専門課程で学ぶ東大生の生の声をお届けする、東大生にインタビュー工学部編。ついに第3回を迎えました。
    今回は、この方にインタビューをさせていただきました!

    【プロフィール】※情報はインタビュー時のものです
    ・名前:Rさん
    ・学年:3年
    ・学部・学科:工学部・化学生命工学科


    化学生命工学科ってどんなところ?

    ── 化学生命工学科とは、どんなことを学ぶ学科なんですか?

    簡潔に言えば、化学全般分子生物学、それからバイオテクノロジーですね。

    理学部が基礎、工学部が応用というイメージを持っている人もいると思いますが、化学生命工学科は応用だけでなく、基礎理論的なことも多少扱っています。

    ── それぞれの学問について、詳しくお聞きしたいです。

    化学に関しては、「〇〇化学」という勉強は一通り全部やっていますね。高校で習うような有機化学無機化学もそうですし、大学ならではの物理化学量子化学高分子化学なども勉強しています。

    分子生物学というのは、生物を細胞・分子のレベルで勉強するという学問です。DNAがどのように複製されるかといった小さな視点のものを学びます。逆に、胃や腸の働きといった大きな視点のものは学びません。

    バイオテクノロジーは、聞いたことがある人も多いと思いますが、簡単に言えば生物のチカラを人間の生活に役立てようとする学問ですね。遺伝子組み換えなどもその一例です。

    ── どんなことを目的としている学科なんですか?

    有機化学と生命工学の融合による新物質・新機能の創造というのが学科のコンセプトです。

    化学生命工学科は名前の通り化学と生物をやっていて、化学の代表として有機化学、生物の代表として分子生物学やバイオテクノロジーを主に勉強します。

    その2つの融合というか、お互いの足りないところを補ったり、良いところを取り入れたりして研究しているというイメージです。

    有機化学では、生体内の優れた化学反応をお手本にして新しい反応を考えたり、複雑な触媒を開発して今までになかった反応を作ったりといったことを主にやっています。

    生物では、化学の力を使って人間の生命現象を分子レベルで解明したり、そこに人工的な力を加えて、自然のものより良いものを作ったりします。自然のものより良いものというと抽象的なんですが、薬などを作ることが最終的なゴールになるかなと思います。

    ── なるほど……。研究室ではどんなことを学ぶんですか?

    僕は4年から岡本研究室というところに配属されるんですが、生物も有機化学も両方やっているという化学生命工学科では珍しい研究室です。なぜ珍しいかというと、研究レベルになると生物か有機化学どちらかに偏ってしまうことが多いんです。

    だから、化学生命工学科には生物と有機化学両方を扱う研究室が2つしかなく、僕が行く研究室はそのうちの1つになります。

    具体的には、核酸医薬と呼ばれるDNAを応用した医薬品を作ったり、特殊なタンパク質を化学合成したり、特殊な化学物質を細胞内に入れることで生物の細胞の動きが見えるようにするイメージング技術を開発したりしています。

    医薬品や特殊な生体分子をつくるために、化学を手段として合成するという感じですね。


    迷いに迷った進路選択

    ── 理科二類の出身ということですが、高校時代はどんなことに関心があったんですか?

    高校化学の有機化学は好きでした。大手予備校の難しい問題も解けて、面白かったんです。
    ただ、特にやりたいことも見つからなかったので、進振り利用してやるぞ、という意気込みで東大に来ました。

    機械系には興味が持てそうにないと思ったので理一は候補から外し、理三(医学部)も難しいなと思ったので、理二を選びました。

    ── そこから今の学科を選んだ経緯は?

    やりたいことが見つかるといいなと思っていたのですが、見つからないまま進学選択の時期を迎えてしまい……。選ばなくてはいけないので、高校の時に得意だった化学系の学科を探しました。

    「化学」と一言で言っても、理学部化学科、工学部の応用化学科、化学システム工学科など色々な選択肢があります。
    「化学+何か」を選択しなくては絞れないなと考えたときに、「化学+生物」なら楽しそうだと思って、化学生命工学科を選びました。

    ── 他に迷った学科はありましたか?

    理学部の生物化学科と 農学部の農2(応用生命化学・工学専攻)、薬学部です。

    理学部は基礎理論があまり好きになれず、応用系がよかったのでやめました。また、農学部は生物系に寄りすぎていたので、候補から外しました。

    薬学部はギリギリまで迷ったんですが、就職先が製薬会社などに縛られしまいそうだと思って。
    その点、化学生命工学科は生物も化学も扱う分、製薬・食品系から化学系まで色々なところに行けるので、最終的に化学生命工学科を選びました。

    ── 実際に進学してみて、どうですか? 

