カテゴリー: 東大生にインタビュー

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    東大合格に塾・予備校は必要? 現役東大生に聞いてみた!

    はじめに

    東大を目指すのに、塾・予備校って通うべきなのかな……?

    そう悩んでいる読者の皆さんは少なくないはず。

    ただし、いざ判断材料を探すとなった時、宣伝効果のことを考えてしまうと塾・予備校のパンフレットはどこまでが客観的な情報なのか分からないですし、周りの同級生はまだ成功経験者ではないので意見を聞くにしてもなかなか参考にしづらいですよね。

    現役東大生の生の声を聞きたい!

    今回は、そんな皆さんのニーズにお応えして、FairWindメンバー35人にアンケートをとり、受験生の時の塾・予備校の使用実態を調査してみました。

    果たして現役東大生は塾・予備校に通っていたのでしょうか?

    東大生の声 ~塾・予備校に通っていた東大生編~

    塾・予備校に通っていたのは35人中24人でした。塾・予備校に通い始めた時期、通っていた場所、選んだ理由、そして通ってよかったと思うことについて聞いてみました。

    塾・予備校に通いはじめた時期

    塾・予備校に通い始めた時期としては、高校生以前からが6名、高校生からが11名、浪人生からが7名いました。(複数の塾・予備校に通っていた場合、それぞれ1人分として計算)

    高校生から通い始めた方々の具体的な通い始めの時期としては高校1年生からが4名、高校2年生からが4名、高校3年生からが3名とほぼ均等に分かれ、特定の学年に集中しているわけではありませんでした。

    人によって通い始めの時期は様々のようです。

    通っていた塾・予備校

    通っていた塾・予備校は、河合塾が7名、駿台が6名、東進が4名、鉄緑会が2名、代ゼミが1名、その他が6名でした。(複数の塾・予備校に通っていた場合、それぞれ1人分として計算)

    こちらも特定の塾・予備校に集中している、というわけではありませんでした。
    FairWindに所属する東大生のほとんどが地方高校出身であるため、塾・予備校の全国展開の規模によって結果が多少変わると思われます。

    いずれにせよ、相性の合う塾・予備校というものは人によって異なるようです。

    選んだ理由

    ①塾・予備校ならではの良さに惹かれた

    体験入塾や講習会で塾・予備校の授業の楽しさに気づいた方が複数いたようです。
    また、学校のカリキュラムと自分の学習スタイルが合わなかったため、塾・予備校がうまく補完してくれそうだったという声が聞かれました。

    集団で受ける対面授業か個別で受ける映像授業のどちらが良いかという点については人それぞれのようです。
    中には現役生の時と浪人生の時とで学習スタイルを変え、授業形態を映像から対面に変えた方もいました。

    他には、地元での評判が一番良かったり地元で最も有力だったりする塾・予備校を選んだという声が聞かれました。
    特に合格実績に注目した方もいました。

    ②通いやすかった

    金銭面では授業料が安いところを選んだという声が聞かれました。
    中には特待制度を利用したという方もいました。

    また自宅からの通いやすさ、通学時間の良さを理由に塾・予備校に通うことを決めた方もいたようです。

    ③環境に影響された

    兄弟、友達が多く通っていたという理由から周りに合わせて塾・予備校を選んだ方が特に多かったです。
    (逆に周りが通っていたからという理由で選んだら大失敗だったという声も……)
    中には兄弟揃って同じ予備校で浪人して合格したという経験談も!

    また、地方ならではということで、そもそも選べる大手塾が限られていたという方が数人いました。

    また浪人を経験した人たちからは、宅浪は親が許さなかったことや予備校に行けば勉強はさぼらないだろうという考えがあったとの声も。

    ④行く必要性を感じた

    特定の塾・予備校を意識したわけではなくても、そもそも行くべき時期になったと感じたり、自分の勉強だけで受かると思えなかったりして自ら進んで塾・予備校に通うことを選んだ方がいました。

    東大合格の一番の近道であると感じて通うようになった方もいたようです。

    通ってよかったこと

    ①楽しく勉強できた

    勉強を楽しいと思えたまま受験に臨めたことをあげた方が何人かいらっしゃいました。素敵ですね!

    ②授業・先生がハイレベルだった

    地元の塾・予備校や高校では学べないような高いレベルの授業を受けられたなどといった授業の質の高さや、良い先生が授業してくれたり個性的で知識のある先生に出会えたりするなどの講師の良さについてあげる方がいました。

    ③塾・予備校ならではの強みがあった

    高校のレベルがあまり高くないため高校で習う内容だけでは足りておらず、受験に特化した知識・戦略を学べた、勉強に関して信頼でき完全に身を任せられる情報源を得られた、自分で一から学んだらたどりつけない受験の心得や役立つ考え・東大の傾向などをサクッと手に入れられた、などといった塾・予備校ならではの強みを上げてくださる方が多くいました。

    ④質問できる環境だった

    満足するまで講師に質問できた、質問できる環境があったという声も。

    一見高校でもできそうですが、高校の先生方は時に事務作業や部活動の指導に追われ職員室にいなかったりしますよね。
    塾・予備校では先生方は教えることに特化していますから、講師室に行けばほぼ必ず質問に対応してくれます。

    ⑤ライバルがいた

    周りに競える人がたくさんいた、優秀なライバルと競えた、切磋琢磨できたなどといった声が多数寄せられました。

    そのほか、高校には東大目指す同期・先輩がほとんどいないが塾・予備校に通うことで東大志望や東大生とたくさん出会えたという方や、周りのレベルを知ることができ、競争相手の実力が分かることで変に焦らなくてよかったという方も。

    また、模試の受験者が多い、東大志望の人が多く集まって集中的に対策できたという声もありました。

    ⑥施設がよかった

    校舎がきれいであることや学校が開いていないときでも自習室を使えるなど、施設面で充実していることをあげる方がいました。

    ⑦ペースメーカーになった

    学校の授業進度が遅かったり部活が忙しかったりするなどの理由で、自分のペースに合う勉強ができる塾・予備校を選んだという声が聞かれました。

    また、塾・予備校で深い理解で先取りができた人もいれば、自分で計画立てるのが苦手で塾・予備校に通うことで授業のペースに合う勉強をできたという方もいました。

    中には生活リズムを保てたり勉強の習慣がついたりした方もいたようです。

    ⑧その他

    塾・予備校に通うことで東大を目指そうと思えたと答えた方がいました。

    また、映像授業で何回も授業を見ることができた、大手だが少人数指導で添削も丁寧にたくさんしてもらえた、良質なテキストを使えた、いろいろな大学の問題に触れることができたなどといった意見もありました。

    まとめ

    塾・予備校に通っていた方は、良くも悪くも周りの環境に影響されている部分があり、ライバルの存在を感じられるという点をよいこととして挙げている方が多かった印象です。
    また、自分の学習スタイルとの相性ペースメーカーとしての塾・予備校の役割を挙げる方も数多くいました。

    塾・予備校に通うかどうか迷ったら、まずは無料の体験授業を受けるのも一つの手かもしれません!

    東大生の声 ~塾・予備校に通っていなかった東大生編~

    塾・予備校に通っていなかった東大生は35人中11人いました。塾・予備校に通わなかった理由、塾・予備校に通う代わりに自分でしていた勉強、通わなくてよかったと思うことについて聞いてみました。

    塾・予備校に行かなかった理由

    ①高校での勉強で十分だった

    学校で東大対策の授業があったことから高校での勉強だけで十分だった方、塾に通わずにある程度の成績を保てていたため通う必要性を感じていなかった方がいたようです。

    また、最低限高校で学んだことを問題演習に生かしていく勉強の方がレベルアップにつながると考えた方も。

    ②距離の制約があった

    近所に大学受験の塾がないことなどから通学に時間をとられることを気にした方も多かったです。

    また、地方ならではのこととして、東大を目指せるレベルの塾がなかったことを挙げた方もいました。

    ③塾のスタイルが嫌だった

    塾に行く体力がない、勉強を強制されるのが嫌い、口出しされたくないなど、自分の生活習慣や勉強法と合わなかった方がいたようです。

    塾・予備校に行く代わりにしていた勉強

    ①学校・通信教材に頼った

    高校が提供してくれる東大対策の授業や過去問添削、Z会の東大コースの添削指導(過去問演習)をうまく活用していた方が多かったようです。
    具体的な勉強法として、普段は学校から用意された課題や教材での学習に全力に取り組み課題と復習に時間をかけ、二次試験前は問題の形式や自分の得意・不得意を分析して自分に合った戦略を立てていたという声も。

    中にはネットの情報はあまり見ずに、勉強法など分からないことはすべて先生に聞いたという方もいました。 

    ②自分で頑張った

    複数の塾・予備校の東大模試問題集や共通テスト実践問題集、東大の過去問など、市販の参考書・問題集を解いたり、ネットで情報を集めたりして自分で対策していた方もいました。
    自分で課題を見つけて、それを解決することを繰り返していたようです。

    塾・予備校に行かなくてよかったと思うこと

    ①自分のペースで勉強できた

    塾・予備校のカリキュラムに沿わなくて良いことで、勉強を強制されず自分のやりたい勉強を自分のペースでのびのびとできたという方が多かったです。

    中には、高校から提示される1種類の勉強法や参考書類を利用することで、どの勉強法や参考書類を採用するか悩んだりどの参考書に情報が書いてあるか探さなければならなくなったりすることが少なかったという方もいました。

    また、塾で指定された勉強方法に縛られなかったことで自分に合った勉強法を見つける能力がつき、大学の授業でもその能力を活用することができたという体験談も!

