カテゴリー: 合格体験記

  • 興味を探した先に~農学部推薦入試を経て~

    興味を探した先に~農学部推薦入試を経て~

    はじめに

    こんにちは。
    私は、農学部の学校推薦型入試(以下、推薦入試)を経て、現在、教養学部理科二類1年に所属しています。

    皆さんは自らの進路・進学先について、どの程度イメージを持っているでしょうか。

    ここでは、私のやりたいことが決まる前後から志望校決定、そして大学生活までのプロセスについてご紹介しながら、興味・やりたいことの見つけ方のヒントになり得ることを盛り込んでいます。

    この記事が皆さんが進路・進学先を考えるうえでの一助になれば幸いです。

    大学入学前から将来のことをキチンと考えておかないといけないの?

    進学選択制度のある東京大学の受験を考えている方の中には、このような疑問を持っている方も多いかもしれません。

    もちろん、必ずしも高校生の間に将来像が明確化されている必要はないと思います。
    しかし、入学前に興味分野が決まっていることのメリットも沢山あります。

    たとえば、高校での授業内容は大学での学びと深く関わっているため、興味に即した文理・科目選択を行うことで、将来、役に立つ知識を高校生の間に身に付けることができます。

    さらに、東京大学の前期教養課程においても、自分の中に軸があることで、スムーズな授業選択や、勉強へのモチベーション維持ができると感じています。

    こちらの記事は主に私の体験に基づいた一例に過ぎないですが、皆さんが将来のことなどを検討する中で、参考にして頂けると嬉しいです。

    将来像を確立するまで

    まず、将来やりたいことを考え始めてから、それが明確になるまでに辿った軌跡です。

    中学生の間は、漠然と理学部や薬学部、農学部などの生物系の学部に進みたいと考えていました。

    その後、高校進学前後の新型コロナウイルスによる休校の間にじっくりと考えるなか、興味分野に辿り着きました。そして、地元の大学が主催している高大接続プログラムへの参加を通じ、将来像が確立されていきました。

    体験談①〜学校の授業をきっかけに〜

    きっかけは中学校3年生の時に受けた生物の授業です。

    「根粒菌」を筆頭に様々な微生物が、他の生物が持ち得ないような特殊な機能・役割を活かして縁の下の力持ちで生態系を支えている姿に感銘を受けました。

    学校の授業は、大学での学問と密接に繋がっているうえ、幅広い科目に触れるため、興味のあることを探すための絶好の材料になると感じています。

    その後、小学生の頃から興味を持っていた環境問題に微生物の機能や生態を活かすことができないか、と考えるようになりました。
    キーワードは「微生物」「環境問題」「地球環境」です。

    インターネットで「微生物 環境問題」と調べてみると、「環境微生物学」という分野に出会いました。
    このように、興味のある単語を検索BOXに打ち込むだけで、有用な情報が沢山得られるのでぜひ、実行してみてください。

    次に「環境微生物学」をキーワードに大学の学部や研究室検索を進めるとともに、専門書を読んでみました。この過程の中で、生物系だけではなく工学系の学部でもこの分野を扱っていることが分かりました。

    当時はこれ以上深掘りすることは出来ませんでしたが、分野を絞ることで普段からアンテナを張って情報を得やすくなったと感じています。

    体験談②~高大接続プログラムに参加して~

    次第に科学の世界に触れ、研究のノウハウを学んでみたいと考えるようになりました。

    そこで、大阪大学主催のプログラムに参加してみることにしました。私は、本プログラムの2つのコースにそれぞれ半年間~1年間ずつ所属していました。

    大学主催のプログラムに関する情報は見つけにくいこともありますが、実は様々な大学が中高生対象のプログラムを実施しています。地元の大学や気になっている大学のホームページから探してみると良いでしょう。

    1年目のコースの内容は、講義の聴講や参加者同士のディスカッションレポート作成研究室体験などです。経験者が多い中、当初は議論を聞くだけで精一杯でしたが、徐々に自分から発言できるようになっていきました。

    また、講義の内容や学んだこと、興味を持って自主的に調べたことなどをファイルにまとめていました。体裁を整える必要はありませんが、経験を積みながら学んだことや考えたことなどを蓄積することをオススメします。

    当コースでの経験を経て、異なる分野同士も多くの接点を持っており、1つの問題に対して複数のアプローチが必要だ、ということを身をもって感じました。

    そして、頭の中で思い描いていた研究提案を実践してみたい、という思いから、2年目のコースでは希望の研究室での研究活動を行いました。

    このコースでの経験を通じ、得られた次のようなことは、後の東大を志望する過程で非常に重要な要素となりました。

    • 自分が大学で学びたい分野を再確認できた
    • 「環境微生物学」という興味分野から、さらにやりたい具体的な研究テーマを見つけることができた
    • 研究プロセスにおける普遍的な課題に気付いた

    経験数は他の推薦生と比較すると少ないですが、与えられた環境でできること、学べることを最大限化することを心がけていました。

    推薦生の活動内容の紹介

    以上は私の2つの時期における体験談でしたが、こちらでは、他の推薦生が行っていた活動の内容をご紹介します。括弧内は進学先・進学予定先学部です。

    以下の一覧の中には、高い行動力が必要な活動やハードルの高い活動も含まれていますし、もちろん、学業や今取り組んでいることが最優先です。

    しかし、何らかの行動を起こしてみたいと考えている方は、これを機に興味を持てる活動や自分も取り組めそうと感じた活動を探してみてください。

    • 高校での課題研究、部活での成果を外部発表などで発展(工・農学部)
    • 資格取得へ向け、自主的に勉強(法・経済学部)
    • ホームステイ留学プログラム(農学部)
    • 企画考案を行うプログラム(法学部)
    • イベントスタッフを経験できるプログラム(農学部)
    • 自ら学校に働きかけ、アンケート調査(医学部)
    • 当事者との関わりの場を設け、実態を学ぶ(医学部)
    • 自主的にインタビューを行い、レポートを作成(農学部)
    • 有志団体の運営(工学部)
    • 長期的な観察記録(農学部)

    東大志望前後

    次に、自分の興味や考えに基づき、大学や学部を決定していくまでのプロセスについてです。

    多様な大学へアプローチ

    当時、実家のある大阪から通学可能な大学への進学を考えていました。そのため、関西の大学に絞って、自分の取り組みたい研究テーマと近い研究を行っている大学や、ポリシーが私の考えと一致する学部をピックアップしていきました。

    しかし、ピンと来る大学・学部が見つからなかったので、具体的な要素の一致を求めるのではなく、自分が今後どのようなスタンスで研究に携わりたいか、を軸にするようにしました。そこで、「生物・化学的観点から環境問題の解決に繋がる研究を行う」ことを基準としました。

    再び、実家から通える関西圏の大学について、インターネットの大学・学部・研究室ホームページや大学から取り寄せたパンフレットを読む、という作業を続け、志望先を絞っていきました。
    しかし、思わぬきっかけで東京大学の農学部を志望することになりました。

    東大を、農学部を目指すことに

    あるとき、プログラムでの研究に関するリサーチのため、「大学 応用微生物」というキーワードで検索したところ、検索結果の一番上に表示された研究室が東大農学部所属の研究室でした。

    そして、その研究室のホームページのトップに書かれていた文言が、まさに私が微生物に対して抱いていた魅力と全く一致していたことに衝撃を受けました。また、農学部の学部ポリシーも深く共感できるものだったことを、今でも鮮明に覚えています。

    このことを機に、東大の農学部教育システムについて情報を集め始めました。その中で、私が他の大学について調べていた際に感じていた物足りなさが全て解消されていきました。

    この際、学部カリキュラム研究テーマに基づき、東京大学農学部の応用生命化学・工学専修を進学先の候補としました。

    そして、東京大学が一般公開している授業カタログを使って前期課程の授業で学べることを調べ、手元に届いた専修パンフレットを熟読し、ここで学びたい!という気持ちが強くなりました。

    さらに、パンフレットの推薦入試案内を通じ、入学直後から専門的な学び・経験に触れることができること、入試には高い実績が絶対条件ではないことを知りました。

    後者に対しては半信半疑な上、高校で情報が蓄積されていなかったことや、面接試験が大の苦手だったことから、かなり躊躇していました。しかし、入試要項に載っていた、農学部の求める人材像に自分との共通点を見つけ、自分の活動を何らかの形で活かせるなら挑戦してみよう、という気持ちになりました。

    受験スケジュール

    私は上記のような過程を経て、高校2年生の秋に東大の理科二類を、同年冬に農学部の推薦入試を志望しました。

    そのため、一般入試と推薦入試の対策・準備を両立しなければならず、かなりハードな面もありました。

    こちらの記事では受験生活の詳細は省略しますが、私の受験までのスケジュールを画像にて軽く紹介しますので、推薦入試を検討している方は参考にしてください。

    大学生活

    最後に、現在送っている大学生活についてです。

    高校生の頃にある程度将来像を固めたとはいえ、もっと視野を広げ、多方面からのアプローチ方法を考えた上で、取り組みたいテーマを最終決定していきたい、という思いでした。