    うーん……あまり自分に合っていない学科を選んでしまったかもなぁというのが正直なところです。
    本当は、生物の中でも人間の体や病気といったマクロな視点のものに関心があったんですが、化学生命工学科ではミクロなことを扱うので、少し違うなと思って。

    授業で研究に役立つ論文を読めるなど、研究をしたい人にはとても向いている学科だと思います。

    ── 楽しそうと思って選んだはずが、少し違うなと思ってしまったんですね。


    編入か院進か。2つの進路を見つめて

    ── 卒業後の進路はどのように考えていますか?

    他大学の医学部に編入することを考えています。
    編入試験の受験資格が得られるのが学士以降で、来年受験できるようになるので、合格したら編入しようと思っています。

    一方で、編入試験に不合格だったら大学院の修士課程に進んで同じ研究室に入ることも検討しています。2つの選択肢を同時に考えている感じですね。

    ── 大学院にいくにも試験がありますよね。

    そうですね。院試と編入試験の時期が同じくらいで、今僕がやっている学部の勉強が編入試験の範囲でもあるので、両方の試験の勉強を並行して進めています。

    ── 医学部に行こうと思ったのはなぜ?

    生物はやりたいし、生物を工学的に見るのではなくて、医学として扱いたくて。また、このままの進路に進んでメーカーの技術職になるより、医者の方が向いてそうだし待遇も良さそうだなと思ったのも理由の1つです。


    進学選択を使いこなそう

    ── 最後に、高校生に向けてメッセージをお願いします。 

    頑張って、自分がやりたいことを見つけてほしいなと思います。

    大学では、学部や学科など様々な選択肢があって、化学・生物と一言で言っても、理学部、薬学部、工学部など、色々な候補があります。
    どの学部のどんな視点からその学問を学ぶのが自分に合っているのかというところまで考えて、学びたいことを見つけてください。

    学びたい学問が見つからない人は、就職など、大学の先のことまで見据えて進路選択をするといいと思います。

    やりたいことがないから進学選択制度のある東大に来るという人もいるかもしれませんが、進学選択はせっかくの機会なので、やりたいことがありすぎて決められないから進学選択を利用する、くらいの気持ちで東大を目指してほしいです。頑張ってください!


    いかがでしたか?自分の進路にじっくり向き合うことの大切さが分かりましたね!
    工学部編の最終回となる次回は、工学部建築学科のHさんのインタビューをお届けします。お楽しみに!

  • 【メルマガ試し読み】二次試験各教科の対策(化学)

    【メルマガ試し読み】二次試験各教科の対策(化学)

    過去に配信されたメールマガジンの記事になります。東大生の生の声が綴られています。お楽しみください!(なお、執筆者の科類や学年は執筆時点でのものとなります。)


    理科二類1年 H.N.

    みなさんこんにちは。
    入試本番が近づいてくるこの季節。みなさんどうお過ごしでしょうか?
    今回は二次試験各教科の対策(化学)ということで、私なりのアドバイスと私が実際にやっていた試験対策について話していきたいと思います。

    1. まずは己の敵を知る
    「彼を知り己を知れば百戦危うからず」という言葉を皆さんはご存知でしょうか?
    これは古代中国の兵法家・孫武の言葉で、
    「敵の実力や現状を把握し、そして自分自身の実力もきちんと把握していれば何度戦っても負けることはない」という意味です。
    これを受験に置き換えてみると
    「受験する学校の問題の傾向や分量をしっかり把握して、自分の実力がどれぐらいなのかということを把握していれば本番でも焦らずに問題に取り組める」
    というふうになるのかなと私は思います。
    では具体的に何をすればいいのかということを文章にすると、
    「敵を知る」という部分は、
    ・参考書などで過去問をみる
    ・過去3、4年の平均点・最低点を見て、各教科の目標点をセットする
    「己を知る」の知るという部分は、
    ・過去問を解いてみてどれぐらいできたか確認する
    ・上の結果から自分の弱点を洗い出し、重点的に補強する
    というふうになるかと思います。
    なんだ、普段よく言われていることじゃないかと感じたかも知れませんが、よく言われることというのは結局大事なことだからよく言われるんですよね。
    なので地道に取り組むことが一番の勉強法であると言えそうです。