    さらに、勉強時間が他の人より少ないかもしれないと焦ったことがあったが、塾に通わなかったことには全く後悔していないという声も寄せられました。

    ②お金の節約になった

    塾・予備校代を大きく省けることで教育費がおさえられたことを挙げる方も。

    ご家庭によって状況は様々だと思いますが、金銭面に関しては慎重な判断が必要ですね。
    塾・予備校に通うことを許可してくれた親御さんには、感謝の気持ちを忘れないようにしましょう。

    ③時間を効率よく使えた

    通塾時間が省けることで自学自習の時間などが増えたという方が数名いました。
    塾・予備校の拘束時間は結構長いですものね……。

    まとめ

    塾・予備校に通っていなかった人は、学校の勉強だけで十分であるという人と自力で勉強できると考えたという人の大きく2つに分かれていました。

    通わなくてよかった点としては、自分のペースでできる自由性金銭や時間の制約をあげる人が多かったです。
    東大生の中にも塾・予備校に通うことなく合格を勝ち取った人は少なくありません!
    自分でできることもたくさんあります!

    おわりに

    塾・予備校に通うかどうかを判断するにあたって、その基準については個人差はあるものの、自分の学習スタイルとの相性の良さをはじめとした一定の共通点を見出すことができました。

    塾・予備校の利用の必要性について、大学受験を終えたときに自分の選択に悔いの残らないよう、今回の記事を参考にしながらじっくり考えてみてください。

    ただし忘れてはいけないのは、どのような選択をしたとしても勉強する主体は自分自身であり、自ら努力する姿勢を絶やさないことが大切であるということです。

    挫折しそうになった時も、自分が東大を目指そうと決めた時の初心を思い出して、自分を信じて頑張ってください! 応援しています。

  • 【東大生に聞く】受験本番のメンタル立て直し術【大ピンチ!?】

    【東大生に聞く】受験本番のメンタル立て直し術【大ピンチ!?】

    いくら受験に向けて勉強していても、本番の試験で実力が出せない不安は、ついてまわるものですよね。

    特に、試験でピンチに陥って、自分のペースが乱れて実力が出せなかった……という想像で不安になる人も、少なくないのではないでしょうか?

    試験の内容部分(問題)については、本番に向けて実力をつけていくことができますが、本番での気の持ちようは練習が難しいですよね。

    そこで実際にピンチに陥りながらも受験を乗り越えた東大生たちにアンケートを取ってみました。この記事では、その結果をご紹介します!

    項目は、

    1. 受験本番でメンタルが崩れそうになったときはいつか? また、それはなぜ?
    2. そのときの感情は?
    3. その後どうやってメンタルを立て直した?

    の3つです。

    今回は、共通テスト編二次試験編の2つに分けて紹介していきます。気になるエピソードだけでもぜひチェックしてみてください!

    私はこうやってピンチを乗り越えた! ~共通テスト編~

    大問が半分分からない!?(理科二類 1年)

    ── 受験本番でメンタルが崩れそうになったときはいつ? 

    数学ⅠAの時間、大問1、2が半分くらい分からなかったとき。

    ── そのときの感情は?

    終わったと思った。

    ── その後どうやってメンタルを立て直した?

    割り切って分からない問題は全て飛ばして、急いで最後まで行って戻って来ればまだ大丈夫と自分に言い聞かせた。

    共通テストは時間との勝負。分からない問題が多いとパニックになりますよね。
    そんなときこそ、点数をとる戦略に集中して乗り切ることも大切です。

    また、この方のように、「わからない問題が多いときは割り切って飛ばす」などと事前に決めておいてもよいかもしれません。

    完答が当たり前だったのに……(理科二類 1年)

    ── 受験本番でメンタルが崩れそうになったときはいつ? 

    共通テストの数学の後。いつも完答が当たり前と思っていたのに、ⅠAもⅡBも解き終わらなかったから。

    ── そのときの感情は?

    理系科目で点を稼がないといけないのにやらかした。文系科目もあんまり手応えがない……どうしよう。

    ── その後どうやってメンタルを立て直した?

    休憩時間に高校の友達と他愛のない話をして心を落ち着かせた。理科で絶対挽回する! と心を入れ替えて、数学のことは一旦忘れることにした。

    休憩時間に友達と話したり、あるいは少し散歩するなどして平常心を取り戻すことができたという声もいくつか聞かれました。

    試験から一旦頭を切り替えることで落ち着くことができるのかもしれません。

    また、終わった科目は考えず、次の科目に集中するというのも切り替えの方法として多く聞かれました。

    私はこうやってピンチを乗り越えた! ~二次試験編~

    隣の人が優秀!?(文科三類 1年)

    ── 受験本番でメンタルが崩れそうになったときはいつ?

    隣の席の人が、全ての教科において問題を解き終わるのが異常に早かったとき。

    ── そのときの感情は?

    自分は時間ギリギリなのに隣の人は見直しにも時間を割いている、どうしよう……。

    ── その後どうやってメンタルを立て直した?

    見直しをすれば必ずしも良い答案が書けるというわけではないと考えるようにした。

    試験のときに隣の席の人が気になる、というのは受験生あるあるかもしれません。この例のように、隣の人が優秀そうだと嫌でも意識してしまいますよね……。

    ただ、それでメンタルを崩してはもったいないというもの。隣の人の点数も実際は分からないのですから、発想を転換することも大切です。

    数学0完の危機!(文科一類 1年)

    ── 受験本番でメンタルが崩れそうになったときはいつ?

     二次の数学のとき。解ける問題がなくて、1問も完答できそうになかった。

    ── そのときの感情は? 

    0完はやばい、どうにかして解かないと……。

    ── その後どうやってメンタルを立て直した?

    めちゃめちゃ焦ったが、「あれだけ過去問を解いてきたのに今全く解けないってことは難化してるってことだから、他の人も解けてない」と思い、落ち着いて思いつく限りのことを書いた。

    本番に向けて努力を積み重ねてきたのに解けない! という状況は誰しもパニックになってしまいそうですが、逆に言うと、それだけ問題が難化したのかもしれません。

    実際、今年(2022年)の共通テストは難化したことで有名ですが、今でも時折東大生の間で難しかったと話題になることがあります。

    自分が難しいと感じた問題は、他の人にとっても難しい可能性が高いので、この方のように、焦りすぎず落ち着いて今できることに集中することが重要です。

    数学の手ごたえが……(理科三類 1年)

    ── 受験本番でメンタルが崩れそうになったときはいつ? 

     二次の数学終了後。目標点の最低ラインに全然届いてなさそうだったし、解答用紙を回収された後に1問解法を思いついてしまった。

    ── そのときの感情は?

      落ちたかもしれない……。

    ── その後どうやってメンタルを立て直した?

    今までの努力が全く報われないのは嫌だから、せめて2日目の教科で今年の勉強の成果を出そうと心に決めて、2日目の試験に挑んだ。

    試験でうまくいかないことがあるとつい合否のことを考えて追い詰められてしまいますが、「自分の努力の成果を出す」というモチベーションがあれば、最後まで頑張りやすいかもしれません。

    余談ですが、筆者(文系)も世界史の大論述が時間内に終わらなさそうでパニックになったとき、ここで書かなかったら今までの努力を裏切ってしまう! と、なんとか震える腕を押さえて書ききったことがあります。

    おわりに

    いかがでしたか。

    今は東京大学で学んでいる学生も、もともとは普通の受験生として失敗し、くじけそうになりながらも試験を乗り切ってきました。

    くじけそうになった時こそ勝負所

    受験生のみなさん、ぜひ粘り強く頑張ってください!

  • 【東大生に聞いた】心理学で社会に貢献【東大文学部社会心理学専修】

    【東大生に聞いた】心理学で社会に貢献【東大文学部社会心理学専修】

    東大生へのインタビュー企画文学部編、最終回は社会心理学を学ぶ3年生Yさんへのインタビューです!

    文学部で扱われる学問の中では比較的理系寄りである社会心理学。心理学の一分野ではありますが、よく知らない方も多いのではないでしょうか。

    今回のインタビューでは、社会心理学専修に所属するYさんが、社会心理学の特徴や魅力について詳しく教えてくれました!

    【プロフィール】※情報はインタビュー時のものです
    ・名前:Yさん
    ・学年:学部3年
    ・学部・学科(専修):文学部・社会心理学専修
    ・出身:東京都・開成高校


    社会心理学専修で学んでいること

    ── Yさんが専修で学んでいることを教えてください。

    社会心理学を勉強しています。

    社会心理学とは、個人が他者や集団をどのように認知しているか、集団がどういった行動を取りやすいか、といった社会的場面に焦点を当てた心理学のことです。

    今は、集団規範がどのように生まれて、維持されるのかというプロセスについて重点的に学んでいます。

    ── 具体的に言うと?

    たとえば、「多元的無知」という現象があります。
    飲み会で「自分は楽しくはないが、他のみんなは楽しいと感じているのだろう」ということを、そこにいる全員が考えている。
    このように、本来みんなに支持されていない規範が、結果として維持される現象を多元的無知と言います。この規範がどのように生まれ、維持され、解消されるのかということを学んでいます。

    ── 学部全体だとどんな勉強をしていますか?

    社会的場面での意思決定などを扱っています。対人関係の中で、どのように他の人の心情を感じ取って自分の行動を選択するのか、などがその例です。

    ── Yさんが今後個人的に勉強したいことはありますか?

