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  • 【逆境を味方に】地方から効率アップで東大へ【合格体験記】

    【逆境を味方に】地方から効率アップで東大へ【合格体験記】

    ↑ 高校3年生のときの教室


    はじめに

    東大生のうち、首都圏出身者は約6割。初めて見る人にとっては衝撃の数字ではないでしょうか。

    しかし、都会に住んでいなければ東大合格は難しいか、有名な塾に通わなければいけないかというと、必ずしもそうではありません。

    この記事では、東大とは無縁の田舎から文科二類に合格した私の経験と工夫をお伝えします。


    ど田舎から東大へ

    私の出身は、佐賀平野の端のとある町です。家の周りには田畑が広がり、3km先にある2階建ての中学校を望むことができました。

    大学進学が決して当たり前ではない地域で、東大をはじめとする最難関大はテレビの中の遠い存在でした。中学では部活動中心の日々が続き、最後の夏の大会が終わるまで、受験に向けた勉強はほとんどしていませんでした。

    そんなど田舎で育った私が東大を意識し始めたのは、高校1年の夏でした。

    県内ではトップといわれる公立高校に進むことができ、同級生のレベルの高さを思い知らされていた時期です。
    将来の目標どころか、文系と理系のどちらに進むかすら決め切れていなかった中、当時の学年主任の先生から呼び出され、こんな風に声をかけられます。

    「入ったあとに学部を選べる大学もあるよ」

    「ちなみに東大っていうんだけど」

    今思えば妙な誘い文句です。

    まさか自分が東大を目指すことになるとは思っていなかったので、その場では苦笑いと曖昧な返事でごまかしました。
    それ以降、どこかこそばゆく感じながらも、模試などの志望欄に「東大」と書いてみるようになりました。


    電車通学生の勉強法

    高校時代は電車通学で、家から学校まで片道1時間ほどかかっていました。

    電車といっても、都会のように便利なものではありません。自宅の最寄駅に停まるのは1時間に1本、昼間にいたっては2時間に1本しかないというひどい有様でした。1分の寝坊が命取りです。その気にならずとも、時刻表はすべて頭に入ります。

    北部九州の進学校には、いまだに朝補習(0限)の文化が残っているところがあります。私の母校もその例に漏れず、7時50分から一日の授業が始まっていました。

    その時間に間に合うために朝は6時起き、放課後はバドミントン部の活動後、21時ごろに帰宅する生活が続きます。平日は疲れてしまって十分な勉強時間を確保できず、授業の課題をこなすのがやっとでした。

    中には3年間だけ高校の近くに引っ越す友人もいましたが、そんなことはできません。
    環境を変えられないのならば、自分が変わるしかない。逆境も逆手にとってしまえばこっちのものです。少ない勉強時間で確実に力を伸ばしていくため、自然と効率を重視するようになりました。

    具体的な方法は次の2つです。
    1. 授業で9割理解する
    2. 電車の時間でコツコツ暗記


    1. 授業で9割理解する

    学校で授業を受けている時間は、毎日7時間ほど。これより家庭学習の時間のほうが長いという人はほとんどいないでしょう。

    ならば、授業をおざなりにする手はありません。特に私の場合、塾や通信教育は利用していなかったので、学校の授業がすべてでした。授業の内容はその場で理解してしまうことを目標にして、疑問点はその日のうちに解消するよう徹底していました。

    一度理解してしまえば、あとは定期試験や模試の前に苦手な部分を確認するだけで十分です。まとめて復習するのと比べると、効率は格段に上がります。

    ここでのポイントは、覚えるのではなく「理解」することです。

    授業中、板書を写しながら、常に「なぜ」を意識するようにしていました。

    文系であれば、社会科目が一番わかりやすいかもしれません。

    たとえば、なぜオーストラリアで白人至上主義が形成されたのか。なぜ東京に人口が集中するのか。授業中に先生が話してくれるのは、事実や答えの背景にある「なぜ」の部分です。教科の枠を超え、地学や生物の知識ともつながって本当に楽しかったのを覚えています。

    数学などでも同様です。

    ベクトルの使い方を知るだけではなく、なぜその問題でベクトルが役立つのかを考える。穴埋め式の試験でしか使えないような小手先の技を覚える前に、なぜその方法が成り立つのかを確かめる。正解にたどり着くまでの思考を言語化することで応用の幅が広がり、記憶にも残りやすくなります。

    このように「なぜ」を理解していたからこそ、東大の入試問題にも楽しく取り組めたのではないかと思います。


    2. 電車の時間でコツコツ暗記

    理解重視で勉強してきた私ですが、中学時代からずっと苦しんでいたことがありました。

    暗記です。

    様々な知識がつながっていくのが楽しかった反面、何の関連もない事柄をひたすら覚えるのは大の苦手だったのです。

    電車に揺られる時間は片道30分ほど。最初のうちは、移動時間くらいゆっくりしたいと割り切っていました。

    しかし、高2になって「覚えていないから解けない」という問題が増えてきてからは、さすがに悔しさと危機感を抱きはじめました。

    まずは英単語帳からはじめ、その日の気分に応じて4択式の英文法の問題集や古文単語帳を開くようになりました。時にはスマホを使ってCDの音声を聞いたり、気になるところをその場で調べたりしながら取り組むこともありました。

    言語ですから、すべてに明確な由来があるわけではありませんが、たとえば「pull up」で「駐車する」という意味になるのは、手綱を引いて馬を止める動作の名残です。これを知るだけで絶対に忘れなくなります。

    何度も毎日繰り返していくうちに習慣化し、受験期には社会や理科の暗記も電車の中で済ませるようになりました。

    結局、机の前に座って「今から暗記をやるぞ!」という時間を作ったことはほとんどなかったのですが、むしろ電車の中でちょっと確認するくらいのほうが気軽で良かったのかもしれません。

    1日1時間でも、2年間続ければ約700時間。我ながら置かれた環境をうまく利用できたと思っています。


    支えてくれたもの

    質を高めることで相対的な勉強量の不足をカバーして、高3の秋までにはなんとか東大を狙えるレベルに到達することができました。

    周囲からはこのままいけば大丈夫だろうと言われるようになり、私自身もそう信じて突き進んでいました。

    しかし、二次試験の直前、それも東京に向けて出発する前日になって、それまでに感じたことのなかった強い不安に襲われます。これまでに積み重ねてきたことよりもやり損ねたことに目が行き、培ってきたはずの自信を完全に失ってしまいました。

    この1年間、自分がやりたかったことを犠牲にし、負担になりそうな人間関係を多少切り捨ててまで勉強を最優先にしてきたのに、それがすべて無駄になってしまうのではないか。その怖さは今でも鮮明に覚えています。

    ついには、私が東大を目指すきっかけを作ってくれた学年主任の先生の前で涙をこぼしてしまいました。

    そんなとき私を支えてくれたのは、他でもなく、それまで切磋琢磨してきた友達でした。「本当はめっちゃ怖い」「さすがにしんどい」と弱音を吐くことができたのは、それが初めてだったと思います。

    きっと大丈夫と言われていただけに、勝手にいろいろなことを背負ってしまっていたのでしょう。受験会場に到着してからも、その友達の顔を思い浮かべると心を落ち着けることができたような気がします。自分のことで精一杯だったはずなのに私に寄り添ってくれた友達には、今も心から感謝しています。

    高校時代を振り返ってみても、一番楽しかったのは、放課後の教室で友達と一緒にわからん、わからん、と言いながらなんとか目の前の問題を理解しようとしていた時間でした。1人で考えたこと、1人で覚えたことよりも、友達と一緒にやったことのほうが何倍も記憶に残りやすかったと思います。

    もちろん、同級生だけでなく、応援してくれた家族や地元の友達、最後の最後まで向き合ってくれた先生、本当に多くの人に支えられていたからこその合格でした。

    受験前に作成していた「合格したら報告する人」のリストは、200人をゆうに超えていました。


    おわりに 〜始まらないキャンパスライフ〜

    学年主任の先生の前で涙を流したのは全部で2回。1回目は受験直前、2回目は合格発表の日。嬉しさと安堵と感謝がぐちゃぐちゃに入り混じった涙でした。

    しかし、喜べたのも束の間。上京後の私を待っていたのは、思い描いていたものとは全く違う生活でした。

    コロナ禍で入学式は中止。
    キャンパスに行くこともできず、数少ない友人との交流はすべて画面上。

    せっかく興味深い講義を聞いても、それについて語り合える相手がいない。それどころか、毎日出される大量の課題に追われるばかり。高校時代は思考すること、議論することがあんなにも楽しかったはずなのに。

    このままでは、これまで自分を支えてくれた人に顔向けできない。そんな思いも脳裏をよぎります。と同時に、そうした支えが受験期の自分にとっていかに大きなものだったたか痛感しています。

    自らの選んだ道が間違っていなかったと自信を持って言えるのは、もう少し先のことになりそうです。

    努力の結果が思い通りの形になるかは、誰にもわかりません。
    それでも、一つの目標に向かって頑張ってきたという自信が、きっとあなたの糧となるはずです。

    みなさんの高校生活が悔いのないものになることを願っています。

    最後までお読みいただきありがとうございました。

  • 【メルマガ試し読み】数学・理系国語の対策

    【メルマガ試し読み】数学・理系国語の対策

    過去に配信されたメールマガジンの記事になります。東大生の生の声が綴られています。お楽しみください!(なお、執筆者の科類や学年は執筆時点でのものとなります。)


    理科一類1年 A.F.

