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  • 文系向け理系科目の克服法

    文系向け理系科目の克服法

    はじめに

    みなさんこんにちは! この記事では、受験勉強の中での大きな課題の一つである、苦手科目の勉強の仕方についてお話しします。

    数学や理科が苦手で、点数を伸ばす勉強法がわからない……

    理系科目で足を引っ張ってしまってテストの結果が良くない……

    などなど、理系科目に関する悩みを持つ文系の方は多いのではないでしょうか。

    私自身、高校生の時は理系科目がすごく苦手でした。しかし、試行錯誤しながら確立した勉強法を続けることで、最終的に東大2次試験に対応できる数学力を身につけることができました。また、共通テスト理科基礎の点も安定するようになりました。

    ここでは、実際に私が実践していた勉強法や問題を解く際のコツを紹介していきます。

    この記事は、数学や理科に苦手意識がある文科生の方に特に読んでいただきたいです。勉強法を少し変えてみるだけで克服への道が見えてくるはずです。

    一緒に苦手科目克服への一歩を踏み出しましょう!

    数学の勉強法

    まずは、数学の勉強法や問題を解く際のコツについて、共通テストと東大2次試験に分けて説明していきます。

    共通テスト数学の勉強法

    最初に、共通テストの形式について軽く説明します。

    数学ⅠA・数学ⅡBCともに試験時間70分でマーク式です。

    2024年までの旧課程共通テストの傾向でいうと、ⅠAの方は思考力を問われる問題が多く時間が足りない問題内容で、ⅡBCの方は基礎がしっかりしていれば時間内で90〜100点を狙える問題内容になっています。ただ、問題傾向は新課程では変わりうるので、あくまでも参考程度にとどめてください。

    続いて、勉強法についてです。

    よくいわれていますが、数学は演習量を積んで解法パターンの引き出しを増やしていくことが大切です。演習量を積む際には、普段から書店に売っている共通テスト型の問題集を用いて共通テスト型の問題に慣れるのがお勧めです。

    また、共通テスト直前期には、各予備校から出版される共通テストの全教科分の模擬問題を5〜10回分ほど掲載した共通テストパックをたくさん解くことが大切です。

    パックは多くの共通テスト型問題集とは違い、一回分のテストごとに分けられているので、より本番に近い演習をすることができます。

    この時、本番と同じように時間を計って緊張感を持って取り組むことが重要です。パックを用いて繰り返し本番のシミュレーションを積むことで、本番での対応力を高めることができます。

    パックは学校専用販売のものもありますが、書店で自分で手に入れられるものもあります。私の場合は秋ごろに学校から一括申し込みをして、河合、駿台、代々木ゼミナールのパックを各科目20回分ほど取り組みました。

    私は直前期に解いたパックの点数がなかなか伸びず焦りましたが、諦めず毎日取り組んでいると最後の方は安定して80〜90点を取れるようになりました。

    具体的な勉強方針としては、類題は自分で解き切れるようになるくらいまでしっかりと復習を行うことが大切です。

    そのために、間違えた問題は最低2回は復習するようにしましょう。一度復習しただけだとすぐに忘れてしまい、本番に生かせません。記憶の新しいうちに1回目の復習をし、しばらく経ってからもう一度復習をしましょう。

    1回目の復習では、間違えた問題をストックしてまとめノートを作るなど、自分の間違いをうやむやにしないための工夫をしてみてもいいと思います。2回目の復習でしっかり解けたら、記憶に頼らずに解けている証拠です。

    また、2次試験の勉強においても言えることですが、早いうちに網羅問題集をやりこんで基礎を固めておくことは非常に大切です。

    共通テスト型の問題を解いていて基礎的事項が不安になったら、すぐに網羅問題集に立ち返りましょう。

    網羅問題集は各項目の重要問題を厳選して掲載しているので、時間のない時期でも効率よく復習ができ、苦手を潰す際に最適です。

    特に「基礎問題精講」シリーズは解説が丁寧な上、類題も載っていて応用力もつくので数学が苦手な人にお勧めです。

    次に、問題を解く際のコツについてです。演習の際には、「限られた時間の中で解ける問題を取り切る」という意識を持って解く順番を考えましょう。

    また、共通テストは問題文や前半の問題がヒントになることが多いので、しっかり文章を読むとひらめく問題もあります。

    例えば、会話文などを通して数ある解法からその問題で使うべき解法を絞ってくれたり、前の小問で証明、使用した公式や解法を後の小問で用いたりするなどのケースが多いです。

    東大2次数学の勉強法

    まず、東大文系数学の問題形式について紹介します。

    試験時間は100分で、記述式の大問4つです。例年、基礎固めをしっかりしていれば完答を目指せる問題が1〜2問含まれており、そこを取り切れるかどうかが合否に関わってきます。

    まずは勉強法についてです。先ほどの共通テスト数学のところでも述べた通り、2次試験においても基礎的な考え方を用いる典型問題を一通り固めておくことが大切です。

    基礎固めの際には、網羅問題集で解いた問題を翌日、一週間後など定期的に復習しましょう。

    部活などで時間がない場合は学校の休み時間や通学時間など隙間時間をこまめに活用するのがお勧めです。

    基礎が固まっていると、問題を解く方針が立てやすくなります。

    また、高3時には、過去問、東大型模試やその過去問を十分に活用して、できるだけ多く演習を積みましょう。復習は、先ほど述べた完答すべき問題2題を中心に丁寧に行うのが良いです。

    次に、問題を解く際のコツについてです。

    数学に苦手意識がある人は、まず2問完答すること(2完)を目標にしましょう。試験の初めの方に解けそうな問題2題を見極め、完答を目指します。

    難しい年には2完が難しいこともあるので、2完できなくても落ち込む必要はありません。しかし、解けそうな問題を見極めるというプロセスがとても大事です。

    加えて、問題をさらっと見てすぐに解き出すのではなく、問題用紙の余白を使ってある程度解答の方針を練ってから解答を書き始めるようにしましょう。あとで方針が違うことがわかり、全部消してやり直し……となってしまうと大きく時間をロスしてしまいます。

    理科基礎の勉強法

    次に、文科生向けに理科基礎の勉強法についてお話ししていきます。ここでは化学基礎と物理基礎について紹介します。

    今から紹介する勉強方法で私は理科基礎の点が20点以上伸びたので、ぜひ参考にしてみてください!

    まずは、問題の概観についてです。理科基礎は基礎を固めれば取れる問題と、応用力が求められる問題に分かれています。

    化学基礎では酸と塩基、酸化還元反応が計算問題になりやすい単元です。公式を混同しないように、教科書を読み込んで原理を根本的に理解しておくことが必要です。

    物理基礎は、熱力学や力学がよく出題されます。ここはややこしい単元なので、教科書を読み込み、わかりにくいようなら参考書も確認しておきましょう。

    そして、力学は最重要単元です。出てくる問題形式が初見であっても、ある程度パターンを把握して、そのパターンに当てはめて公式をうまく利用できるようにすることが大事です。

    続いて、勉強法について紹介していきます。理科基礎では基礎知識の掌握が大切なので、苦手範囲を中心に教科書を読み込みましょう。

    教科書が読み込めたら、パックや共通テスト型問題集で演習量を積みましょう。苦手範囲を集中的に演習するなら問題集がお勧めです。

    特に「きめる!」シリーズは解説が丁寧なので理科基礎に苦手意識がある人、点が伸び悩んでいる人にお勧めです。

    そして、演習をしながら苦手範囲を洗い出し、再度教科書や参考書で丁寧に復習をしましょう。問題の解きっぱなしは厳禁です。間違えた問題はストックして定期的に復習しましょう。

    おわりに

    ここまで、数学と理科基礎の勉強法や解答のコツについてお話ししてきました。

    どちらの教科も、網羅問題集や教科書での基礎固めと、定期的な復習が特に大切です。また、数学のテストを解く際は、取り切るべき問題を最初に決め、時間をうまく配分するのがコツです。

    この記事で紹介したことを自分の勉強スタイルに合わせて試してもらえると嬉しいです。苦手意識は苦手克服の最大の敵です。まずは苦手意識を取り去ることから始めましょう!

    諦めずにじっくり向き合っていれば、自然に点数が上がり、勉強が楽しくなってくるはずです。心から応援しています!

  • 【偏差値20up!】現代文の解答作成術

    【偏差値20up!】現代文の解答作成術

    はじめに

    突然ですが、みなさんは現代文にどのような印象をお持ちでしょうか?

    一般的に、現代文はその時の運に左右されやすいという教科だという印象を持っている方が多いのではないかと思います。

    自分も現役生の頃はそのように思っていました。
    というのも、自分は現代文が大好きで様々な参考書や動画を用いて学習していたのですが、模試では勉強量に見合った成果が出ず、現代文の成績の良い人もきっと勉強の成果でなく運でその成果を獲得したのだろうと思ったからです。

    しかし、浪人をして自分の現代文に対する印象は大きく変わりました。なぜなら、浪人中に現代文の考え方を学ぶ機会に恵まれたことで、現代文の解法をつかむことができ、正しく考えれば運でなく実力で良い成績を獲得できると実感したからです。

    その結果、現代文の偏差値は大きく向上しました!!! 
    国語の偏差値は現役時には60ほどでしたが、浪人中には安定して75周辺を、最高で82まで取れるようになりました。
    さらに、本番でも現代文(国語)に救われて何とか東大に合格できたと言っても過言でない点数を頂きました。

    そこで今回は東大現代文を解く際に意識していたこと・勉強法をお伝えします。

    この記事で述べている現代文の解法はあくまで筆者個人の見解ですが、現代文(国語も同様に)の解法がつかめていない方、本格的に現代文の解法を教わったことのない方の現代文学習の参考になれば幸いです。

    本記事の出発点

    これまでFairWindでは、現代文に関連する記事を2本出しています(本番で失敗しない東大現代文の解き方【東大生が教える】国語の勉強法【4ヶ月で40点アップ】 )。

    今までの記事の内容で本記事につながるポイントは以下の2つです。

    傍線部を区切り、要素に分けてから答案を作成すること
    解答は文章の寄せ集めでなく、筋の通ったものを作ること

    もちろん、現代文では文章を正しく読み取ることが最も重要です。そこについては、今までの記事に文章の読み方が十分に書いてあるので、参考にしてみてください。

    本記事は以上の2点をよりわかりやすく膨らませる形で、解答作成方法について書いていきます!

    設問の考え方

    国語の入試では本文に傍線部が引かれ、その傍線部の内容説明や理由説明を求められます。
    しかし、この設問形式にどう対応したらいいのか分からないという方も多いのではないでしょうか?

    自分も現役時は、「傍線部の内容や理由の説明を求められても、自分の解答は説明したというより、似た言葉で答え返しただけのオウム返しをしたようになってしまう。どう答えたらいいのだろうか」と思っていました。

    しかし、浪人中の授業を通して感じたことは、内容説明と理由説明で少し違いがあるにせよ、現代文の入試では「傍線部をより詳しく説明してあげること」が求められているということです。(ちなみに、内容説明であれば傍線部を詳しく説明することが、理由説明では理由を見つけてきてその理由がわかりやすくなるように傍線部を詳しく説明することが、求められます。)

    そして、傍線部をより詳しく説明するには、「傍線部の語を言い換えること」「傍線部の語のニュアンスを明示すること」が必要です。

    さっそく、一つずつみていきましょう!