    集団関係、対人関係の心理学の基礎的なメカニズムをもとに、実生活の様々な場面やシステムで応用していくことに興味があります。

    ── 基礎を勉強するというよりは、社会への応用というイメージですね。


    防災でも政治でも。社会を動かす心理学

    ──  実際にYさんが学んでいることは、社会にどのように活用されていると感じますか? 今後の展望などもあれば教えてください。

    今後の展望的なところで言うと、僕が興味があるのは、災害分野での働きかけです。

    たとえば、災害の対策というと、ダムや堤防の建築といったものを想像する人が多いと思います。でも実は、避難誘導の言葉を工夫するだけでも、人の心理を動かすことができるんですよね。

    ── なるほど。具体例を教えてもらってもいいですか?

    明らかにおかしいことが起こっているのに、「大丈夫、正常だ」というバイアスがかかって動けなくなってしまう、といった心理現象があります。

    このような現象を「正常性バイアス」というんですが、避難誘導の言葉遣いや、避難指示の制度設計といった工夫をすることで、このような現象を防ぐことも可能です。

    小さな働きかけで、多くの人の命を救える可能性があるのが興味深いなと感じています。

    ── 災害分野以外では、どのようなものがありますか?

    公共的な社会システムに応用したものとして、同調圧力を利用したイギリスの事例があります。

    納税を滞納している人に催促の通知を出すときに、「この手紙が届いた10人中9人は期限通り納税しています」と一言付け加えるだけで、納税率が上がったようです。

    設備などのシステム設計にはお金がかかります。一方で、この一文を加えるだけなら、そのインク代しかかからないのに、大きな効果が出る。

    このように、心理メカニズムを踏まえた働きかけによって、できることが色々あるのではないかと思っています。

    ── ありがとうございます。心理面への働きかけで社会を動かせるというのは面白いですね。


    研究の成果が社会に直結。心理学の魅力

    ── ここまでは、現在勉強していることや今後の展望について話してもらいましたが、Yさんは、社会心理学のどんな点に対して魅力を感じていますか?

    実社会との結びつきが強いところが好きです。僕は文学部ではありますが、文学や歴史学といった学問よりは、実社会に結びつく働きかけなどに興味があるので、その点で自分に合っているなと感じます。

    また、心理学は発展途上な学問なので、研究する余地が多く残されていて、やりがいがあるのも魅力です。

    ── 心理学といえば、心理テストや、TV番組で見るような、人の心を読んだり操ったりするものを思い浮かべる人が多いですよね。

    そうですね。その辺は学問的な心理学とは違ったエンターテインメントなんですが、学問的なものだと思われていることも多いですね(笑)。

    学問的なところだと、カウンセリングのイメージもあるかと思いますが、こちらは臨床心理学という分野で、心理学や社会心理学とは別物になりますね。

    ── どちらかと言えば、人間対人間のアプローチというイメージを持つ人が多いのかなという印象です。心理学を社会にどう役立てるかというのは、普通の人はあまり知らない、新しい観点なのではないでしょうか。


    様々な学問との結びつき

    ── 社会心理学と関連がありそうな他の学問があれば教えてください。

    やはり、心理学の領域に含まれる学問とは関連が深いと思います。

    社会心理学は、人や集団の繋がりといった社会的場面が対象ですが、認知心理学だと、触覚や味覚などの感覚、時間感覚や平衡感覚など、もっと生物学的な事象も扱います。そう考えると、脳科学も密接に関わってきます。

    また、教育にどう心理学を活用していくかを考える教育心理学や、カウンセリングのような臨床心理学も関連があります。

    ── 心理学系以外では?

    進化論の観点から心理現象を説明する進化心理学が最近流行っているので、進化生物学も関連していますね。

    また、行動経済学は「経済」ですが、人間が周囲の環境に応じてどう行動するかということを学ぶので、社会心理学と密接な関係にあります。

    ── 消費者心理などですね。心理学と一括りで言っても、脳科学のような理系的なものから、経済学といった文系の学問まで幅広くカバーしているのですね。


    高校生のうちに学ぶべきこととは

    ──  大学で心理学を学びたいと思っている高校生が学んでおいた方がいいことや、高校の勉強で心理学と関連が深いものはありますか。

    高校で心理学などは学んでこなかったと思うので、あまり思いつきませんね……。

    強いて言えば、心理学では実験のデータを取り、統計的に解析をするのが一連の流れなので、論文を読むにも、自分で研究をするにも、統計の知識が必要です。僕はそれをサボったので、大学に入ってから苦労しました(笑)。

    また、先ほど言ったように進化的な観点が心理学では大事になるので、生物で進化の授業があれば、真面目に受けておくと、後から繋がりに気付いて「なるほど ! 」と感じると思います。

    ── 意外と理系寄りですね。統計は今までの話であまり出てきていませんでしたが、大学に入ってから勉強したのですか?

    前期課程では統計の授業があるんですが、僕は取っていませんでした。

    後期課程でも入門から教えてくれる授業がありますが、なかなか奥が深くスピードも早いので、苦手だと理解が大変です。

    ── なるほど、早い段階から統計に触れておくと有利になるかもしれませんね。もちろん、統計は心理以外にも、経済など幅広い分野で使えますからね。


    社会心理学の世界に踏み込むまで

    ── 続いては、Yさんの進路選択について聞いていきたいと思います。まず、高校時代には、どのようにして大学や科類を選びましたか?

    正直、選んだという感じではなかったですね。進学選択制度があるのは知っていましたが、元々やりたいことがほとんどありませんでした。

    僕は浪人しているんですが、1年目は何も考えずに何となくで文二を受けました(笑)。流石に一度落ちた後はもう少し考えて、法や経済にはあまり興味がなかったので、文三を選びました。

    ── 文一が法学で文二が経済という大まかな区分けはありますからね。Yさんは開成高校出身ですが、東大を目指すことに関してのハードルはありましたか?

    そうですね……周りにも東大志望者はたくさんいたので、正直に言えばあまりありませんでした。

    ── さすが進学校ですね。法と経済に興味がなかったと言っていましたが、高校時代はどんな学問に興味がありましたか?

    社会学には少し興味がありました。社会問題に関心があったので、そういうものを扱うなら、ジェンダーなどで何かと話題な社会学かなと。特に、ジェンダーを含めた家族の役割について興味がありました。

    ── 大学入学後、今の学科を選んだきっかけなどはありますか?

    前期教養のときから、心理系の授業は面白いと思っていました。進化に関する心理学を扱う「適応行動論」や、社会心理学を扱う「社会行動論」が特に印象に残ってます。

    ── 大学の授業が決め手になったんですね。

    はい。また、社会学にも興味があったのですが、人文的な、いわゆるデータを重視しない研究は個人的には好きではなくて。統計を用いて客観的に分析する社会心理学が自分に合っていました。

    ── 科学的で、少し理系の要素があるところに惹かれたということですね。社会心理学には理系出身の人も多いんですか?

    社会心理学は心理学の領域では文系に近い学問ではあるので、文系出身の方が多いですね。

    ただ、統計を扱う分、文学部の中では間違いなく理系寄りです。僕の学年は偶然全員文系出身ですが、例年は理系から進学する人も何人かいるようです。

    ── 所属する専修の魅力などを教えてください。

    同期が約20人、教授も5人と多くないので、教授や同期たちと密に関わることができます。

    また、同期の人たちが優秀で、同じテーマでも自分とは違う視点で考えていたり、真面目に勉強している人が多かったりと、刺激を受けられる環境だなと感じています。

    ── 比較的小規模な分、学生間の関係性が深いんですね。

    密にディスカッションをしたり、一緒に実験デザインをしたりと、前期課程とは違った雰囲気です。人数が少ない分、一人一人が責任感を感じられたり、自分たちの裁量で色々と議論のテーマを決められたりと、身につくことが多いです。


    学んだことを活かせる将来へ

    ── 次に卒業後の進路について伺いたいと思います。まずYさんは、大学卒業後どのような進路を考えていますか?

    未定です(笑)。

    まず大学院に進学するか悩んでいて、もし進学するとすれば、社会システムの実装など、社会心理をどのように応用するかに着目した研究をしたいと思ってます。

    就職するにしても、何らかの場面で心理学を生かしたいですね。

    なんとなくですが、国家公務員として社会システムに直接関わることや、消費者心理などを学び、マーケティングに携わることに興味あります。

    ── 自分が大学で学んだことが役立つような環境で働きたいと考えているんですね。社会心理学専修の人たちは、一般的にどんな進路に進むことが多いんでしょうか。

    大学院に行く人は少なめですね。去年は20人中2人、多くても4、5人くらいだったと思います。就職については、業界などはあまり詳しく知りませんが、民間就職が多いと言われています。

    ── 大学院に行く人は意外と少ないんですね。

    教育心理など、他の心理学分野では、大学院に行く人が多いところもあります。大学院に行かないと取れない資格がある場合もありますね。


    高校生にメッセージ

    ── 最後に記事を読んでいるであろう高校生に一言お願いします。

    僕は今文学部の3年生ですが、自分がどの学部でどんな勉強をしているのか、大学入学前には想像できていませんでした。

    自分が何をするのかは、自分がどんなものに触れるのかによって変わってきます。

    今のうちからこのような記事を読んでくれるのも嬉しいですし、情報をたくさん集めて、自分のやりたいことをできるだけ固めておくと、役に立つと思います。

    ただ、高校生のうちに理解できる情報には限界があり、やりたいことが後から変わることもあるので、気負いすぎず、気楽に自分の進路を考えてください。


    全3回の文学部編はここまでです。いかがだったでしょうか?

    東大の文学部では、今回の企画で紹介した国文学、西洋史学、社会心理学の他にも多くの学問について学ぶことができます。

    詳しく知りたい方は、東大文学部のホームページをご覧ください!

    次回のインタビュー企画もお楽しみに!