    今年度4月に入学してから4か月しか経っておらず、十分に自分のものにしきれていない部分もありますが、私の大学生活は主に以下の3種類に分類されます。

    • 一般生と同様の前期教養課程での学び
    • 農学部のプログラムへの参加
    • 推薦生の制度を用いた専門的な経験

    前期教養課程での学び

    皆さんの中には既に知っている方も多いかもしれませんが、理系の1年生は必修科目がかなり多いです。そして、短い期間で膨大な事項を扱うため、負担に感じることもあると思います。

    私自身、高校生の頃に受けてみたいと考えていた国際関係や法・制度関連の科目は、まだ履修することができていません。

    しかし私は、これまで無縁だった物理系の必修科目と興味分野との新たな接点を見つけました。これらの学問領域を融合させた研究について、論文検索などで深掘りしてみたところ、現在まさに研究が進められているとのことです。

    このことを知り、今では微生物学を突き詰めるだけではなく、この分野との融合も視野に入れて、研究を行うことを考えています。

    農学部主催のプログラム

    私がこの4月から参加しているプログラムは「One Earth Guardians育成プログラム」です。これは、100年後の地球を見据えて、地球上の課題を見出し、考え出した解決策を実践できる人材、「地球医」を育てることを目的としています。

    ここでは主に、社会科学的な知見を得ています。特に、企業研修を通じて技術の実用化の際に意識するべきことなどを学ぶ過程で、私の中で新たな検討事項も生まれました。また、「環境倫理」という、複雑ですが、現在・将来の地球上の課題を分析する際に必要となる見方にも触れました。

    科学的な研究を進めるなかでも、欠いてはならない視点に気付き、今後の授業選択へ活かせると考えています。プログラムでの活動は始まったばかりですが、新たな体験やメンバーとの議論を通じて、自分の考えを深めていきたいです。

    推薦生の制度

    推薦入試で入学すると、複数の特有の制度を利用することができます。学部にもよりますが、農学部の場合は以下のような制度があります。

    • 入学直後の研究室訪問:入学直後に複数の研究室を訪問し、農学部の学び・研究に触れる
    • アドバイザー教員制度:今年度は生徒1人に農学部の教授の方1人が配属され、進路や専門的な学びに関する相談を行うことができる
    • 早期履修制度:農学部専門科目の受講及び、単位認定が可能

    他学部では、学部主催のゼミへの参加や定期的な研究室訪問などが実施されているそうです。

    私は、2つ目のアドバイザー教員制度を利用し、担当教授の研究室で、高校時代の追加研究を行っています。視野を広げると同時に専門性を深めたい、という高校生の時の思いはこのような形で実現しました。

    この制度自体は推薦生向けですが、大学の研究室は誰でも訪問することができますし、研究内容などについてお話を伺ったり、実験をすることも可能です。高校生の時に研究室訪問を行い、先生と直接お話して出願学部を決定した方もいらっしゃいました。

    中高生の今、大学へ直接足を運ぶことは勇気がいると思いますが、入学後、研究室で研究をしている自分を思い浮かべてみると、合格したい!という気持ちも強まるのではないでしょうか。

    おわりに

    最後まで記事を読んでいただき、ありがとうございます。この記事を何か行動を起こしてみようと考えるきっかけにして頂ければ幸いです。

    今回は書くことができませんでしたが、大小様々な決断を下すまで、多くの紆余曲折がありました。今から振り返ると、別の手段・選択肢もあったのではないかと感じる部分もあります。

    また、将来のことを考えるタイミングは大学入学後も沢山あると思います。中高生の今、固まった将来像が変わることもあるでしょう。私も、数年後、別の分野の研究に携わっているかもしれません。

    しかし、自分のやりたいこと・将来像は考えれば考えるほど、目の前の受験勉強や大学入学後の勉強に対するモチベーションも上がりますし、自分の世界がどんどん広がっていくことでしょう。

    皆さんも隙間時間に情報を集めたり、入学後の自分を想像しながら、勉強を頑張って下さい!不安なことがあれば、FairWindでも随時質問を受け付けていますので、多様な方からのアドバイスを得る機会にしていただければと思います。

  • 【東大不合格体験記】現役で合格するための4つのポイント

    【東大不合格体験記】現役で合格するための4つのポイント

    はじめに

    私は地方の高校出身で、東大に合格するために卒業後2年間、予備校で浪人をしていました。

    この記事では、現役のときに不合格となった原因を、勉強面と精神面から分析して、受験において重要だと思ったことをお伝えします。

    これから受験を迎える中で、この失敗談を反面教師にして、勉強法や心の持ちようを考えてほしいです。

    しかし、最適な勉強法やメンタルの保ち方は、個人の性格や置かれている環境で変わってくるので、あくまで一例であるということを念頭に置いて読んでいただければ幸いです。

    勉強面で大切なこと

    勉強面において、私が重要だと思うのは、「問題を有効活用すること」「基礎を徹底すること」です。

    では、これらに関する私の失敗談や、それを踏まえて重要だと思ったことを見ていきましょう。

    問題を有効活用する

    試験本番が近づくにつれて問題を解くのがメインになっていたのですが、その使い方が下手でした。それを踏まえて、問題演習で特に重要だと思うのは、「量だけでなく質も重視する」「時間を意識する」「自己分析をする」の3つです。

    量だけでなく質も重視する

    「過去問をたくさん解けばいい」と考えていませんか?

    当時の私はそのように考えていたので、多く数をこなすことに重きを置いて、一問一問を十分理解しないまま他の問題を解いていました。しかし、解答を見て分かった気になるだけで、復習、解き直しをしていなかったため、結局何も得ていない状態になっていました。

    浪人してからは、そもそも知識が不足していたのか、考え方が身についていなかったのか、それらを問題と関連させることができなかったのかをまず分析しました。そして、それに応じて知識や考え方、それらを実際に問題でどう生かすかを覚えました。さらに、一度解くだけで終わらせず、何回も解き直しを行いこれらを確認しました。

    量をこなすだけでなく、一問一問をしっかり理解することが重要です。

    時間を意識する

    時間を気にせずに問題を解いている、という人は結構いるのではないでしょうか?

    私は、特に理科や数学で、時間無制限で問題を解くことが多くありました。その結果、入試本番で適切な時間配分ができず、出たとこ勝負になりました。

    もちろん、最後まで考え抜くのは良いことなのですが、制限時間があるときに自分はどの程度解けるかを知ることを忘れてはいけません。試験時間は有限なので、限られた時間をどう使うか考えることが入試では不可欠です。

    そのため、過去問を1年分通してやる場合は本番を想定して時間配分を意識し、1問解くときにも集中するために時間に区切りをつけることが重要です。高3の過去問演習を主に行う時期(秋以降)から時間を意識すると良いと思います。

    自己分析をする

    皆さんは何のために問題演習をしていると思いますか?

    問題を解く目的の一つに、自分が何を分かっている/分かっていないのかを知ることがあると思います。

    しかし、現役のときの私は、間違った問題の解答を見るだけで、なぜ解けなかったのか、足りなかったものは何かを考えることをあまりしませんでした。

    問題を解くことは自分の理解度を測る手段であるはずが、問題を解くこと自体が目的になっていました。

    どこまで分かっているのか、解答にはあと何が必要だったのかをメモするようにして、問題から自分の現在地をしっかり分析することが重要です。

    基礎を徹底する

    「教科書を一通り終えたらあとは問題を解きまくるだけ」と思っていませんか?

    当時の私もそう考え、直前期には問題を解くことだけに集中していました。受験が近づくにつれて、問題を解く時間が増え、教科書などで基本事項を確認する時間が大幅に減りました。確認するとしても、問題を解いて間違えたところを少し見るくらいでした。

    問題演習のみに注力するのは、基礎知識が入り切っていない高3ではあまり良くありませんでした。なぜなら、問題演習は基礎知識の理解度を測るものであり、基本ができていないと問題を解く意味があまりないからです。

    では、基礎知識をどのように入れるのか。それは知識を体系化することだと思います。

    そもそも体系化された知識とは、単語や式単独ではなく、物事の一連の流れや関連まで含めた知識です。生物を例にとると、「ミトコンドリアは呼吸を行う」という一つの知識ではなく、呼吸の経路や、葉緑体などの他の細胞小器官との違いといった知識も同時に入れて繋げることで体系化されます。

    知識が体系化されていれば、問われ方が変わったときにも対処できるようになります。ある問題で単発の知識が使えても、問われ方が変わると解けないことがあります。その場合、繋がった知識から情報を引き出すことで対処できます。

    例えば化学で、金属イオンの沈殿に関する問題が出題されますが、沈殿する金属イオンと陰イオンの組み合わせや色を覚えるだけでは解けない問題が多くあります。

    その場合必要になるのは、イオン化傾向やイオンの大きさや溶解度、化学平衡など様々な理論化学の知識です。金属イオンの沈殿に関して、金属イオンの大きさや、化合物の溶解度積などの理論と結びつけて覚えることで、これらの問題に対処できます。

    精神面で大切なこと

    精神面において重要だと思うのは、「現役で決める覚悟を持つこと」「1人で抱え込みすぎないこと」です。では、こちらもそれぞれ見ていきましょう。

    現役で決める覚悟を持つ

    「現役で志望校に合格する」という思いは皆共通だと思いますが、どれくらい強く持っていますか?