    傍線部の語の言い換え

    傍線部の語を言い換える際に、傍線部のわかりづらい語をよりわかりやすい語に言い換えるのはもちろんです。さらに、本文中には傍線部の言葉をより詳しく説明している箇所があることも多いです。傍線部の言葉をより詳しく説明されている箇所に言い換えることもできたら良いですね。

    また、基本的には傍線部を言い換えるだけで十分ですが、説明のためにどうしても必要であったり文字数に余裕があったりする場合は、傍線部以外の本文中に書かれている傍線部のように主張できる理由も付け加えるといいでしょう。

    特に、ただ似たような言葉を返しているように思う時は、理由も加えると改善されることが多いです。
    理由が加わることで、自分で思考した道筋が明確になり、考えもなく同じ言葉を繰り返す“オウム”と一線を画すことができるのではないでしょうか。

    このように、丁寧に傍線部の語を言い換え、そして傍線部に語を付け加えると十分詳しく説明した解答が完成します。

    「本記事の出発点」の章では傍線部を区切ることを紹介しましたが、区切りごとに詳しく説明しようと言い換えや付け加えを行うと良いでしょう! 

    語のニュアンスの明確化

    次に、皆さんが難しく感じたであろう2つ目の「語のニュアンスを明確化すること」の方の説明に移っていきます。

    傍線部が言いたいことを正確に詳しく説明しようと思えば、傍線部のニュアンスをも反映させることは大切です。
    例えば、「東京に行きたいな」と「東京に絶対行きたい」では、「東京に行きたい」という内容は一緒ですが、ニュアンス(ここでは気持ちの度合い)が大きく違うでしょう。

    語のニュアンスを明確化させるのは難しいそうと思う人も多いと思いますが、ご安心ください! ここでは詩的な意味を書き表そうなどといった、大それたことを言っているわけではありません。
    少し意識すれば気が付くものばかりですし、さらに語のニュアンスを明確化させる際の着眼点があります!

     ここから、2024年の東大の入試問題を少し利用して、代表的な着眼点をいくつか紹介していきます。

    東大の過去問で具体的にみてみよう

    2024年の東大入試でも、いくつか代表的なニュアンスを明確化させるための着眼点が出てきています。この着眼点に気づけることが、高得点ひいては合格につながるので、見落とさないようにしましょう!

    関係性を表す語

    入試でよく出るニュアンスを明確化しなければならない語として、関係性を表す語があります。
    関係性を表す語とは、その語の持つ意味を的確に表そうとした際に、2つ以上の関係する事柄に言及しなければならない単語のことです。

    この説明だけでは分からないと思うので、具体例をみてみましょう。

    例えば、2024年入試では傍線部に「合致」という語が含まれていました。
    「合致」という語は、一般に「AとBが何かしらの点で一致する」際に用いられると思います。そのため、忘れずにAとBという関係する(今回は合致している)2つの事柄を書き表さなければいけません。

    この問題ではAとBに当たるものが傍線中に含まれているので、意識せずともAとBを明示できるかもしれませんが、片方の事柄が傍線部に含まれていないことも経験上よくあります。そういう時も意識的に関係している2つの事柄を明示できると良いですね。

    他にも入試でよく見る単語として、「似ている」がありますね。ここでも、“似ている”関係にあるAとBの事柄を明示することが求められます。

    傍線部を要素に分けた際に、関係しているAとBに触れた方が良い単語があるのか確認するようにしましょう!

    副詞

    副詞とは、文中で他の単語を詳しく説明する語で、「とても」や「ゆっくり」などがあります。
    副詞はわずか数文字で構成されていてるにもかかわらず、わざわざ筆者が書いているということは重要なニュアンスが含まれています。

    細かいので見落としがちですが、しっかり解答に反映させましょう!

    例えば、2024年入試では、傍線部に「まだ」という語が含まれています。「まだ」とは、「今は達成されていないけれど、将来的に達成される見込みがある」というときに用います。
    よって、答案には「今達成されてない」という要素だけでなく、「将来達成しうる」という2つ目の要素についても書けると良いですね。

    傍線部を要素に分けた際に、副詞を見落とさないようにしましょう! そして、副詞があれば、そのニュアンスを十二分に反映するようにしましょう! 

    注目すべき単語は他にも多くあると思います。
    とはいえ、今回紹介しきれなかった単語が出題されたとしても、心配はいりません。
    1文字1文字に注目して言葉のニュアンスをも明確化させようと意識して問題を解いていけば、きっと良い答案が書けると思います! 

    伝わる答案を書こう

    ここまで、問題を解く際の考え方について述べてきましたが、二次試験においてはこうして考えたことを正確に文章化して、採点官に伝える必要があります。
    確かに、採点官に正確に伝わる答案が書けるということは、読解力も作文能力もあるということですから、その答案は高く評価されるでしょう。

    そのような採点官に伝わる答案を書くためのポイントは以下の2つです。

    文章の単語を用いること
    筋を通すこと

    一つずつ説明していきますね! 

    文章の単語を使おう

    1つ目は、文章の単語をなるべく使おうということです。

    その理由として、文章中の単語は筆者が時間をかけて選び抜いたものだからです。そのような文章中の言葉は、受験生が試験の少ない時間で考え出す言葉よりもより良い言葉であることは想像に難くないですよね。

    さらに、受験生が試験中に焦って思いついた単語では、本文で筆者が言いたかったことと少し異なることを示してしまうことも少なくありません。

    そう考えると、文章の言葉を使った方がいいですよね。

    答案に文章の言葉を使うことに関連して余談ですが、2013年の東大現代文で出された文章の内容は、「翻訳(=『元の文学作品が言い表したいことを他言語に『言い換えること)は、意味内容だけでなく表現方法も反映する必要がある」ということでした。

    これを踏まえて考えると、『本文の内容』を『自分の解答に言い換える』現代文という教科は、いわば“翻訳”するような教科と言えるかもしれません。そうであるとしたら、本文の表現をも解答に反映させることで本文の内容を正確に説明できると思っています。

    あくまで自分の経験ではありますが、東大の国語入試において本文の単語をそこまで重要視しなかった現役時から、本文の単語を使うことを意識した浪人時には20点強点数が上がりました(自分は本文の単語を使ったことと関連性があると思っていますが、断言できませんので、鵜呑みにはしないでください)。

    とはいえ、ただ文章の言葉を用いるだけでは良い答案を書き上げることはできません。
    文章の単語を考えもせずに用いてしまうと、文章や文節同士の繋がりがわかりにくく、文章全体で何が言いたいのかわかりづらい答案ができてしまうからです。

    自分は筋を通すことで、良い答案になると考えています。

    ということで、次に文章を書くときに意識することの2つ目、筋を通すことについて説明していこうと思います。

    重要! 筋を通すこと

    ここまで色々な考え方をお伝えしてきましたが、これまで考えてきたことを文章に書き表す時に大切な筋を通すことについて、書いていこうと思います。
    「終わりよければ全てよし」というように、考えたことを文章化するという最後の段階で筋を通せるかで点数が大きく変わりうると思います。心して刮目せよ!!! 

    筋が通っている答案とは、その答案の通りに読んで考えれば一般的にはその通りだと感じられる答案のことだと私は思っています。
    読み手に、ここの箇所からこう考えるのはおかしい、理解できないと感じさせる答案は、理解や思考が不十分だと考えられ点数が期待できないのは想像に難くないでしょう。

    筋を通すには、前に書いたことと後に書くことが内容的に重なりつつ話が展開していくこと、つまり前後が繋がりを持っておくことが大切です。そしてその繋がりは、適切な言葉を使ったり補ったりして、違和感や矛盾を感じさせないものであるといいですね。

    違和感や矛盾を感じさせない繋がりがある文だと、その文通りに考えればその通りだと納得できる文が完成するということです。

    たとえばこの章では、前章に基づき『考えたことを文章化して答案を作る必要があるというところから始まり、『その文章は採点官に伝わるものであると望ましいと主張しました。そして、『採点官に伝わる文章を書く』には意識する点が『2つ』あり、その『2つについて述べていく形式で話が進んでいます。

    自分はまだまだ未熟ではあると思いますが、初めて読む方でも違和感や矛盾を感じないように、前の話と内容が重なる形で次の話を展開していくことは意識しています。確かに、上の段落の『』に注目してもらうと内容が重なりつつ展開していっているのが分かると思います。

    このように、筋を通すとは、前の内容と次の内容が違和感も矛盾もなく繋がっていくことではないかと自分は思っています。

    これまで述べてきた傍線部の考え方や文章の単語を使うことも含め総合的に考えると、現代文では、文章の言葉を活かしつつ、前後の繋がりが伝わるように傍線部の語を言い換えることや付け加えることが必要であると考えられるでしょう。

    ちなみに、筋が通っているか否かを判断する方法として、答案を読みながら「本当か」と尋ねることがおすすめです。「本当じゃない」と感じるのであれば、矛盾や説明不足があるはずです。

    とはいえ、自分自身では初めから筋が通っているか否かを判断しづらいと思います。書いた答案を先生に採点していただき、先生の助言やこの記事を参考に磨きをかけていくと良いと思います。

    おわりに

    ここまで紹介してきた現代文の考え方はいかがだったでしょうか?

    この文章のまとめは、以下の2つです。

    ①傍線部の考え方として、傍線部をより詳しく説明するよう傍線部の語を言い換えたり、ニュアンスを明示すること
    ②答案の書き方として、本文の言葉を使いつつ、全体で筋が通った採点官に伝わりやすい答案を書くこと

    あくまで自分の考えであり、他にも様々な考え方や異なる捉え方もあると思いますが、この記事の内容を参考に日々の学習や試験に臨んでいただければ幸いです。

    読者さんのより良い高校生活・受験生活を応援しています!
    高校生活楽しんでください!!!

  • 【東大生が語る】日本史地理選択のすゝめ

    【東大生が語る】日本史地理選択のすゝめ

    はじめに

    東大を文系で受験する人は全員、日本史・世界史・地理の中から二科目を選んで受験することになりますが、その組み合わせの中で圧倒的に選ばれにくい組み合わせがあります。

    そう、日本史地理選択です。

    なんだか日本史地理選択って、不利なイメージがあったりして選びにくいですよね……。
    実際、日本史地理選択で受験した筆者もその不利な面を実感しました……。

    でも、日本史地理選択ならではのメリットも存在するのでは?

    そんな思いから今回は、筆者の経験を踏まえて日本史地理のイメージについて率直に、赤裸々に書いてみようと思います!

    記事の性質上、筆者の主観が多分に含まれてしまうことにはご注意ください!

    日本史地理選択の不利な面

    まず初めに、日本史地理選択が他の選択に比べて不利だなと思う点についていくつか紹介します。

    1. 日本史と地理の間に内容面の重複が少ない

    最初にして最大の難点だと思う点を挙げました。

    日本史は人類が誕生してからの、古代から現代について扱うのに対し、地理は地形のでき方といった人類が誕生するはるか前のことか、産業・貿易といったより現代的なものを扱うため、二者の間で扱う時代の重複が小さくなっています。

    これにより学ぶ内容にも重複が生じづらくなってしまっています。

    日本史と地理の間に内容面の重複が小さいことを見てきましたが、他の科目の間ではどうなのでしょうか。

    まずは日本史と世界史についてです。

    これは言わずもがなですね。どちらも「歴史」について扱う科目ですから、ほとんど同じ時代について扱いますし、内容面にも重複が出て、一方の理解が他方の理解を助けてくれる印象です。

    それでは世界史と地理についてはどうでしょうか。
    ここでは具体的な問題を例に挙げて説明していこうと思います。

    2022年の東大地理では、18世紀から19世紀の船の航路にまつわる問題が出ました。この問題を解く上で「季節風貿易」などに関する知識があるとだいぶ考えやすいのですが、この知識は世界史で習うものなのです!