  • 【東大生に聞いた】好奇心のおもむくままに【大学院西洋史学研究室】

    【東大生に聞いた】好奇心のおもむくままに【大学院西洋史学研究室】

    東大生へのインタビュー企画文学部編、第2回に登場するのは、西洋史学を学ぶ I さんです!
    この企画で初めてとなる、東大の大学院に進学された方へのインタビューです。

    西洋史を含めた歴史学に興味のある人はもちろん、東大の大学院に少しでも興味がある人も必見です!

    【プロフィール】※情報はインタビュー時のものです
    ・名前: I さん
    ・学年:修士1年
    ・研究科・専攻:人文社会系研究科・欧米系文化研究専攻(西洋史学)
    ・出身:福島県・会津学鳳高校


    近代スコットランド史を勉強中

    ── 現在、 I さんはどのような勉強をされているのか教えてください。

    西洋史学研究室で、西洋史、特に近代スコットランド史を勉強しています。

    今学期は近代イギリス史やフランス史のゼミも受けていますし、今年から単位互換制度で早稲田大学と京都大学のゼミも取っています。

    ── 大学院生とはいえ、幅広く学んでいるという感じなんですね。京都大学のゼミも取れるというのは、オンラインだからですか?

    京都大学はオンラインで参加していますが、早稲田大学は対面で授業をやっているので、週に2回ほど早稲田大学に行っています。早稲田生みたいですね(笑)。

    ── 東大にはどれくらい行っているんですか?

    東大の授業は全てオンラインなのですが、図書館で作業することが多いので、本郷キャンパスの総合図書館には週に3回ほど行っています。

    ── 早稲田よりはちょっと多いくらいですかね(笑)。ありがとうございます。


    近代スコットランド史の勉強とは?

    ── 特に勉強しているのは近代スコットランド史だと思うのですが、具体的にどのような勉強をしているのか教えていただけますか。

    19世紀スコットランドのナショナリズムについて勉強しています。

    スコットランドは、現在はイギリスの一部ですが、18世紀までは独立した王国でした。そのような歴史的背景から、現代でも独立を求める運動が起こっています。

    では、ヨーロッパでナショナリズムが目立ってきた19世紀のスコットランドはどうだったのか、ということを考える勉強をしています。

    ── 高校の時の世界史よりは、地域を絞って具体的に勉強するイメージですかね。

    そうですね。また、高校のときに習った世界史より詳しく、違った視点で学ぶこともできます。

    私が高校で習ったイギリス史は、実はかなりイングランド中心の傾向が強いものでした。ピューリタン革命や名誉革命などもその例で、アイルランドやスコットランドからの視点も含めると、また異なる見方ができます。


    社会で役立つ歴史理解

    ── I さんが学んでいることは、社会でどのように役立てられていると思いますか?

    日本人が世界のニュースを見るときに歴史理解は必要ですし、他者理解や国際交流の面でも重要です。

    日本史だけでなく世界史も勉強することで、自分たちのいる位置をより相対化して理解できるようになると思います。

    ── 世界史の理解を通して、自国の歴史との比較や国際情勢の背景を考えられるんですね。

    今の話とも関連しますが、日本人、外部の人の視点からスコットランドの歴史を勉強することには、どのような意味があると思いますか?

    当事者ではないからこそ、イデオロギー的な影響を受けにくいことが考えられます。

    たとえば私は、スコットランドが連合王国から独立すべきかどうかに関して、強い意見を持っているわけではありません。完全にとは言えませんが、多少客観視できるという点では、日本人が西洋史研究をすることには意味があると思います。


    当時の世界を垣間見る。西洋史学の魅力

    ── 現在学んでいることについて、どこに魅力を感じていますか?

    当時の世界を垣間見ているようなワクワク感が得られることです。

    その時代に書かれた日記や新聞などの史料を一次史料と言うのですが、研究で19世紀の史料を読むと、教科書よりもずっとリアルな情報が得られるんです。

    当時の新聞には、広告や訃報、結婚情報まで記載されていることもあるんですよ。

    また、研究の際は先行研究を勉強して、その上でオリジナルな観点を見つけるのですが、昔の学者が難しい事象を様々なフレームワークから多角的に議論しているので、先行研究を調べるだけでも面白いです。

    ── 当時の生活や、昔の学者の議論を見られるのは興味深いですね。少し脱線しますが、そもそも史料を集めるのが大変そうだと思いました。実際はどうですか?

    本当にその通りです。私が研究対象とするのは近代の英語の史料なので、比較的理解しやすいものではありますが、文献を手に入れて読み込むだけでもかなり大変です。

    修士・博士課程になると、より良い研究のために、実際にイギリスに足を運んで公文書館に行き、写真を撮って史料集めをする人もいますね。

    ── やはり、海外の史料を扱うからこその難しさがあるんですね。

    一方で、インターネット上で一次史料の公開が普及してきたのも事実です。近年では、OCR(光学文字認識)といって、手書きの文字や、新聞などの印刷された活字をデジタルのテキストに変換できる技術も登場しました。

    この技術のおかげで、一枚一枚史料をめくりながら探さなくてはいけなかったのが、キーワードを打ち込むだけですぐ検索できるようになりましたね。

    史料を手に入れやすく、探しやすくなったことで、日本における西洋史研究はこれから発展していくのではないかと思います。


    他の学問分野との関連

    ── 他の学問分野で、今学んでいることと関連性が高いと思うことはありますか?

    テーマにもよりますが、私のテーマでは、英文学が結構出てきます。

    文学の面からもスコットランドらしさを強調した作品が、19世紀のスコットランド・ナショナリズムにおいて出てきたからです。

    また、ナショナリズムの定義なども関わってくるので、社会学や政治思想といった、いわゆる歴史学とはちょっと離れたものとも関連しています。

    分野によっては経済学や経済史、統計を扱う人もいますし、歴史は哲学や宗教と被っている部分がたくさんありますね。

    ── ありがとうございます。高校の世界史でも文化史や経済史などを習うことを考えると、歴史と関連する学問が多いのも納得ですね。

    そうですね。高校の勉強との関連もあって、世界史や英語はもちろんですが、倫理なども関係すると思います。


    学びたいことを学ぶための進路選択

    ── 次に進路選択の話になります。高校時代に大学はどのように選びましたか?

    田舎の生まれなので、本が手に入れやすくて多様な人々が集まる都会への憧れがありました。その点、日本のトップと言われる東京大学では、今まで出会うことのなかった人々と知り合い、今までできなかった経験ができるのではと思い志望しました。

    ── さまざまな人との出会いを求めて、東大を志望したのですね。文科三類を選んだのには、どのような経緯があったのですか?

    当時は身内の影響で金融に関係する職業に興味があり、なんとなく文科二類への進学を考えていました。

    しかし、学問的な興味は世界史や外国文学に偏っていました。特に、アガサ・クリスティやシャーロック・ホームズ、ハリー・ポッターなど、イギリスを舞台にした本が好きでたくさん読んでいました。

    最終的には、大学は自分が学びたいことを学ぶ場所だと思い、文科三類に決めました。

    ── 就職等よりも自分の興味を優先して科類を選んだということですね。大学に入ってからはどのように学部、専修を選びましたか?

    文学と西洋史で迷ったのですが、読書は好きだけど文学研究は向いてないな、と授業を受ける中で感じていました。一方で、歴史には高校から一貫して興味があったので、西洋史を選びました。

    ── 大学院での専門はどのように決めましたか?

    もともとは就職活動をしていたんですが、4年に進級する頃に大学院進学を決めました。

    就職活動をする中で、面接で「大学で何を勉強しましたか?」と聞かれると、自分があまり深く何かを学べていないと気づいたんです。

    また、その頃に卒論のテーマを決めたのですが、そちらを研究する方に魅力を感じ、修士課程に進んで専門をしっかり勉強することにしました。

    ── 進学選択は前期で幅広く学べる分、後期過程は2年しかなくて専門を深く勉強できないと感じる人もいますよね。


    魅力的な先生方や先輩方

    ── 現在の専修に進学してよかったなと感じていることはありますか。 

    先生方や先輩方の人が良いという点ですね。 

    当然のことながら、日本でも有数の研究者である先生方から直接指導していただけることは非常に贅沢だなと日々感じています。さらに先生方は、人間的にも魅力的な方ばかりです。

    また、先輩方にも大変お世話になっています。学部の時には丁寧な卒論指導をしてくださいました。上と下の関係が強いわけではないんですが、研究室の先輩は後輩に対して面倒見がいいですね。


    卒業後の進路について

    ── 続いて、卒業後の進路についてお聞きしたいのですが、修士課程修了後の進路について教えていただけますか?

    現時点では、博士課程には進まずに就職をするつもりです。勉強したことと直結する仕事は少ないのですが、社会に出て働きたいという気持ちが強いです。

    ── ありがとうございます。それでは、西洋史を学んだ方々の主な進路について教えていただけますか?

    私の学科では大学院に進学せずに就職する人がマジョリティで、その就職先は、文学部の就職先の割合と変わらないと思います。

    修士を出て就職する人は、教員免許を持っている人は多い気がします。研究者以外だと学芸員とかですかね。

    ── ありがとうございます。I さんは、どのような業界を希望されていますか?