    受験生であった私にとって、第一志望だけに集中したい一方で、併願校など落ちた後のことも少しは考えないといけないのが、とても厄介でした。

    私は高3の早い段階で、東大に落ちたら浪人することを決めていました。第1志望に落ちた場合どうするか考えることは重要ですが、追い込まれないと本気にならない私にはマイナスに働きました。

    具体的には、「落ちたら浪人する」が「落ちても浪人できる」という甘えに変わっていました。そのため、「浪人してから本格的に勉強する」という意識が芽生えて、模試や過去問を本番を意識せずなんとなく解いたり、難しい問題を理解するのを諦めたりしていました。

    あくまで、浪人は不合格になった後のオプションであり、落ちる前から浪人することを計画に入れない方が良いというのが私の考えです。

    1人で抱え込みすぎない

    人に頼ったり、聞いたりするのは苦手だ、恥ずかしい、という人はいませんか?

    私はそのような性格のため、少なくとも受験生活では苦労しました。
    私の出身高校は、東大や医学部合格者を毎年のように輩出する進学校ではないため、受験に熱心な同級生や、勉強を一緒にする友達がいませんでした。先生は積極的に私をサポートしようとしてくれましたが、相談をしませんでした。

    その結果、分からないことで長時間悩み、結果として間違った理解のまま放置してしまい、勉強で大きなマイナスとなりました。また、相談したいことがあっても人に言えず、ストレスが溜まり精神を少し病みました。

    親や同級生、先生などの身近な人でも良いし、予備校や塾、ネットで出会った人でも良いので、受験関連の話を相談できる人を見つけると良いでしょう。

    おわりに

    ここまで私の自分の経験から、受験の上で重要なことを紹介してきました。では、最後に私からの4つのアドバイスをまとめます。

    勉強面で重要だと思うのは、「問題をただ解くだけでなく有効活用すること」「基本の徹底を最後までやめないこと」です。
    そして、精神面で重要だと思うのは、「現役で合格する意識を強く持つこと」「人との適度な交流を心がけること」です。

    少しでも私と重なる部分があれば、上で書いたような同じ失敗をしないでほしいです。

    皆さんにはまだまだ時間があるので、今上手くいっていない人、悩んでいる人も、きっと自分なりの勉強法や心の持ちようを見つけることができます! 

    皆さん自身が不合格体験記を書かないために、この不合格体験記が役に立つと幸いです。

  • 【広島から東大へ】地方高校生の遠方受験

    【広島から東大へ】地方高校生の遠方受験

    はじめに 

    実力を十分に発揮するためには、十分な準備が必要になります。そのため、皆さんは、最後まで学力を上げて受験に臨もうとしているのではないでしょうか。

    けれども、受験に大切なのは学力的準備だけとは限りません。持っているだけの学力を発揮できる環境作りも大切な準備の一つ。

    それを分かってはいても勉強で忙しいという皆さん、遠方受験を現浪2回体験して、その道には十分詳しい(つもり)の私の記事を読めば、遠方受験で自分の力を出し切る準備は万端です。

    もちろん遠方受験しない人にも、有益な情報を乗せていたり、浪人の痛みを知っているからこその正直な応援メッセージがあったりするので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!

    受験スケジュールに関するアドバイス

    1、出願校の出し方に関して

    私は、現役時代に全ての大学に落ちてしまったトラウマで不安になり、浪人時代にはとてつもない数の出願を出しています。

    しかし、受験を振り返ってみて、あんなに出す必要はなかったと思います。

    個人的意見ではありますが、東京に限らず、自宅から遠い大学を受験するのであれば、安全校をセンター利用で1、2校、できたら地元の大学を全学部日程か個別試験で1校、そして本命校を2、3校(1校につき1、2学部)で十分だと思います。

    というのも、私はほとんど全ての大学に受かっていたうえに、そうなるであろうことが私の模試の成績からして予測可能だったためです。また、万一不合格になってしまったら、動揺してしまうことも考えられます。

    安全校の合格をもらっておくことも確かに大切ですし、地元受験は受験の雰囲気に慣れるために1回くらいは受ける価値があるのですが、あまりにも出願を出しすぎるのはお金と時間の無駄遣いです。

    どんな入試でも過去問対策は必須なので、極力第一志望に時間を費やすためには、受験校をある程度絞っておくのが賢明です。

    自分の力を過大評価するのも良くありませんが、過小評価も良くないので、模試の成績に照らし合わせた冷静な出願をしてください

    2、移動時や滞在先に関して

    旅行会社の人によると、冬は雪で飛行機が止まりやすいようなので、移動手段は新幹線がおすすめです。交通機関のトラブルに備えて、試験の2日前には現地に入りましょう

    私が宿泊したのは渋谷駅のすぐそばにあるホテルでした。実際に泊まってみて、渋谷駅は色々な大学に近かったので、便利でした。大学の場所によって変わってくるので一概には言えませんが、東大受験に関して言えば、渋谷はおすすめです。

    また、塾の先生曰く、受験期にあまり長く現地にいると、勉強に身が入らず良い結果が出づらいようです。受験スケジュールにもよりますが、もしかすると一人のホテルよりは、周りの人たちが勉強している地元の塾の方が勉強も捗るかもしれません。

    移動にかかるお金のことはあまり考えず、自分にとって最適だと思うスケジュールを立てましょう

    持っていくと良いもの

    すべての受験生に必要なもの

    1、薬

    常備薬は必須です。酸素が頭に行かないと試験に集中できないので、鼻詰まりが気になる人は点鼻薬を持っていくのがおすすめです。

    また、緊張が体調に出やすい人は、下痢止め、痛み止めなどを持っていくと良いでしょう。

    女子は痛み止め、生理用品は持っていきましょう。

    さらに、これはあまり言われることがないと思いますが、どうしても生理が重い人は、ピルで生理を止めることも検討すると良いでしょう。

    私は普段から生理前になると人に当たってしまったり、勉強に身が入らなくなったりすることがありましたが、ピルを飲むと、それほどイライラしなくなりました。

    2、携帯電話

    模試のときに電源を切った状態で受けるなど、使い方を練習しておきましょう。電車の遅延などで本当に困ったときに必要になります。

    遠方受験をする人が持っていくと良いもの

    1、消毒グッズ

    スプレータイプのものとウェットティッシュ、両方用意しておくと便利です。

    途中でなくなることも想定して、2つずつ持って行きましょう。

    2、入浴剤、アイマスク

    受験前は緊張で全身硬直するので持っていった方がいいです。

    3、東京の地図+大学にいく方法がわかる地図+ホテルまで行く道がわかる地図

    後にも書きましたが、デジタル地図に頼っていると道を間違うことがあります。他の方からもそのような話を聞きました。

    4、酔い止め 

    普段は酔わないからといって油断は禁物。心の緊張が体に伝わり、酔ってしまうことも考えられます。

    また、車は大丈夫でも新幹線では酔うことがあるので、酔い止めを持っていくことをおすすめします。

    ただ、私と私の親は酔い止めを飲んだ後爆睡してしまい、降りるべき駅に着く2分前に目を覚ますということがありました。

    あまり眠くならなさそうなもの、そこまで成分が強くないものを用意するのが望ましいでしょう。

    こんなことに気をつけて!

    道に迷う

    慣れない土地であるために、本番で緊張しすぎないように下見は絶対に行きましょう。特に電車に乗るときには、急行と各駅停車を間違うことが多いので、しっかりチェック。

    理系で東大志望の皆さんは、本郷三丁目駅が最寄りで、本郷キャンパスで受験します。ただ、他にもいくつか使える駅があるので、どの駅がいいか考えておきましょう。少々脱線しますが、赤門はとても混雑するので、赤門ではない門から入場するのがおすすめです。

    文系で東大志望の皆さんは、駒場キャンパスで受験しますが、駒場東大前駅には各駅停車の電車しか止まらないということを覚えておいてください。さらに、一つしか門がないので、入場するのに10分から20分ほど待たされます。早めの行動を心がけましょう

    また、ホテルに向かう際にスマホの地図アプリを使いましたが、位置情報が正しく表示されないこともあるので、注意が必要です。地図アプリは参考程度にして、通りすがりの人や警備員の方に頼るのも良いでしょう。

    食べ物について

    まず、これは全ての受験生に言えることですが、刺激物や生ものは控えましょう。試験に勝ちたいからとんかつ食べよう!というのはNGです。

    ここからは地方から東京受験をする皆さんに言えることですが、お金は思い切って使って、いいものを食べた方が良いと思います。衛生面的にもそうですし、ホテルで缶詰になって勉強している身にはとても気分転換になります。

    また、東京は待たないといけないことが多いので、お腹を壊したくない、ちゃんとしたものを食べたいからといって外食はおすすめしません。コンビニで買う、ルームサービスを利用するなど、ホテル内で食べられるものを用意すると良いでしょう。

    個人的にはルームサービスがおすすめです。部屋から一歩も出なくていいし、衛生的だし、何より美味しい。親が東京についてきてくれそうなら、親に買ってきてもらうのもありだと思います。