    日本史地理選択だとこの問題を合理的に推論して解くことを求められます。世界史地理選択であれば知識から解けるのに……。結構辛いですね。

    2. 日本史地理を選択する人が少ない分、情報量が少ない

    次に挙げる点も多くの高校生がぶつかる壁なのではないでしょうか。

    筆者も実際東大にいてみて、日本史地理選択の人に出会う機会は滅多にないです。
    自分がいるクラスには30人ほどいるのですが、その内日本史地理選択は2、3人ほど。割合にしてわずか1割ほどです!(もちろんこれが全体の割合なわけではないのですが。)

    このことは日本史地理選択での合格体験談の数の少なさに直結します。それはつまり、受験勉強における戦略面で参考にできる情報量が少ないことを意味しますね。科目バランス、目標点数、試験当日の試験時間を日本史と地理でどう振り分けるのかなど……。

    これら戦略面の情報が少ないと、自分の試行錯誤で頑張らなければいけない部分が大きくなってしまい、最短経路で受験勉強を進めることが難しいです。

    「巨人の肩の上に立つ」と言うように、先輩たちの経験を上手く利用することは勉強において大切ですし、そもそも経験の蓄積が他の選択肢に比べ少ないことは見逃せないデメリットと言えそうです。

    日本史地理選択にはこんなメリットがある!!!

    ここまで日本史地理選択のデメリットばかり並べて、ネガキャンのようになってしまっていますが、日本史地理選択は悪いところばかりではありません! ここからは日本史地理選択のメリットと言える点を紹介していきます。

    1. そもそもの内容自体は軽い

    日本史地理選択であれば、受験科目として世界史を学習する必要がありません。
    学校の必修で日本史と世界史を習っている人はなんとなく感じているかもしれませんが、一般に日本史よりも世界史の方が暗記量は多いとされています。

    実際、世界全体のことを扱う世界史より、日本中心に扱う日本史の方が覚えることが少なさそう、ということは直感的にも感じることではないでしょうか。

    さらに言うと、世界史は同時代における複数地域で起こったこととその関連を見なければならないため、時間軸に加え地域軸も意識する必要があり、いわゆる「縦軸と横軸」の両方を考えることの難しさがあります。

    一方日本史は横軸を意識する必要が小さく、縦軸中心に勉強していけば良いというところがあるため、世界史よりも勉強しやすいと言えるでしょう。

    加えて高校日本史は中学で学ぶ内容の延長線にあるため、その内容を高校での学びに活かしていける点は取り組みやすい要因にもなると思います。

    2. 頭の使い方が似ている

    次に、日本史と地理は問題のタイプが近く、タイトルの通り問題を解くときの頭の使い方が近いため、一方の勉強が他方にも活きるという利点を紹介していきます。以下、各教科ごとに詳しく説明していきます。

    まずは地理について。地理はおそらく皆さんが思っている通り、地図や図表を読み解いて論理的に推論する能力が求められます。

    上で言う能力がどういったものか例を挙げて説明します。

    まず、ある年にある変化が起こったとしましょう。地理ではまず、その変化をグラフから読み取る能力が求められます。次に、その変化がなぜ起こったのか、原因となる出来事・それを引き起こす背景などを考える必要があります。


    以上が「読み解く」と「論理的に推論する」の例となります。

    次に日本史について。日本史は地理とは違い、上のような読解などが求められる場面は少ないと思われがちなのではないでしょうか。しかしそれは大きな間違いです。

    実は日本史でも図表やグラフ、絵などを読み解いて思考し答えを導く問題は数多く存在するのです。これについては言葉で説明するより、近年の共通テストを見ればすぐに理解できることでしょう。

    ここまで地理と日本史の問題の特徴を見ていきましたが、これらは個別の特徴というよりそれより大局的な、問題に取り組む際の姿勢を現した特徴と言えるでしょう。そのため、地理で学んだ読解力が日本史に活きる、といったように相乗効果を期待できるのです。

    3. 内容の重複が少ない分、幅広く学べる!?

    最後に、筆者の友人でこのような考え方をする方がいたので、余談として紹介します。

    確かに科目間で内容に重複があれば、その内容について深い理解ができたりして有利と言えるでしょうが、一方学べる範囲が狭まってしまう可能性を秘めていると言えるのではないでしょうか。

    日本史地理選択だと、重複が少ない分扱える内容そのものは増えるので、今後の生活で自分の琴線に触れるものが増えるということがメリットと言えると筆者は考えます。

    「狭く深く」か「浅く広く」か、自分のタイプに合わせて考えられると良いと思います!

    筆者の体験談

    ここからは体験談として、筆者が日本史地理選択でどんな壁にぶつかったか、その壁をどう乗り越えたのかについて話していこうと思います。

    少しでもみなさんを勇気づける内容になっていれば幸いです。

    筆者がぶつかった壁

    ではまず、筆者がぶつかった壁についていくつか紹介します!

    一つ目の壁は、試験本番、考えて解く問題が多いことです。

    東大の社会は2科目一気に150分で行うのが特徴的ですが、そう聞くだけでも疲れますよね。

    それに加えて日本史地理だと、世界史の一問一答のような暗記寄りな問題が少ないため、150分ほとんど考えっぱなしになってしまいます。これは想像以上にきついです……。

    僕の場合日本史→地理の順番で解いていたのですが、地理の大問3つのうち最後の一つはいつも頭が回らず、直感で適当に解答するという具合でした。

    当然そのような状態で解いても出来が良い訳が無く、その最後の大問が社会の中で一番出来が悪いというのが定番となっていました。

    タチが悪いことに、その最後の大問を解き直すといつも、「なんでこんなことに気づかなかったんだ」「最初に解いてたら楽勝だったのに!!」と思う始末でした。似たような経験をしたことのある人はみなさんの中にも多いのではないでしょうか。

    それに加えて、考えるところが多いということは確実に正答できたなと思える部分が小さいということでもあります。

    推論を基に出した答えは、どんなに自信があったとしても全く的外れということは往々にしてあります。これは皆さんも数学などで経験したことがあるのではないでしょうか。

    このような経験が災いして、最低限これくらいは得点できただろうという部分が小さくなってしまうがために、試験時間中に安心できることが少ないのです。

    これは意外に辛いものです。共通テストの日本史(世界史)が全部古文の資料問題だったらと想像してみてください。おそらく、自分の読みが合っているのか不安になり、従来の問題より大幅に時間がかかることが容易に想像できるのではないでしょうか。

    考えて解く問題が多いことは、知識が無くても解けるかもしれないというメリットと同じかそれ以上に、上に挙げたデメリットが存在すると感じました。

    二つ目の壁は、地理で出てくる、世界史に寄ったような問題がなかなか解けないことです。

    これは日本史地理選択の不利な面を紹介する際に触れたので、ここでは割愛しますね!

    三つ目の壁は、日本史地理選択が不利であるというのを必要以上に考えすぎてしまい、自分の成績が悪い理由を科目選択のせいにしてしまったことです。

    特に現役の時は、「日本史地理じゃ成績が伸びる訳ないんだ!」と完全に投げ出してしまい、社会の勉強から逃げた時期がありました。もちろん、それによって成績は上がる訳がなく、悪循環に陥る一方でした。

    壁をどう乗り越えたか

    上の記述を踏まえて、筆者が上に書いた壁をどう乗り越えたかについて紹介しようと思います。

    一つ目の壁、考えて解く問題が多いということへの僕の対処法は、「慣れ」と「パターン化」という二つのキーワードに集約されます。

    「慣れ」については言葉通りですね。
    単純に問題を解く体力が付いたというのもありますし、問題を解いていく順番などが固まってきてどこか「ルーティン化」が進んでくるとかなり楽になりました。

    「パターン化」については問題を解く能力とも関連があることかもしれません。
    考える問題にも「型」があって、その「型」をある程度パターンとして持てるようになると解くのも早くなるし、解答への自信も増すようになりました。

    例えば日本史において、抽象的な史料が与えられたらどんな具体的な事象と結びつくのか

    考えたり、逆に具体的な事象が与えられたら抽象的にどんな意味があるのか考えるといったことですね。

    演習を積んでいくうちに、これが自然にできるようになるとかなり楽になったなと思います。

    つまり、日本史地理選択だとしても何か特別なことが必要な訳ではなく、他の教科と同じように地道に演習を積んでいくことが大切だった、ということですね。

    二つ目の壁、世界史チックな問題が解けないことへの僕の対処法は、最低限、頻出な世界史の知識だけは必ず押さえる、というものでした。

    世界史要素と言われても世界史の全ての分野が問われるわけではありません。むしろ問われる部分は小さいと言えるでしょう。
    過去問で繰り返し問われる分野をしっかり押さえれば、意外と世界史要素の問題でも解けるんだな、と気づけるはずです。

    そこから外れる問題は諦めましょう。他の問題を解ければ十分合格点は取れるんだよ、ということを意識することが大切でした。人生、何事も諦めが肝心ですね。

    三つ目の壁、日本史地理選択自体を言い訳にしてしまうことについては、次のように考えるようにして割り切るようにしました。

    まず、日本史地理という選択肢を取ったのは紛れもない自分自身です。その責任はもちろん他の誰かが取ってくれるものではないですよね。

    また受験勉強において、選択科目を選ぶまでの時間より、選んでから実際に学んでいく時間の方が圧倒的に長くて重要です。その重要な時間を、うだうだと過去の選択への後悔に使うのは明らかにもったいないですよね。

    「選択の質ではなくその後の行動の質を上げる」という考えができるようになってからは、受験勉強も割り切って進められるようになりました。

    ちなみにこの考え方は受験勉強一般に通用するものだと思います。
    多くの場合、選択をした直後というのは物事の全体が見えておらず、見えている一部を切り取って価値判断を下してしまうものですが、その価値判断が後になって覆ることは往々にしてあるものではないでしょうか。

    このことから言えることは、「やってみなくちゃわからない」ということです。当たり前すぎますか? でも、切羽詰まっているとこういう当たり前のことも見失ってしまうものです。

    今まで書いてきた三つの壁への対処法を振り返ってみると、どれもすぐに思いつく当たり前のことだったと思います。
    「当たり前のことを当たり前にやる」ことが大切ということですね。

    おわりに

    今回の記事を通じて、日本史地理についてイメージが膨らみましたか?

    日本史地理を選ぶに至らずとも、皆さんの選択肢の一つに日本史地理が加われば嬉しいです!

    また上でも示唆したように、選んだ選択肢を正解だと言えるよう動くことは正解の選択肢を選ぶこと以上に大切だと考えます。考え抜いた上で選んだ選択肢をやり切ることも大事にしてくださいね!

  • 難関大受験者に贈る高校留学のすすめ

    難関大受験者に贈る高校留学のすすめ

    はじめに

    「海外へ留学したい! でも学習が遅れないかな……」

    このような悩みを抱えている人はいませんか?

    たとえ留学したいという意志があったとしても、受験のことを考えると留学を諦めてしまう人がいると思います。

    ですが、留学したいという気持ちを諦める必要はありません。難関大受験と高校留学は両立できます!