    2. 化学(理系向け)の対策について
    先程は受験対策全体についての話をしましたが、今度は化学に焦点を絞って話していきたいと思います。
    化学はほとんどの理系の人が選んでいる科目じゃないかなと思います。
    実際今までのセンター試験においても化学を選択した人が一番多かったです。(化学基礎は生物基礎に負けてますがそれでも2番目に選ばれていました。)
    なのでなるべく汎用性が高いアドバイスができたらいいなと思っています。
    ここでは、理論化学・無機化学・有機化学という高校化学の分類にしたがってそれぞれの対策について述べていこうと思います。

    1)理論化学
    理論化学は他の分野と比べ計算が多く、難しい問題が出やすいので、苦手な方も多いのではないかと思います。
    しかし、理論化学の問題は基本となる法則や式の定義、反応を完璧に押さえていれば、それらの組み合わせだけで解けるようになっています。
    したがって理論化学の対策としては、
    ・基本的な法則・式・反応を完璧に把握する
    ・上の知識を使って速く正確に計算ができるように演習を沢山こなす
    ということになります。
    しかも、無機化学や有機化学の問題でも理論化学の知識を使うことは多々あります。
    化学が苦手だったり化学の点数をもっと安定させたいという人はまず基本的な事項がちゃんと頭に入っているか確認しましょう。

    2)無機化学
    無機化学は理論化学とは一転して暗記が多い分野、というかほぼ暗記です。
    問題もほとんどパターン化されていて、難易度もそこまで高くはなりません。
    したがって無機化学の対策としては、
    ・暗記事項を完璧にする(聞かれたら反射で出るくらい)
    ということしかいえません。
    暗記が苦手だという人には少し辛いかも知れませんが、
    逆に言えば暗記さえできれば無機化学で点を落とすことは無いとも言えますので語呂合わせや反復練習で頑張りましょう。
    参考書などで出てくる語呂合わせがしっくりこないのであれば自分でオリジナルの語呂合わせを作りましょう。
    あとくだらない語呂合わせの方が意外と記憶に残りやすかったりもします。

    3)有機化学
    有機化学は暗記と演習の割合が半々ですね。
    二次試験の有機化学の問題は何か物質が出てきて、その物質についての実験の記述から物質の構造決定をしていくというものがほとんどかなと思います。
    となると、実験結果から何がわかるのか(物質の官能基・分子量・分子構造など)ということがわからないと手も足も出ないですね。
    したがって有機化学の対策としては、
    ・物質の性質・反応を完璧に把握する(実験の記述みてパッと関連する性質・反応が思いつけるぐらい)
    ・元素分析や分子量の計算の演習をする
    という感じになります。
    もし知らない物質が出てきたとしても、高校範囲で構造が求められるようなものしか出ませんので冷静に問題に取り組みましょう。

    3. 筆者が実際にやっていた対策
    次に、私が実際にやっていた二次試験の対策を述べたいと思います。
    私は化学が比較的得意かつ物理が壊滅的でした(本番は17点でした。これでも良い方)ので、必然的に化学で点数を取らざるをえませんでした。
    東大入試は理科が2科目150分ということもあって時間配分も大事になってくるのですが、前述した通り私は物理ができません。
    なので物理に時間を割けるように時間配分を化学60分、物理70分、残りで見直しと飛ばした問題に手をつけるというように設定していました。
    解く順番でいうと化学を先に解く派は少数らしいですね。
    でも私は物理の方が時間がかかってしまうのでどうしてもこの順番じゃないと時間が足りませんでした。
    なので本番で時間配分が狂わないように大問1つを20分で解くという演習をずっとしていました。
    最初のうちは計算が間に合わなかったりで6、7割しか終わらなかったのですが、最終的に本番前の時期では20分以内で全問解けるようになりました。
    当時使っていた参考書は赤本でした。赤本のいいところは分野別になっていることと年度順になっていることです。
    これは大問を1つずつ解くという演習をしていた私にはとても有り難かったです。
    ただ分野別に問題が分けられているので、年度ごとにまとめて解きたい人にはあまり向かないかなと思います。

    4. 最後に
    長々と書いてきましたが、私のアドバイスがこれを読んだ方全員に刺さるものだとは思っていません。
    使えると思ったところだけ使ってください。皆さんが最後まで受験を走り抜けられるように応援しています。