    親について

    現役時代に親がふたりともついてきてくれたのですが、母1人でよかったかもと思いました。3人だと、各々の行動スケジュールのすり合わせや意思疎通が意外にも負担になりました。浪人時代は母だけについてきてもらいましたが、十分でした。

    心や体の健康について

    地方高校生は受験直前はホテルにこもり切りで勉強するため、心が病みがちになります。

    私の場合は、かなり厳しかった私大受験の前日にスマホを2時間触ってしまいました。そういう時はあまり自分を責めすぎず、必要な時間だったと思って切り替えましょう。

    しかし、そういうことになる前に、散歩したり、運動したり、お昼寝したりして、体を休める方向で休憩しておくのがおすすめです。

    コロナ対策につい

    1、防寒着を準備しよう

    大学は、教室の作りが独特であることが多いので、寒かったり暑かったりします。脱ぎ着しやすい服装を心がけましょう。それでも辛い場合は、我慢せず試験監督の方に申し出てください。

    また、寒い空気は足元に、暑い空気は頭の方に行きやすい傾向があるので、膝掛けを持っていくのがおすすめです。

    ただし、大学によっては申請が必要なこともあるので、受験における注意事項をチェックしておきましょう。

    2、消毒グッズを準備しよう

    新幹線や電車で自分が座る座席やつり革、ホテルの部屋、試験場の机や椅子は絶対消毒しましょう。

    特に試験では、多少体調が悪くても受験しにきている人がいるかもしれません。

    スプレータイプのものとウェットティッシュタイプのもの、両方準備しておくと便利です。

    試験を受ける直前に思い出してほしいこと

    大学によって、試験中に机の上に出しておいて良いものが変わります。

    シャープペンシルの芯を出してはいけない、辞書は出しておいてもいいけれど、付箋は全て外さなければならないなど、大学の個性が出るところです。しっかり受験上の注意を確認して、試験監督の方の話は真面目に聞きましょう。

    また、机やパーテーションに落書きがあると不正行為と見なされるため、休憩が終わる3分前にはチェックを行いましょう。

    私の受験スケジュール

    あまり参考にはならないかもしれませんが、私の受験体験談をお話しします。

    現役時代は、本当に入りたいと思える、東大理科二類と私大2校を受験しました。

    浪人時代は文転をして、物理化学数学から解放されて楽しく勉強できるようになったものの、二浪は避けたいというのが私の考えでした。そのため、共通テスト利用を3校、それぞれ文学部と法学部2学部ずつ(社会学部が存在するところには社会学部も)受験しました。

    また、広島受験を2回、東京受験を東大の文科三類含め3回経験しました。

    私大1校受けた後にホテルを変えて、もう1校の私大を受験し、いったん広島に帰って、最後に東大を受験しに行きました。また、後期受験の出願もしていましたが、東大が終わった後は一気に気が抜けてしまい受験しに行くことができませんでした。   

    実際におきたアクシデント

    受験の前日の夜に大きめの地震

    東京では、他の地域に比べ、地震がよく起こります。

    特に地方高校生の皆さんは、地震に対する耐性がないため動揺してしまうかもしれません。地震はいつか絶対に起こる、くらいの気持ちでいくことをおすすめします。

    また、ホテルに着いたら、避難経路と、部屋の中ではどこが安全そうか確認しておきましょう。

    電車が止まった

    私は時間に余裕をもって試験会場に向かったので問題なく試験会場に着いていましたが、試験開始が1時間半延びました。

    電車の遅延の他に、試験会場に入るまでに長蛇の列でとても時間がかかることがあるので、着席時間の1時間前には会場につけるようにしておきましょう。

    また、当日使う予定の道や交通機関が確実に使えるものであることを確認し、交通機関が止まった時の代替の交通手段なども考えておきましょう。

    さらに、出る前に交通機関の運行情報をチェックすること、そして試験開始時刻が延びるのに備えて問題集、参考書をたくさん持っていくことをおすすめします。大学から情報を受け取れることもあるので、携帯電話も持っていきましょう。

    電車が遅れていたため親と待ち合わせできなかった

    1校目の受験が終わったあとで親と待ち合わせてホテルを移動する予定だったのに、荒天で電車が遅れ、親と待ち合わせできず、移動先のホテルに自分で移動することになりました。

    試験会場やホテルなど、行かなくてはいけない場所に関しては、親に頼りすぎず自分で行き方を確認しておくことが大切です。

    トイレが待たされる

    普段はトイレに行きたくない人でも、緊張するとトイレに行きたくなります。

    試験場に早めに着いておいて、余裕を持ってトイレに行くようにしましょう。試験中にトイレに行きたくなった場合、あまり我慢せず、試験監督の方に申し出て行くようにしてください。

    また、私が受けた私大では、1フロアに女子トイレが1個しかない棟もありました。色々なトイレを探してみたものの30分は待たされたので、勉強道具を携行して並ぶと良いでしょう。

    個室内に問題集をおくところがないこともあるので、ポケットサイズの問題集や、ルーズリーフに書いて持っていくのがおすすめです。

    さらに、時々洗面所で口をゆすいだり歯磨きしたりする人がいます。感染対策の面からも、トイレのものには極力触らない、レバーはトイレットペーパーを使って触る、トイレから出たら除菌スプレーを使う、など工夫した方がいいです。

    最後に

    私が浪人時代に東大を受けた際に、ある大手進学塾が、

    合格するのは、いつものキミだ。あせらず、気負わず。

    という広告を出していました。本当に勇気づけられました。

    一方で、自分でも気づかないうちに、いつもの自分ではない強靭な自分がいることも確かだと考えています。学力面においても、精神面においてもです。

    私自身、得意の数学でやらかしダメだと思い大泣きしましたが、英語まで気力で受けて帰った結果、文転の影響で壊滅的だった日本史でなぜか挽回し、合格しました。

    受験は最後まで何が起こる分からない

    落ちたと思っていたけれど受かっていた、という話は意外とよく聞きます。

    失敗した、と思った時、普段から感じている自分の不甲斐なさに押しつぶされそうになるかもしれません。ですが、100%頑張れた人なんてほんの一握りです。

    弱い自分、しかし最後まで諦めなかった自分を見失わず、志望校に対する思いの丈を解答用紙にぶつけてきてください。

    陰ながら応援しています。

  • 【勉強も、それ以外も!】理想の高校生活を求めて【合格体験記】

    【勉強も、それ以外も!】理想の高校生活を求めて【合格体験記】

    東大生はみんな受験時代勉強漬けだったのでしょうか?

    結論から言うと、そんなことはありません。一生に一度の高校生活です。しっかりと満喫していきましょう!
    この記事では、勉強と他の活動を両立させながら現役合格を果たした先輩の体験をご紹介します。


    はじめに

    「東大に合格するためには、勉強ばかりの生活を送らないといけない」
    このようなイメージを持っている方は、みなさんの中にも多いのではないでしょうか?

    私は、勉強を常に取り入れつつも、「勉強ばかりではない高校生活」を送ってきました。
    というのも、自分のやりたいことを諦めたくなかった私にとって、それが理想的な高校生活だったからです。

    この記事では、結果的に東大に合格できた私が、実際にどのような高校生活を送っていたかを紹介します。

    もちろん、東大合格の一番の近道が勉強なのは大前提であり、私の高校生活は模範的とはいえないかもしれませんが、「こんな過ごし方もできるんだな」くらいの気持ちで読んでいただければと思います。

    (今回の記事では、具体的な勉強法にはあまり触れていません。東大生の勉強法が気になる方は、各教科の勉強法の記事をご覧ください。)


    1年生

    がむしゃらに勉強していた入学当初

    地方の公立中学から県内トップレベルの高校に進学した私は、入学当初は同級生との実力の差を感じ、不安しかありませんでした。
    中学時代の成績は上位だったので、入学直後のテストで校内順位が100位以下だったときは、周りのレベルの高さも分かっていたつもりでしたが、やはりショックを受けました。

    そんな中、地元中学とは比べ物にならない量の課題が出され、予習も必須となり、必死に勉強する日々が続きました。
    「ちゃんとやらなきゃ」という気持ちが、自分を体力的にも精神的にも追い込んでいました。学校があれほど嫌になったのは1年生のこの時期くらいです。

    しかし、同級生とよく話すようになると、悩んでいるのが自分だけではないことに気づき、少しずつ気持ちが楽になっていきました。

    「勉強以外もやっていい」ことへの気づき

    入学してしばらく経った頃、私は小学4年生から始めた卓球を高校でも続けるために、卓球部への所属を決めました。

    週6回の活動によって勉強が疎かになるのではという不安もありましたが、卓球を続けたい気持ちは、それ以上に強いものでした。
    また、勉強以外のことに熱中できる部活動の時間は、自分にとっての気分転換にもなっていたように思います。

    入部後は、勉強にかける時間を確保するために、時間の使い方への意識が高まりました。

    たとえば、片道1時間かかる通学時間は、電車で単語帳を開いたり、一緒に登校する友達と世界史の問題を出し合ったりして勉強時間に変えました。授業間の休み時間もほぼ勉強にあてました。

    こうした勉強時間の生み出し方を学んでから、勉強以外のことも十分やれるのだと気づきました。やりたいことが多い自分には、勉強をやりつつ他のことも楽しむというスタイルが合っていたのだと思います。