    今さまざまな業界で、非常に悩んでいます。学んだことと直結する業務ではなくても、研究の話ができる人のいる会社がいいかな、と思っています。


    高校生にメッセージ

    ── 記事を読んでいる高校生に一言お願いします。

    就職を考えて学部を選ぶのも重要な観点ではありますが、それ以上に「勉強したいこと」があるなら、大学でしか出来ない勉強を大切にしてほしいです。

    就職に有利だからと、自分の知的好奇心を抑えて他の学部に行くよりも、学びたい専門に進むのは決して後悔する選択ではないと思います。

    特に、高校生は学部を選ぶのが大変だと思いますが、ネットで調べれば、大学が主催する講座やシラバスを見ることができます。

    そういったものを見ながら、どんな学問があるのか情報収集をしつつ、自分を偽らず、学びたいことを見つけていくのが大事だと思います。


    いかがだったでしょうか? 西洋史学研究の面白さや奥深さが感じられ、東大の大学院のイメージも湧いてきたのではないでしょうか。

    次回は、社会心理学を学ぶ3年生Yさんへのインタビューです。お楽しみに!

  • 【東大生に聞いた】向き合うことで得られるもの【文学部国文学専修】

    【東大生に聞いた】向き合うことで得られるもの【文学部国文学専修】

    工学部編から始まった、各学部の東大生へのインタビュー企画。第2弾は文学部編です!

    「文学部」と聞くと、「日本や世界の文学を学ぶの?」と思われる方もいるのではないでしょうか。

    しかし、東大文学部には27もの専修課程があり、歴史学や社会学など、幅広い学問分野をカバーしています。
    今回はその中から、国文学、西洋史学、社会心理学を学ぶ方々にインタビューを行いました!

    第1回はこの方です!

    【プロフィール】※情報はインタビュー時のものです
    ・名前: Dさん
    ・学年: 3年
    ・学部・学科(専修): 文学部・日本語日本文学(国文学)専修
    ・出身: 愛知県・一宮高校


    国文学専修での学び

    ── 今専修で学んでいることの内容を教えてもらえますか?

    国文学専修では、文字通り「国文学」を研究しています。

    日本語で書かれた文献全てを研究対象として扱います。時代は『万葉集』から近現代の文学に至るまで、ジャンルは歌謡や歌舞伎、演劇、思想・宗教の言説などにまで及びます。

    ── 授業はどのような形式で行われるのですか?

    大まかに言えば、特殊講義演習に分かれています。

    特殊講義は、「特殊」とついていますが、一般的な講義と同じです。

    教員がある作品について解説したり、「文学史」といった何らかのテーマについて講義を行ったりします。教員の解説を聞きながら『源氏物語』を読む授業などがありますね。

    もう1つが演習で、大学では「ゼミ」と呼ばれるものです。

    国文学専修では、ある文学作品の担当部分について、辞書や先行研究を用いて言葉の意味や解釈などを調べ、自分なりに発表する、というものが多いです。

    また、演習の授業は、1学期につき1コマは受講する必要があります。
    文献を読み、調べ、自分の口で伝えるという過程を、国文学専修がいかに重視しているのかが分かるのではないでしょうか。


    「読む」のも一苦労? くずし字の奥深さ

    ── Dさんが個人的に勉強している・したいと思っていることについても教えてもらえますか?

    くずし字を読めるようになりたいなと思っています。
    (資料を見せながら)たとえば、これは江戸時代の商家の書状です。こういったものを読めるようになりたいです。

    ── 大学では、くずし字を扱う授業があるんですか?

    国文学専修の演習では、写本の画像データが与えられて、くずし字を読んでみようという授業もあります。

    また、日本史学専修の「古文書学」という授業では、江戸時代や明治時代の史料を使ってくずし字を勉強します。

    ── くずし字には専用の教科書などがあるのですか?

    くずし字の辞典やネットに公開されているデータベースで調べると、任意の字のくずし方の例を見ることができます。

    はじめは1文字ずつ読む作業ですが、慣れてくると一般的なくずし方や頻出の字がわかってきて、徐々に文章を読めるようになります。

    ── 研究者気分が味わえて楽しそうですね。くずし字は外国語の勉強と比べてどうでしょうか?

    発音やリスニングの必要がないので、外国語よりは簡単だと思います。また、書いたことがある字も多いので、筆で書いたときの省略を想像しながら読むと理解しやすいです。

    よく使われる文字は、省略・記号化されて、「ありえない」と思うような崩し方になっていることもしばしばあります。

    たとえば、江戸時代だと「候」という字が記号化されていることが多いです。


    時代を越えた作者との対話

    ── 今学んでいることが社会で今後どんなふうに役立つと思いますか?

    こんなことを言うと怒られそうですが、理系のように「この技術が……」というものはないので、目に見えて何かに役立つ、ということはないかも……?

    もちろん、有名な作品の新しい解釈が出てきたとなれば、教科書が変わるかもしれません。でも、大学3年生の実感としては、実社会に結びついているものはあまり多くないと思います。

    それでも、僕たちは研究をするときに、作者、登場人物、そこで構築されている世界、表現……いろいろありますが、それらに向き合っていくわけです。

    それがいわゆる「作者とのやりとり」や「対話」であって、それに真面目に取り組んできた人たちが、価値観や表現力などを手に入れると思うんですよね。

    ── 「対話」をしながら得られるスキルや価値観があって、それらが社会で役立っていく、ということは確かにありそうですね。


    多様な解釈を通じて広がる世界

    ── また個人的な話に戻るのですが、今学んでいることのどんな点に魅力を感じていますか?

    いろんな認識や見方、解釈が可能な点でしょうか。

    国文学は、作者が亡くなっていることも多いし、書き写しのものもあるので、書写のミスによって文が変わっていたり、そもそも統一的な成立なのかどうかすらわからないものも存在します。

    でもだからこそ、「こういう根拠があるから、こんな解釈ができるのではないか」や「他の文献でこういうものが出ているから、この言葉はこれと同じような使い方なのではないか」というふうに、研究者によって様々な見方ができます

    勉強すればするほど新しい見方を得ることができるし、自分でも新しい見方を示すことができるのが、国文学研究の面白さだと思います。

    ── 1つの文学に対しても複数の見方ができて、先行研究などで多様な見方を学ぶのが楽しいのですね。また、自分の見方を示せるというのは、文学研究に知見がどんどん付け足されていくといった感じでしょうか。ありがとうございます。


    国語学とも日本史とも。他の学問との結びつき

    ── 他の学問分野で、専修で学ぶ内容と関連性が高いものがあれば教えてください。

    大学の研究分野なら、国語学ですね。

    日本語を言語として研究する学問が国語学なのですが、中でも日本語の歴史的変遷に関する研究は、国文学を扱う人も注意すべき内容が多いと思います。

    たとえば、発音はこれまでずっと変化してきているんですよね。

    半濁音(パピプペポ)は最初からあったわけではなく、室町時代あたりから成立したと考えられています。このように、日本語は歴史の中で変化しているんです。

    和歌のような韻文を読むときは特に、「どう読まれていたか」なども理解できていれば、当時の人と近い考え方ができますよね。

    ── なるほど。他にはどうですか?

    もう1つ関係が深いなと思うのが日本史学ですね。

    その時代の背景、つまりどんな社会だったのかを知っておくと、国文学の作品を理解するのに役立ちます。

    大きな戦乱があれば、文学にもその影響は及びます。ものを書く人たちの価値観が変わるんです。

    今でも同じだと思いますが、時代が変わったり、大きな出来事が起こったりすると、価値観が変化し、書かれるものも変わってくるのではないでしょうか。

    だから、その時代に何があったのかがわかる程度の日本史の知識があると役に立ちます。

    ── 日本語そのものや歴史的背景を学ぶ国語学・日本史学は、国文学と関係が深いのですね。高校までの学習内容で、今の専修と関連性が高いものはありますか。

    もちろん、国語や日本史は関連性が高いです。

    また、くずし字では草書体が使われていることもあるので、近世以前であれば書道なども関係するのではないでしょうか。

    さらに、人々の考え方という点で言えば、倫理の思想史も多少は関係あるのかなと思います。

    ── 高校までだと書道や倫理の関連性も高そうということですね、ありがとうございます。


    国文学か日本史か

    ── 次に進路選択についてです。まず、高校時代は大学や科類をどうやって選びましたか?

    高校2年のとき、担任の先生に東大を受けるよう勧められたのがきっかけです。科類については、もともと日本史や国文学に興味があったので、文学部に行きやすい文科三類を選びました。

    ── もともと国文学に興味があったんですね。文学以外でも良いのですが、高校時代は他にどんな学問に興味がありましたか?

    古文漢文、日本史が好きでした。特に、辞書を引いたり文法を調べたりしながら古文を読むのが楽しくて。

    ── ある程度進路の方向性は決まっていたんですね。では、大学に入ってからどうやって学部、専修を決めましたか?

    文学部に行くことはすでに決めていました。専修は日本史か国文学かで最後まで迷いましたが、ゆるい空気感が気に入ったので国文学を選びました。

    前期課程で受けた『源氏物語』を解説する授業や、歌舞伎の表現を学ぶ授業が特に楽しくて、そういった題材を扱えるという点で国文学に傾いたのもあります。


    温かい雰囲気も魅力

    ── 前期課程では幅広い分野の授業が取れますが、前から文学系の授業を多く取っていたんですね。それでは、現在の専修を選択してよかったと思う点はありますか?

    雰囲気がとてもゆったりして優しいです。必修の授業も少ないので、理系に比べれば負担は多くありません。

    研究室の蔵書も多く、「蔵書あげます」という連絡をもらったこともあります。「貴重そうな本なのに!」と驚きました。

    ── 学科や専修の教授や同級生との繋がりはありますか?