    この記事では、高1のときにアメリカに留学に行って東大合格を果たした私が、「高校留学→難関大受験」という夢を実現するための勉強の進め方について1つの方針を示しています。

    高1の間に英語圏の高校に留学をした上で、さらに学力試験を用いた一般選抜で難関大受験もしたい!という人に読んでほしいです。

    (※注意:総合型選抜や学校推薦型選抜を用いて、留学経験を生かした大学受験をしようという人向けではありません。)

    留学に行こう!

    留学→受験」という道のりは困難ですが、それでも留学をするという選択には大きなメリットがあると私は思います。

    留学で得られることは数多くありますが、その中でも

    1:積極的な発言ができるようになる

    2:かけがえのない友人ができる

    3:異なる価値観に触れられる

    以上3点について私の考えをお伝えします。

    留学のメリット1:積極的な発言ができるようになる

    空気を読んで周りに同調することが求められる日本とは違い、欧米では積極的な自己アピールが求められます。

    意見を言わない人は存在価値がない、と言われる環境で学問を修めることで、自分の意見をしっかりと相手に伝えることができるようになるでしょう。

    留学で発言の機会がたくさんある環境に慣れてしまえば、発表の場で緊張するという心配はいりません。

    言われたことを「はいはい」とただ聞くのではなく、自ら学ぶ姿勢を続けることでより深い理解を得ることができるようになります。

    帰国後は日本のクラスのみんなのあまりの消極性に違和感を覚える程です。

    留学のメリット2:かけがえのない友人ができる

    留学に行くと、多くの場合は現地の高校に通うことになります。

    そこで同じ授業を取る人や、同じクラブの人、教会の人などといった、様々な人と繋がりを持つことができ、たくさんの友達を作ることができます。

    その場限りの関係ではなく、帰国後も頻繁にお話しするような大親友と呼べる人も私は何人もできました。

    留学のメリット3:異なる価値観に触れられる

    留学先で様々な人と出会うことで、多様な価値観があることに気づきます。

    日本では学べなかった「考えることは人それぞれで、同調する必要はない」当たり前のことを肌で感じることができ、多様性への寛容さを身につけることができます。

    この先グローバル化がどんどん進む世界において、この精神を身に付けているというのは大変重要です。

    学校が留学を応援してくれなかったら

    残念なことに、すべての学校の先生が留学に賛成してくれるわけではありません。

    進学校の成績の良い人は、受験に不利になるかもしれないという懸念があり、先生から留学を反対されるケースも少なくありません。

    しかし、大事なことは「あなたが何をやりたいのか」であって「学校があなたに何を求めているのか」ではありません。

    留学の書類作成の協力をお願いしても拒否されるようであれば、学校を介さずとも留学することはできるので、別のルートを探しましょう。

    留学に行っても受験を諦めない、という強い意志を先生に示すためには、渡航前の勉強をしっかりやることが肝心です。

    学校の既習範囲を完璧にしておくことで先生からの信頼を得て、留学で学習が遅れてもこの子なら問題なくついていける、と思われれば協力してもらいやすくなります。

    留学前の勉強

    留学前は、先取り学習をすることを強くおすすめします。

    留学によって1年間授業をスキップするので、その分他の人に追いつくために頑張らなければいけません。

    留学をしないでそのまま難関大受験をする人よりも困難な道になることは覚悟してください。

    ここでは、留学前の学習の方針を紹介します。

    数学

    高1の留学出発前までに数学IAIIBの教科書レベルの学習を終えるのが理想的です。

    おすすめの教材として、数学検定の参考書があります。

    問題のレベルがそこまで高くないため、範囲内の学習を進めるのに適しています。

    理系の人は、数Ⅲまで終わらせる必要はないと思います。

    また、入試レベルを解けるようになっている必要は無く、あくまでも基本ができるというレベルで問題ありません。

    帰国後に新出の概念を学ぶという状況を作らないようにすることが重要です。

    国語

    普段から文章を読む習慣をつけましょう。

    新聞を活用し、毎日1面だけでも読む、というように日課にするのがおすすめです。

    現代文の素養は留学に向けても必要です。

    留学先で出会う人からすれば、あなたは日本という国の代表のような存在です。

    他の例を知らないので、日本という国のイメージをあなたからの情報を基に固めていきます。

    自国のことを聞かれて答えられないと恥ずかしい思いをすることもあるので、留学前は日本についての知識もしっかり持ちましょう。

    これが自然と現代文の力にもなるはずです。

    また、異国語の文章に対して、母国語で読むときよりも理解が深まることはありえません。

    出発前に日本語の文章をしっかりと理解できるようになっておきましょう。

    帰国してからの1・2年で、作問者の求める答えを書く力が向上することはあると思いますが、劇的に読解力が伸びるということは期待できません。

    ですので高1までのうちに読解力を鍛えましょう(→ 国語の勉強法の記事はこちら

    古典の単語や文法は留学中に忘れてしまうので、渡航前に必死になって入れ込む必要はないでしょう。

    英語

    留学先で英語をたくさん話すので、英語は高得点を取れるようになると勘違いしてしまう人がいますが、そのようなことはありません。

    入試英語というものは英会話と別種のものであり、解けるようになるためには別途対策が必要です。

    留学先で普通に日常生活をしているだけでは大学受験レベルの語彙は身に付きません。

    単語帳を見るなどして、意識的に単語を覚え込む必要があります。

    また、留学をどれだけ充実したものにできるかということも、留学前の語学力にかかっています。

    そのため、渡航前に英語の勉強を努力する必要があります。

    最低でも英検2級レベルの英語力を身につけていないと、留学で得られるものは少なくなってしまうでしょう。

    社会・理科

    これらの科目については、中学レベルの事項が充分に理解できているならば、帰国後から勉強しても充分キャッチアップできます。

    渡航前に特に力を入れる必要はないでしょう。

    留学中

    日本の勉強はする?

    日本の学校の勉強をするために教科書を持って行ったという話も聞きますが、私は留学中に日本の学校の勉強をする必要はないと思います。

    まずそれをする時間がありません。

    当然留学先でも高校に通い、そこで宿題が出されます。

    現地の英語ネイティブ高校生向けの課題をやらなければならないのです。

    そんな状況で、日本の学校の勉強をする時間を確保するのは難しいと思われます。

    そして教科書を持ってくる分だけ荷物がかさばってしまい、移動も大変になります。

    その分ホストファミリーへのお土産か何かを入れた方が良いと思います。

    生活に関して

    ホストファミリーから、「教会に行こう」などと誘われることが多々あります。こんなときは面倒くさがらず、積極的について行ってほしいです。

    その国の家族がどのように過ごすのか、などといった独自の文化を感じることができます。

    また、クラブ活動が活発なので、興味のあるクラブに所属するといいでしょう。日本の高校に比べ、かなり早い時間に放課後となるので、そこで取り組むことを決めておくと充実した日々を過ごすことができます。クラブに入ることで、気の合う友達を作りやすくなるかもしれません。

    授業に関して

    アメリカの高校では時間割を自分で組むのですが、その際に注意しなければならないことがあります。

    それは、理系教科ばかりにしないということです。

    私が留学時に利用したYFUという団体の調査によると、帰国してから英語力がそれほど上がっていない人は、留学中に理系教科ばかり取っていた傾向があるそうです。

    文系科目を取ると英語力が上がる理由はなんでしょうか。

    それは、授業中に出てくる語彙がハイレベルであること、そしてたくさん読んでたくさん書くことにより、英語ライティングのスキルがかなり鍛えられるためです。

    文系科目として何の授業を取ればいいのかわからないという人は、留学先の国の歴史の授業を取ることをおすすめします。その国の歴史や文化について詳しくなることができるからです。

    アメリカでは、一般的な教科の他に面白い授業がたくさんあります。

    たとえば「Cooking」の授業では、高校が運営しているレストランを実際に経営する実践的な体験ができます。

    また、「Band」の授業では楽器を演奏したりマーチングをしたりします。

    日本では部活動でするようなことが授業の中でできるのです。

    上で紹介した以外にもたくさんの面白い授業があり、どのようなものがあるのかは高校の特色になっています。

    数学の授業に関しては、日本人の高校生ならばクラスでスターになることができます。難度の高いクラスを取っても問題なくついていけるでしょう。

    周りの人は小さい頃から計算に電卓を使用しているため、簡単な暗算を披露するだけでクラス中から尊敬の目で見られます。

    理科系の授業は進度がゆっくりなので、自分の英語に不安があってもついていけます。

    日本の高校では、等速直線運動の説明に2週間程度の時間をかけるところを、私の留学先の高校の授業では2ヶ月位かけていました。

    留学から帰った後の勉強

    ここからは、帰国後にどのようにして勉強を進めていけばよいのかについての方針をお伝えします。

    数学

    留学前に先取りしておいた内容を思い出すためにも、たくさんの量の演習を重ねましょう。理系の人は数Ⅲをなるべく早く終わらせましょう。

    国語

    国語については帰国してからが勝負になります。

    全力で古典文法や古文単語を覚えましょう。

    また、読解の勘を取り戻すために文章をたくさん読みましょう。

    英語

    留学の成果はリスニング力とスピーキング力の伸びに現れているはずです。

    共通テストのリスニングでは満点を十分狙えるレベルに達していると思います。

    また、イディオムにも強くなっているはずです。

    しかし残念ながら、リスニングとスピーキングのスキルを評価してくれる大学はあまり多くありません。

    ですので、演習を重ねることによって入試独特の問題形式に慣れることが肝心です。

    英検やIELTSのような4技能試験の資格は、帰国後のなるべく早い時期に取得することをおすすめします。その方が高得点を狙えるからです。

    社会・理科

    知識を入れ込むことが大事です。

    ここで意識してほしいことは、ただの暗記で終わっていてはいけないということです。

    ライバルに遅れを取っている分、追い越すためには効率的に勉強する必要があります。

    そのためには概念の理解が一番の近道だと思います。

    たとえば理科に関して言えば、どうしてこの公式が導出されるのかを理解すれば、もし公式を忘れてしまったとしても自分で作り出すことができる、ということです。

    課外活動はやめるべき?

    部活動などの課外活動は勉強の遅れを取り戻すためにやめなければいけないのか、そんな疑問を持つ人もいると思います。

    ですが、私はやめる必要はないと思います。高校生として部活動ができる時期は限られているので、それらの活動に積極的に取り組むことを強くおすすめします。

    私の場合は、帰国後も弓道部の活動を続け、大会に出場し優勝することができ、部活動の仲間との楽しい思い出を作ることができました。

    部活動をやめて勉強に専念していたら得られなかった達成感なので、部活動を続けて良かったと思っています。

    また、留学先で「やさしさを広げる」という理念を持って活動している団体に出会い、そのメンバーたちが数々の課題を抱えた多くの生徒を救い出している様子を見ました。

    この団体の理念に共感した私は、帰国後に日本の学校の仲間たちと社会福祉団体を立ち上げ、地域での学習支援などのチャリティー活動を通して貴重な体験をすることができました。

    留学先で培った、積極的に自分の考えを発信する力、そして仲間と議論する力は、この団体を運営する上で大きく役に立ちました。

    学校の授業

    帰国後の学習において1つ懸念されることが、学校の授業です。

    授業の内容と自分の学習進度とが合っていないことが多いため、聞いてもわからず苦痛を感じてしまうという状況になってしまいます。

    そんなときは、キャッチアップするために授業中に自習をしてもいいかを遠慮せずに先生に打診してみましょう。

    他のみんなよりも早いスピードで学習を進めていけば、いつの間にかクラスメイトの学習進度を追い越していることになるはずです。

    おわりに

    この記事では、受験と留学を両立させる方法について述べました。難関大受験と高校留学のどちらも実現させたいという人はぜひ参考にしてみてください。

    ここに書いた方法以外にも受験と留学を両立させるやり方はあります。

    私の体験を参考にしてもらっても構いませんが、自分に合ったやり方を模索し、夢を諦めることなく多くのことに挑戦してください。

    高校時代の経験は将来必ず役に立ちます!