    部活動や行事など、勉強以外の活動を通して友人も増え、高校生活が楽しめるようになっていきました。


    2年生

    学習習慣の確立

    2年生になり高校生活に慣れてくると、自分の生活リズムに合わせた学習習慣が確立し、1年生の時よりも効率的に学習できるようになりました。

    具体的には、私は夜が苦手だったので学習塾には通わず、早起きをして課題や予習に取り組むようにしました。
    そのため、起床後は5時半まで、朝食後は6時半まで、登校後は8時半までというように、朝の勉強時間は固定化され、習慣的に勉強をするようになりました。

    また、学習計画は細かく立てたいタイプだったので、テキストを1日何ページ進めれば期限通りに課題が終わるか計算し、部活などの忙しさも考慮しながら、その日のノルマを定めていました。
    そのおかげで、自分の学習の進み具合を把握しやすく、ある程度自己管理ができていたように思います。

    東大に憧れをもった夏

    私が東大を目指すようになったきっかけは、2年生の夏に行われた大学探訪です。

    東京を訪れ、東大在学中の母校OB・OGの方々とお話をし、「東大生」に漠然とした憧れを持つようになりました

    数学や物理が苦手だった私は、文系を選択したことで成績が少しずつ上がり始めてはいましたが、当時はまだ東大を目指せるほどの実力も自信もありませんでした。

    ただ、目標は高いほうがいいかなと思い、この頃から模試の第一志望欄に東京大学と書くようになりました。

    部活動を通して気づいた精神面の弱さ

    他方、部活動では、後輩が入部して練習がますます楽しくなり、先輩方が引退して女子部のキャプテンになったので、試合で勝ちたい気持ちも強くなっていました。

    そんな矢先、秋の大会でふと「失敗しそう」と思った直後、うまくボールが打てなくなってしまいました
    しかも1回だけではなく、その後の練習でも同じ調子でした。

    急に下手になるとは考えにくいので、きっと精神的な問題だったのでしょう。
    実力を発揮できないつらさ、キャプテンの重圧、今後の不安などが重なって、気持ちの整理をつけることはかなり難しかったです。

    思わぬ形で精神面の弱さに気づくこととなりましたが、周りの人に励まされながらその弱さに向き合い、元通りではないもののある程度改善することはできました。

    色々と試した上で効果があったように感じたのは、自分にとっての「お守り」を身につけることでした。

    大会では、友人からの応援の手紙や、自分を鼓舞する言葉を書いたメモをポケットに入れて、「大丈夫、大丈夫」と唱えることにしたのです。
    不思議なもので、それだけでも気持ちを少しは落ち着けられるようになりました。

    今でも、「あの出来事がなければもっと楽しめたのに」と思うこともありますが、プレッシャーがより大きいであろう入試を迎える前に精神面の弱さに向き合えたことは、自分にとって大きかったと思います。


    3年生

    高校生活最後の行事を全力で楽しむ

    学年が上がり、ついに受験生となりましたが、一生に一度の高校生活を友人たちと一緒に楽しみたかった私は、高校生活最後の行事へ積極的に関わることに決めます。

    特に、最も大きな学校行事である9月の体育大会では、応援関係のリーダーとして夏休み前から準備を重ねました。

    受験生の夏休みに勉強以外のことに熱中するのはリスクを伴う選択であり、実際に活動期間中は勉強が身に入らないことも多くて焦りや不安もありましたが、高校生の間にしかできないような貴重な経験ができました。

    また、行事を通してますます友人たちとの距離が縮まり、どんなに疲れていても友人と話すだけで元気をもらっていました。

    勉強の遅れを感じつつ受験モードに突入

    全ての行事を終えたのは10月末で、そこから一気に受験モードへと切り替えました

    勉強以外にもエネルギーを注いだ分、周りの受験生から遅れをとっていたことは事実なので、巻き返しのために時間を見つけてはとにかく勉強をしていました

    各教科の課題を克服すべく、教科担当の先生方に添削をお願いし、自分の苦手分野と正面から向き合いました。

    しかし、特に苦手意識の強かった数学が足を引っ張り、模試でもB以上の判定はほとんど取れず、過去問を解いてもなかなか目標点に届かなかったので、入試が近づくにつれて不安が増していきました。

    受験期の心の支え

    不安に苛まれていた受験期は、周りの人からの支えのありがたみを強く感じていた時期でもあります。

    担任の先生は、たとえ模試の判定が悪くても、どこを改善したら良いか指摘した上で、大丈夫という言葉をかけてくれました。

    地元の大学に進学してほしそうだった家族も、努力を認め、「あんたは運のいい子だから」と言い続けて応援してくれました。

    友人も、私が不安な気持ちを口にしたら励ましてくれる人たちばかりでした。

    そうした励ましが私にとっての救いになり、東大への受験を決めたのは自分なのだから頑張ろうという気持ちを強くさせてくれました。

    入試当日から合格発表まで

    ついに迎えた東大入試当日は、緊張と不安でいっぱいでしたが、お守りたちをリュックに入れ、頑張ってきた自分を信じるしかないと思いながら会場に向かいました。

    試験開始直前に見返す用のノートには、自分が間違えやすいところを厳選して書いただけではなく、緊張することを見越して自分を励ます言葉も最初のページに添えていました。

    直前に最初のページを見返して、いつものごとく「大丈夫、大丈夫」と唱えていたのを今も覚えています。

    自分を信じて挑んだ1日目でしたが、最も心配していた数学で思うように問題が解けず、2日目が残っているのにホテルで一人落ち込んでいました。

    なんとか立て直して2日目を乗り切りましたが、合格点に届いているとは思えず、合格発表が怖くて仕方ありませんでした。

    だからこそ、合格者の中に自分の受験番号があったときは、喜びと驚きと安堵が入り混じって涙が止まりませんでした。自分の努力を心から認めることができたのも、このときでした。


    おわりに

    以上が私の送った「勉強ばかりではない高校生活」です。いかがだったでしょうか?

    勉強以外にもエネルギーを注いだ分、受験の面で周りよりも出遅れたことは否めませんし、勉強に集中していれば入試にも自信を持って挑めたのかもしれません。

    しかし、高校時代に妥協せずやりたいことに取り組んだのは、自分にとって正解だったと思っています。

    なぜなら、それが理想の高校生活だったから、そして、部活動や行事を通して、精神面の弱さへの向き合い方を学び、お互いに励まし合える友人関係を築けたように、やりたいことを追い求めた結果得られたものも多くあったからです。

    もちろん、全てを追い求めるのは現実的には難しく、多少の取捨選択も必要ではありますが、できないと思いこんで、やりたいことを諦めてしまうのは勿体無いのではないかと私は思います。

    多少のリスクが伴うことを理解し、それなりの覚悟をもった上で、やりたいことを追求してみても良いのではないでしょうか。

    この記事を最後まで読んでくださったみなさんには、自分は何をやりたくて、どんな高校生活を送りたいのか、ぜひ一度立ち止まって考えてみてほしいです。

    みなさんが、自分にとって「これが正解だ」と思えるような高校生活を送れることを祈っています。

  • 【逆境を味方に】地方から効率アップで東大へ【合格体験記】

    【逆境を味方に】地方から効率アップで東大へ【合格体験記】

    ↑ 高校3年生のときの教室


    はじめに

    東大生のうち、首都圏出身者は約6割。初めて見る人にとっては衝撃の数字ではないでしょうか。

    しかし、都会に住んでいなければ東大合格は難しいか、有名な塾に通わなければいけないかというと、必ずしもそうではありません。

    この記事では、東大とは無縁の田舎から文科二類に合格した私の経験と工夫をお伝えします。


    ど田舎から東大へ

    私の出身は、佐賀平野の端のとある町です。家の周りには田畑が広がり、3km先にある2階建ての中学校を望むことができました。

    大学進学が決して当たり前ではない地域で、東大をはじめとする最難関大はテレビの中の遠い存在でした。中学では部活動中心の日々が続き、最後の夏の大会が終わるまで、受験に向けた勉強はほとんどしていませんでした。

    そんなど田舎で育った私が東大を意識し始めたのは、高校1年の夏でした。

    県内ではトップといわれる公立高校に進むことができ、同級生のレベルの高さを思い知らされていた時期です。
    将来の目標どころか、文系と理系のどちらに進むかすら決め切れていなかった中、当時の学年主任の先生から呼び出され、こんな風に声をかけられます。

    「入ったあとに学部を選べる大学もあるよ」

    「ちなみに東大っていうんだけど」

    今思えば妙な誘い文句です。

    まさか自分が東大を目指すことになるとは思っていなかったので、その場では苦笑いと曖昧な返事でごまかしました。
    それ以降、どこかこそばゆく感じながらも、模試などの志望欄に「東大」と書いてみるようになりました。


    電車通学生の勉強法

    高校時代は電車通学で、家から学校まで片道1時間ほどかかっていました。

    電車といっても、都会のように便利なものではありません。自宅の最寄駅に停まるのは1時間に1本、昼間にいたっては2時間に1本しかないというひどい有様でした。1分の寝坊が命取りです。その気にならずとも、時刻表はすべて頭に入ります。