    みなさんこんにちは。理科一類1年のA.F.です。
    COVID-19の影響で、東大に入学したのにも関わらずこの記事を執筆している時点で未だに福島にいます。(東大生なのに東大のキャンパスにまだ1度しか行けていません…。)
    自分の出身校では夏休みが大幅に短くなったと後輩から聞きましたが、皆さんの高校はどうでしょうか?
    さて、今回は東大入試において大きなウェイトを占める数学、そして理系東大志望が1番対策に困るであろう国語(理系)の対策法についてまとめてみました。是非参考にしてみてくださいね。

    ①数学について

    高2以下の皆さんへ

    臨時休校により授業で習っていた内容が中途半端のままになってしまったり、学校再開後、急に授業の進度が早くなったりして困っている人が多いと思います。たとえ今はそうでなくとも、例年より明らかに授業進度が遅れてしまっているため、必ずどこかで「ツケ」が回ってきてしまいます。
    高校数学において最も重要なことは、教科書の内容をしっかり理解することです。
    受験本番では教科書に載っているものよりも何段階も難しい問題が出題されます。
    教科書の内容さえ理解できていないのに、そのような問題を解けるはずはありません。
    また、「後で復習した時にちゃんとやればいいや」のように考えるのは非常に危険です。

    数学は1度躓いてしまうとそこから雪崩のようにどんどん分からなくなっていきます。そして最終的に「数学がわからない」「数学が嫌い」と思うようになってしまいます。
    それに、どうせ後でやるなら今やってしまったほうが何倍もマシですよね。
    まずはなによりも、授業の内容は必ずその日のうちに100%理解するぞ、という思いを常に持つようにしましょう。
    少しでも曖昧なところがあれば、教科書をじっくり読んでみたり、あるいは友人や先生に積極的に聞いてみたりして、不安要素は必ず片付けるようにしましょう。
    例年、沢山の受験生が「高2までに数学をちゃんとやっておけばよかった」と言っています。
    この時期からこつこつ数学をやっているだけで、受験期にかなりいい思いをすることができます。
    逆に言えば、今やらないと受験期に基礎的な内容の復習から始めないといけないため、その分受験勉強のための時間が減ってしまいます。
    その分他の教科にまで影響が出てきてしまうかもしれません。善は急げ、です。

    上で「進度が遅れてしまっている」とはいいましたが、皆さんには受験までまだまだ沢山の時間があります。
    この時間をどのように使うかは皆さん次第ですが、自分から皆さんに「数学の学び方」について提案させて下さい。

    皆さんの中で、分からない問題に出会ったらすぐ解答を見るようにしている人はいませんか?
    解答を見てそれを丸暗記したり、ただ単に解法だけを覚えたりしている人はいませんか?実はこの勉強法、あまり効果的ではありません。
    というのも、学校の定期考査などではたしかにいい点は取れるかもしれませんが、入試ではあらゆる分野から、様々な要素を絡み合わせた問題が出題されるため、解法丸暗記で対応できることはほとんどありません。
    大学側は、高校生の皆さんに「自ら考え、その上で適切な解法を編み出し、解を求めること」を求めているのです。
    「こういう分野でこんな感じの問題が出てきたら、こんな感じの解法で解いて…」と実質暗記のように学習しても、目新しい問題が沢山出題される東大入試には全く対応できません。
    皆さんが普段問題を解くとき、すぐに解答を見るのではなく、「まずは思う存分考え、自分なりの答えが一通り仕上がってから初めて解答を見る」ということを心がけてほしいのです。これが「自ら考える」ことの練習になります。
    また、自分なりの答えが出来上がっているので、それを解答と比較することで「ここはこうするといいんだな」や「ここはこれがまずいのかというように気付きを得ることができます。
    これらの気付きは次に似た問題を解く時や、他の分野の問題を解くときにも必ず皆さんの力になるはずです。そして最終的には、受験本番で皆さんの味方をしてくれるはずです。
    「自ら考える」ことに慣れておくことが東大を志望する皆さんには必要不可欠です。
    また解答を見るときには、答えを丸暗記するなど話になりません。解法を覚えるのも、それで対処できる問題には限りがあります。
    皆さんが解答を見るときには「なぜこの解法で解いているのか?どうしてここでこの定理を使っているのか?というような「考え方のアイデア」を学ぶことを心がけてほしいです。
    数学に暗記は必要ありません。必要なのは、「考え方のアイデア」を増やすことです。受験本番、「考え方のアイデア」は皆さんの武器になります。
    アイデアがあればあるほど、いわば「考え方の引き出し」が増えるため、難しい問題にも対応できるようになってきます。
    皆さんには時間がまだ沢山あります。「自ら考える」ことの練習、そして「考え方のアイデア」のアイデアを学ぶことは、時間がある皆さんだからこそ可能です。

    これらの勉強法をぜひ取り入れてみてくださいね!

    高3文系の皆さんへ

    既に数IAIIBは学び終えていると思うので、そこまで今回のCOVID-19で大きな影響を受けていないかもしれません。
    しかし、演習時間は例年以上に少なくなってしまっていると思います。
    まず、教科書の内容で不安なところがある人は今すぐに復習を始めてください。
    上の<高2以下の皆さんへ>でも述べたのですが、教科書の内容さえ分からないのに東大入試を戦い抜けるわけがありません。
    これは文系の皆さんにも十分当てはまることです。特に、文系の皆さんは他の教科の対策もあるでしょうから、どうしても数学にかけられる時間は少なくなってしまいます。
    「問題演習しながら復習すればいいや」というように考えていても、それだけでは復習が不十分なことがほとんどです。
    また、過去問などを見たとき、「何を言ってるのか分からない」となった場合も基礎事項が抜け落ちている可能性があります。
    自分で教科書を一通り見直してみて、少しでも躓いた所があればいち早くその苦手を潰すようにしましょう。
    共通テスト後にどうにかしよう、などという考えは論外です。

    東大の文系数学では、ある程度出題分野に偏りがあります。「整数」「確率」「座標(図形と方程式)」「微積分」「漸化式」の5つの分野が頻出です。
    これらの分野に少しでも不安要素がある人は危険です。夏が終わるまでに対処するようにしましょう。
    文系とはいえ、単に教科書に載っているような典型的な問題が解けるだけでは東大入試には対応できません。
    過去問演習や、他大学の入試問題を沢山解き、どのような問題にでも対応できるよう経験を積んでおきましょう。
    その際、解答を丸暗記するのはむしろ逆効果です。解答の中でどのような操作が何を理由にして行われているのかを1問1問しっかり分析するようにしてみましょう。
     

    高3理系の皆さんへ

    3年生の皆さんにはあまり時間がありません。
    ですが、理系の皆さんであれば、数学に比較的多く時間を割くことになるのではと思います。
    そこで、3年生の皆さんにも、<高2以下の皆さんへ>で述べたような演習の仕方を是非実践してほしいです。
    簡単に東大理系数学の分野別戦略を以下に記します。
     

    ・整数…比較的難問が出題されやすく、特にパターン化しにくいため、整数論の問題にどれだけ触れてきたかの経験が重要になります。
    特に、互いに素の考えに注目したり、余りについて考えたり、不等式に絡めて考えるような問題に十分慣れておくと心強いです。

    ・数列…他分野との融合問題で出題されることがほとんど。確率分野や整数論、極限などでと絡めた問題にも怯むことなく対応できるかどうかがカギです。
    漸化式の処理は常に難なくできるレベルになっておくことが求められます。また、Σを用いる計算にも慣れておく必要があります。

    ・微積分…必ず出題されると言っても過言ではないでしょう。
    不等式が絡んでくる問題が出題されることが多いので、十分に演習を積んでおくことが求められます。
    また、積分計算については「数学の勘」が重要になってくるので、様々なタイプの積分で演習を詰んでおくことをおすすめします。

    ・図形と方程式…座標で解くのか、ベクトルで解くのか自分で判断できるようになっておくことが強く求められます。
    (問題文がベクトル表示されていないからベクトルではない!といった考えは東大入試では通用しません。逆に、自分で座標を設定しなければいけないことも多々あります。)

    ・空間図形…上記の積分や図形と方程式の内容と絡んでいることがほとんどです。特に断面や回転体を考える場合は非常に頻出なので慣れておくとよいでしょう。 

    ・場合の数・確率…二項係数の扱い、複雑な問題文から確率漸化式を立てられるかが特に重要視されます。ここは特に差が付きやすいポイント。

    ・複素数平面…ここ数年出題されやすいのでおざなりにしてはいけません。
    図形問題のように見せかけて実は複素数平面の問題だったということもあるため、複素数の応用の部分は特に演習を積んでおくと安心です。

    以下は、学校の進度別のアドバイスです。

    (1)既に数IIIまで一通り学び終えている
    基本的には<高3文系の皆さんへ>と同様です。理系でもある程度出題分野に偏りがありますが、幅広く対応できるようにしておきましょう。
    また、1日1回は必ず数学に触れるようにして、「数学のクセ」をつけるようにしておくといいと思います。
    東大を受験する理系生徒であれば、共通テストは数IAIIB共に100点取れてほぼ当たり前です。
    特別に共通テストの対策はする必要はないでしょう。逆に。
    共通テストの演習でどうしても点数が取れない場合、これまでの理解内容に重大な欠陥がある可能性があります。

    (2)まだ数IIIを学び終えていない
    COVID-19により、例年以上に授業が遅れているため、中高一貫校などと進度に大きな差がついてしまっています。
    まず、授業で習った内容は必ずその場で理解するようにしましょう。放置しておくと、その後の受験勉強に大きな支障が出てしまいます。
    特に、数IIIの最後の分野(微積分)は確実に入試本番で出題されます。この時期が一番の踏ん張りどころでしょう。
    また、進度が早い学校との差を埋めるために、一刻も早く演習を始めるようにしましょう。
    既に数IAIIBの内容であれば十分演習が可能です。数IAIIBの演習と数IIIの内容理解を同時並行で行うのが必須となってきます。
    また、数IIIの問題演習においては、特に数Iと数IIで学んだ内容を用いる場面が何回もでてきます。
    そのため、この時期に既に演習を始めておけば、今後数IIIの演習をする時にやや楽になります。

    ②理系国語について

    理系の東大志望に多い悩みが、「学校で十分に対策してくれない」というものです。
    これは自分にもあてはまることで、特に3年生になってからは授業でもほとんどセンター試験演習をしていた上、センター試験終了後の2次試験対策講座も国語は文系限定でした。
    また、「どうやって対策すればいいかわからない」「苦手だけどどう克服すればいいかわからない」という人も沢山いると思います。
    そんな皆さんの助けに以下の文章が少しでも助けとなれば幸いです。

    二次試験に向けた勉強法ですが、「共通テストの勉強で十分」というのは全くのお門違いです。
    記述力が強く求められるため、単に共通テストの対策だけでは「それっぽい解答」を書くことしかできません。
    では、どのような勉強法がよいのか、自分の経験談も交えながら現代文と古典でそれぞれ説明します。

    現代文

    現代文については、自分で参考書を数冊買い、それに沿って演習するのを強く勧めます。
    学校の教科書に沿った勉強だけでは、特に理系の場合は十分な力が付かないからです。始める時期としては、共通テスト直後では遅すぎます。今の時期からコツコツやっておくことをオススメします。2次試験への対策が、自然とセンター試験への対策にもなるからです。
    それに、数学のように学校の進度といったものが現代文の場合は存在しないため、今から対策を始めても何も支障はありません。
    (2年生以下の皆さんも、ぜひ少しずつやってみましょう!)