    同学年が20人くらい、教員が5人くらいいます。同じ授業を履修している人、つまり興味が近い人と知り合いになることが多いです。

    4年になって卒論を書き始めると、担当教員との繋がりは強くなりますね。

    それなりに人数の多い専修ですが、教員や学生の距離は決して遠くないという印象です。


    大学院進学か、それとも就職か

    ── 次に大学卒業後の進路について聞いていきたいと思います。Dさんが大学卒業後考えている進路を教えていただけますか?

    大学院には進学せず、4年生で卒業して就職する予定です。

    国文学専修から大学院に進学するのは、毎年各時代で数人、20~30%程度です。

    ── 就職する人が多数派なんですね。主な就職先などはありますか?

    文学部全体だと、出版、メディア系が他学部よりは多いようです。しかし、官公庁や、商社、銀行、メーカーといった民間企業など、かなり様々な人がいます。

    ── 7、8割の人が就職するとのことですが、3年生から4年生にかけて就活と自分の研究を両立させるのは大変ですか?

    演習の発表準備をする時期などは、就活との兼ね合いが難しいこともありますね。

    3年生では授業をそれなりに多く取っていますが、4年生になると授業を減らして卒論を書くので、比較的時間に融通が利きそうです。

    そのせいか、はたまたそのゆったりした雰囲気のせいか、文学部は他学部に比べて3年生のうちから就活を始める人が少ない印象です。

    ── 文学部は進路が様々という話がありましたが、Dさん自身はどういった進路を考えていますか?

    僕は……ホワイトな職場に行きたいです(笑)。まだ具体的には決まっていませんが、インフラ系には興味がありますね。


    高校生にメッセージ

    国文学に限らずですが、高校までの勉強と大学の学問は結構違います。

    国文学では高校のいわゆる「古文」を扱うこともありますが、現代語訳や文法の勉強にとどまらず、もっと幅広い視点で研究できます。

    国語が苦手で点数が取れないという人も、国語ができないからという理由で国文学の選択肢を捨てないでほしいです。
    国語を勉強していて楽しいという人も、大学の学問は今やっているものとは違うかもしれません。

    いろいろと調べる中で、自分で楽しいと思えるものを専攻にしてもらえたらと思います。


    いかがだったでしょうか? Dさんのお話から国文学の魅力や楽しさが感じられましたね!
    次回は文学部の大学院で西洋史を学んでいる I さんのインタビューです。お楽しみに!

  • 【東大生に聞いた】都市に導かれて【工学部建築学科】

    【東大生に聞いた】都市に導かれて【工学部建築学科】

    これまで3回にわたってお届けしてきた東大生にインタビュー工学部編も、今回で最終回。
    ラストを飾るのは、この方!

    【プロフィール】※情報はインタビュー時のものです
    ・名前:Hさん
    ・学年:4年
    ・学部・学科:工学部建築学科
    ・出身:石川県・小松高校


    建築学科ってどんなところ?

    ── 建築学科って、どんなことを学ぶ学科なんですか?

    一言で言えば、建築の設計ができるようになることを目指す学科ですね。
    そのために、環境、建て方の方法論、動線、材料、歴史、デザインなど、さまざまなことを勉強します。

    ── 建築の設計に関わるあらゆることを学ぶんですね。研究室ではどのようなことを勉強されているんですか?

    私は意匠系(デザイン系)の研究室に所属しているので、実験して工学的なアプローチで何かをつくる、ということはしていません。

    東南アジアのスラムへフィールドワークに行って、建築的な提案をしたり、千葉の古民家でものをつくったりして建築の理論を深めています。

    館山の茅葺き民家「ゴンジロウ」の屋根の葺き替えをしている様子
    (出典:東京大学大学院 新領域創成科学研究科 社会文化環境学専攻 岡部研究室ホームページ https://okabelab.wixsite.com/okabelab)

    また、卒業論文卒業制作があって、卒業制作では建築物の設計をするんですが、私は地方都市の新幹線の駅というテーマで駅の設計をしていました。

    ── 工学部らしい、ものづくりの要素も少しあるんですね。意匠系と聞くと芸術的なイメージが思い浮かびますが、美しいものや綺麗なものを設計したりはするのでしょうか?

    意匠系の研究室にも色々ありますが、実はそういったことはあまりしていません。

    建築物をつくるときには、人や社会の問題が関わってくるんですね。
    たとえば、住宅をつくるなら人がそこでどう暮らすか、小学校ならどういう教育が行われてどういう人が参画するか、といったことが問題になります。

    デザインの勉強も一応やりますが、建築物をつくる上での課題にアプローチすることがメインなので、デザインを主に勉強しているというわけではないんですよね。

    ── 工学というよりは、むしろ社会学に似ていますね。

    そうですね。工学部の王道という感じではないです。

    ── 大学で建築について学んでいて、高校までの学習内容と関連しているなと思うことはありますか? 

    物理ですかね。建築では、デザインだけでなく構造の研究も必要なので。

    たとえば、日本は地震が多いので、地震が起きても倒れないようにつくるということがとても重要で、そのための構造の研究が進められています。
    そのような研究のために力学を使うので、そこで物理が必要になります。

    また、建材の種類や加工の仕方によっても建物の強度は変わるので、化学とも関連があります。
    理系で習うような、物理や化学、数学の知識は不可欠です。私は文系出身なのでとても困りましたね。

    ── 理系らしい側面もあるんですね。逆に、文系出身だったからこそ活かせたものはありますか。

    歴史の授業は気楽でした。
    日本建築史西洋建築史の授業が結構あって、一級建築士の試験に出てくるんですよ。一級建築士の試験を受けるために授業があるようなものなので。


    「工学部」ではなく「建築学科」へ

    ── 東大には文科三類で入学されていますよね。高校時代はどのような分野に関心があったのですか? 

    世界史や国語が好きだったので、哲学思想系歴史系を勉強したいと思い、文三を選びました。

    そして、1年の最初に、実際の大学のゼミみたいに少人数で発表をしたり小論文を書いたりする「初年次ゼミナール」という授業があって、そこで哲学思想系のゼミを取ってみたのですが、本当に肌に合わなくて……。

    国語が気に入っていたと話しましたが、実は本を読むのが苦手なんです(笑)。
    同じクラスの人や授業で一緒だった人と馴染めなかったということもあり、自分は文学部に合っていないのかなと感じました。

    ── 実際に授業を受け、大学生活を送る中で、元々関心があった分野が自分に合わないと感じたんですね。そこからどのように建築学科を選んでいったのでしょうか?

    東大は理転もできるので、文系からでも進学しやすいような理系の学部を色々見ていました。
    文学部以外の文系の学部を考えてもよかったのですが、文学部に行かないならどこでもいいやと思って。

    そんな中で、1年後期に、英語で論文を書く「ALESA」という授業があったんですが、その授業がたまたま都市論をテーマにしていて、結構面白かったんです。

    それからは、工学部の社会基盤学科建築学科都市工学科に興味を持つようになり、最終的に建築学科に進みました。

    「工学部を選んだ」というよりは、細かい専門で見て、都市建築系が工学部にあったから工学部になったという感じです。

    ── 入学してからの授業での経験が、進路選択に大きく影響したんですね。実際進学してみてどうですか?

    元々は都市に興味があったんですが、都市系の勉強は少なくて、建築・力学系の勉強が多いのは意外でした。

    突然大きな製図版を買わされて製図させられたり、模型を作らされたりしたのはビックリしたけど面白かったですね。


    まずは大学院へ、その後は人それぞれ

    ── 卒業後も、今の研究室でそのまま研究をされるんですね。 

    そうですね。大学で行きたい研究室と大学院で行きたい研究室がそれほど大きく変わることは少ないので、同じ研究室に進む人が多い気がしますね。

    ── 大学院では、何か新しいことに取り組んだりはするんですか?

    いえ、基本的には今やっていることと変わらないと思います。
    研究室で研究しながら実際に論文を書くのは修士以降なので、1年生のうちはそのテーマ探しをします。

    ── では、本格的に研究をするために大学院に進むというわけではないんですね。

    そうですね。では何のためかというと、私の場合は就職のためです。

    建築業界で就職する場合に、学部卒だと、どうしても職種が限られてしまうんです。

    建築の仕事は大きく分けて施工と設計があるんですが、施工は総合職寄りで学部卒でも就ける一方、設計は専門職寄りで多くの場合修士以上しか就けないという違いがあります。

    ── なるほど。専門職に就くために大学院に進学する、という人が多いんでしょうか?

    8割以上の人が院進するので、みんなが院に行くから自分も行く、という人もいますけどね。

    その結果、専門職に就く場合もあれば、文系就職をする人もいます。


    好きの気持ちで進路を決めよう

    ── 最後に、高校生に向けてメッセージをどうぞ!

    大学に入ると、文理というよりは専門でいろんな分野に分かれるので、その科目が苦手だからとか考えずに、好きかどうかとかで進路を選んでもらえたらなと思います。

    工学部は、自分の作るものが社会に役立つのが目に見えて分かりやすくて、楽しみやすいので、ぜひ選択肢として考えてみてください!


    いかがでしたか?
    これまで全4回、工学部編をお届けしてきました。
    この記事を読んで、「工学部って面白そうだな」と思ってもらえたら嬉しいです。

    次回のインタビュー連載もお楽しみに!

  • 【東大生に聞いた】自分の興味を探し続けて【工学部化学生命工学科】

    【東大生に聞いた】自分の興味を探し続けて【工学部化学生命工学科】

    専門課程で学ぶ東大生の生の声をお届けする、東大生にインタビュー工学部編。ついに第3回を迎えました。
    今回は、この方にインタビューをさせていただきました!

    【プロフィール】※情報はインタビュー時のものです
    ・名前:Rさん
    ・学年:3年
    ・学部・学科:工学部・化学生命工学科


    化学生命工学科ってどんなところ?