    北部九州の進学校には、いまだに朝補習(0限)の文化が残っているところがあります。私の母校もその例に漏れず、7時50分から一日の授業が始まっていました。

    その時間に間に合うために朝は6時起き、放課後はバドミントン部の活動後、21時ごろに帰宅する生活が続きます。平日は疲れてしまって十分な勉強時間を確保できず、授業の課題をこなすのがやっとでした。

    中には3年間だけ高校の近くに引っ越す友人もいましたが、そんなことはできません。
    環境を変えられないのならば、自分が変わるしかない。逆境も逆手にとってしまえばこっちのものです。少ない勉強時間で確実に力を伸ばしていくため、自然と効率を重視するようになりました。

    具体的な方法は次の2つです。
    1. 授業で9割理解する
    2. 電車の時間でコツコツ暗記


    1. 授業で9割理解する

    学校で授業を受けている時間は、毎日7時間ほど。これより家庭学習の時間のほうが長いという人はほとんどいないでしょう。

    ならば、授業をおざなりにする手はありません。特に私の場合、塾や通信教育は利用していなかったので、学校の授業がすべてでした。授業の内容はその場で理解してしまうことを目標にして、疑問点はその日のうちに解消するよう徹底していました。

    一度理解してしまえば、あとは定期試験や模試の前に苦手な部分を確認するだけで十分です。まとめて復習するのと比べると、効率は格段に上がります。

    ここでのポイントは、覚えるのではなく「理解」することです。

    授業中、板書を写しながら、常に「なぜ」を意識するようにしていました。

    文系であれば、社会科目が一番わかりやすいかもしれません。

    たとえば、なぜオーストラリアで白人至上主義が形成されたのか。なぜ東京に人口が集中するのか。授業中に先生が話してくれるのは、事実や答えの背景にある「なぜ」の部分です。教科の枠を超え、地学や生物の知識ともつながって本当に楽しかったのを覚えています。

    数学などでも同様です。

    ベクトルの使い方を知るだけではなく、なぜその問題でベクトルが役立つのかを考える。穴埋め式の試験でしか使えないような小手先の技を覚える前に、なぜその方法が成り立つのかを確かめる。正解にたどり着くまでの思考を言語化することで応用の幅が広がり、記憶にも残りやすくなります。

    このように「なぜ」を理解していたからこそ、東大の入試問題にも楽しく取り組めたのではないかと思います。


    2. 電車の時間でコツコツ暗記

    理解重視で勉強してきた私ですが、中学時代からずっと苦しんでいたことがありました。

    暗記です。

    様々な知識がつながっていくのが楽しかった反面、何の関連もない事柄をひたすら覚えるのは大の苦手だったのです。

    電車に揺られる時間は片道30分ほど。最初のうちは、移動時間くらいゆっくりしたいと割り切っていました。

    しかし、高2になって「覚えていないから解けない」という問題が増えてきてからは、さすがに悔しさと危機感を抱きはじめました。

    まずは英単語帳からはじめ、その日の気分に応じて4択式の英文法の問題集や古文単語帳を開くようになりました。時にはスマホを使ってCDの音声を聞いたり、気になるところをその場で調べたりしながら取り組むこともありました。

    言語ですから、すべてに明確な由来があるわけではありませんが、たとえば「pull up」で「駐車する」という意味になるのは、手綱を引いて馬を止める動作の名残です。これを知るだけで絶対に忘れなくなります。

    何度も毎日繰り返していくうちに習慣化し、受験期には社会や理科の暗記も電車の中で済ませるようになりました。

    結局、机の前に座って「今から暗記をやるぞ!」という時間を作ったことはほとんどなかったのですが、むしろ電車の中でちょっと確認するくらいのほうが気軽で良かったのかもしれません。

    1日1時間でも、2年間続ければ約700時間。我ながら置かれた環境をうまく利用できたと思っています。


    支えてくれたもの

    質を高めることで相対的な勉強量の不足をカバーして、高3の秋までにはなんとか東大を狙えるレベルに到達することができました。

    周囲からはこのままいけば大丈夫だろうと言われるようになり、私自身もそう信じて突き進んでいました。

    しかし、二次試験の直前、それも東京に向けて出発する前日になって、それまでに感じたことのなかった強い不安に襲われます。これまでに積み重ねてきたことよりもやり損ねたことに目が行き、培ってきたはずの自信を完全に失ってしまいました。

    この1年間、自分がやりたかったことを犠牲にし、負担になりそうな人間関係を多少切り捨ててまで勉強を最優先にしてきたのに、それがすべて無駄になってしまうのではないか。その怖さは今でも鮮明に覚えています。

    ついには、私が東大を目指すきっかけを作ってくれた学年主任の先生の前で涙をこぼしてしまいました。

    そんなとき私を支えてくれたのは、他でもなく、それまで切磋琢磨してきた友達でした。「本当はめっちゃ怖い」「さすがにしんどい」と弱音を吐くことができたのは、それが初めてだったと思います。

    きっと大丈夫と言われていただけに、勝手にいろいろなことを背負ってしまっていたのでしょう。受験会場に到着してからも、その友達の顔を思い浮かべると心を落ち着けることができたような気がします。自分のことで精一杯だったはずなのに私に寄り添ってくれた友達には、今も心から感謝しています。

    高校時代を振り返ってみても、一番楽しかったのは、放課後の教室で友達と一緒にわからん、わからん、と言いながらなんとか目の前の問題を理解しようとしていた時間でした。1人で考えたこと、1人で覚えたことよりも、友達と一緒にやったことのほうが何倍も記憶に残りやすかったと思います。

    もちろん、同級生だけでなく、応援してくれた家族や地元の友達、最後の最後まで向き合ってくれた先生、本当に多くの人に支えられていたからこその合格でした。

    受験前に作成していた「合格したら報告する人」のリストは、200人をゆうに超えていました。


    おわりに 〜始まらないキャンパスライフ〜

    学年主任の先生の前で涙を流したのは全部で2回。1回目は受験直前、2回目は合格発表の日。嬉しさと安堵と感謝がぐちゃぐちゃに入り混じった涙でした。

    しかし、喜べたのも束の間。上京後の私を待っていたのは、思い描いていたものとは全く違う生活でした。

    コロナ禍で入学式は中止。
    キャンパスに行くこともできず、数少ない友人との交流はすべて画面上。

    せっかく興味深い講義を聞いても、それについて語り合える相手がいない。それどころか、毎日出される大量の課題に追われるばかり。高校時代は思考すること、議論することがあんなにも楽しかったはずなのに。

    このままでは、これまで自分を支えてくれた人に顔向けできない。そんな思いも脳裏をよぎります。と同時に、そうした支えが受験期の自分にとっていかに大きなものだったたか痛感しています。

    自らの選んだ道が間違っていなかったと自信を持って言えるのは、もう少し先のことになりそうです。

    努力の結果が思い通りの形になるかは、誰にもわかりません。
    それでも、一つの目標に向かって頑張ってきたという自信が、きっとあなたの糧となるはずです。

    みなさんの高校生活が悔いのないものになることを願っています。

    最後までお読みいただきありがとうございました。

  • 【E判定から現役合格】東大逆転合格体験記

    【E判定から現役合格】東大逆転合格体験記

    ↑ 実際の高校3年生の時の東大模試結果

    みなさんは、模試でどれくらいの判定が出ていれば志望大学に合格できると思いますか?

    毎日必死に勉強している受験生にとって、模試の判定は最も気になるものの一つです。「気にしすぎる必要はない」と言われても、「E判定」なんて書かれていたら絶望してしまうかもしれません。

    今回は、そんな「E判定」から東京大学に現役合格した先輩の体験をお送りします。


    はじめに

    東大模試はほとんどD、E判定。一番良かったC判定も1回きり。本番1ヶ月前の東大模試もE判定

    そんな僕が現役で東大に逆転合格した体験を話そうと思います。ただし、あくまで僕の個人的な体験なので、こんな先輩もいるんだ〜くらいに思いながら読んでください。


    東大とは無縁の中学生まで

    中学生までは楽しく昆虫採取したり、陸上したり、遊んだりしていました。東大なんて名前は知っているくらいで、どれくらい難しいかすら分かりませんでした。受験というのも高校入試が初めてで、とても緊張したのを覚えています。

    最初に大学入試について知ったのは、中学卒業後の春休み。中学のときに通っていた塾の先生から「今から九大に入ろうと思ったら、相当な努力が必要になる。この問題を見ろ」と言われて見せられたのは、脳科学について難しそうに書かれた日本語の文章でした。

    「難しいだろ? これを3年後に解かなければならない。しかも、これは英語の問題だ。本当なら、この文章が英語で書かれている。普通に3年間過ごしてこれができるようになると思うか?」とめちゃめちゃに脅されました。

    九大でこれなら、東大なんて目指せるはずもない。そう感じましたね。

    大学入試や東大についてこんな印象を抱き、地元の県立高校に進学することになります。


    東大を目指し始めた高校1、2年生

    もともと勉強は得意だと思っていたし、そこそこ好きでした。1桁は無理だったものの、入学後すぐのテストでもそこそこの順位を取ることができ、とても嬉しかったのを覚えています。