    自分は、
    (1)記述の手順がわかって書ける!現代文記述問題の解き方 「二つの図式」と「四つの定理」 浦 貴邑

    (2)世界一わかりやすい 東大の国語[現代文] 合格講座 浦 貴邑

    (3)ライジング現代文―最高レベルの学力養成 内野 博之
    の3冊で学習を進めました。

    一番最後の「ライジング現代文」は省略しても大丈夫だと思います(現代文を他の人より得点源にしたい場合はおすすめ)。
    最初の2冊については、筆者が同じなので内容にもやや繋がりがあり、特に2冊目は東大入試の過去問に沿って解法の解説をしてくれているので、どちらもやるととても力になります。 

    古典

    古典についてですが、理系と文系ではやや出題内容に差があります。
    出題される文章は同様ですが、文系で出題される難しい問題が理系ではカットされます。
    そのため、東大入試とはいえ、実は難易度的には標準であることが多いです(東大の理系国語より、他の大学の文系国語のほうが難しいことがしばしば)。
    また、特別な知識(いわゆる古典常識)も不要なため、対策を十分すれば満点に近い点数も期待できます。
    それでは、どのように対策すればよいのかというと、とにかく文法・単語知識の定着です。
    文法知識は文章読解の上では必要不可欠ですが、一度定着させてしまえば受験までずっと苦労することはありません。
    逆に、曖昧なまま放置しておくと、永遠に曖昧なまま受験本番まで引きずることになります。
    できれば授業でやった段階で定着させておくことが望ましいですが、今の時期であればまだ十分間に合います。
    共通テストのことを考えると、この時期までに定着させられないとやや厳しいです。比較的短期間で定着させることが可能なので、ぜひ復習してみてください。

    文法事項が身についても、単語の知識がなければほとんど読解はできません。
    日本語でも、敬語とかの仕組みは分かっていても文章中の単語の意味を知らなかったら全く理解できませんよね。
    どれだけ単語の知識があるかが、どれほど楽に読解ができるか、そして得点できるかに直結します。
    自分はセンター試験3週間前から2次試験当日まで、毎日学校で購入した単語帳を1日1周以上するようにしていました。
    意味が分からなかった単語には毎日印をつけることで、2次試験直前には「どの単語が苦手なのか?」がひと目で分かるようになっていた上、合計で100周近くしたのでかなり自信がついていました。
    慣れてくると、20分もあれば1周できるようになるので、時間的な負担もそこまで大きくありません。
    文だけみるととても大変そうな勉強法に見えますが、実際はそこまで大変じゃない上、かなり威力抜群です。
    自分はセンター3週間前になってこの勉強法を始めましたが、皆さんには是非もっと前の段階からこの方法を実践してもらればと思います。

    元々自分は国語が大の苦手で、全国模試でも国語は偏差値50を切っていました。3年生の東大模試でも、国語80点満点中15点〜20点くらいしか取れていませんでした。
    ですが、これらの勉強法をやってみたところ最終的に2次試験本番では50点近くとることができました。
    国語が苦手だという人も、ぜひこの勉強法を試してみてください…! 

    長くなりましたが、今回お伝えしたことが少しでも皆さんのためになれば幸いです。今回書いたことについて質問などがあれば、FairWindの質問フォームからぜひ聞いてくださいね。

    数年後、皆さんと東大のキャンパスで会えることを楽しみにしています。


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  • 【メルマガ試し読み】モチベーション維持法

    【メルマガ試し読み】モチベーション維持法

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    文科三類1年 O.S.

    受験生や学生の悩みとして代表的な「モチベーション維持法」。
    実際「どうしたら勉強のモチベーションを保てるのか?」という質問をよくいただきます。
    そこで今回はこの問題の私なりの解決策について、自分の経験を踏まえて三つ話していきたいと思います。(適宜メモを取っていただけると役に立つと思います。)

    一つ目は「努力・成果の見える化」です。
    モチベーションを維持するのに必要なのは「小さい達成感」です。
    自分の頑張りが結果として結びついていると感じられる瞬間にやる気は生まれます。
    しかし勉強は短期的に結果が現れるものではありません。そのため自身の成長も、達成感も感じられず継続を放棄してしまう人が多いわけです。
    そこで私がおすすめするのが「努力・成果の見える化」です。
    自分の努力量や成長を数値化することができれば小さい達成感が得られます。
    私はスタディプラスという勉強時間記録アプリを使って勉強時間を毎日グラフに見える化をすることでやる気を高めていました。
    また成果の見える化としては「ミニテスト」を取り入れていました。
    やり方は単純です。例えば英単語の暗記であれば、まず日本語に訳せない単語にチェックを入れておいてそのチェックの数をメモしておきます。
    その後30ページ分学習が終わったら自分にテストするのです。そして同様にチェックの数を数えます。
    こうしてその数をだんだんと減らしていくわけです。
    すると自分の成長が数値化できますしやる気もわきます。
    これは単語帳に限った話ではなくて数学の解ける問題数などにも応用できます。(数値化することが大事なのです。)

    二つ目は「仕組みづくり」です。ルーティーン化と言い換えてもいいと思います。
    やる気というのは待っていても起きるものではありません。行動を起こしてみないことには始まらないわけです。
    そこで登場するのが仕組みづくりです。
    これは「自らの意志に関係なくその行動を起こすように仕組む」ということで、
    たとえば私が行っていた仕組みづくりは放課後に自習室に直行するというものでした。
    自習室や図書館では強制的に勉強せざるを得ないですし典型的な仕組みづくりだと思います。
    他にも「トイレに入ったら必ず年号を一つ覚える」とか「SNSを利用したらその後必ず単語を一語覚える」などが挙げられます。
    こうした日常のルーティーンに結びつけた勉強は必然的にスキマ時間の活用にも繋がりますしこういう時間こそ周りとの差がつくのでオススメです。
    こうした仕組みづくりが積極的にできるようになればそもそもモチベーション維持法で悩むこともなくなると思います。

    三つ目は最低ラインを決めることです。
    みなさんが自分の人生の中で最もモチベーションが下がった瞬間を「今」イメージしてください。
    では質問です。そんなやる気のない状態でも最低限これはできるということは何でしょうか。
    たとえば、何時間も頑張ったのに結果が出ず先生に叱られた後だったら何ができますか?
    一方的にダメな生徒のレッテルを貼られ苛ついているときには何ができますか?
    それは深呼吸をすることかもしれませんし、とりあえず机に向かうことかもしれません。
    部屋の片づけかもしれませんし単語帳に付箋を貼ることかもしれません。
    モチベーションが最低の状態でない「今」のうちに、「最低限これはできる」ということを、リストアップしておきましょう(3つ~5つくらいから始めてみると良いと思います)。
    そしてやる気がどうしても湧かないとき、そのリストに書かれてあることだけ、最低限実行しましょう。
    難しいことはないはずです。ですがその小さな行動が重い心を動かしてくれるはずです。ぜひ試してみてください。

    さてこれまでに三つのモチベーション維持法を紹介してきました。
    「成果の見える化」「仕組みづくり」「最低ラインを決める」の三つです。
    どれか一つでもいいなと思うものがあればみなさんにぜひ実践してほしいと思います。
    実践なきところに成長はありません。まずは小さい行動を起こすことで世界は変わります。
    みなさんのご健闘を祈ります。長文を読んでいただき本当にありがとうございました。


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  • 【メルマガ試し読み】二次試験各教科の対策(化学)

    【メルマガ試し読み】二次試験各教科の対策(化学)

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    理科二類1年 H.N.

    みなさんこんにちは。
    入試本番が近づいてくるこの季節。みなさんどうお過ごしでしょうか?
    今回は二次試験各教科の対策(化学)ということで、私なりのアドバイスと私が実際にやっていた試験対策について話していきたいと思います。

    1. まずは己の敵を知る
    「彼を知り己を知れば百戦危うからず」という言葉を皆さんはご存知でしょうか?
    これは古代中国の兵法家・孫武の言葉で、
    「敵の実力や現状を把握し、そして自分自身の実力もきちんと把握していれば何度戦っても負けることはない」という意味です。
    これを受験に置き換えてみると
    「受験する学校の問題の傾向や分量をしっかり把握して、自分の実力がどれぐらいなのかということを把握していれば本番でも焦らずに問題に取り組める」
    というふうになるのかなと私は思います。
    では具体的に何をすればいいのかということを文章にすると、
    「敵を知る」という部分は、
    ・参考書などで過去問をみる
    ・過去3、4年の平均点・最低点を見て、各教科の目標点をセットする
    「己を知る」の知るという部分は、
    ・過去問を解いてみてどれぐらいできたか確認する
    ・上の結果から自分の弱点を洗い出し、重点的に補強する
    というふうになるかと思います。
    なんだ、普段よく言われていることじゃないかと感じたかも知れませんが、よく言われることというのは結局大事なことだからよく言われるんですよね。
    なので地道に取り組むことが一番の勉強法であると言えそうです。

    2. 化学(理系向け)の対策について
    先程は受験対策全体についての話をしましたが、今度は化学に焦点を絞って話していきたいと思います。
    化学はほとんどの理系の人が選んでいる科目じゃないかなと思います。
    実際今までのセンター試験においても化学を選択した人が一番多かったです。(化学基礎は生物基礎に負けてますがそれでも2番目に選ばれていました。)
    なのでなるべく汎用性が高いアドバイスができたらいいなと思っています。
    ここでは、理論化学・無機化学・有機化学という高校化学の分類にしたがってそれぞれの対策について述べていこうと思います。

    1)理論化学
    理論化学は他の分野と比べ計算が多く、難しい問題が出やすいので、苦手な方も多いのではないかと思います。
    しかし、理論化学の問題は基本となる法則や式の定義、反応を完璧に押さえていれば、それらの組み合わせだけで解けるようになっています。
    したがって理論化学の対策としては、
    ・基本的な法則・式・反応を完璧に把握する
    ・上の知識を使って速く正確に計算ができるように演習を沢山こなす
    ということになります。
    しかも、無機化学や有機化学の問題でも理論化学の知識を使うことは多々あります。
    化学が苦手だったり化学の点数をもっと安定させたいという人はまず基本的な事項がちゃんと頭に入っているか確認しましょう。

    2)無機化学
    無機化学は理論化学とは一転して暗記が多い分野、というかほぼ暗記です。
    問題もほとんどパターン化されていて、難易度もそこまで高くはなりません。
    したがって無機化学の対策としては、
    ・暗記事項を完璧にする(聞かれたら反射で出るくらい)
    ということしかいえません。
    暗記が苦手だという人には少し辛いかも知れませんが、
    逆に言えば暗記さえできれば無機化学で点を落とすことは無いとも言えますので語呂合わせや反復練習で頑張りましょう。
    参考書などで出てくる語呂合わせがしっくりこないのであれば自分でオリジナルの語呂合わせを作りましょう。
    あとくだらない語呂合わせの方が意外と記憶に残りやすかったりもします。

    3)有機化学
    有機化学は暗記と演習の割合が半々ですね。
    二次試験の有機化学の問題は何か物質が出てきて、その物質についての実験の記述から物質の構造決定をしていくというものがほとんどかなと思います。
    となると、実験結果から何がわかるのか(物質の官能基・分子量・分子構造など)ということがわからないと手も足も出ないですね。
    したがって有機化学の対策としては、
    ・物質の性質・反応を完璧に把握する(実験の記述みてパッと関連する性質・反応が思いつけるぐらい)
    ・元素分析や分子量の計算の演習をする
    という感じになります。
    もし知らない物質が出てきたとしても、高校範囲で構造が求められるようなものしか出ませんので冷静に問題に取り組みましょう。