  • 【メルマガ試し読み】地理の勉強法

    【メルマガ試し読み】地理の勉強法

    過去に配信されたメールマガジンの記事になります。東大生の生の声が綴られています。お楽しみください!
    (なお、執筆者の科類や学年は執筆時点でのものとなります。)


    皆さんこんにちは!文科二類1年のN.Kと申します。今回は、「地理の勉強法」というテーマでお話しようと思います。

    地理選択で地理の勉強法を知りたいという方はもちろん、

    社会の選択で地理を取ろうか悩んでいる方などもぜひ目を通してみてください!

    最初に、私がなぜ地理を選択したかという話をします。

    私の高校では、文系は世界史が必修で、その他に地理か日本史を選ぶことができるというシステムになっていました。

    地理を選択したのは、私自身とても旅行が好きで世界のあらゆるところについてもっと知りたい!と思っていたからです。

    地理を勉強していくにつれてその思いはますます強くなり、高校3年生のときからは『地球の歩き方』シリーズのガイドブックを買って読み、

    「あ、これ地理でやったとこじゃん!」と思いながら脳内旅行をするということを趣味にしています(笑)。

    もし地理が嫌いでしょうがないという人がいたら、何か楽しめる要素を見つけてみるということをお勧めします。

    普段使っている地図帳をじっくり眺めてみるだけでも、意外な発見があるはずです。

    (例えば、フランスの飛び地、いわゆる海外県は世界中にたくさんあります。お手持ちの地図帳で探してみてください。)

    私の地理愛について語ってしまいましたが、そろそろ本題の勉強法についての話題に移ろうと思います。

    まず、高校地理というのは大きく二つの分野に分けることができます。

    ①系統地理と②地誌です。

    ①の系統地理というのは大抵教科書の前半に載っている内容で、

    「地形」「気候」などの「自然地理」と「集落」「産業」などの「人文地理」に大別されます。

    系統地理は地理を学ぶための基礎的な知識が多いので、しっかりと固めておく必要があると思います。

    系統地理を制したものが受験地理を制すと言っても過言ではありません。

    共通テストでも地理全体の約7割といったウエイトを占めています。

    一方、②の地誌では①で学んだことが世界の具体的な場所でどう展開されているかを見ていきます。

    ①で学んだ原則を②で個々のシチュエーションに当てはめていく、と言った具合です。

    地理の全体的な学習の指針としては、まず系統地理の内容を頭に入れ、

    ある程度定着したら地誌に取り掛かる、というのがスタンダードかつ効率的な方法であると思います。

    定着の仕方は人それぞれだと思いますが、インプットだけでなくアウトプットも同時に行うとより効果的です。

    また、地図帳とはお友達になってください。

    特に地誌の勉強ではそうですが、問題に出てきた地名や地域は地図帳で確認するという習慣をつけておくといいと思います。

    ここまでは地理選択の方全員に向けた勉強法をお伝えしましたが、

    ここからは(特に国公立の)二次試験で地理を使う可能性がある方に向けて話をしようと思います。

    皆さんの中には、「歴史に比べて暗記量が少ないから」という理由で地理を選択した人がいるかもしれません。実際その通りだと思います。

    しかし、(特に国公立の)二次試験の地理では単純な知識を問う問題が少ない代わりに、知識を活用して問題に取り組むということが要求されます。

    ですから、資料やデータを読み取って分析する力や、様々な知識を融合して考える力が必要になります。

    系統地理と地誌の知識がある程度頭に入ったら、

    論述対策の参考書か大学の過去問に取り組んでみて、知識を応用して答えを作り出すプロセスに慣れていくのがいいと思います。

    過去問に関してですが、地理という科目はその性質上社会の変化によって内容が変わるので、そこまで遡って解く必要はないでしょう。

    その代わり、時事的内容が問われる大学も少なくありませんので日々の社会の流れに敏感になっておくことをお勧めします。

    最近のトレンドで言うと、環境問題や災害系が狙われがちです。

    時間のある方は、『東大のクールな地理 10年後の日本と世界を知る(伊藤彰芳)』という新書を読んでみると、

    最近の社会の流れと東大地理の問題の変遷がわかって面白いのでお勧めです。

    長々と書いてしまいましたが、ここで私が紹介した勉強法が全てではありませんので、

    他の人の勉強法も参考にしながら自分にあった勉強法を探してみてください!

    応援しています。ありがとうございました!



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  • 【東大生がやっていた】英語構文の勉強法

    【東大生がやっていた】英語構文の勉強法

    はじめに

    「英語構文がわからない……」という悩みは、多くの高校生が直面するものではないでしょうか?

    しかし、英語構文は、対策方法さえわかれば、自然と実力が伸びてくる分野でもあります。
    ここでは、手持ちの教科書や問題集を使った、手軽な英語構文の対策を解説します。
    構文は、長文読解だけでなく、英作文などにも関わる重要な分野です。ぜひこの記事を参考に克服してしまいましょう!

    また、この記事は、英語の長文読解に必要な3つの力を伸ばす対策のシリーズ2番目の記事となっています。

    この記事を開いてくださった方には、英語長文に必要な、

    1. 英単語や英熟語
    2. 構文を読み解く力
    3. 英語の長文を読むだけの体力

    これらのうち、英単語や英熟語の覚え方に関して説明したこの記事もおすすめです!

    【東大生がやっていた】長文読解のための英単語暗記術

    構文対策の流れ

    まずは、英語構文の対策の流れを説明します。

    1. 手持ちの教科書や問題集の長文を自分なりに分析してみる
    2. 分析が合っているか確認する
    3. 自分に足りていない構文の知識を参考書で確認する。また、長文問題を問題集で解いてみて、知識に穴がないか日々確認する

    この3ステップが必要です。

    文の構造を分析する 

    まず、文の構造を自分なりに分析します。

    このとき、後で自分の分析が合っているかを確かめるために、品詞や文の要素ごとに使う記号を決めて印をつけておきましょう。

    たとえば私は、
    名詞の下に________、動詞の下に=========、形容詞の下に〜〜〜を引く、副詞は()で囲む
    などの決まりを作ってやっていました。

    また、指示語がどの名詞を指しているのか、どのような用法で使われているのかも分析してみましょう。たとえばitは、単純に指示語として用いられるだけでなく、強調構文として使われるなど、色々な用法があります。

    文章だけの説明だとわかりづらいので、実際に私が分析したものをご覧ください。

    Rachel Ramirez. (February 28,2022).’Delay means death’: We’re running out of ways to adapt to the climate crisis, new report shows. Here are the key takeaways. CNN. https://edition.cnn.com/2022/02/28/world/un-ipcc-climate-report-adaptation-impacts/index.html

    分析したものが合っているかを確認する

    文の構造を分析したら、授業の説明や問題集の解説を参考に、自分の分析が合っているかを確認しましょう。わからないことがあれば、思い切って先生に聞いてみましょう。

    特に、日本語に訳す問題では、文構造を理解しているかが問われます。そのため、和訳問題の問題文は特に注意して確認する必要があります。

    できれば、問題文全体の構造を確認してみましょう。どうしても時間がないときには、和訳問題になっているところだけでもやってみましょう。

    自分に足りていない構文の知識を埋める

    英文を分析し、それが合っているか確認したら、いくつかわからない構文や文法が出てくることもあるでしょう。
    英作文を分析する目的は、あくまでもわかっていないところを可視化することにあります。わからないところは放っておかず、参考書などを使って確認しましょう。

    わからない構文などが確認できたら、問題集を解いてみて、本当に自分がわかっているのかを確認しましょう。

    ちなみに、長文問題を解いているときにも、文構造がわからないことに起因する誤読や誤訳が起こることがあります。
    長文問題のときにも、本当に文構造がわかっているのか注意しながら解きましょう。

    おそらく、苦手な構文の問題は、なかなか解けるようにはなりません。参考書をもう一度確認して、問題集が解けるようになるまで何度も復習することが大切です。私は文法の参考書についていた文章を訳す問題を解いていました。

    よくわからない文法を確認していると、苦手な構文に何度も引っかかって、その度に参考書を見直すことになると思います。
    するとそのうち、その構文が出てきたときに注意して解くようになり、ミスが減ります。

    使用する参考書や問題集に関して

    学校や塾で配られたものがあれば、それを完璧にするのがおすすめです。むやみに他の参考書や問題集に手を出してパンクしないようにしましょう。

    私が学校から配られて使っていた問題集は、『英語長文読解問題 上級編(駿台受験シリーズ)』(駿台文庫編集部)でした。

    難しい単語や構文を使った文章が多く、問題も解きごたえがあるため、長文読解の問題に慣れるのにおすすめです。ただし、本当に難しいので、高校3年生向けかもしれません。

    問題集を買うときは、書店に足を運んで、自分の力に合ったものを探してみると良いと思います。

    英語構文対策の3つのステップをもう一度おさらい

    英語構文で大切なのは、

    1. 手持ちの教科書や問題集の長文を自分なりに分析してみる
    2. 分析が合っているか確認する
    3. 自分に足りていない構文の知識を参考書で確認する。また、長文問題を問題集で解いてみて、知識に穴がないか日々確認する

    この3ステップを普段から積み重ねることです。

    時間が取れないときは、普段の授業の中で先生が強調している構文を意識的にメモしておく、日本語訳の問題や長文で間違えた問題の文構造がわかっているか確認する、など地道な努力を積み重ねましょう。

    おわりに

    長文に限らず、英語はコツコツと努力を積み重ねることが求められます。そして地道な努力が必要である上に、なかなか努力が見えてこない科目でもあります。

    努力は必ずしも期待していた通りには返ってこないかもしれません。2、3ヶ月、人によってはもっとかかるかもしれません。それでも、いつか自分の気づかないところで少しずつ努力は返ってきて、ある日「あれ? もしかして自分、英語できるんじゃない? 」という瞬間がやってきます。

    皆さんも、普段から英文を分析して苦手を潰す、というルーティーンを身につけて、英語構文、そして英語を得意にしてください!

  • 東大フランス語差し替え入試は魅力的!? 合格者の声

    東大フランス語差し替え入試は魅力的!? 合格者の声

    はじめに

    こんにちは。

    私は、東大受験で英語の他にフランス語も使いました。

    どういうことかというと、私は浪人期にフランス語を独学し、東大の英語試験では後半部分をフランス語に差し替えて受験しました。

    この記事では、私のマイナーな経験を踏まえて「東大仏語差し替え受験」というあまりメジャーではない選択肢の旨味は何か、適性のある人はどんな人かをお伝えし、最後に若干の参考として教材についてご紹介します。

    なぜ仏語差し替えか

    まず、みなさんの頭には「なぜフランス語に?」という疑問が浮かんだことでしょう。ここでは大きく分けて3つの理由をご紹介します。

    1. 問題の分量が少ない

    東大英語の大問4と大問5では、たくさんの問題が出題されますが、英語以外の外国語(独仏中韓)の大問Ⅳと大問Ⅴに差し替えると、分量が少なくなります。

    フランス語の大問Ⅳでは、10行程度の文を和訳します。大問Ⅴでは、短文5つを書き換える文法問題が出題されます。

    簡単に言えば、英語の大問4の和訳問題と文法問題をそれぞれ大問にして和訳の分量を下線部から全文に、文法問題をより基本的なものに改め大問5を削除した感じになります。

    かなり魅力的ではないでしょうか?