    自分よりも勉強ができる存在も多くいることを知って「怖いな」と思う一方で、そんな人たちと一緒に勉強できることにワクワクする自分もいました。

    そして、1年生の7月の進研模試を迎えます。そこでも思ったよりも良い点数、順位をとり、「え?ワンチャン東大いけるんじゃね?」と思うようになりました。
    そしてなんとなく「無理そうやなって思ったら下げればいいや〜」と思って、これから東大志望と書くことになります。

    このときはまだ、本当に東大を受験して、ましてや合格することになるとは全く思っていませんでした

    陸上部や生徒会などもしていましたが、その勢いのまま定期テストでもそこそこの成績を取り、模試の成績も悪くありませんでした。たまにですが、東大A判定も取っていました。そんな高校1、2年生でした。


    模試の判定に苦しんだ高校3年生

    しかし! 高3になってからその状況は一変します。問題が解けないのです。センター模試や学校の定期テストはまだ太刀打ちできていました。

    が、東大模試は全く歯が立ちません。部活動や生徒会も引退し、勉強に一生懸命打ち込んだのですが、うまく成績が伸びないのです。

    点数も440点満点中150点~170点くらいをうろうろし、判定も10月に駿台の東大模試でC判定を1回とった以外は全てD、E判定、2次試験1ヶ月前の東大模試でも172点のE判定でした。


    僕が合格できた2つの理由

    そんな中で、どうして僕は二次試験本番で229/440点を取り、合格できたのでしょうか。自分なりに分析し、理由を2つ考えてみました。


    1. 最後まで自分を信じ続けた

    なぜかは分かりませんが、試験本番まで自分が落ちるとは全く思っていませんでした。試験が終わったあと「なんで受けたんだろう?」とは思いましたが、これで落ちても悔いはない! と思えるほどがんばれたので、後悔はしませんでした。途中で東大を諦めて阪大や九大を受けることもできましたが、東大を受験しました。

    当たり前ですが、東大を受験しなければ東大に合格することはありません。最後まで自分を信じて頑張り続けたこと、それが合格に結びついたのではないでしょうか。


    2. アウトプットし続けた

    高校3年生の12月に入ったあたりから、ほとんどの勉強時間をアウトプットに充てるようにしました。具体的には過去問です。

    僕は、毎回試験時間と同じ時間で問題を一度解き、その時間で解けたところまで印をつけて残りをそのまま答えを見ずにじっくりと解くというのを実践していました。

    自分が満足できるまで解いたら、そこで初めて答え合わせ、解説確認です。数学や物理・化学の問題を1年分解くのに4、5時間もかけていましたが、そこまでしてから解説を読むと、なぜ自分が間違ってしまったのか、解けなかったかの原因がわかります。

    時間が足りなかったのか、発想が足りなかったのか、計算ミスをしたのか、勘違いをしていたのか。それを踏まえてどうすれば次解けるかを考えます。
    その発想を思いつくにはどういう思考回路を辿るのか、自分が計算ミスをしやすいところはどこでどうすればミスを防げるか、などなど。

    結局大事なことは、自分がどこまで理解していて、実際にできて、これからどうすればいいかを明確にすることです。

    これをすることによって、じっくり自分で考える癖がつき、本番でも自分の力を最大限に引き出すことができました。

    また、模試では、数学や理科の途中式に点数が与えられないこともありますが、実際に受験してみて、本番では部分点も期待できると感じました。日頃から記述解答形式に慣れておくといいと思います。


    実際に東大に入って

    一言で言うと、本当に諦めなくてよかったです。

    周りはレベルの高い友達、先輩ばかりで毎日刺激を受けています。そして、FairWindに入り、自分と同じような境遇のみなさんに少しでも協力できることがとても嬉しいです。

    「地方高校生に、追い風を」という理念の通り、この記事が皆さんの追い風となれば幸いです。

  • 【地方から東大へ】努力で掴み取った東大合格【体験記】

    【地方から東大へ】努力で掴み取った東大合格【体験記】

    ↑ 高校時代に使っていたノート

    東大合格のために「親を超えた」と言われたほど努力を重ねたSさん。英語を好きになるために英語ディベート部へ? 鹿児島県の公立高校から理科二類に合格したSさんのお話です。


    はじめに

    親元を離れての東大入試を終えて、帰宅した私に、父がかけてくれた言葉は、
    「お父さんは、今までのあなたの全ての努力を尊敬する。もう完全に親を超えたね。」
    でした。苦労が多いながら自分の手で人生を切り拓いてきた父のことを、私はとても尊敬していましたから、そんな父からのこの言葉はあまりに嬉しいものでした。

    中学生の頃から東大入学を夢見ていた私が、高校3年間をどのように過ごし合格を掴んだのか、父にそうまで言われるほどの努力とはどんなものなのか、これから少しお話ししようと思います。


    受験勉強開始の1年生

    受験勉強のスタートは高校入学と同時に始まります。
    というのは嘘で、実は高校「合格」と同時に始まります。

    「この高校に入学するのは東大に入るため」と考えていた私は、高校の合格発表の次の日には、地元の高校生向け塾で自習室の利用を始めました。規模は小さいながらも難関大の過去問などを扱うコースに入り、大学合格への布石としました。

    塾での学習はあくまで補助的なものでしたので、これ以降はあまり記述しませんが、受験期での過去問演習の添削などをお願いしたり、自習室を積極的に利用したりしていました。

    こういうわけで、私の受験勉強の全てを語るには入学直後から受験直前まで全てを語る必要がありますので、ここからは私の高校3年間の勉強の様子を順にお話ししていこうと思います。


    英語が苦手なら、英語漬けにしたらいいじゃない?

    入学してまず、中学時代足を引っ張りがちだった英語の克服方法を考えました。

    私は、半ば強引な方法でこれを成功させました。

    それは、「英語ディベート部に入る」ということです。

    英語に苦手意識こそあったものの、部活として友達を作りながら英語を話すのは楽しいかもしれないと思い、思い切って入部しました。

    結局これは功を奏しました。部活中に英語を話すから語彙が身につくというのはもちろん、英語が得意な友達に負けじと英語の勉強に取り組めました。また、たくさん話しているうちに、英語そのものも好きになれました。

    好きになってしまえば学習は苦になりませんから、この後述べるような英語の勉強も楽しみつつ行うことができました。


    春夏、基礎固めに全力

    1年生の前半は、国英数の基礎固めに取り組みました。

    国語では、現代文の精読を行い、文章に対して自分で問いを作るなどの工夫をしていました。

    英語については、部活でスピーキングを鍛えつつ、英検準1級取得を目標に単語の暗記をしていました。また、毎日1題は長文読解を行うことを継続しました。

    数学については、学校の授業は十分についていけたので、週に一度、自力で既習範囲の難問演習に取り組んでいました。


    秋冬、崩れだす学習リズム

    秋頃から課題研究活動に取り組み始めました。テーマを決めて社会実験などを行い、論文を書いたり英語で研究内容を発表したりする活動です。

    ここで論理的な思考力を身につけられたことは今の大学生活でも役立っていますし、大人数の前で英語のスピーチをすることも英語力の増強には大変有用でした。

    ただ、それらの準備に追われ、徐々に授業の予習復習が手薄になっていきます。
    授業進度のスピードアップに伴い、数学や物理の成績が低迷する状況を迎えたまま、私は2年生を迎えました……。


    立て直しを図る2年生

    1年生までで国英の基礎固めをほとんど完成させた一方で、理系科目の成績が低迷し始めた私。2年生になり学校から与えられる課題が増える中で、どうにか成績の立て直しにかかります。

    2年生の学習の様子を、教科ごとに振り返ろうと思います。


    基礎中の基礎すら分からない物理

    1年生当初は得意科目だったはずの物理は、気づいたら完全に分からなくなってしまっていました。慌てて『物理のエッセンス』という基礎的な参考書を買い求め、これと教科書をもとに元に基礎の復習を始めました。

    毎授業の後に教科書を読み直し、教科書や「物理のエッセンス」の該当ページの問題で演習。分からないところは次の授業で先生に質問。

    これを繰り返しているうちに、なんとか物理は最悪の状況を回避、2年生の冬にはようやく応用問題にも取り組めるくらいには成績も回復しました。この辺りからは『名問の森』を使いながら、繰り返し難問の演習にも取り組むようになりました。


    発破をかけられながら取り組む数学

    得意なはずだったのにいつの間にか成績が悪くなっていたのは、数学も同じでした。とても目をかけていただいていた担当の先生に
    「最近どうした、試験中焦ってるのか? らしくないぞ」
    と声をかけられるほど。慌てて先生に泣きつき、試験のたびに発破をかけられながら、基礎の定着に勤しむことになりました。

    具体的には、毎週の宿題として課される演習問題だけでなく、課されていない残りの問題も解くということを1年間継続しました。人より少しだけ多く演習を重ねることで、理解に時間のかかる私でも、単元の内容を着実に復習することができたのだと思います。

    地道な努力の積み重ねで、数Ⅲが始まる冬には、数学もどうにか成績が安定するようになりました。そこからは数Ⅲをとにかく定着させるべく、基礎的な授業の復習に時間を割く咲くようになりました。