    3. 筆者が実際にやっていた対策
    次に、私が実際にやっていた二次試験の対策を述べたいと思います。
    私は化学が比較的得意かつ物理が壊滅的でした(本番は17点でした。これでも良い方)ので、必然的に化学で点数を取らざるをえませんでした。
    東大入試は理科が2科目150分ということもあって時間配分も大事になってくるのですが、前述した通り私は物理ができません。
    なので物理に時間を割けるように時間配分を化学60分、物理70分、残りで見直しと飛ばした問題に手をつけるというように設定していました。
    解く順番でいうと化学を先に解く派は少数らしいですね。
    でも私は物理の方が時間がかかってしまうのでどうしてもこの順番じゃないと時間が足りませんでした。
    なので本番で時間配分が狂わないように大問1つを20分で解くという演習をずっとしていました。
    最初のうちは計算が間に合わなかったりで6、7割しか終わらなかったのですが、最終的に本番前の時期では20分以内で全問解けるようになりました。
    当時使っていた参考書は赤本でした。赤本のいいところは分野別になっていることと年度順になっていることです。
    これは大問を1つずつ解くという演習をしていた私にはとても有り難かったです。
    ただ分野別に問題が分けられているので、年度ごとにまとめて解きたい人にはあまり向かないかなと思います。

    4. 最後に
    長々と書いてきましたが、私のアドバイスがこれを読んだ方全員に刺さるものだとは思っていません。
    使えると思ったところだけ使ってください。皆さんが最後まで受験を走り抜けられるように応援しています。


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  • 【東大生が教える】日本史の勉強法

    【東大生が教える】日本史の勉強法

    はじめに

    中学校で習う日本史に比べると、高校日本史の内容は格段に深く細かくなっており、学習に苦労している方も多いと思います。確かに暗記が多く大変な科目ではありますが、高得点をとることができるか否かで試験にも大きく影響する重要な科目です。

    そこで、今回は日本史の勉強について共通テストや私大受験、二次試験のための対策にも言及しながらアドバイスをしていきます。


    日本史を勉強する上で

    これから日本史を学習していく人は、事前に日本史を概観できていると学習した内容が頭に入りやすくなります。

    そこでおすすめするのが、「学習漫画日本の歴史」などの日本史を通史形式で描いた漫画を読むことです。漫画なので読み終えるのにそれほど時間がかからず、楽しみながら読むことができ、内容を吸収しやすいと思います。ただし、内容を「覚えよう」とするのではなく、あくまでざっくりと理解する姿勢が重要です。「覚えなければ」という意識があるとどうしても楽しむことができず、読むのに時間をかけてしまいがちだからです。既に高校で日本史を学んでいる人にもおすすめなので、ぜひ一度試してみてください。

    そして、歴史はおもしろいと感じられると覚えやすくなるものなので、日本史は楽しんだ人勝ちだといえます。私が高校日本史を学習していたときは、教科書に載っている人物や出来事などについて、電子辞書に搭載されている百科事典やウィキペディアを使っておもしろいエピソードを探していました。皆さんも日本史の学習を楽しむ姿勢を持ち、工夫して学習すると良いと思います。


    日本史の勉強の基本

    1. 勉強法総論

    どの教科にも通ずることではありますが、最も重要なことは授業をきちんと聞くことです。高校日本史の中には、教科書の記述がわかりにくく自力では理解が難しい事柄も多くあります。しかも、そのようなポイントに限って試験の頻出事項であることが多いです。授業では当然そのようなポイントを先生方が解説することになるので、それを聞き逃さないようにしましょう。また、わからないことがある場合は先生に質問をしてすぐに疑問を解消する癖をつけましょう。これを怠ると、理解できていないことが多いのに受験直前期になって気づき、結局それらを解消できないまま本番を迎えてしまう可能性が高くなるからです。

    授業後の学習の流れとしては、まず最初に教科書の精読をすべきです。教科書の精読をすることで、歴史の流れや語句の定義、出来事の背景・意義・影響を掴みましょう。私大入試を除き、試験で解答となるものは全て教科書に書いてあるのでこの作業は非常に重要になります。教科書を精読した後は、単語のチェックをしましょう。この際、用語集をただ眺めるだけでは良くありません。日本史は漢字を含めて覚えなければならないため、書き取りをして漢字ミスのないようにする必要があります。一点を争う本番では漢字のミスが非常に痛い失点となることを心に留めておきましょう。学校で何らかの空欄補充問題集をもらっている人はぜひそれを活用してください。学校でもらっていない人も同じような問題集はたくさん市販されているので、それを購入することをおすすめします。

    自分でまとめノートを作る人もいるかと思いますが、ノート作りは必要な労力が大きいので、時間の限られた高校生にはあまりおすすめしません。ただし、テストで間違ったポイントなどをまとめた復習ノートは、いつでもどこでもノート一冊で間違いを潰していけるのでとても便利です。

    2. 分野ごとの勉強法

    政治史

    政治史では、各時代の統治機構をしっかりと理解しておくことが重要です。教科書には詳しく書かれているので、精読をして確実に押さえましょう。外交関係については、日本を取り巻く国際情勢もよく理解しておく必要があるので、世界史の知識が役立ちます。世界史を選択していない人は、日本の周辺国について成立時期・最盛期・衰退時期などの知識は最低限押さえておきましょう。また、近現代の政治史を苦手とする人は多いですが、それは近現代以前の時代の歴史に比べて、近現代を学習する時間が少ないことが大きな原因だと思います。それゆえに、時間的余裕がある人は、近現代史については授業前に教科書を読んでおくなど先取りをして授業に臨むと良いと思います。

    経済史

    経済用語については漠然とした理解で済ませてしまうことが多いですが、経済史を理解する上で経済用語は非常に重要なので、わからない用語は先生に聞いたりネットで調べたりしてしっかり理解できるように努めましょう。

    社会史

    町や村落の様相、庶民の生活などを扱う社会史も、内容が複雑なゆえに理解が疎かになりがちな分野です。しかし、近年この分野の研究が進んでいることもあり、入試では頻出の分野体的に理解していくことが良いと思います。

    文化史

    暗記の負担が重いため後回しにしがちですが、試験では文化史の問題で正確に答えられると周囲に差をつけることができます。文化史を学習する際は必ず資料集を手元におき、絵画・仏像などについては図版を見て用語と一致させましょう。また、文学作品についてはその作品の内容を少し知っているだけでもかなり覚えやすくなります。


    日本史の入試対策

    1. 共通テスト

    受験生がするべきことはセンター試験のときと変わらず、試験までにしっかりとした理解に基づいた知識の吸収をすることです。ただし、問題傾向が変わるので問題演習は入念にしておく必要があります。直前期(試験の1〜2ヶ月前)にはインプットよりもアウトプットに重点を置き、その過程で知識に漏れがあったら潰すという作業を繰り返すことが効率的でおすすめです。

    2. 私大試験

    私大の日本史では教科書に載っていないマニアックな事柄が当たり前のように出題されます。とはいえ、問題の多くは教科書に載っている事項なので、まずは教科書の内容の吸収を最優先しましょう。全体的に難易度が高く他の問題での挽回がしにくい私大入試では、こういった基本問題を落とすと致命傷になりかねません。教科書に載っていない事項については、用語集や資料集に載っている知識の吸収に留めるべきです。深入りするとキリがないため、基本が疎かになってしまう可能性があります。

    3. 国公立二次試験

    東大

    東大の二次試験の日本史の出題形式は他大学に見られない独特のものです。細かい知識は必要ありませんが、教科書を中心として学習したことを確実に理解していなければならないうえ、短時間で資料の読み取りを行い、厳しい制限字数に収まるよう解答をまとめる論理な力や文章力も問われます。また、古代・中世・近世・近現代から一題ずつ出題されるため、万遍なく勉強しておく必要があります。それゆえに、東大日本史には特に入念な過去問演習が必要になります。
    演習を行った後には、高校や塾の先生に添削をしていただき、それを踏まえて解答を修正し自分で納得のいく答案を仕上げるという作業を繰り返すことが理想的です。もし、添削していただくのが厳しいのであれば、ネットや過去問集で公開されている各予備校の解答例を比較し、完璧な解答に必要な要素を拾い集めていく作業が有効だと思います。過去問に手をつけてしばらくは、制限時間を気にせずじっくり考えて解くのがおすすめですが、共通テスト終了後は時間を測って制限時間内に質の良い解答を仕上げられるように練習しましょう。
    なお、駿台文庫の『日本史の論点』は論述に必要な視点を身につけることができる優れた参考書なので、ぜひ使ってみてください。

    東大以外

    東大以外の大学の論述問題は、短い問題文の指示に従って事実を並べていく形のものが多い印象があります。過去問が十分に手に入らない大学も多いので、似通った出題形式をとる他大学の問題に取り組むなどしないと十分な演習量を確保できない恐れがあります。制限字数が多く、書き始めると修正が難しい場合もあるので、あらかじめ論述の要素をまとめた簡単な設計図を書いてから清書をすることをおすすめします。
    なお、前述の参考書『日本史の論点』は論述問題を課す多くの大学の対策として使えるものになっています。


    おわりに

    いかがでしたでしょうか?日本史は負担の大きい教科ではありますが、しっかりと取り組めば高得点を狙える科目でもあります。この記事の内容は私の経験から考えたことなので、あくまでも参考程度にしてください。人それぞれ合う勉強法と合わない勉強法があります。この記事に書かれたことを実践してみてももちろん良いですが、自分に合わないなと感じたらすぐにやめてください。自分で納得のいく勉強をすることが何より大切です。

    最後まで読んでいただいてありがとうございました。

  • 【東大生が教える】物理の勉強法

    【東大生が教える】物理の勉強法

    はじめに

    「物理は公式ゲーだ」

    こんな言葉を時々耳にしますが、これは本当でしょうか?

    確かに、一部の大学では「教科書に書いてある多くの公式の中から、その問題に必要なものを選び出す」ような力を測っていると思える問題もあります。

    しかし、東京大学をはじめとする難関大学では、「物理学の本質を理解しているか」を問うような問題が出題されており、とても公式の当てはめだけで解けるものではないでしょう。

    ここでは、そのような難関大学を志望する人向けに、自分や友人の体験などを基にしながら、物理の勉強法の一例を紹介します。


    高校物理に微積は必要?