    ── 化学生命工学科とは、どんなことを学ぶ学科なんですか?

    簡潔に言えば、化学全般分子生物学、それからバイオテクノロジーですね。

    理学部が基礎、工学部が応用というイメージを持っている人もいると思いますが、化学生命工学科は応用だけでなく、基礎理論的なことも多少扱っています。

    ── それぞれの学問について、詳しくお聞きしたいです。

    化学に関しては、「〇〇化学」という勉強は一通り全部やっていますね。高校で習うような有機化学無機化学もそうですし、大学ならではの物理化学量子化学高分子化学なども勉強しています。

    分子生物学というのは、生物を細胞・分子のレベルで勉強するという学問です。DNAがどのように複製されるかといった小さな視点のものを学びます。逆に、胃や腸の働きといった大きな視点のものは学びません。

    バイオテクノロジーは、聞いたことがある人も多いと思いますが、簡単に言えば生物のチカラを人間の生活に役立てようとする学問ですね。遺伝子組み換えなどもその一例です。

    ── どんなことを目的としている学科なんですか?

    有機化学と生命工学の融合による新物質・新機能の創造というのが学科のコンセプトです。

    化学生命工学科は名前の通り化学と生物をやっていて、化学の代表として有機化学、生物の代表として分子生物学やバイオテクノロジーを主に勉強します。

    その2つの融合というか、お互いの足りないところを補ったり、良いところを取り入れたりして研究しているというイメージです。

    有機化学では、生体内の優れた化学反応をお手本にして新しい反応を考えたり、複雑な触媒を開発して今までになかった反応を作ったりといったことを主にやっています。

    生物では、化学の力を使って人間の生命現象を分子レベルで解明したり、そこに人工的な力を加えて、自然のものより良いものを作ったりします。自然のものより良いものというと抽象的なんですが、薬などを作ることが最終的なゴールになるかなと思います。

    ── なるほど……。研究室ではどんなことを学ぶんですか?

    僕は4年から岡本研究室というところに配属されるんですが、生物も有機化学も両方やっているという化学生命工学科では珍しい研究室です。なぜ珍しいかというと、研究レベルになると生物か有機化学どちらかに偏ってしまうことが多いんです。

    だから、化学生命工学科には生物と有機化学両方を扱う研究室が2つしかなく、僕が行く研究室はそのうちの1つになります。

    具体的には、核酸医薬と呼ばれるDNAを応用した医薬品を作ったり、特殊なタンパク質を化学合成したり、特殊な化学物質を細胞内に入れることで生物の細胞の動きが見えるようにするイメージング技術を開発したりしています。

    医薬品や特殊な生体分子をつくるために、化学を手段として合成するという感じですね。


    迷いに迷った進路選択

    ── 理科二類の出身ということですが、高校時代はどんなことに関心があったんですか?

    高校化学の有機化学は好きでした。大手予備校の難しい問題も解けて、面白かったんです。
    ただ、特にやりたいことも見つからなかったので、進振り利用してやるぞ、という意気込みで東大に来ました。

    機械系には興味が持てそうにないと思ったので理一は候補から外し、理三(医学部)も難しいなと思ったので、理二を選びました。

    ── そこから今の学科を選んだ経緯は?

    やりたいことが見つかるといいなと思っていたのですが、見つからないまま進学選択の時期を迎えてしまい……。選ばなくてはいけないので、高校の時に得意だった化学系の学科を探しました。

    「化学」と一言で言っても、理学部化学科、工学部の応用化学科、化学システム工学科など色々な選択肢があります。
    「化学+何か」を選択しなくては絞れないなと考えたときに、「化学+生物」なら楽しそうだと思って、化学生命工学科を選びました。

    ── 他に迷った学科はありましたか?

    理学部の生物化学科と 農学部の農2(応用生命化学・工学専攻)、薬学部です。

    理学部は基礎理論があまり好きになれず、応用系がよかったのでやめました。また、農学部は生物系に寄りすぎていたので、候補から外しました。

    薬学部はギリギリまで迷ったんですが、就職先が製薬会社などに縛られしまいそうだと思って。
    その点、化学生命工学科は生物も化学も扱う分、製薬・食品系から化学系まで色々なところに行けるので、最終的に化学生命工学科を選びました。

    ── 実際に進学してみて、どうですか? 

    うーん……あまり自分に合っていない学科を選んでしまったかもなぁというのが正直なところです。
    本当は、生物の中でも人間の体や病気といったマクロな視点のものに関心があったんですが、化学生命工学科ではミクロなことを扱うので、少し違うなと思って。

    授業で研究に役立つ論文を読めるなど、研究をしたい人にはとても向いている学科だと思います。

    ── 楽しそうと思って選んだはずが、少し違うなと思ってしまったんですね。


    編入か院進か。2つの進路を見つめて

    ── 卒業後の進路はどのように考えていますか?

    他大学の医学部に編入することを考えています。
    編入試験の受験資格が得られるのが学士以降で、来年受験できるようになるので、合格したら編入しようと思っています。

    一方で、編入試験に不合格だったら大学院の修士課程に進んで同じ研究室に入ることも検討しています。2つの選択肢を同時に考えている感じですね。

    ── 大学院にいくにも試験がありますよね。

    そうですね。院試と編入試験の時期が同じくらいで、今僕がやっている学部の勉強が編入試験の範囲でもあるので、両方の試験の勉強を並行して進めています。

    ── 医学部に行こうと思ったのはなぜ?

    生物はやりたいし、生物を工学的に見るのではなくて、医学として扱いたくて。また、このままの進路に進んでメーカーの技術職になるより、医者の方が向いてそうだし待遇も良さそうだなと思ったのも理由の1つです。


    進学選択を使いこなそう

    ── 最後に、高校生に向けてメッセージをお願いします。 

    頑張って、自分がやりたいことを見つけてほしいなと思います。

    大学では、学部や学科など様々な選択肢があって、化学・生物と一言で言っても、理学部、薬学部、工学部など、色々な候補があります。
    どの学部のどんな視点からその学問を学ぶのが自分に合っているのかというところまで考えて、学びたいことを見つけてください。

    学びたい学問が見つからない人は、就職など、大学の先のことまで見据えて進路選択をするといいと思います。

    やりたいことがないから進学選択制度のある東大に来るという人もいるかもしれませんが、進学選択はせっかくの機会なので、やりたいことがありすぎて決められないから進学選択を利用する、くらいの気持ちで東大を目指してほしいです。頑張ってください!


    いかがでしたか?自分の進路にじっくり向き合うことの大切さが分かりましたね!
    工学部編の最終回となる次回は、工学部建築学科のHさんのインタビューをお届けします。お楽しみに!

  • 【東大生に聞いた】楽しいと思うものをつくる【工学部精密工学科】

    【東大生に聞いた】楽しいと思うものをつくる【工学部精密工学科】

    前回に引き続き、東大生にインタビュー 工学部編 をお届けします。
    第2回となる今回、インタビューに協力してくださったのはこの方!

    【プロフィール】※情報はインタビュー時のものです
    ・名前:Kさん
    ・学年:3年
    ・学部・学科:工学部・精密工学科
    ・出身:新潟県・新潟高校


    精密工学科ってどんなところ?

    ── 前回インタビューをしたSさんと同じく、精密工学科の所属ですね。どのようなことをされているんでしょうか?

    卒業研究を始めるまでは、学部の授業を色々と受けていました。2年生の後半には工学の土台となる知識を身につけ、3年生からは応用的なことを学んでいったという感じです。

    ── 具体的にはどんなことを学ぶんですか?

    2年の後期で学ぶのは、数学や統計学、力学、電気回路、プログラミングなどですね。3年では、センサーの中身、材料、計測・加工法、設計の話とか。生体工学や科学技術社会の話など、応用的な内容も少し学びました。

    ── 機械系の学部ではありつつも、さまざまな分野を扱うんですね。卒業研究では何を研究するんですか?

    神経工学系の研究室に配属されたので、工学的なアプローチで生命現象を理解・応用するということをします。

    ── なるほど……。具体的には?

    脳神経の細胞や心臓の細胞をセンサーの上で培養して育てて、細胞がどんな信号を出すのか、どんな風に成長するのかを計測するという感じです。

    ── センサーなどは使うものの、案外「機械」っぽくないなという印象を受けました。

    そうですね。センサーで計測し、数学的に分析するという手法は、学科のどの研究室でも共通していますが、それを何に応用するかということはさまざまだと思います。医療ロボットのような医療行為であったり、画像解析や3Dモデルであったり。

    ── 向かう方向によってやることが同じ学科の中でも結構違うんですね。


    理学部志望から工学部志望へ

    ── 理科一類から工学部に入ったとのことですが、高校時代から工学部志望だったのでしょうか?

    実は高校の時は理学部を目指していて、高校3年生のときは理学部の物理学科に行こうと考えていました。大学1年のときは、工学部物理工学科も気になっていましたね。

    ── 最初から工学部に興味があったというわけではないんですね。そこからどんな経緯で工学部にシフトしていったんですか?

    まず、大学1年の前期に授業を受けてみて、物理や数学が非常に難しく、理論ばかりで物足りないと思ったんですよね。そして、実際にものをつくる方が自分の心が動くように感じたんです。

    ── 元々興味を持っていた物理や数学から、実践的なものづくりに気持ちが傾いていったんですね。工学系の授業を受けたりもしたんですか?