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  • 【東大生が教える】理系化学の勉強法

    【東大生が教える】理系化学の勉強法

    はじめに

    計算、暗記が大変で化学が苦手な人も多いのではないでしょうか?
    しかし、化学はその特徴を理解し、上手に勉強を続ければ高得点が期待できる科目です。

    この記事では化学を【理論化学】【無機化学】【有機化学】の3分野に分けて勉強法を紹介していきます。

    理論化学

    理論化学は計算が多い上に、化学平衡や気体など複雑な単元も多いです。そのため苦手意識を持つ人も多いのではないでしょうか?
    実は理論化学は次に述べる無機化学、有機化学とのつながりが強く、苦手を放置していると最後の最後に行き詰まってしまう可能性があります。
    しかしこの分野は「理論」化学ですので、組み立てられている「理論」を正しく理解すれば絶対的な武器になります。

    ここでは理論化学の勉強のポイントを3つ紹介します。

    1. 公式や原理の意味を理解する

    理論化学には化学平衡や電気分解などで多くの公式や原理が登場します。これらの意味を理解せず暗記するだけでも解ける問題はありますが、その状態だと難しい問題を解くことができません。

    教科書や授業のノートに書かれている公式や原理を自分の言葉で整理してみましょう。
    例えば、「電離度とは電離している度合いを表すもので、水に物質を溶かしたときに全体の物質量に対して電離した物質の物質量がどれだけあるかを示している」のように自分の言葉で書いてみてください。その中で意味をあいまいに覚えているところを見つけたら、教科書やノートなどで確認をし、それでも分からなければ先生または友人に質問して解決しましょう。

    また、この作業はできれば授業で習ったその日のうちにしてください。その方が記憶が新しいので短時間で復習ができます。私は白紙にその日習ったことを書き出して整理し、理解していました。

    2. 問題をたくさん解く

    理論を理解した後は、問題をたくさん解きましょう。最初から難しい問題を解かず、「セミナー化学」、「リードα」などの学校で配布されるような問題集の基礎的な計算問題を解いて公式の使い方に慣れてください。

    次に典型的な問題を解きましょう。典型的な問題というのは、入試によく出るパターン問題を解く上で重要な考え方が多く含まれています。繰り返し解くことで体に覚えさせてください。

    典型的な問題を解くための問題集として、私は数研出版から出版されている「実戦 化学重要問題集」をおすすめします。この問題集は理論化学以外の2分野についてもおすすめです。難易度はそれほど高くありませんが、この問題集を繰り返し解くことでベネッセや河合塾の模試のような標準的な記述模試では90点以上を取れるようになりました。

    3. 計算は速く・正確に

    理論化学は計算問題が多いです。そしてその計算問題では、部分点がなく数値のみ答えさせることが多いので、たとえ途中式が正しかったとしても答えが違えば0点になってしまいます。

    さらに難関大の入試問題になればなるほど、計算が煩雑かつ複雑になってくるので、計算力がなければ対応できません。また、いくら正確に計算できたとしても時間をかけすぎてしまえば、他の問題を解き切れなくなってしまいます。

    計算力を鍛えるためには多くの問題を解くことが一番です。他にもかけ算の順番を変えたり、小数を分数にしたりするなど、自分なりに工夫して計算するようにしましょう。

    無機化学

    無機化学は暗記する量がとても多く、嫌になる人も多いのではないでしょうか?

    しかし、逆に言うと覚えてしまえば確実に満点が取れる分野でもあります。

    ここでは効率的に暗記する方法を紹介します。

    1. 複数のことを関連付ける

    暗記事項の全てを一対一で覚えようとするといくら時間があっても足りません。そこで、いくつかの事柄を関連付けることで、効率良く暗記することを心がけましょう。

    例えば、フッ素と水が反応して酸素が発生する反応を覚えようとする時には、この反応はフッ素が酸化剤、水が還元剤である酸化還元反応、のように分類しましょう。そうすることで同様の原理の反応を関連付けて覚えられるようになります。

    このように反応式を覚える時、ただ化学式と数字の羅列で覚えるよりも、「この反応はどのような原理によって起こっているのか」を考え、関連付ける方が簡単に覚えることができます。