    高校の教科書では、大学以降のものと比べて、微積などの数学をほとんど用いることなく物理を説明しています。また同時に、専門書のように微積分を用いて高校物理の授業をすることを、一部では「微積物理」などと揶揄する人がいます。

    しかし、私は物理において、微積やベクトルなどの数学は「道具」として積極的に使っていくべきだと思います。ここでは、その理由を「文字」になぞらえて考えてみましょう。

    文字がない時代は、情報交換などの大半が口伝えで行われていたでしょう。これでは、後世に正確な記録を残すことができない上に、複雑な情報を処理することが出来ません。

    しかし、文字の発明によって、それらのことが出来るようになりました。
    現代では、「手段」としての文字の性質を高めた「速記」などが、国会の会議録作成など、様々な場所で用いられています。

    一方で、手段であるはずの文字自体を「目的」にしたものもあります。

    その一つが「習字」です。習字はただの道具でしかなかった文字の美しさを追求していくもので、速記などの「手段文字」とは一線を画するものだと言えるでしょう。

    では本題に戻り、物理における数学はどうでしょうか。

    これは前者のように「手段」としての数学だと思います。

    逆に、大学入試の数学で出るようなものが、習字などと同じ、目的としての数学だと言えます。たとえば、高校物理において、確率の計算などを用いるような場面はほとんどないでしょう。

    物理で用いる数学は、高校から登場するベクトルや微積分をはじめ、言わば自然の世界にはない「人の手によって創られた数学」だと言えるでしょう。

    このような、物理学からの要請によって誕生し共に発展してきた「物理数学」は、物理学を正確に深く理解するために必要不可欠ではないでしょうか?

    確かに通常の高校物理に比べると、数学を用いて記述する物理学は、新たに学ばなければいけないことがあり、大変ではあるでしょう。しかし、それだけの価値があると私は思います。


    物理学を理解する

    大学入試は教科書の内容を基にして出題されるので、教科書を完璧に理解すれば、入試で満点を取ることはできると言えるかもしれません。

    しかし、教科書だけで物理学を完璧に理解することは難しく、従って難関大学の入試で満点を取るのは難しいでしょう。こう言うと「それでは教科書の意味がないじゃないか」という言葉が聞こえてきそうです。しかしそうではなく、これは「高校の教科書が、物理を志す人だけでなく、生物など他の分野を志望している人へも向けて作られているからだ」と私は考えています。とは言え、もちろん教科書の内容を理解することはスタートラインであり大切なことです。

    そもそも「物理を理解する」とはどういうことでしょう? 私は「原理を理解し、他の問題にも応用できる」ということだと思います。公式を全く用いてはならないということではありません。公式では対処できない難しい問題に出会った時に、すぐ原理に立ち返り必要なものに切り替えられるということが大事です。私の恩師が「物理は『知識を学ぶ科目』ではなく『考え方を学ぶ科目』だ」と仰っていましたが、まさにその通りだと思います。

    教科書だけで物理学を理解するのは難しいですが、一方で慣れない専門書や学術論文を高校生が読んでも、労力に見合うだけの成果を得ることは難しいでしょう。そこで、ここでは高校生が物理を理解する手助けとなるような、1冊の参考書を紹介したいと思います。

    それは、駿台文庫の『新物理入門』です。タイトルに「入門」とありますが、その内容は東大京大受験者でも難しいと感じるレベルで、高校物理と大学以降の物理学との橋渡しになるような本です。この中では周回積分のような少し高度な数学が出てきますが、その使い方は専門書とは違い、数式をいじって深く追っていくためというよりも、簡潔に分かりやすく表記するために使われています。そのため専門書を読み解くような数学力のない高校生でも学びやすい本となっています。(ただし、専門書では数式を用いるところが言葉によって説明されているので、理解するのが大変であることには変わりはありません。)

    勉強方法としては、高校2年生以下の人は一つ一つの式や説明を全てノートに書いていきながらその過程をゆっくり追っていくことをお勧めします。それにより、「一見当たり前に思えるが実は非自明である」ような内容を見つけられ、自分の理解を深めることができるでしょう。しかしこの方法は莫大な時間を要するため、受験生の人は一通り理解した分野について物理入門を辞書のように用いながら、必要な部分だけ書いて理解していくのが良いでしょう。

    また最近は「ヨビノリ」(予備校のノリで学ぶ「大学の物理・数学」)をはじめとする教育系YouTuberの動画や、スタディサプリ・学研プライムゼミなどの有料動画コンテンツが数多く出回っています。塾などに行っていないが学校の授業以外で学びたいという人や、物理入門を読む取っ掛かりにしたい人などは、このようなものを用いてみるのもいいでしょう。


    演習は大切

    上で紹介した『新物理入門』をただ読み込んだからといって大学入試で点が取れるわけではありません。野球のルールブックを読んでも試合で点が取れるわけではないでしょう。実戦で学んだことを自在に使いこなせるようにするには、演習を積むことが重要です。

    取り組む問題については、1・2年生や3年生の前期などでは『リードα』・『セミナー』などの学校指定問題集や『体系物理』などの問題文が短い問題集をやり、受験が近づくにつれて『標準問題精講』大学の過去問に手をつけていくのが一般的です。『難問題の系統とその解き方』、通称「難系」という問題集(最近改訂されて2冊になったようです)などもありますが、これに収録されている問題は数が多い上にかなり難易度が高く、一つ一つの問題もかなりの曲者なので『標準問題精講』をおすすめします。しかし難系も1問ごとに得るものが他の問題集と比べても多いので、上にあげた問題集が終わって時間と余裕があるのなら、取り組んでみるのも良いでしょう。また過去問については基本的に、解説が充実している駿台文庫の「青本」がおすすめです。

    予備校に通っている高卒生に関しては、予備校の授業で用いたテキストを何度も復習することが何よりも大切です。ここで重要なのが、問題そのものを復習することではなく、習ったことが充分使いこなせているかをその問題を通して確認することです。通常の問題集とは異なり、予備校のテキストでは授業内容をうまく反映させた問題が選択・創作されています。そのため安易に演習量を増やそうとして復習が不十分のまま市販の問題集に手を出すのではなく、ノートを見なくても全て思い出せるというレベルまで何度もテキストを繰り返して質を高めることが大切です。

    最後に演習の方法についてですが、過去問や模試以外では、過程もノートに書いていくべきだと思います。これは後で復習する際に、どのような部分で間違えたのか、もっとスマートに解くことができなかったかなどを考えることができるからです。特に後者は重要で、物理では使う式の選択で大きく計算量が変わってきます。例えば弾性衝突の問題で、はね返り係数の式(e=1)を用いるかエネルギー保存則を用いるかでどのくらい変わるか試してみれば分かるでしょう。過去問演習については計算スペースの量を本番に寄せて演習してみるのが良いと思います。東大は記述式ですが、京大などは答えだけを記入する解答用紙なので、問題用紙の狭い余白で計算しなくてはいけません。そのような問題に対してどう対処していけば良いかなどを学んでいくのも良いでしょう。


    分野別の勉強法

    力学

    力学は物理の根幹とも言える分野であり、他の分野の基礎になっています。その上力学は物理の中でも最初に習う分野なので受験生の理解度も高く、レベルの高い争いになることが多いです。仕事への深い理解、2体・多体運動における重心運動と相対運動、中心力と面積速度一定の法則(角運動量保存則)などは、余裕があれば見ておくと良いと思います。

    熱学

    熱学は入試において波動と隔年で出題されることが多い印象ですが、波動よりも受験生の理解度が高いです。熱力学第一法則を軸として、定積・定圧・等温・断熱過程における熱・仕事・内部エネルギーの関係は特にしっかりと押さえておきましょう。

    波動

    この分野は受験生の理解が薄いため、しっかり押さえておけば大きなアドバンテージになるでしょう。ドップラー効果・定常波の数学的表現・凹凸レンズ・波の干渉など、内容が多岐にわたるため大変ではありますが、時間を多めにとって克服していくと良いでしょう。

    電磁気学

    多くの人がつまずく分野であり、最大の難所とも言えるでしょう。電気分野において、特にガウスの法則やコンデンサーの原理については、公式を暗記しただけで本質を何もわかっていない人が多いように感じます。これらの部分は公式に頼らずに、なぜそのような式が得られるのかを一度自分でしっかりと考えてみてください。磁気分野についても同様で、公式に頼りきりの人が大半だと感じます。電磁誘導やRLC回路について、自分で公式を導出することを、一度でいいので行ってください。

    原子

    この分野にまで手が回らない人も多いと思われますが、原子分野は物理の入試問題で一番解きやすいと言っても過言ではありません。原子分野は前期量子論と原子核分野から成りますが、前者については、アインシュタインやボーアなどのノーベル賞論文が基になっているので、論文の内容から外れにくい=どの大学でも問題が似ているのが大きな特徴です。そのため冬休みなどの期間に一度集中して取り組めば、入試でかなり高得点を取ることができるでしょう。後者の原子核分野については、「質量とエネルギーが等価である」、つまり円とドルのように、質量はいつでもエネルギーに「両替」できるということを常に意識しておけば大丈夫です。


    おわりに

    ここでは物理入門や演習の方法など、様々な勉強法について紹介してきました。ただし、勉強法に正解はありません。「ノーフリーランチ定理」というものがありますが、これは「あらゆる人にとって最適であるような方法は存在しない」ということを示しており、この勉強法が完璧ではないことが分かるでしょう。

    ここで紹介する勉強法が合う人もいれば別の勉強法のほうが合うという人もいるでしょう。合わないと感じた時は別の勉強法と組み合わせてみるなど、何か策を講じるのもありだと思います。自分にとって最適だと思える、自分だけの勉強法を模索してください。
    最後まで読んでいただきありがとうございました。

  • 【東大生が教える】英文解釈の勉強法

    【東大生が教える】英文解釈の勉強法

    はじめに

    この記事を読んでくださっている皆さんは、英語を正確に読むことができますか? なんとなく英文の意味はわかるけど、英語を正確に読めるとは言い切れない人が多いのではないでしょうか。

    ここでお勧めしたいのが、文法を踏まえて文章を正確に読み、日本語に訳す練習をすることです。

    これは「英文解釈」などと呼ばれる勉強で、英語の実力を伸ばすためにとても大切なものです。志望校で英文和訳問題が出なくても、是非取り組んでみてください。

    この記事では、主に難関大学を志望している、または英語が好き/得意な高校生を対象に、なぜ英文解釈の勉強が必要なのかを説明した上で、具体的な学習方法と参考書の紹介をしていきます。

    英語の勉強法は人によって様々ですから、ここに書かれていることを全て受け入れる必要はありません。
    自分の勉強に活かせるところを見つけながら読んでください。


    なぜ英文解釈の勉強が必要なのか

    英文解釈を勉強すると、文法や単語の知識を駆使して英文を正確に読むことができるようになります。

    文法を軽視したまま英語を読もうとすると、単語の訳語をなんとなくつなぎ合わせるような読み方になってしまいますが、それでは難しい文章に歯が立ちません。

    大学入試に出てくる英文を読めるようにするには、あるいは大学入学後に出会う英語の論文や書籍などを読めるようにするには、文法を踏まえて正確に英語を読む力を身に付けることが不可欠なのです。