    2. フランス語はそこまで難しくない

    「フランス語は難しい言語だ」というイメージを持っている人もいるのではないでしょうか。

    しかし、英語既習者にとってフランス語は大変とっつきやすい言語です。

    フランス語は、単語も文法も英語と非常に良く似ています。

    たとえば、

    仏:L’objectif de la diplomatie est de maintenir le paix.

    英:The objective of diplomacy is to maintain peace.

    いかがでしょうか。ほぼ一対一対応してますね。

    そのため、勉強する上で、英語と違っているところと英語には存在しないものにだけ力点をおけば、効率的に受験レベルに到達することができます。

    また、規則性が高いので、ある程度慣れてくると勘に頼ることができるのもオススメのポイントです。

    3. 初修詐欺という制度の穴

    ここでは、大学入学後のメリットをご紹介します。

    東京大学では、外国語を二つ必ず履修することになります。

    ほとんどの東大生は第一外国語に既修英語、第二外国語に初修のドイツ語、フランス語、中国語、韓国朝鮮語、イタリア語、スペイン語、ロシア語のいずれかを選択します。

    東大入試では、出願時に「外国語」の科目で使用する言語を英語、ドイツ語、フランス語、中国語から選ぶのですが、この際に選んだ言語は、入学後「既修〇〇語」しか取れません。

    たとえば、出願時にフランス語を選んだ人は、入学後に「初修フランス語」を取ることができません。

    しかし、英語に代えて差し替えた言語はなぜか「初修」を取れてしまうという制度の穴が存在しています。これは次のような理由によります。

    差し替え制度を用いる際には、出願時は英語選択として出願しなければなりません。

    そして、既修の判定は出願時に行っているので、試験会場で試験開始後、自由に選んで差し替えるフランス語は、大学受験時に未修扱いとなり、大学入学時に「初修」として申請可能になります。

    ともかく、仏語差し替えをしてもなぜか初修フランス語を履修できてしまう制度の穴を突けば、他の東大生が苦しむ第二外国語で苦労せずに済みます。

    仏語差し替えはこんな人にオススメ

    もちろん、向いていないから選んではならないということは全くありません。

    そこは各人の自由な選択ですし、個人的にはそういう人はむしろ好きです。

    「遠回り」な選択が案外(受験ではなく)人生を豊かにするというのは、しばしばある話ですね。

    1. 「そこそこ」英語ができる人

    ここでいう「そこそこ」とは、ざっくり言うと、すでに基礎が固まっていて、真剣に過去問演習を重ねていけば、十分東大の二次試験で及第点は取れる程度のことです。

    英語の基礎力がなければ、まずは英語を「そこそこ」レベルにした方が賢明でしょう。

    結局のところ、英語を「そこそこ」レベルから「体得」レベルに持っていくのが好きか、フランス語をゼロから「そこそこ」レベルに持っていくのが好きか、という好みの問題になるかと思います。

    2. 受験まで一定の勉強時間が用意できる人

    英語のレベルよりも、勉強時間を確保できることの方が重要かと思います。

    英語の基礎力があり、それを仏語に流用して効率化できるにしても、新たに一言語を学び、かつそれを受験レベルに持っていくには、少なくとも200〜300時間は見ておいた方が賢明でしょう。

    私は、短期集中で5月の連休明けから6月上旬にかけて街の図書館で1日10時間フランス語を勉強する生活を1ヶ月程度続け、結局400時間程度は仏語に費やしました。

    3. 覚悟のある人

    本質的には覚悟があるかどうか、という点が重要ではないかと思います。

    ここでいう覚悟というのは、敢えてマイナーな選択肢を選んだということの帰結に対して、それがどのようなものであれ、きちんと受け入れる用意があるということです。

    平たく言えば、差し替えというマイナーな選択をした結果東大に落ちても納得できるということです。あるいは「失敗してもそれで構わない」ということでしょうか。

    教材について

    英語は教材が大変豊富ですが、フランス語は英語と比べると教材が潤沢ではありませんし、先駆者があまりいないので、どれが良い教材なのか分かりづらいところがあるかと思います。

    しかし、単語帳も文法書も使い方は英語とほぼ同じで、いろんなものに手を出すのではなく、一度決めたものを習得するまで使い倒すのが大切です。「つまみ食い」は語学ではお勧めしません。

    以下に私が使っていた教材を記しておきますが、必ずしもこれが良いというわけではありません。参考程度に見てもらえればと思います。

    文法書

    私が使っていた文法書は以下の通りです。

    問題集系統としては、

    中村敦子『フランス文法はじめての練習帳』白水社

    →基礎文法を網羅していて、かつ、難しすぎないのでテンポよく解き進められます。最初の一冊におすすめです。

    権寧『フランス語文法問題の解き方 解説編』駿河台出版社

    →『練習帳』の次に挑戦すると、復習しつつ中級〜上級レベルの知識も増やせて受験レベルに到達可能です。

    辞典系統としては、

    六鹿豊『NHK出版 これならわかるフランス語文法 入門から上級まで』NHK出版

    →文法問題集を解く中で問題集の解説がどうにも分からないときに頼りがいがあります。

    目黒士門『現代フランス語広文典』白水社

    →NHK出版のもので分からない文法事項は『広文典』に載っていることが多いです。

    単語帳

    私が使っていた単語帳は以下の通りです。

    久松健一『データ本位 でる順仏検単語集―5級~2級準備レベル』駿河台出版社

    →一冊で対応するレベルが広く最初の一冊として便利です。

    川口祐司他『仏検2級準拠[頻度順]フランス語単語集』駿河台出版社

    →重要度の高いものから順に並んでいて便利です。ここまでで基礎単語は網羅できるかと思います。

    久松健一/モーリス・ジャケ『仏検 準1級・2級必須単語集』白水社

    →200字程度の例文が付いていて読解練習ができ、また、単語の意味や類義語、対義語など情報が豊富で便利です。

    辞書

    私は電子辞書を使っていました。紙辞書も持ってはいましたが、ほとんど使いませんでした。

    ただ、紙辞書の方が見やすさの点で電子辞書よりも便利であるというのは否めないので、紙辞書も併用して、例文などで実際に「使える語彙」を増やすとさらに良いでしょう。

    過去問について

    赤本があります。ただし、最近のもの(2012年以降だった記憶があります)には掲載されていないので、古い赤本を買い求める必要があります。

    私は、Amazonで中古の赤本を2冊買って、過去問を1996年から2011年まで揃えました。

    もちろんですが、フランス語の問題は掲載されていても、その解答・解説はついていません。

    そのため、出題意図を汲み取り自分で問題を解ける能力や、辞書と文法書を用いて完全な解答を作れる能力を養っておくことが、過去問演習の前提になります。

    つまり、基礎学力を習得した後に過去問演習に入るのが無難です。他の科目と同じです。

    おわりに

    いかがでしたか。

    大学受験でフランス語を使うというマイナーな選択が、どんな理由で決断されたのか、どのように勉強・受験対策をしたのか、お伝えできていたら嬉しいです。

    最後に少しフランス語の豆知識を。

    日本語で人を応援するときには頑張れと言いますが、フランス語ではBon courage! と言います。良い勇気を持ってくださいね、という意味合いです。

    敢えてマイナーな選択肢を選ぶ方へ、Bon courage!

  • 【東大生がやっていた】長文読解のための英単語暗記術

    【東大生がやっていた】長文読解のための英単語暗記術

    はじめに

    「英語の長文が読めるようになりたいけれど、対策法がわからない……」

    そんな皆さんに朗報です。英語長文の読解は、伸ばすのに時間はかかりますが、対策の仕方さえわかれば強みになります!

    英語の長文が読めない理由は主に3つ挙げられます。

    1.英単語や英熟語を覚えていない
    2.構文がわかっていない
    3.英語の長文を読むだけの体力がついていない

    1と2は基礎になるので、しっかり身につけましょう!その上でたくさん長文を読む練習をすれば、3の体力も自ずと身についてくるはずです。

    この記事では、1の「英単語や英熟語を覚えていない」という点にフォーカスして、英単語や英熟語の覚え方と、陥りがちな罠について説明します。

    英単語の覚え方

    一度にたくさん進め、すでにやった単語も復習する

    英単語暗記で大切なのは、復習をすることと、一度にたくさんの言葉に触れることです。

    人間はすぐに忘れてしまう生き物です。しかし、あまり間を空けずに復習すれば、短期記憶として脳に保存されていた英単語が長期記憶へと変わり、しっかりと覚えられるようになります。

    たとえば、20語を復習し、さらに新しく20語を覚えるなど、1日につきたくさんの英単語に触れると効果的です。​​1週間のうち5日はこのサイクルを回し、残りの2日で復習や、できなかった日の埋め合わせに充てると良いでしょう。こうすれば、1週間に100語の単語を覚えられます!

    また、1日後、3日後、1週間後など、あまり間をおかず短い期間に何度も復習することもポイントです。

    復習する際に間が空いてしまうと、また最初から覚えなければならなくなります。

    1日につきたくさんの言葉に触れ、何度も復習する方が、1つの単語に時間をかけるよりも、学習が早く進み、定着度も上がります。

    今の例を聞いて、大変そうだと圧倒されてしまった人たちもいるかもしれませんが、人の記憶力は素晴らしいもので、やろうと思えば意外となんとかなります。

    高校生の頃、私は毎週100語の英単語を覚え、その小テストを受けていました。私はあまり記憶力には自信がない方だったので大変でしたが、それでもしっかり勉強すると良い点数が取れました。

    英単語は、記憶力に自信がなくても、時間をかけてしっかり復習すれば覚えられるので、ここでライバルと差をつけましょう!