    2. 図やイラストを活用する

    化学反応式以外で無機化学で覚えなければならないものとして、物質や水溶液の色があります。

    例えば、水酸化銅(Ⅱ)の沈殿の色である青白色とテトラアンミン銅(Ⅱ)イオンの水溶液の色である深青色の違いは実際に見てみないとイメージできないでしょう。

    そこで、覚えるときは教科書もしくは図説、インターネットの画像などで確認しながらにしましょう。文字だけで覚えるよりも実際の色がイメージできるため暗記の効率が上がります。また図説は視覚的に理解できるので、参考書として持つことをおすすめします。

    3. インプットよりアウトプット

    無機化学は暗記科目ですが、暗記(インプット)ばかりしていても問題が解けるようにはなりません。一通り暗記が終わったら、問題演習(アウトプット)に取り組んでいきましょう。問題を解くことで自分が覚え切れていない部分が浮き彫りになり、効果的に暗記が進められます。

    また、同じアルミニウムに関する問題でも、融解塩電解について問うものと錯イオンについて問うものがあるように、同じ物質について異なる視点から出題されることも多いので多くの問題を解いておいて損はありません。

    有機化学

    有機化学は化学の最後に学習する分野ですが、出題のパターンがある程度決まっているので3分野のなかで1番得点しやすいです。そのため得意な受験生が多く、少しのミスが命取りになってしまいます。

    ここでは有機化学を得点源とするための勉強法を紹介します。

    1. 有機化学の全体の流れを把握する

    私は、有機化学の最初で行う、アルカンや異性体についての授業を聞いても、有機化学で何を学ぶのかが理解できませんでした。そんな時、学研出版から出版されている「宇宙一わかりやすい高校化学(有機化学)」を読むことで、有機化学の全体像を把握することができました。有機化学でどのようなことをするのかがわかると、授業で何をしているかがわかるようになりました。

    有機化学では全体の流れを把握することが大切です。教科書や参考書などで軽く有機化学の部分に目を通してどんなことをこれからするのかを知り、習っている内容だけを考えるのではなく、その内容がこれからどのように関係してくるか考えながら勉強しましょう。

    2. 官能基の性質や物質の反応を覚える

    官能基や反応の知識がなければ有機化学の問題は絶対に解けません。官能基は特別な性質を中心におさえ、「問題文のこの部分からこの官能基だ」とすぐに判断できるようにしましょう。

    例えば「還元性=アルデヒド基」のように問題文のキーワードと官能基の対応を意識して覚えましょう。問題文に書かれるキーワードは大体決まっているので問題を解いていくとだんだん慣れていきます。

    3. 構造決定をマスターする

    構造決定の問題が有機化学の中で最も多く出題されているので重点的に勉強しましょう。最初はセミナー化学の応用問題や重要問題集のA問題のような標準的なレベルの問題を解いて典型的な考え方を身につけていきましょう。

    そして、標準的な問題が楽に解けるようになったら難関大の問題も解いてみましょう。難関大の問題であっても使う知識はあまり変わらないですが、考える力が求められるようになります。難関大の問題を解き、いろいろな考え方を理解することで安定して構造決定の問題が解けるようになります。

    終わりに

    化学はすぐに結果が出るような科目ではありません。しかし、分野ごとの特徴を捉え、正しく努力するほど高得点が狙える科目です。
    諦めずに自分を信じてがんばっていきましょう!
    紹介した方法が困っている方の参考になれば嬉しいです。

  • 理科の科目選択を考えよう

    理科の科目選択を考えよう

    はじめに

    「理系に決めたのはいいけど、理科の科目選択はどうしたら良いんだろう……」

    そう悩んでいる方はかなり多いのではないでしょうか。僕自身も高校生の頃は選択科目がなかなか決められず、「生物・化学」の2科目に決定するのにとても苦労しました。

    そこで今回は、少しでも皆さんの選択の手助けとなるよう、科目選択のやり方についてまとめました! 
    結論から言うと、

    ①将来の夢に近い科目を選ぶ

    ②自分の好きな科目を選ぶ

    ③志望校に合わせる

    ④進路に合わせて戦略的に考える

    の4つの基準で検討していくと良いでしょう。以下ではそれぞれについて詳しく解説していきます。志望校が決まっている人にとっては③が最優先ですので、①、②は読み飛ばしてもらって構いません。そうでない人はぜひ最初から読んで、科目を決める参考にしてみてください!