    また、英文解釈の勉強は、英文法の大切さに気付く良い機会でもあります。

    英文法の勉強というと、膨大な規則と表現を覚え込み、ひたすらに穴埋め問題や並べ替え問題を解いていく辛い作業のように感じられてしまうかも知れません。

    しかし本来、英文法とは英語の文を組み立てるルールのことですから、英語の文を読んだり書いたりするときにこそ必要なものです。
    文法にのっとって英文を読む練習をすると、英文法の大切さがよくわかりますし、英文を読む上でどのような文法の知識が必要なのかがわかるようになります。

    英文解釈の勉強をすることで英文法に対する理解が深まれば、英文法の正しい学び方が理解でき、英作文なども英文法を意識しながら勉強できるようになるはずです。


    英文解釈の勉強法

    英文解釈を勉強する際には、文法と単語の知識がある程度身についていることが必要になります。

    英文解釈の勉強の主な目的は、文法や単語の知識を使いこなして英文を読むことです。しかし、基本的な知識の抜けが多いと、抜けを埋めるのに手一杯になってしまい、結局学ぶべきことが学べなくなってしまいます。

    目安として、一度勉強したものを、1週間ほど時間をおいて何も見ずに解き直してみてください。

    これで前回からの成長を実感できるようなら、勉強の仕方が自分に適していることが分かります。
    逆に、前回からの成長があまり無いようなら、勉強の仕方が自分に適していない可能性が高いので、文法と単語の勉強をやり直すか、もっと簡単な英文解釈の参考書に切り替えた方が良いです。

    英文解釈の勉強では、英文を読み、構造を分析した上で和訳を書いていきます。

    「構造を分析する」というのは、主語・動詞・目的語・補語を見付け、修飾関係を明らかにすることです。

    このとき大切なのは、分からないことがあっても安易に解答を読まず、辞書や文法書を調べて自分なりの解答を書くことです。解答を読んでなんとなく納得してしまうだけでは、自分に足りない部分がどこなのかが曖昧になってしまいます。

    後ほど詳しく書きますが、自分ができなかったことを明確にして一つ一つ潰していくことが、英文解釈の勉強ではとても大切になります。

    自分なりの解答が書けたら、解答解説を読み、自分の考えや解答と一つ一つ照らし合わせていきます。不明な点を先生に質問したり、答案を添削してもらうのも良いでしょう。

    このとき、自分がうまくできなかった部分を明確にすることが大切です。

    文法と単語の知識はある程度持っていて、しかも辞書や文法書を調べることができるのですから、「知識がないから分からなかった」ということはあまりないはずです。

    調べ方がまずかったのなら、辞書や文法書の読み方を改善できます。

    知識は持っていたのにその使い方が分かっていなかったのならば、どのように頭を働かせて知識を活用すればいいのかが明確になりますし、どのような形で知識を身につければ活用しやすいのかを理解することもできます。

    英文解釈の勉強は、知識を身に付けるだけでなく、知識の見つけ方、その活用の仕方、英文を読むための頭の使い方などを勉強するものでもあるので、じっくり時間をかけて取り組むようにしてください。

    英文解釈の勉強をするときは、辞書を常に手元に置き、頻繁に参照するようにしてください。辞書を引くときは訳語を読むだけでなく、例文や解説を熟読し、単語の使い方も含めて理解することが必要です。たとえば、

    • 品詞は何か
    • 動詞なら自動詞なのか他動詞なのか
    • 名詞なら可算名詞なのか不可算名詞なのか
    • 形容詞なら限定用法で使うのか叙述用法で使うのか
    • 一緒に使われやすい単語は何か

    など、使い方を細かく理解しておかないと、英文を正確に解釈できないことがあります。

    これ以外にも注目すべきことはたくさんありますから、辞書を引くときには、辞書のどこに注目しながら読むと英文解釈に役立つのかを考えてみてください。簡単な単語ほど豊かな意味や用法があるので、簡単な単語でも積極的に辞書を引くようにしてください。

    辞書と同様に、文法書も頻繁に参照し、例文や解説を熟読しておくことが大切です。一般的な高校生向けの文法書(『ジーニアス総合英語』や『総合英語Evergreen』など)は、分厚くてとっつきにくく思われるかもしれませんが、その内容は、ほぼすべて大学入試に出てくる可能性がある事項ですから、きちんと理解しておく必要があります。

    特に英語が得意な人は、さらに上のレベルの文法書(『ロイヤル英文法』や『英文法解説』など)を使ってもいいでしょう。

    辞書や文法書の使い方を身に付けておくと、英文解釈に限らず英語全般の勉強、あるいは英語以外の語学の勉強もしやすくなりますから、英文解釈の勉強をする際に練習しておくと良いです。

    ここまでじっくり英文に取り組むと、かなり英文が理解できるようになっているはずです。

    英文が理解できてスラスラ読めるようになったら、英文の音声を聞いたり、自分で発音したりするとさらに効果的です。こうすることで、リーディングだけでなくリスニングやスピーキングの練習にもなります。
    英文が短い場合には、和訳だけをみて元の英文を書き出す練習もすると良いでしょう。

    このような勉強法を実行すると、かなり時間がかかってしまうはずです。なかなか勉強が進まないことに対して、イライラしてしまうかもしれません。

    しかし、じっくり英文に取り組む練習は不可欠ですし、地道に努力を続けていけば必ず成果が出てきます

    受験が近付いてくるとこのような勉強はなかなかできないでしょうから、早いうちから取り組んでみてください。


    英文解釈の参考書

    ここでは、英文解釈の勉強をするときに有用な参考書をいくつか紹介しています。

    ここに書かれていることやネット上の評判だけで選ばず、必ず自分の目で確かめて、自分のレベルや好みに合わせて選んでみてください。

    ・基礎徹底 そこが知りたい 英文読解 (駿台文庫)
    ・英文読解入門 基本はここだ! (代々木ライブラリー)

    最も基本的な英文解釈の参考書で、とても短い英文とその和訳、解説が掲載されています。

    いずれの参考書も、「主語と動詞」「節」などの概念が丁寧に導入されています。

    簡単に感じられる部分も多いかもしれませんが、基本的な概念に馴染んでおくと後の勉強がやりやすくなるので、これらの概念を読解の中で使うことに慣れていない人にとってはいい参考書です。

    ・入門英文問題精講 (旺文社)
    やや簡単〜標準ほどの英文を扱った参考書です。英文解釈に必要になる知識が多く載っています。英文を読み上げた音声が利用できたり、講義動画が見られたりするなど、使い勝手のいいつくりになっています。

    ・ビジュアル英文解釈 PartⅠ・Ⅱ (駿台文庫)
    基本的なレベルから始まり、やや難しいレベルまで扱われています。英文を読むときの頭の働かせ方などに重点がおかれているのが特徴です。

    量が多めなので、内容を身に付けるにはかなり時間がかかると思いますが、時間をかけて取り組めば、得られるものは多いはずです。

    ・英文読解の透視図 (研究社)
    大学受験の参考書としては最も難しいものの一つです。読みにくい文章が多く取り上げられているので、苦手な人が安易に手を出すと挫折してしまうでしょうが、英文解釈がかなり得意な人にとってはやりごたえのある参考書です。

    ・英文解体新書 (研究社)
    大学受験レベルを超えた文章も扱われており、かなり難易度の高い参考書です。

    ほとんどの人にとって大学受験の対策としては不要ですが、大学入学後には難しい英文に触れる機会が増えますから、他の科目との時間配分を考えた上で取り組んでみてもいいかもしれません。


    おわりに

    最後まで読んでいただき、ありがとうございます。皆さんの日々の勉強に生かせる部分が少しでもあったなら嬉しく思います。

    この記事の内容はかなり抽象的ですから、一度読んだだけでは腑に落ちない部分も多いと思います。できることなら、英文解釈の勉強を始めた後にも、定期的にこの記事を読み返していただけると嬉しいです。

    勉強が進んでいくうちに、この記事に書いてあることの意味がわかって共感できたり、あるいは逆にこの記事に書いてあることが間違っているように感じられたりすれば、それはたぶん、自分の中で勉強の仕方が固まってきたということです。

    最初にも書いた通り、ここに書かれていることを全て受け入れる必要はありません。この記事の内容の多くは私や私の友人などの経験に基づいていますが、それがすべての人にとって参考になるわけではありません。

    いろいろな人の話を聞き、自分で試しながら、自分なりの勉強法を確立していってください。

  • 【東大生が教える】世界史の勉強法

    【東大生が教える】世界史の勉強法

    はじめに

    「範囲が膨大すぎて何から覚えていいかわからない……」
    「覚えたはずなのにすぐにごちゃごちゃになってしまう……」
    世界史について、こんな悩みを抱えている人もいるのではないでしょうか。

    暗記科目の代名詞である世界史には、苦手意識を持つ人も少なくないでしょう。
    ですが、裏を返せば、一度しっかりと覚えてしまえば安定して高得点を狙える科目でもあります。

    今回は、世界史が大の苦手だった私が、苦手を克服しセンター世界史で満点、東大二次で約8割を取ることができた勉強法をご紹介します。


    効果的な暗記のためのポイント

    私が世界史を勉強するときに意識していたのは、以下の4点です。


    1. 復習は反復して行う

    みなさんは、いつ、何度復習をするのか、決めて学習に取り組んでいますか?

    復習は面倒くさいからと放置したり、その結果として、問題を解いているうちに知識の欠落に気付き慌てて復習したり……といったことをすれば、成績の向上は見込めないでしょう。
    何より、一度忘れてしまってから覚え直すのは、とても効率が悪いです。

    受験生ならば一度は聞いたことがあるであろう、エビングハウスの忘却曲線。これに基づいて、忘れきってしまう前にこまめに復習することで、一から覚え直すよりも遥かに少ない労力で記憶の定着を図ることができます。

    記憶は、エビングハウスの忘却曲線に合わせたスパンで繰り返し復習することで定着します。翌日、三日後、一週間後……というように段々間隔を延ばしながら復習に取り組んでみてください。

    「何度も復習をするなんて大変すぎる」
    「世界史にそんなに時間をかけられない」

    と思うかもしれません。ですが、先に述べた通り、ほとんど覚えてない状態から覚え直すのと、ある程度覚えている状態から覚え直すのとでは、労力もかかる時間も違います。何度も繰り返し復習することが、結果として近道になるのです。


    2. 文脈を知る

    ここで言う「文脈」とは、出来事の背景・意義や、出来事と出来事のつながりなど、言わば世界史における事象に関する「ストーリー」です。

    これを知ることで、単なる暗記に陥るのを避けることができるため、知識がごちゃごちゃになりにくくなります。さらには、論述問題にも活かせるようになります。

    「文脈」を意識して授業を聞いたり、教科書を読んだりしてみてください。
    より理解を深めたければ、流れを理解することに重点を置いた参考書を手に取ってみるのも良いでしょう。