    隙間時間を活用する

    私の場合は、通学時間や学校の休み時間、勉強を始める前、寝る前などにやっていました。

    隙間時間に少しずつ学習を進めると、無理なく1日のノルマを達成できるので、可能な範囲で隙間時間を活用すると良いでしょう。

    特に長期休暇中は、勉強前に英単語帳を開き、しっかり手を動かしたり声に出してみたりするのをルーティンにしていました。

    というのも、単語を書くことで集中力が上がるほか、勉強に対する心のハードルを下げることができるからです。

    その結果、英単語の暗記が捗るだけでなく、他の勉強にもすんなりと取り組めました。

     五感を使って、インプットとアウトプットをする

    大学入試の長文問題では、単語の意味を直接聞かれることはほぼありません。

    和訳や要約など、間接的に単語の知識が問われる問題がほとんどです。

    そのため、単語を覚える際は、まず、単語帳を開き、意味をさらうインプットを行い、その後、その意味が言えるか、ちゃんと書けるか、ちゃんと発音できるか、すなわちちゃんと覚えているかを確かめるアウトプットを行うことが大切です。

    ここで、英単語は長文読解だけではなく、色々なところで必要になってくることも意識できると良いでしょう。

    たとえば、リスニング対策のためには、耳を使って音を覚えてから口で発音する、ライティング対策のためには、手を動かして正しく綴れるかを確認することが大切です。

    このように、英単語を覚える時は、英単語を覚える目的を意識して、五感をフルに使いましょう。

    その他の覚え方

    これまで紹介した方法でもなかなか覚えられない人のために、様々な覚え方を紹介します。合うかどうかは人それぞれなので、参考程度に読んでください。

    まず、文で覚えるという方法です。

    文章の意味ごと覚えてしまえば、たくさんの意味がある単語でも、混乱することなく覚えることができます。

    2つ目は、アプリを使って勉強する方法です。

    私が使っていたのは無料のアプリでしたが、たくさんのクイズや音源が入っており、重宝しました。

    さらに、これは英単語に限りませんが、語呂合わせやイメージを作って覚えていました。

    例えば、associateという単語には「仲良くする」という意味と「関連づけて考える」という意味があるので、人が仲良くしているイメージ(図の右側)と、人が頭の中で何かと何かが結びつけているイメージ(図の左側)を描いていました。

    また、長文問題に対応できるよう、普段の学習でわからないと思った言葉は辞書で引き、語法なども全て確かめた上で、新しい発見があればメモしておくのがおすすめです。

      語法も覚えよう

     「英単語を覚えたはずなのに、なぜか意味を正しく取れない」という人は、イディオムや語法の暗記がおろそかになっているかもしれません。

    語法やイディオムが頭に入っていないと、額面通りに言葉を受け取って、読解を誤ってしまうことがあります。

    それで「英単語ができない」と勘違いしていたら、とてももったいないですよね。

    また、東大をはじめ、大学の二次試験では、語法やイディオムが聞かれることも多いため、これらを押さえておくことで、確実な得点を目指すことができます。

    必要に応じて、単語帳とは別で参考書を用意し、しっかりと対策しましょう。

    どこまで覚えればいいのか考えよう

    長文読解からは逸れた話になりますが、単語についてどこまで習熟していればいいかということを意識しましょう。

    ライティングにも使う単語は、その単語の意味が自然と出てくるまでしっかり覚える必要があります。

    しかし、長文読解にしか使わない単語であれば、意味と大体のつづりさえ覚えておけば問題はありません。

    全ての単語を完璧に覚えようとすると大変なので、このように、どんな問題で使うのかといった目的意識を持って効率的に覚えていくことも大切です。

    暗記していて陥りがちな罠

    単語帳や熟語集を複数使う

    なかなか覚えられないことに対して危機感を覚え、複数の参考書に手を出しがちな人、いませんか?

    私も、苦手な物理・化学の参考書を買い漁っていたので、気持ちはわかりますが、単語帳と熟語集は、1冊ずつにするのがおすすめです。

    というのも、大学入試までの限られた期間で、複数の単語帳や熟語集を全てマスターするのは難しいからです。

    学校で配られた単語集が受験には不十分である場合には、まずは学校で配られたものを完璧にしてから、色々な意味が載っている難しいものにステップアップするなど、2つ以上のものを同時並行でやるということがないようにしましょう。

    また、長文では、全体の8割の単語が分かれば読解に支障はないと言われています。

    そのため、単語をある程度覚えたら、レベルの高い単語を覚えるよりも、読解力を上げる勉強を優先した方が良いでしょう。

     1つの単語につき1つの意味しか覚えていない

    1つの単語につき1つの意味しか覚えていないというのは、とても危険です。

    たとえば、subjectという単語には、「臣民、被験者、主題、話題、科目、題材」など、たくさんの意味があります。

    さらに、subject toという熟語の形で出題され、​​「支配下に置かれる、承認を必要とする、〜次第である」などの意味が問われることもあります。

    このように、正しい長文読解を行うためには、これらの意味を全て覚え、その中から文章に合うものを探す必要があります。

    ​​たくさんの意味があって大変ですが、単語の語感を想像するなど、工夫しながら覚えましょう。

    時々しか勉強しない

    英単語の勉強を習慣化することで、単語帳を覚えるために必要なエネルギーが少なくて済むようになります。

    この式を見てください。

    英単語の勉強1回につき必要とされるエネルギー
    =「勉強をしたくない」という心のハードルを越えるためのエネルギー
    +時間を作るために他の時間を削るエネルギー
    +英単語を覚えるために脳みそを動かすエネルギー

    習慣化することで英単語の暗記に必要なエネルギーは小さくできる

    勉強に対する心理的なハードルを越えるためのエネルギーや、時間を作るためのエネルギーは、習慣化によって最小化できます。

    そして、英単語暗記に取り掛かるのに必要なエネルギーが少なくて済むようになります。

    また、心の準備や時間を作るために必要だったエネルギーを、単語を覚えるためのエネルギーに使うことができます。

    忙しい日は復習を少しするだけで良いので、10分休憩やバスの待ち時間などを利用して、単語に毎日触れましょう。

    おすすめの参考書・アプリ

    参考までに、私が使っていた単語帳などを紹介します。

    高2のときは、学校で配布された『ターゲット1900』(旺文社)を使っていました。

    主な意味が赤字で書かれており、どの意味を優先的に覚えれば良いのかがわかりやすいので、おすすめです。

    さらに、先にも少し触れましたが、ターゲットのシリーズ専用の、無料でダウンロードできる「ターゲットの友」というアプリも使っていました。

    アプリ内課金があり、途中から課金しましたが、別に課金しなくても、音声が手軽に聞けたりクイズがついていたりと、十分使い勝手は良いです。

    また、課金もそこまでお金がかかるわけではありません。

    高3からは、鉄緑会英語科『鉄壁』(KADOKAWA)を使っていました。色々な意味が載っているので便利です。

    さらに、1つ1つの単語にシュールな挿絵が乗せられており、その単語が持つニュアンスが一目でわかります。

    語法やイディオムは、篠田重晃・米山達郎『Vintage』(いいずな書店)で覚えました。個人的にはこれで十分足りていたと思います。

    おわりに

    模試や2次試験の日、「参考書をしまってください」のアナウンスまで単語帳にかじりつくと、その単語が出ることもあり得ます。

    また、緊張しているときは、問題を解くなどの勉強をするのは難しいと思いますが、単語帳は開いているだけで目に残ることもあるので、テスト直前の休憩に単語帳を読むと良いでしょう。

    単語帳のあまりの分厚さに心が挫けそうになることもあるかもしれません。少なくとも私はそうでした。しかし、コツコツ取り組めば、いつかは最後のページにたどり着くものです。

    実際に、2000語が記載されている単語帳を1週間で100語のペースでこなしていけば、20週間、すなわち半年以内には終わる計算です。

    そして、毎日コツコツと英単語を暗記することで、「単語は完璧だ」という自信や、「勉強を習慣にできている」という自信がつき、実際に長文読解やライティングでもその成果が出てきます。

    習慣化するまでが一番大変ですが、頑張ってください!

  • 【東大二次試験対策】世界史大論述の書き方

    【東大二次試験対策】世界史大論述の書き方

    はじめに

    東大世界史の大論述って、何を書けば良いか分からず迷ったり、解答例や解説もイマイチしっくりこなかったりして大変ですよね。
    私も、受験生時代には苦労していました。

    しかし、どうにか受験を終えて東大生になり、定期試験で論文試験をたくさん受けたり、東大世界史の再現答案の採点基準作成と採点をするバイトを経験したりする中で、多少論述問題の書き方に気づきました。

    私は手遅れですが、受験生の皆さんにはぜひ入試までに論述のポイントを押さえてほしいなと思い、この記事を書かせていただきます。

    基本的な心構え

    はじめに要点を3点ご紹介します。

    1. 問題文の熟読。
    2. 題意に忠実な答案構成。
    3. 構成に沿って整理された知識の配列。

    以下、この3点を詳しく説明していきます。

    問題文の熟読

    採点基準は問題文の中に書いてある!?

    しばしば「論述問題は採点基準が曖昧だ」と言われます。私も受験生時代には採点基準がよく分からず、それっぽい知識をやみくもに書き殴っていました。

    しかし、それは違います。

    東大世界史の大論述は、リード文を含めて、問題が丁寧に書かれていることが多いです。

    そのため、問題文をしっかり読み込めば、採点基準のおおよその見当が付けられます。

    熟読の基本は現代文!

    みなさんは、現代文や東大日本史の問題では、問題文や資料文を丁寧に読もうとするでしょう。

    にも関わらず、東大世界史の大論述になると、途端に問題文をいい加減に読み飛ばし、知識だけで解こうとしてしまう……という人もいるのではないでしょうか。

    私はそんなよくない受験生でしたが、みなさんは、世界史の大論述でも、現代文と同じように問題文をよく読んでください。それだけでも、大論述の採点基準がかなり明確になるのではないでしょうか。

    主題と副題の確認と整理をしよう!

    これは当たり前ですが、まず主題の取り違え勘違いのないようにしましょう。よく注意しないと、案外やってしまうものです。(例:18年度)

    ついで、副題になっている「誘導」をきちんと押さえましょう。「以上のことを踏まえて」「〇〇に着目して」といったものです。これは答案構成で大変重要な情報になります。(例:21年度、20年度)

    最後に蛇足ですが、東大世界史の大論述では主題や副題、指定語句含めてどこかに毎年何らかの「ワナ」のようなものがあるので、ワナへの警戒も怠らないようにすると良いでしょう。

    近年で私が感じたのは以下の表の通りです。

    年度「ワナ」の例
    21年度「宗教に着目しながら」とあるのに単なる政治史を書いてしまう
    20年度「以上のことを踏まえて」とあるのに冊封体制から主権国家体制への理念と現実双方の変化が書けず比較ができない
    19年度指定語句「ロンドン会議(1830)」をギリシア独立ではなくエジプトの方と勘違いする
    18年度「女性参政権獲得の歩みや女性解放運動について、具体的に」とあるが女性参政権が単に付与されたとだけ書いてしまったり具体的に書けなかったりする
    17年度「以上のことを踏まえて」とあるのにローマと中国の比較をせずに通史を書いてしまう

    題意に忠実な答案構成

    答案構成ができる=採点基準がわかる

    ここまで「問題文を熟読せよ」と書いてきました。

    では、採点者に対して「私はきちんと問題文を読み、採点基準を理解した上で答案を書いていますよ」と伝える方法は何でしょうか。

    その唯一の方法が、答案構成をしっかり行うことです。

    答案構成をおざなりにした答案は、読むとすぐに分かるものです。そしてその答案は「採点基準が分かってないまま無軌道に書いてるな」と採点者の目には映ります。

    それではもったいないですよね。きちんと伝わる答案構成をしましょう。

    答案構成の基本は数学!?