    1年の後期の「現代工学基礎」という授業で、ロボットやAIや音響処理の話を聞きました。

    あとは「コンピューテーショナルクリエイティビティ概論」という強そうな名前(笑)の授業も受けました。AIに芸術を生産させるとどうなるのか、それはクリエイティビティをもつ機械をつくったといえるのかといった問題を扱った授業で、非常に面白かったです。

    また、そういった問題には、今まで学んできた数学や物理が関連していることがわかり、数学や物理を利用したものづくりをしたいと思うようになりました。そこで工学部に進学したいと思うようになったという感じです。

    ── 授業を受ける中で自分の興味に合ったものに出会い、工学部に志望を固めていったんですね。そこから徐々に学科を選んでいったという感じでしょうか?

    そうです。2年の前期ではいろいろ悩みましたね……。

    生命科学」という授業で、数学や物理を背景とした生命の研究についての話があり、こういうのもあるのかと興味を持つようになりました。
    また、元々興味はあったのですが、「認知脳科学」で、授業として脳科学を初めて勉強して、脳の研究や人間の行動・知識の研究は面白いと感じました。

    自分が何を学びたいのかを深く考えた結果、哲学っぽい問題を科学のまな板にのせて解明して、さらにはその結果を工学的に応用したいと思いました。ある意味SFの実現ですよね。

    ── 工学的な側面から生命の研究に関わりたいと思うようになったんですね。そんな中で、どんな学科が候補に上がったんですか?

    機械情報工学科電子情報工学科、そして精密工学科でした。

    まず機械情報工学科では、ロボットや知能、人間の知識の仕組みを研究しているのですが、学科での授業にあまり興味が持てなかったので除外しました。

    電子情報工学科でも、生命とコンピュータについての研究がされているのですが、生命に関する研究がコンピュータに寄り過ぎているように感じ、少し違うなと感じました。

    残る精密工学科には、医療工学や神経工学の研究室があって、生物×工学の研究が盛んだったので、ここに行こうと決めました。

    あとは、精密工学科に進学したS先輩(「東大生にインタビュー 工学部編①」に登場)がすごい生き生きしていたというのも理由の一つです(笑)。

    ── 先輩の姿も大事ですね(笑)。

    もちろん、自分の学びたいことをしっかり学ぶのが理想ですが、人とのつながりは大事ですからね。
    精密工学科は40〜50人くらいの人数で和気あいあいとした雰囲気です。


    もっと研究を体験してみたい

    ── 大学卒業後の進路は?

    大学院に進学する予定です。4年生の卒業研究は、研究とはどういうものなのかを学ぶ機会でもあって、自発的な研究をするのは修士課程以上になるので、せっかくだからそういう体験をしたいです。
    興味のある研究室に配属されたので、大学院でもそのまま同じ研究室で研究していくのかなという感じですね。

    ── やっぱり大学院進学をする人がほとんどなんですか?

    そうですね、多くの学科で90%以上の人が大学院に進学すると思います。理由としては、総合職であれば学部卒でも就けるけど、理系の技術職とかは院進(修士)以上じゃないといけない場合が多いからということがありますね。
    また、4年生の卒業研究だけでは、研究というものをきちんと経験できないという理由もあります。

    ── 院を出た後はどうする人が多いんでしょうか?

    博士課程に進む人もいますし、その割合は学科によりますが、就職が多いと思います。

    ── 研究をしっかり経験した上で就職するというパターンが多いんですね。


    想像を現実に

    ── この記事を読んでくれている高校生に向けて、メッセージをどうぞ!

    自分が楽しいと思うものをつくれることや、こんなものがあったらいいなという想像を実現するにはどうすればいいのかという、想像から現実へのプロセスを学べることが工学部の魅力だと思います。ぜひ工学部へ来てください!

    僕はTtime!という工学部の広報誌を作る団体にも所属していて、HP記事や冊子を作っているので、よかったらそちらもチェックしてみてください!


    いかがでしたか? 工学部の意外な一面を知ることができましたね。
    次回は、工学部化学生命工学科のRさんのインタビューをお届けします。お楽しみに!

    ☆Kさんが所属しているTtime!のHPはこちら→https://ut-ttime.net/

  • 【東大生に聞いた】ものづくりで社会に貢献【工学部精密工学科】

    【東大生に聞いた】ものづくりで社会に貢献【工学部精密工学科】

    みなさんには、将来就きたい仕事や、大学で学びたい学問はありますか?
    ぼんやりとは想像できても、具体的にイメージするのは意外と難しいのではないでしょうか。

    そこで今回から、東大の専門課程に進んだ先輩方へのインタビューの連載をスタートします! 
    研究室の話や進学選択のエピソードなど、そこに進学した人にしか分からない、東大生の生の声をお届けします。
    「学部がたくさんあって進路がなかなか決められない…」「大学の学部や勉強について詳しく知りたい!」というみなさんは必見です!
    第1弾は、工学部編
    実は、東大一の規模を誇る学部でもあります。
    工学部編は、6月中、毎週月曜日に全4回でお届けします!

    記念すべき第1回を飾るのは、この方!

    【プロフィール】※情報はインタビュー時のものです
    ・名前:Sさん
    ・学年:4年
    ・学部・学科:工学部・精密工学科
    ・出身:富山県・富山高校


    精密工学科ってどんなところ?

    ── 今はどのような勉強をされているんですか?

    卒業研究では、機械などに入れる異常検知のセンサーの研究をしていました。

    ── なるほど……。具体的にはどうやって?

    機械って、故障すると変な風に振動するんですよ。その振動を検知すれば、機械の故障を検知することができる。だから、意図的に機械を壊して、振動の様子をセンサーで記録し、取ったデータを解析して、壊れていないときの振動のデータと比較する、ということをしていました。

    ── その研究は、社会ではどのように役立てられているんですか?

    従来のやり方だと、故障がないかを点検するためには定期メンテナンスが必要なんですが、メンテナンスをするには機械を全部ストップさせないといけないんですね。

    それをセンサーで自動化すると、メンテナンスの頻度を減らすことができるんです。たとえば、故障するとアラームが鳴る仕組みにすれば、機械を止めるのは故障したときだけで済むので、無駄を減らすことができます。


    高校時代から憧れていた工学部

    ── 理科一類の出身ですよね。理科一類から工学部に進学する人は多いですが、高校時代から工学部志望だったんですか?

    そうですね、工学部に行きたいと思っていました。具体的に何をするかは決まっていなかったのですが、ものづくりに漠然とした興味を持っていたことや、親が工学系の仕事をしていたことから、工学部に対して憧れがありました。物理や数学が好きだったことも志望理由の一つです。

    ── 学部選択については迷いは無さそうに感じたのですが、学科選択については迷いはありましたか?

    もともと機械系には興味があったんですが、プログラミングも面白そうだと思い、電子情報工学科電気電子工学科計数工学科を視野に入れていた時期もありましたね。

    最終的には機械系をメインで学びたいなと思って、自分の中で候補として挙がったのが機械工学科や精密工学科でした。より物理っぽいことを扱うのが機械工学科、情報系や電気回路系のことも扱うのが精密工学科という印象で、情報系もやりたいなと思って精密工学科を選びました。


    ものだけじゃなく環境も。興味を追いかけて

    ── 大学卒業後の進路について教えてください。

    大学院に進学しますが、学部のときとは違う研究室に行く予定です。と言っても、興味関心が変わったわけではなくて、学部のときは希望通りの研究室に配属されなかったので、もともと行きたかった研究室に行くというだけなんですけどね。

    ── 希望通りの研究室に入れるとは限らないんですね……。次の研究室ではどんなことを研究するんですか?

    一言では言い表しづらいんですが、ものをつくるのではなくて、ものづくりのシステムそのものを考える研究をします。今の研究室が、実験して、データをとって、そのデータを解析して…という、いわゆる実験系の研究室なんですけど、次の研究室はもっと概念的な研究というか。一言で言えば、「環境に良いものづくりのあり方」を考える研究、ということになるかな。

    ── ものづくりのあり方……。具体的には?

    たとえば、環境に良いものとして、太陽光パネルってあるじゃないですか。太陽光パネルを普及させて環境に良い社会を作るためには、どんな戦略が必要なのかということを考えたりします。

    あとは最近、新しい技術を使ったものづくりというものが考えられているんですよね。最初に話した故障検知のセンサーとか、AIを使った画像検出とか。

    そのような、新しい技術を使ったものづくりを実現するためにはどんなビジネスモデルが必要か、実際にその技術を取り入れるとどれくらい環境に良くなるのかなど、もの自体をつくるというよりは、ものと社会の連携を考えた上で、環境に良いものづくりのあり方を考えていこうという研究です。

    ── 機械そのものをつくるというよりは、それらを取り巻く全体をつくっていくということですね。今度行く研究室に魅力を感じたきっかけは?

    もともと環境問題には興味があったんですが、自分が工学部で学ぶ技術の何に魅力を感じているのか、ということが関係していると思います。機械やAI技術を使うことで、人の手だけでやっていたら発生する無駄を減らせるということが魅力なのかなと、ここ数年で思うようになって。それで次行く研究室に魅力を感じたという背景があります。


    ものづくりが好きな人はぜひ工学部へ

    ── この記事を読んでくれる高校生に向けて、メッセージをお願いします!

    工学の1番良いところは、他の学問と比べて社会との連携が強いこと。工学部は、自分のしている勉強が何に役立つのかがかなり分かりやすい学部じゃないかなと思います。ものを作って社会に貢献したいという人にはぴったりだと思うので、ものづくりに興味がある人はぜひ目指してもらえたらと思います!


    いかがでしたか? Sさんの工学にかける熱い思いや、ものづくりの魅力が感じられましたね!
    次回は、同じく工学部精密工学科のKさんのインタビューをお届けします。お楽しみに!