    3. 重要なものから覚える

    世界史で出てくる事項が、全て同じ重要性を持つわけではありません。

    絶対に覚えるべき頻出事項から、国公立二次試験レベルのもの、私大レベルのものとまちまちで、受験する大学によっても各事項の重要度は異なります。
    自分の志望校の出題傾向を知り、どこまで覚えなければならないか把握しましょう。

    「覚えるのがどうしても苦手だ」という人は特に、教科書の太字や、一問一答で一番高い重要度がつけられている事項から覚えましょう。
    最重要の事項を覚えて大きな枠組みを作り、そこに必要に応じて細々とした事項を嵌め込んでいくイメージで知識を増やしていくと良いです。


    4. 自分の傾向を知る

    これは世界史に限らず勉強全般に言えることですが、まず自分の傾向を把握することに努めましょう。

    黙読して覚えるのが合っている人もいれば、口に出して覚えることが合っている人、手を動かして覚えることが合っている人もいます。私の知人の中には、「口に出しながら歩き回るのが一番覚えやすい」と言う人もいます。また、記憶力も人によって違います。

    どれぐらいのスパンで復習するのが自分に一番合っているのか、実際に試して探ってみてください。

    私の場合は、具体的なイメージやストーリーを伴った方が覚えやすかったので、資料集で地図と照らし合わせながら出来事の暗記をしていました。

    文化史は特に苦手でしたが、固有名詞を時代やジャンルごとに羅列しただけの暗記に陥ってしまっていたことが原因でした。
    作者と作品名だけを覚えるのではなく、物語のあらすじや絵画の実物を把握するようにしたところ、以前より格段に覚えやすくなりました。

    同様に、どうしても覚えにくい人物や出来事については、自分で調べてみて知識を補完するようにしていました。


    基本の世界史勉強サイクル

    ここで、実際に私が行なっていた勉強サイクルを一例としてご紹介します。

    1. 授業を受ける

    私が受けていた授業は、基本的に先生自作のプリントに穴埋めをしていくスタイルでした。
    このとき、括弧の中に入る単語や年号は絶対に聞き漏らさないように気を付けつつ、先生が喋った内容をなるべくたくさんメモするようにしていました。

     2. その日のうちに復習する

    休憩時間や移動時間、寝る前のちょっとした時間などを使って、その日使ったプリント全てにざっと目を通しました。

    このとき重視していたのは、「その日の授業で扱った範囲の流れがきちんと掴めているか」ということです。

    括弧の中を隠して覚えているか確認することは特にしていませんでした。その代わり、復習中に思い出した授業中にメモしきれなかったことや、因果関係を自分なりに言語化したもの、気付きなどを書き足していました。

    授業中や復習中になるべくたくさんメモを残すようにしていたのは、ストーリーがある方が覚えやすいという自分の傾向を踏まえ、そういう些細な記憶が暗記や思い出すときに役立つことを経験的に知っていたためです。

    3. 3日以内に復習と論述演習をする

    「3日以内に」と書きましたが、模試などでどうしても時間が取れなかったときを除いて、復習は翌日に行っていました。論述演習のタイミングはまちまちでしたが、記憶の定着を図るために必ず3日以内に行っていました。これについては後述します。

    このときの復習では、穴埋めの暗記・確認、穴埋め式問題集の演習を行っていました。間違えたところは時間を置いて見直しをし、ほとんど覚えられたら論述に移る、という形でした。

    4. 翌授業日までに教科書の習った範囲を読む

    世界史のために週に何度もまとまった時間をとる余裕のある人は、おそらく少数です。そして、世界史の教科書は分量も多く、通読するにはかなりの時間と根気が必要になります。

    そのため私は、休憩時間などを活用して次の授業までにその授業で習った範囲を読み、分割して全体を読み切れるようにしていました。

    5. 翌授業日にさっと復習する

    私の場合は、世界史の授業の前に昼休憩があったので、そこで復習していました。
    授業前の休憩でざっと見返す程度でよく、時間が取れなければ前日でも良いでしょう。次の授業までに済ませるのは、内容が混ざってしまうのを防ぐためです。

    このとき授業の内容をほとんど思い出せるようであれば問題なく、思い出せなければ次の分とまとめて復習し、次からの復習のスパンを見直します。こうして、自分に合った復習のサイクルを作りました。


    論述対策について

    ここでは、論述を課す大学を受験する人向けに論述対策について説明します。

    私が推奨するのは、授業で習った範囲の論述問題にすぐに取り組むことです。

    授業の進度にもよりますが、だいたい週2題ほどで十分です。私は、200字〜600字のものを2, 3題、合計800字程度を目安にして毎週取り組んでいました。せっかく解いた問題は、ぜひ先生に添削してもらいましょう。

    論述問題にすぐに取り組むことを推奨する理由は、2つあります。

    まず1つ目は、単純に論述問題に慣れることです。
    早いうちから論述問題に取り組んでいれば、その分多くの論述問題を解くことができます。加えて、論述の作法や論述に必要な知識・着目すべき観点を知り、それ以降の学習に活かすことができます。

    2つ目は、復習の完成度をチェックし、アウトプットすることによりさらに記憶の定着させられることです。
    覚えたつもり・理解したつもりだったができていなかったという事態はよくあります。アウトプットに取り組むことで、それになるべく早く気付き、修正することができるのです。

    ↓論述問題についてはこちらの記事もチェック↓
    【東大二次試験対策】世界史大論述の書き方


    おわりに

    私自身は、世界史は完全なる暗記科目ではないと思っています。論述問題は、暗記していれば解けるような問題ではないからです。

    一方で、一定の知識がなければ話にならないのも確かであり、どこまで覚えなければならないか、見極めながら取り組む必要がある科目です。

    「自分の傾向を知る」で触れた通り、人によって向いている暗記法は様々で、記憶力も違います。様々な方法を試し、自分に合った学習のサイクルをつくってみてください

  • 【東大生が教える】地理の勉強法

    【東大生が教える】地理の勉強法

    はじめに

    受験科目としての地理に、皆さんはどのような印象を持っているでしょうか。

    つかみどころの無い用語が出てきたり、淡々と固有名詞を覚えていったり、「こんなの知らないよ!」と舌打ちしてしまうような資料が出題されたりして、ネガティブな印象を抱く人も少なくないかもしれません。

    しかし、受験地理は、少ない労力で大きな点数をもぎ取れる可能性を秘め、更に教養も深められるお得な教科であると僕は考えています。

    そこでこの記事では、そんな地理の魅力と、実際の勉強法を紹介していきます。

    地理の魅力

    まず、地理は覚えなければいけないことばがとても少ないです。恥ずかしい話ですが、僕は今でも都道府県の位置を全部覚えていません。自信を持って言えるのは半分くらい。受験生時代、名古屋県とか平気で言ってしまっていました。(それが常識的にどうなのか、ということはここでは置いておきます。)

    ところが、そんな僕でも地理でアドバンテージをとれていましたなぜでしょうか?

    それは、受験地理において必要なのは、たくさんことばや理論を知っていることではなく、「基本的な理解をもとに、その場で応用する」ことだからです。これは東大などの論述式試験に限った話ではなく、センター試験でも通用する話です。

    もちろん、もっと高度な知識(といっても教科書や資料集にあるものが大半である)を求められる問題もあります。しかし、地理は「その場で考えて、自分なりの解答をなんとかひねり出す」ことで点数に結びつく問題がとても多いです。逆に言えば、知識があるだけでは答えられない問題が出題されます。つまり、地理は暗記科目ではないのです。

    地理の勉強法

    0. 概観

    以下、受験地理の勉強法を紹介していきますが、地理で9割を超えるようないわゆる「高得点」を安定して取るのはまず困難です。どんなに得意な人でも知らない・わからない問題は発生してしまいます。目標とするところは「ちょっと得意」くらいにした方が無難でしょう。

    地理は、ある程度まではすぐに点を取れるようになりますが、その上を目指すことが非常に大変な教科です。センター試験・共通テストでいえば、6割くらいまでは基礎を学び問題に慣れれば到達します。個人差は大いにありますが、学校の授業+1日1時間勉強×3ヶ月くらいで取れるようになるでしょう。

    しかし、他教科との兼ね合いや志望校が要求する水準との関係もありますが、センター試験・共通テストの目標点は高くても85点くらいにして、高望みし過ぎない方がいいです。マニアックな問題まで取りこぼさないようにしてしまうと、ドツボに嵌りかねません。標準的・頻出の問題を拾いきれば大丈夫です。最小の努力で最大の結果を得ることを目指しましょう。(「自分は受験地理が得意だ!!」と思った人はさらに高みを目指してください!ただし、他の教科を疎かにしてはいけません。受験はあくまでも総合点勝負であることを忘れずに。)

    では、具体的に勉強法を紹介していきます。とはいえ細かい部分になると、結局は個人の弱点などに依るので、この記事では勉強する上での大きな柱を挙げます。

    1. 大→小の順で学ぶ

    ここでの「大」は、「自然」と「産業」のこと、つまり基礎を指します。これらの盤石な理解を足場として、様々な方向へ推測の架け橋を架けられます。その中でも「気候」「資源」は非常に大事です。センター試験には必ずこの分野からの出題が複数ありました。地理界のアダムとイブといえるでしょう。これらを学ぶ時、なぜ?どうして?を大切にしてください。

    例えば、ロシア東部・シベリアは同緯度の地域と比べて卓越して寒いです。これをただそういうものだとして覚えるのではなく、原理から理解しましょう。そうすることで、ロシアの場合以外の場合にも応用できるようになるのです。

    こうした基礎を自分のものとした後に、地域ごとの情報をインプットすると頭に入ってきやすいです。もちろん、並行して学ぶのもありです。

    根本原理を理解する時には、教科書や資料集以外からも多種多様な情報を集めて、妥協せずに完全に納得することが近道です。また、日常生活に関係することから出題されることもよくあります。常にアンテナを広く伸ばし、日常からも学ぶことができるといいですね。(覚える、暗記する必要性は小さいです。覚えるべきことは、問題に遭遇した時に、その問題を解きながら吸収していきましょう。)

    2. 地図帳を愛でる

    地図帳の最後の方にカラフルな地図が何種類もついていますよね。ここが地図帳の一番役に立つ部分です。少々乱暴なことを言えば、このあたりのページを見ながら問題を解くと、マーク式問題の半分くらいは正解できると思います。気候や標高、災害、資源分布等の多角的なデータを、目で見て身体に染み付けましょう。暇な時は地図帳を見ること!

    学習したての時は、「あー、見たことあるけど、なんだっけ……。」ということが多発すると思います。それでもめげずに、その度に地図帳を繰って、補強を重ねていきましょう。そう簡単に会得できるものではありませんが、是非マスターして武器にしてほしいです。さらに、自分なりに大切だと思うことがあればどんどん書き込んだり付箋をつけたりして、自分だけの地図帳を紡ぎましょう!