    みなさんは、数学の問題を解く際には、「誘導」を丹念に読み解いた上で、筋道の通った答案を書くかと思います。

    しかし、論述問題になると、数学で出来ていたことを忘れてしまうことが多いのではないでしょうか。

    せっかく問題文を丹念に読み込み、誘導に気づいたなら、答案を書く前にきちんと誘導=採点基準に沿って答案構成を練り、採点者が採点しやすい答案を作成しましょう。

    確かに、数学の答案では、誘導問題の(1)や(2)の誘導に乗らずに、最後の(3)で別の解法を使ったとしても、その解法が論理的であれば満点でしょう。

    しかし、それは、かなり危険ですし、採点者からすれば「この人は誘導を見抜けない人なのかな」と不安になります。

    また、世界史の論述では数学と違って「答えが論理的に出ればそれでよし」ということはあり得ないので、数学以上に誘導に乗ることが重要になります。

    答案構成の類型

    構成の方法には色々なものがあるかと思いますが、ここでは3通りの答案構成の類型をご紹介します。

    第一の類型は、リード文に書かれている内容をそのまま具体化するものです。近年では21年度の問題が当てはまります。

    第二の類型は、2×2や2×3などの表で比較するものです。近年では20年度の問題が当てはまります。参考として20年度の答案構成の例を示しておきます。

    20年度理念現実
    冊封体制中国の皇帝が君主で周辺国の君主はその臣下(垂直的) 以下具体例
    朝鮮やベトナム、琉球の朝貢
    中国が周辺国にそこまで干渉不可(水平的) 以下具体例
    朝鮮の小中華思想
    ベトナムの君主は皇帝を自称
    それらを中国は放任
    主権国家体制主権国家は対等(水平的)

    以下具体例
    列強と各国は条約を結んで外交関係樹立
    併合であっても対等な国家間の合意による条約が基礎という建前
    列強が不平等条約の強要、植民地化(垂直的) 以下具体例
    南京条約
    清仏戦争でベトナムが仏の植民地に
    下関条約で韓国が日本に従属

    第三の類型は、多くの地域の事例等を幅広くバランスよく記述するものです。近年では19年度や18年度が当てはまります。

    以上の類型に当てはまらないものや、類型の複合型もあるかと思いますが、みなさんも問題を読み込む中で、自分なりの答案構成の型を練ってみてください。

    構成が上手く行かない時には…

    答案構成が大事だ、とは言ったものの、どうしても構成方法が分からないという事態もあるかと思います。そんなときには、以下の3点を意識してみましょう。

    第一に、問題文に立ち返ることです。

    問題文を読み返すことで、一読しただけでは理解しきれなかった要求や論点に気づけるかもしれませんよ。

    第二に、問題文が強調している視点や観点にできる限り寄り添うことです。

    たとえば、20年度の問題では、「現実と理念の両面で変容…以上のことを踏まえて」の記述から、現実と理念の比較という観点が読み取れます。

    すると、「理念はこうだが現実にはこうだった」という書き方をすれば良いことに気づけるでしょう。

    第三に、「小問集合」にできるだけ分割して、分割できた部分だけとりあえず書いてみることです。

    21年度の問題を例に取ると、「征服者と被征服者」で「ゲルマン人とローマ人」や、「ムスリムとキリスト教徒、ユダヤ教徒」など、ひとまず一問一答のように回答できるところだけ回答してみるイメージです。

    構成に沿って整理された知識の配列

    構成各部分の具体的情報を列挙

    答案構成ができたら、あとはその枠の中に適切な情報を入れ込んでいきます。

    その際に注意してほしいのは、ひとつの部分だけ情報量が多すぎたり、逆に少なすぎたりすることがないよう、バランスを取ることです。

    また、具体的な知識を枠組みの中に当てはめていく際には、指定語句のミスリードに注意しましょう。指定語句はひとつの部分に偏っていることも多いので、指定語句だけでは漏らしてしまう部分がないか、よく確認するようにしてください。

    知識を不用意にひけらかさない

    しばしば答案で細かすぎる知識を書いている人がいますが、あまりお勧めはできません。

    なぜなら、「書くべき知識の優先順位付けができておらず、やみくもに書いている」という印象を読み手に与えかねないからです。

    加えて、解答の各要素の分量と詳細さは、均一にしないとバランスが悪くなってしまいます。

    20年度の問題を例に取れば、冊封体制の現実に関する記述だけやたら細かくて、主権国家体制の記述がお粗末では、高得点は望めないでしょう。

    くれぐれも細かい知識に引きずられて脱線することがないよう、気を引き締めるようにしてください。

    まとめ

    第一に、問題文を丹念に読み込むことです。きっと採点基準=答案構成が見えてくるかと思います。

    第二に、熟読して析出した採点基準をきちんと反映した答案構成をすることです。せっかく問題文を読み込んでもここで失敗すると台無しです。

    第三に、答案構成の枠組みに沿って適切な知識を引き出し提示することです。ここで不用意に細かい知識を出して全体のバランスを崩したり、要求から脱線しては元も子もありません。最後まで気を引き締めましょう。

    おわりに

    ここまでお読みくださりありがとうございます。

    この記事を参考にして、実際に頭を働かせ、手を動かし、一年分解いてみてくださったら、とても嬉しいです。

    この記事では私なりの、一つの理想的な論述法を述べてみました。しかし、実際の東大受験では、「ベストな答案」ではなく「ベターな答案」を書くという方が感覚としては近いかと思います。

    ただ、試験本番でベターな答案が書くには、普段の練習でベストな答案を目指すのが良いでしょう。まだ時間がたっぷりある今、ひと踏ん張りしてみてはいかがでしょうか。

  • 【併願校対策】3週間でできる! 小論文の勉強法

    【併願校対策】3週間でできる! 小論文の勉強法

    はじめに

    「小論文対策って何をすれば良いのかよくわからない……」
    「受験科目に小論文があるけれど、対策する余裕がない……」

    こんな不安を抱えている受験生もいるのではないでしょうか?

    確かに小論文は、ただ知識を覚えるだけでは太刀打ちできない、対策が難しい科目です。
    また、併願校でしか小論文が課されない、他の科目の対策に力を入れたいなどの理由で、後回しになりやすい科目でもあります。

    しかし、入試では1点の差が命運を分けるもの。全く小論文対策をせずに入試に臨んでしまっては、痛い目を見るかもしれません。

    この記事では、受験3週間前から併願校の小論文対策を始め、なんとか合格を勝ち取った私が、短期間でできる小論文の勉強法を紹介します。

    医学部入試や推薦入試など、小論文の配点が高い入試を受ける場合は、より本格的な対策が必要なので注意してくださいね!

    1週目:まずは解答例を分析しよう

    受験対策というと、実際に自分で解き、答え合わせをするという勉強法を思い浮かべる人が多いでしょう。

    しかし、小論文に不安を持つ人が、いきなり問題を解くことはおすすめしません

    なぜなら「あと3週間しかないのに、全然解けなかった……」と、不安や苦手意識が強まってしまう可能性が高いからです。

    また、書くことに時間がかかり、他の科目の対策に手が回らなくなってしまっては良くありません。

    そこでおすすめなのが「過去問の模範解答を分析する」という方法です。

    この方法には、3つのメリットがあります。

    1つ目は、小論文への心理的ハードルを下げられるということです。

    小論文に不安や苦手意識を持つ人は、「斬新なアイデアがないと評価されない」「難しい表現を使わなければならない」といった先入観を抱いていることがあります。

    しかし、実際に模範解答を見ると、意外と思いつきやすい発想で、平易な文章で書かれているものが多いのです。

    そのため、先に模範解答を読むことで「これなら自分でも書けそうだ」という自信を持つことができます。

    ただし、模範解答には様々なものがあるので、「この解答はあまりよくないな」と思ったときは、複数の解答例を確認するようにしましょう。

    2つ目は、文章の表現・構成の仕方を学べるということです。

    たとえば、小論文には、序論→本論→結論という文章構成の型があります。

    「そんなことは知っているよ」と思った人もいるかもしれませんね。しかし、この構成で実際に書いてみようと思うと、意外と難しいのではないでしょうか。

    そこで、模範解答を分析すると、実際にどのような論理構造で小論文が書かれているのかが浮き彫りになります。

    そして、論の進め方や、1つの話題にかける文章量など、文章の組み立て方がわかるようになるのです。

    3つ目は、発想力がつくということです。

    発想力とは、問いに対して自分なりの意見を持つ力のことで、小論文を解く上で不可欠な能力です。

    小論文では、志望学部・学科の学問に関するテーマが出題されることがほとんどです。

    それは、その学問についてどれだけ深く考え、自分なりの意見を持っているのかを知るためです。

    模範解答を読むことで、そのテーマについて新たな視点や知識を取り入れることができます。そして、受験本番でもそれが発想のヒントになることでしょう。

    私は、模範解答を原稿用紙に書き写し、ポイントだと思った箇所を赤ペンでメモするという勉強を、1日1時間ずつ、1週間続けていました。

    このとき、ただ書き写すのではなく、書き写しながら文章構成や論の進め方などを読み取ることを意識していました。

    模範解答の分析に1週間も費やすことには不安もありましたが、小論文に必要な力をしっかりと定着させることができ、効果はあったと感じています。

    2週目:構成メモの作り方を学ぼう

    小論文では、限られた時間内で文章をまとめる必要があります。

    そのため、「早く書かなきゃ」という焦りから、いきなり本文から書き始めてしまう人も多いです。

    しかし、内容を整理しないまま書き始めると、前の文と食い違うことを書いてしまう、趣旨がわかりづらい文章になってしまうなどのミスが起こりやすくなります。

    また、書き直しが多く発生してしまうために指定字数を満たせず、0点になってしまうこともあります。

    小論文を書くときは、必ず「構成メモ」を作るようにしましょう。

    構成メモとは、書く内容や文章構成を整理するための、文章の設計図のことです。

    構成メモを作ると、文章全体の構成が明確になります。そのため、論理に一貫性が出やすくなるほか、よりスムーズに答案を書くことができます。

    しかし、構成メモの作成には慣れが必要です。

    私は、過去問の解答例や解説を読みながら構成メモを作る練習をすることで、自分なりの構成メモの作り方を身につけました。

    具体的には、以下のような手順で構成メモを作っていました。

    1. 問いに対する意見を複数考える
    2. それぞれの意見に対する理由を箇条書きで書き出す
    3. 書きやすい立場を1つ選び、どの根拠を用いるかを取捨選択する

    過去問の解説には、どんな風に意見を組み立てれば良いのかが詳しく書かれており、場合によっては構成メモの例が載っていることもあります。

    それらを参考にしながら、自分なりのスタイルを確立してみましょう!

    3週目:自分で構成メモを作ってみよう

    構成メモの作り方がわかったら、今度は実際の問題から構成メモを作る練習をしてみましょう。

    慣れてきたら、本文に30〜40分かけられる程度のペースを目指すと良いでしょう。

    構成メモは、「小論文の質が8割決まる」と言われることもあるほど重要なものです。

    逆に言えば、構成メモさえ作ることができれば、怖いものはありません。あまり対策に時間をかけられない人は、最低限構成メモを作る練習をしておきましょう。

    余裕があれば、実際に書いてみよう

    上でも述べた通り、受験本番までに構成メモを作れるようになっておけば、さほど心配することはありません。

    私自身、本番までに本文を書く練習をする時間を取れなかったのですが、構成メモを30分で作る練習を重ねたことで、本番は時間内に小論文を書き上げることができました。

    しかし、もし余裕があれば、本文を書く練習もできると安心です。3週目に自分で作った構成メモを使って、実際に本文を書いてみましょう。

    もちろん、解き終えた後はしっかり復習し、どうすればもっと良い答案が書けるのかを確認してくださいね!

    終わりに

    この記事では、私の体験談をもとに、3週間でできる小論文の対策法を紹介してきました。

    「受験本番まで時間がないけれど、何も対策をせずに小論文を解くのは不安だ」という受験生は、ぜひ参考にしてくださいね!

    また、この記事で述べた方法論やポイントは、国語や社会の論述問題などにも通用するものです。

    小論文対策の経験を糧にして、志望校合格を勝ち取りましょう!