    ①将来の夢に近い科目を選ぶ

    「志望校までは決まっていないけれど、将来の夢はなんとなく決まっている」という人もいるかもしれません。そんなときは、自分の夢と関わりの深い科目を選ぶことをおすすめします。

    例えば、医療や薬学、看護などの保健分野や農学分野には、生物や化学が深く関わっています。また、理学や工学といった分野には、物理や化学が深く関わっています。一つの分野の中でも細かく見ると別の科目が関わっていることもあるので、ぜひ自分で調べてみてください。

    自分の選んだ科目が志望分野と同じであれば、その科目が大学の入試科目に当てはまっていることが多いので、志望校が変わった時でも対応しやすくなります。また、自分の夢に近づくための勉強ができますし、進学先の授業にもついて行きやすくなるはずです。

    ただし、その分野と関わりの深い科目と入試科目は一致しないことがあります。医学部医学科はその良い例で、物理・化学でしか受験できない大学もあります。ですから自分の目指す分野によく合うような大学をきちんと調べた上で、他の要素も併せて考えながら選択科目を決定しましょう。


    ②自分の好きな科目を選ぶ

    皆さんの夢によっては、選びたい科目が一つに定まらないこともあるかもしれません。また、自分の夢が決まっていない人もいるでしょう(僕も当時はそうでした)。そんな人は「自分が一番好きだ」「魅力的だ」と思える科目を選んではどうでしょう。「好きこそ物の上手なれ」という言葉がありますが、まさにその通りです。自分の好きな分野であれば苦にせず楽しく勉強できますし、そうすれば上達は早くなるでしょう。将来の夢も、自分が楽しいと思えるものから見つけられたら素敵ではありませんか?

    そうはいっても、「それぞれの科目がどういうものか分からない!」「好きな科目なんてない!」という人もいるでしょう。そこで、僕の主観と友達の話から地学以外の3科目の魅力を下にまとめてみました! ぜひ参考にしてください!

    物理

    物体の振る舞いを主に扱う分野です。物体の質量や位置、エネルギーなど様々なものを数値化し、数式を用いて計算するので、数学との深い関わりがあります。与えられた条件から自分で答えを導き出したときには、大きな達成感を味わえます!

    便利な道具や機械の開発など様々な技術を支える学問であり、量子コンピュータの開発やブラックホールの謎のようなロマンあふれる最先端の研究に直接繋がる学問でもあります。

    化学

    原子や分子のような粒子に注目します。理論化学・無機化学・有機化学の3つに分かれ、それぞれ特色が大きく異なります。理論化学では物質の一般的な性質を学び、そこから反応や数値を導き出します。無機化学や有機化学では自分たちにとって身近な物質の性質を学ぶことができ、特に有機化学では実験結果から分子の構造を導く、パズルのような面白さがあります!

    製薬や素材開発などの分野のほか、実は生物学や物理学の分野にも深く関わっています。

    生物

    DNAやタンパク質のような生物を構成するミクロな物質から、生物の進化や生態系のようなマクロなものまで幅広く扱います。自分自身の体の仕組みや身近な動植物の仕組みを学べること、そして進化や分類から生物全体の壮大さや人間の相対的な位置を感じられることがとても魅力的です!

    私たちが毎日口にする食べ物を作る農学や、病気や怪我の際にお世話になる医療などに関わる、必要不可欠な分野です。


    ③志望校に合わせる

    もし自分の進みたい大学が少しでも決まっていたら、必ずその大学の入試科目を調べておきましょう。

    例えば東京大学の理科Ⅰ〜Ⅲ類は、物理・化学・生物・地学のうち好きな2科目で受験ができますが、実はこれは少数派です。多くの大学では学部学科ごとに、選べる科目の種類や数が決まっています。中には生物に関わる分野なのに物理・化学の2科目でなければ受けられない、というような学科もあるので要注意です! 第2志望以降もきちんと調べておくと良いでしょう。

    理科2科目を必要とする大学では、地学以外の物理・化学・生物のうち2つを組み合わせて受けることが多いです。その中でも1番受けられる大学の多い組み合わせは「物理・化学」で、次に多いのは「生物・化学」です。志望する学部学科が決まっていない人は物理・化学を選択するのが無難だと言われることがありますが、これがその理由です。


    ④戦略的に考える

    できれば自分が本当に好きだと思える科目を選びたいところですが、自分の得意不得意や入試での有利不利を考えて戦略的に科目選択をするのも一つの手です。それに関する情報もまとめたので、参考にしてみてください。