    3. 問題に多く触れる

    結局これが一番大事なことです。他の教科にも通じる話ですが、問題を解けるようになるためには、たくさん問題を解かなければなりません。知識を得ただけでは点に結びつかないのです。楽譜を覚えても演奏できないのと同じ。知識が完璧でないからといって問題に挑戦しないのは愚かなことですし、そもそも完璧な知識なんて誰も持っていません。足場がぐらついている段階でも、どんどん問題に挑戦しましょう。何が自分に足りていないのかが見えてくるし、案外もう通用するフェイズに進行しているかもしれませんよ。

    足場が固まった(標準的なことを理解した)後は、橋を架ける技術を磨いて(得点をもぎ取りに)いくことになります。ゴール地点がマーク式の問題を解くことならマーク式の問題集や過去問を、記述も必要ならその大学の過去問を真剣に考え抜いて徹底的に解き、解説を読み込み、読み込み(大事なことなので2回言いました)、問題の全てを自分のことばで解説できるようにして、己の血肉としましょう。

    そして少し時間を空けてからの解き直しを忘れずに。1週間経ってから解き直してもスラスラ解けるようなら、身についた証拠です。解説を読み込んだ後に、問題に対する理解度に応じて自分なりの記号をつけておけば、解き直しの際の時間短縮につながります。何も見ないで全選択肢・問題について正解・不正解の理由を説明できるようになれば完璧です。

    これらの作業を丁寧にこなしていきましょう。地理で合格点を取るためにセンスなんてものはあまり関係なく、成績が上がらないはずがありません。(実際にこの大変な解き直しループを完遂できる人は残念ながら少ないと思いますが……。)他の問題集をやって寄り道している時間はありません。狡猾に、効率的に点数を稼ぐことを目指しましょう。私たちに残された時間は多くありません!

    おわりに

    以上、高校地理について、僕の経験に基づき、ある意味偏見にまみれながら書かせていただきました。

    これは地理に限った話ではありませんが、「情報を鵜呑みにしない」ことがこれからの世界では大切になってきます。当然、僕のこの話も含めて。最後の選択をするのは自分であるべきです。世間に溢れかえっている情報を取捨選択して、自分にとって最善の選択ができるよう頑張ってください!

    最後までお読みいただき、ありがとうございました。

  • 【東大生が教える】国語の勉強法【4ヶ月で40点アップ】

    【東大生が教える】国語の勉強法【4ヶ月で40点アップ】

    はじめに

    「国語をどうやって勉強すればいいのか分からない……」

    このような悩みをもつ高校生は多いのではないでしょうか?
    私も、定期テストや模試で国語の成績が伸びず、非常に苦労しました。

    しかし、ある方法を見つけて勉強を続けた結果、4ヶ月で記述模試の点数を40点上げることができました!

    今回はその方法を、古文編・漢文編・現代文編の3つに分けて紹介します!

    【知識と演習で力をつける】古文編

    古文は、現代の日本語とは単語や文法が大きく異なるので、読むのが難しいと感じている人も多いのではないでしょうか?

    しかし実は、古文は正しい方法で勉強すれば高得点を目指せる科目です。
    以下では、古文の勉強のポイントを2つ紹介します!

    知識を身につけよう

    古文で書かれた文章を理解するには、基本的な知識を身につける必要があります。

    古文を読むために必要な知識は、単語・文法・古典常識です。

    これらを高1のうちから少しずつ覚え、高2までに定着させましょう。高3になってからも、覚えたことを忘れないように定期的に復習してくださいね。

    なぜ高1のうちから古文を勉強する必要があるかというと、大学受験の時期が近づくほど、英語や理科・社会の勉強に必要な時間が増え、古文の勉強に使える時間が減ってしまうからです。

    通学や寝る前の時間を有効に使い、毎日少しずつ勉強しましょう!

    単語を覚えるコツは、語源から意味を理解することです。

    たとえば「めざまし」という形容詞の意味を考えてみましょう。

    「めざまし」は漢字で「目覚まし」と書きます。
    では、はっと目が覚めるのはどんなときでしょうか? 人目を引くような、目立つものを見たときですね。
    そのようなものを見たとき、感激することもあれば、不快に感じることもあるはずです。

    だから「めざまし」という単語には、「素晴らしい」と「目障りだ」という2つの意味があるのです。

    このように、語の語源を理解することで、単語のイメージが鮮明になり、覚えやすくなります。

    問題をたくさん解こう

    知識が身につけば、文章を理解できるようにはなります。

    しかし、古文の問題で点を取るには慣れが必要です。
    特に記述式問題では、設問分の要求と条件を踏まえ、それらに合った答案を作成する必要があります。

    高2からは、知識のインプットと問題演習を並行して行い、実践力をつけましょう。古文は、定期的に読まなければ読み方を忘れやすいので、週に1回は問題演習に取り組むのがおすすめです。

    私は、高2のときに学校で配布された問題集を解き終え、高3の春から夏にかけて『得点奪取古文』(河合出版)という問題集で演習をしました。

    この問題集は、答案作成の過程と採点基準が細かく書かれており、実力を測りやすいのでおすすめです。私はこの問題集を2周して実践力をつけました。

    【英語の対策が通用する】漢文編

    漢文も古文と同様、高得点を狙える科目です。しかし、漢文に対して苦手意識を持つ受験生は多くいます。
    ここでは、なぜ漢文が弱点になりやすいのかという理由を踏まえ、勉強のポイントを紹介します!

    漢文が苦手になりやすいのはなぜ?

    漢文が苦手になりやすい理由は、ズバリ「外国語だから」です。

    漢文は昔の中国語で書かれているため、見たこともないような難しい漢字がたくさん並んでいます。
    そのため、書かれている内容が頭に入ってこなかったり、どこまで読んだのかがわからなくなってしまったりすることも多いでしょう。うんざりしてしまうのもよくわかります。

    しかし、このように考えてみてはいかがでしょうか?

    外国語であるということは、「英語と同様の勉強をすれば良い」ということです。
    さらに漢文は、日本人にとってなじみの深い漢字で書かれているため、英語よりも意味を理解するのが簡単です。

    どうでしょう? 漢文への苦手意識が少し薄れてきませんか?

    漢文は難しくない!

    漢文の勉強方法は、古文と同じです。

    すなわち、高1から高2にかけて知識をインプットし、高2から問題演習を進めれば、着実に力がつきます。
    漢文を読むために必要な知識は、句法・用字・漢文常識です。

    句法と用字は、英語の単語や熟語を覚えるときと同じように、『新明説漢文』(尚文出版)などの参考書を繰り返し読んで覚えましょう。

    また、多くの漢字の意味を理解できることが漢文を読むカギとなるため、文章中に意味のわからない漢字があれば、漢和辞典を引いて確認することをおすすめします。

    漢文常識は、文章の内容を正しく理解するために必要な知識です。

    古代中国の思想や文化には、現代の日本とは大きく異なる部分があり、前提知識がなければ文章の内容を読み違えてしまう場合があります。特に、漢文の題材としてよく扱われる儒家思想は知っておくと良いでしょう。

    【正しく確実に読もう】現代文編

    どうしても現代文の成績が上がらず、「センスと運がなければどうにもならない」と諦めてしまう受験生は多いでしょう。

    確かに、特別な知識がなくても文章を読めてしまう現代文は、古文・漢文以上に内容面の理解度を問われます。
    ゆえに、与えられた文章との相性に得点が左右されやすく、対策しづらいと感じるのも無理はありません。

    しかし、私は解き方のコツをつかみ、演習を重ねることで、高3のときに現代文の得点を安定させることができました。
    現代文の成績を上げることは可能であり、得点アップを諦めてしまうのはもったいないです。

    以下では、現代文の問題を解くポイントを3つ紹介します。

    語彙力をつけよう

    古文・漢文と同様、現代文を読むためには語彙の知識が必要です。
    語彙には、漢字キーワードの2種類があります。

    漢字の読み書きの問題は、配点は小さいですが、入試で頻繁に狙われます。
    受ける人数が多く、1点が合否を分ける入試において、漢字の読み書きは確実に得点したい問題です。

    また、現代文の評論文では、科学や歴史、文化など、様々な分野の文章が出題されます。
    現代文の文章で使われやすいキーワードを知っておくことで、筆者がどのようなテーマについての主張をしているのかがつかみやすく、内容の理解度が高まります。

    私は、通学時間を活用して、学校で配布された『キーワード漢字2700』(浜島書店)と『現代文キーワード読解』(Z会出版)を週に1回のペースで読んでいました。
    また、現代文の文章中に知らない言葉に出会ったら、必ず国語辞典で意味を調べるようにしていました。

    このような勉強により、漢字の読み書きの問題で確実に点を取れるようになったほか、文章のテーマをスムーズに把握できるようになりました。

    文章を正しく読もう

    現代文の文章の展開には、決まったパターンがあります。

    順番は様々ですが、多くの評論文は、1. 筆者の主張と根拠2. 予想される反論3. その反論に対する反論4. 結論 という4つの部分に分かれています。

    今はどの部分を読んでいるのか、すなわち、論の展開を意識しながら読むことで、筆者が今何を述べているのかが明確になり、文章の内容が頭に入りやすくなります。

    ここで、接続詞や文末表現が展開を把握する手がかりになります。

    たとえば「〜である」という断定形が文末にある文では筆者の主張が述べられ、「なぜなら」の後には根拠が述べられることが多いです。
    手がかりとなる接続詞や文末表現に印をつけておくと、後で文章を読み直す時に内容を思い出しやすくなるでしょう。

    設問に合わせた答案を書こう

    「文章の内容は理解しているつもりなのに、なぜか記述式問題で点が取れない」という悩みをもつ人は多いのではないでしょうか?

    そのような人は、設問を正確に理解しないまま答案を書いてしまっており、要求に合った答案が書けていない可能性があります。

    そこでおすすめなのが、設問文を区切り、要求と条件を整理してから答案を書くことです。

    たとえば、「『AがBした』とはどういうことか説明せよ」という問題が出たとしましょう。
    このとき、いきなり答案を書き始めてはいけません。「Aが」と「Bした」という2つの要素に分け、それぞれを説明する箇所を文章中から探します。

    該当箇所が見つかったら端的に要約し、まとまってから答案を書くようにしましょう。

    また、設問文は文章を読む前に見ておくことをおすすめします。

    なぜなら、設問の内容が頭にあることで、設問に対する答えを探しながら文章を読むことができ、答案を書くために文章を読み直すことによるロスを減らせるからです。
    また、文章のテーマを設問文から事前に推測できるというメリットもあります。

    おわりに

    ここまで、古文・漢文・現代文のそれぞれについて、国語の勉強法を紹介してきました。

    勉強法が分からないからと、何かと軽視されがちな国語。しかし、必要な知識を着実に身につけ正しく読み、答案を書けるようになれば、国語は強力な得点源になります。

    この記事を読んだあなた。ぜひ今日から、国語の勉強を始めてみましょう!

    東大現代文の対策については、こちらの記事も読んでみてくださいね。