    物理

    理論を正しく理解すれば問題が解けるので、3科目の中で特に少ない暗記量で受験に挑むことができます。暗記が少ない分多くの演習が必要で、数学が苦手な人にとっては難しく感じるかもしれません。入試問題では問(1)が解けないとその先も解けないといったことが起こり得ますから、「満点も0点も取りやすい科目」だといえます。実際に入試の平均点を比べてみると、生物よりも高いことが多いです。

    化学

    入試科目に化学を課す大学は多く、高校で履修する科目としても化学が必須となっていることがよくあります。計算と知識が両方求められるので難しく感じるかもしれませんが、演習と暗記を並行して進めていくと良いでしょう。大学進学後も様々な分野で必要となるので、選択して損のない科目です。

    生物

    物理や化学と比べて圧倒的に計算が少なく、単語を答える問題や考察問題が主です。考察問題に答えるためには、単なる用語の暗記だけでなく生物の仕組みについての正確な理解が求められます。東京大学など、大学によってはとても長い問題文を読まされることがあり、数学的な能力が必要な物理に対して、生物は国語能力が必要だと言えるかもしれません。きちんと覚えることを覚えておけば、実力より極端に低い点数をとることはないでしょう。物理や化学と比べて塾のサービスや問題集の充実度が低いという短所もあるので注意しましょう。


    おわりに

    皆さん、どうでしたか。どのように科目選択をしたら良いのか、少し方向性が見えてきたのではないでしょうか。科目選択は今後の人生を左右するとても大事なものです。この記事だけではなく、学校の先生やご家族とも相談しながら、よく考えて決定してください。皆さんの選択によって、今後の勉強がより有意義になることを願っています。

  • 【東大生オススメ!】化学の参考書

    【東大生オススメ!】化学の参考書

    東大生が勧める参考書や問題集を紹介します。参考書についてはその名前と、東大生によるおすすめの使い方や長所の説明を掲載しています。ぜひ参考にしてみてください。

    化学の問題集(基礎レベル)

    問題集を解くときのアドバイス!

    基礎の問題集といえば、それぞれの単元について難易度順に並んでいるかと思います。最後まで解かなきゃ!と思うかもしれませんが、まずは基本問題を解いてみて、自分に解けるのか確認しましょう。そして解けていないなら、その知識や手法がまだ身についていないということですから、参考書や教科書に戻ります。その際、その問題の答えのみ覚えるのでなく、周辺の知識も抑えられるとなおいい!なぜなら、その分野があなたに足りていない可能性が高いからです。 地味なようですがこのように穴を埋めていく勉強法が一番効率の良いやり方かと思います。私は学校で配られたリードα(数研出版編集部)という問題集を使っていましたが、使う問題集は手元にあるもので十分だと思います。 (理Ⅱ・2年)

    『化学基礎+化学』(第一学習社)

    化学基礎から化学まで高等教育指導要領範囲内の全ての分野のまとめと練習問題をつけた問題集で、問題編と詳解編の二冊が存在します。 まとめの章で確認したことを練習問題の章で掘り下げるというスタイルで学力の安定化に寄与し、 発展・総合問題の章では各分野の入試問題傾向の綿密な分析に裏付けられた良問を取りそろえています。 扱う問題はどれも化学の世界で頻出の知識や考え方を問うもので、入試の基礎実力養成にぴったりです。 筆者は東大受験に際しこの問題集と過去問しかやっていませんでしたが、かなりの化学力を手に入れ、本番では得点率7割を達成しました。 (理Ⅰ・1年)

    化学の問題集(応用レベル)

    『化学重要問題集』(数研出版編集部、数研出版)

    理論から無機、有機まで、化学における全範囲に対応した大学入試の土台となる定番の問題集です。大学入試に必要な基本的な考え方に着目した問題をそろえているため、何度も繰り返し解き、完璧に理解することをお勧めします。またこれは全ての問題集(過去問)に共通していえることですが、無機、有機分野において教科書などで見たことのない問題はしっかり学校の先生に質問して、自分の知識の幅を広げておきましょう。無機、有機分野は知っているだけではるかに解きやすくなる問題が多いため、先生への質問をお勧めします。 (理Ⅰ・1年)

    『化学の新演習』(三省堂)

    かなり難度の高い問題集。東大の受験で最低限必要な点数を取るレベル以上の問題集。 化学で高得点を狙うには問題を絞って(無駄な知識問題などを飛ばして)やっていくのが効率的。 筆者は化学グランプリの対策に使用した。 (理Ⅱ・1年)