    ほとんど完成に近づいていった国語と英語

    1年生までで得意科目として確立した国語と英語については、2年生で概ね学習を完成させることができました。

    夏に東大の過去問を初めて解き、国語は古文単語や句法の暗記、英語は読解スピードと要約力が必要だと把握しました。その分析をもとに、英語長文読解に加えてその長文を要約することも日課に。要約したものを先生に添削してもらうことで精度を高めようとしました。また、英文を読むスピードに意識を向け始め、徐々に精読から速読へとシフトさせました。

    国英が2年生の終わりには「あとは単語をできるだけ詰めるのみ!」となったため、3年生からは、追い込みの効く理科に、それまで使っていた時間を費やせるようになりました。後から振り返って、理系科目の苦手な私にとって、これは功を奏した学習プランだったなと考えています。


    追い込みをかけた3年生

    あとは理系科目をぐんぐん進めるぞ!という状況で3年生を迎えました。そしてここから学習も本格化します。


    生活リズムを強制的に朝型に

    3年生からは、朝補習という7時25分からの理科の授業が始まりました。これに伴い、私は強制的に生活を朝型にすることとなりました。

    朝は5時起き。高校までは父に車で送ってもらい、車内では東大英語のリスニング。6時に学校に着いたら自習室で1時間半ほど勉強し、そのまま授業を受ける。夕方は放課後すぐに自習室に向かい、21時20分まで勉強する。帰宅し入浴を済ませると、髪を乾かしながら壁に貼った化学の暗記事項を覚える。覚えたら紙をくしゃくしゃに丸めて捨て、また新しい暗記シートを作成、明日の夜に備えて壁に貼る。そうして23時に就寝。

    この生活を1年間毎日続けました。もともと朝は苦手だったので最初は慣れずに苦労しましたが、一度慣れてしまうと、眠い夜の時間にペンを持って勉強する必要がないことは有利に働きました。


    そしてここで付記しておきますが、私が1年間この生活を続けたということは、1年間母は5時半には弁当を作り上げ、父は5時半に車を出してくれたということです。両親にはとても無理をさせてしまいましたが、一つも文句を言わずに頑張ってくれました。本当に感謝の思いでいっぱいです。


    効率のために力を抜くことを覚える

    ここまでは、ほとんど全ての教科に力を入れ続けてきましたが、理系教科の追い上げを図るため、国英の学習は3年生から力を抜き始めました。

    授業中に当てられた時に答えられるだけの最低限の予習にとどめ(というかほぼ予習をせずに)、授業に臨みました。授業中は必要そうなところだけ先生の話を聞き、それ以外は単語を調べ暗記したり文法事項を確認したりするなどして、自分なりに有用に過ごしました。


    いよいよ理科に全振り

    こうして国英にかけていた時間が浮いたところで、それを理科に注ぎ込むこととなります。物理化学に関しては「重要問題集」の問題を基礎→標準→応用と螺旋式に解いて、分からないところを休み時間で学校の先生に質問しまくりました

    昼休みの時間は10分ほどのこともままありました。昼休みを返上してまで私の質問に付き合ってくださった先生方には、本当に感謝しています。

    こういうことを秋頃までジリジリと繰り返し、秋にはどうにかセンター試験レベルまでならどんとこい!という状態になりました。

    一方で、理科については、二次試験対策をほとんどせずに秋までを過ごしてしまいましたから、秋の冠模試の判定は壊滅的です。しかし、「私はまず基礎固めが先決だったんだ!今からでもまだまだ成績は上がる!」と信じて、前向きに二次試験対策を始めました。


    先生と二人三脚の数学

    数学についても、3年生になってからは先生の力を大いにお借りしました。

    授業で習う数Ⅲの復習は自分で行いながら、担当の先生に依頼して東大の過去問添削を始めました。これを通して、解答の書き方や発想力を鍛えられました。回数を重ねるごとに解答が洗練されていき、ペースは遅いながらも二次試験に向けて準備を整えていきました。

    Sさんの数学のノート。先生から添削を受けていた様子がわかる。

    センター試験を終え、二次試験対策へ

    秋までで全ての教科において標準レベルを固められたため、センター試験対策はほとんど必要ありませんでした。試験直前の2週間で一気に暗記事項を叩き込んだりスピードをつけたりして、本番でも納得のいく点数を取り安心して二次試験対策に移りました。

    全教科において先生に協力していただきながら過去問添削を続け、本番を想定した時間感覚で問題が解けるよう訓練を重ねました。

    二次試験対策にかけた時間がおそらく人より少なかったため、試験前日もガッツリ勉強していた私。勉強していた方が焦る気持ちもなくなる、という思いもありました。そのおかげで、当日は「やり切った!もうこれ以上は勉強できない!」という達成感のもと、試験会場に向かうことができました。


    3年間の振り返り

    以上が、私の3年間の受験勉強の様子になります。

    2年生の夏までで成績を上げるのに時間のかかる国英を完成させ、苦手科目の基礎的な事項は3年生までに固める。3年生からは演習→質問というサイクルを使いながら苦手科目を何とか標準レベルまで定着させ、二次試験対策は添削指導を使って乗り切る。

    要約するとこういった感じになるでしょう。

    3年間をフルに使って計画を立てて学習を進めたことで、何とか苦手を乗り越えて本番に臨むことができました。

    このように書くと、私の高校生活は勉強にまみれた塗れたものに思えますが、昼休みは昼休みで10分間でも友人と大笑いしながら昼食をとっていましたし、下校時に恋人と歩きながら話すのを楽しみに毎日過ごしていました。青春と言えるような高校時代を過ごせました。

    むしろ高校に入学してすぐに目標を見据えて計画を立てられたからこそ、適切に息抜きをしつつ3年間を過ごすことができたのだと考えています。


    終わりに

    私は早くに目標を見据え、自分と目標との距離を常に測り続けたことで、必要となる努力量を把握してめげずに勉強することができました。高校3年間の学習の経過のうち、どれか1つでも欠けていたら合格することはできていなかったと思います。

    目標の大学に合格すると一口に言っても、そのために必要な努力量は人それぞれです。
    そしてその量があまりにも多いと知ったとき、それでも自分は努力するのだと思えるかどうかが、命運を分けるのではないでしょうか。

    今、志望校の難易度に対して自分の学力があまりにも足りないと嘆いているあなたへ、私はエールを送りたいです。カッコ悪くても泥臭くても必死で努力すれば、意外と目標に近づけます

    私が尊敬する父から、成績が低迷している時期にもらった言葉を最後に、筆を置くことといたします。お読みいただきありがとうございました。

    正しい努力をしていれば、それがマイナスに働くわけがない。目に見えなくても必ず進歩していることを信じなさい。

  • 【合格体験記】ロクでなしの東大受験【宅浪】

    【合格体験記】ロクでなしの東大受験【宅浪】


    はじめに

    宅浪についてみなさんはどのようなことをご存知でしょうか。宅浪については既にたくさんネット記事が量産されているので、何かしらご存知の方もいらっしゃるかもしれません。そんな中ではありますが、この記事では実際に宅浪した上で東大に進学した経験を踏まえて、宅浪についていくばくかの私見を述べさせていただこうと思います。適宜他の宅浪に関する記事を比較・参照してみると良いでしょう。


    宅浪のメリット

    宅浪のメリットとして以下の点が挙げられます。

    1. 自分の好きなように時間を使う(あるいは使わない)ことができる
    2. 予備校で浪人するのに比べて金銭面の負担がない
    3. 一人で勉強できる

    以上がメリットと言えるでしょうけれども、しかしこれは裏を返せばデメリットとしても表現できることでしょう。


    宅浪のデメリット

    宅浪のデメリットとして以下の点が挙げられます。

    1. 生活リズムが乱れやすい
    2. 予備校という強制力(やお金を払っているという事実の重み)がない
    3. 孤独で辛い時に悩みを共有できる人がいない

    自由に生活できるというメリットは裏を返せば規則正しい生活ができなくなるという風にも言い換えられますし、金銭面の負担がないということは「これだけのお金を支払っているのだから頑張らなくてはならない」という覚悟もなしに安易に浪人生活をしてしまうことにもなりえます。
    一人で周りから悪影響を受けずに勉強できるとも言えますが、逆に捉えれば孤独で悩みを相談する友達がいない、よって精神的に辛くなればそれがいたずらに悪化していくだけとも言えます。


    私の場合

    以上のようにメリットとデメリットが混在しているのが宅浪ですが、私の場合、次のようにメリットとデメリットの折り合いをつけていました。

    ①自分の好きなように時間を使う(あるいは使わない)ことができる/生活リズムが乱れやすい、という点について。

    私は生活リズムが乱れることについては妥協していました。規則正しい生活をしていた方が勉強をルーティン化しやすいということが仮に事実だとしても、生活リズムが乱れているから勉強できない、とは言えないのではないかと思います。厳しく言えば、「生活リズムが乱れて勉強に集中できない」というのは単に勉強していないことへの言い訳にすぎないでしょう。
    どれだけ生活リズムが乱れていても勉強は問題なくできます。大事なのは規則正しく勉強をこなし続けることではなくて、一定水準の知識や解法を理解・習得することでしょう。
    私は昼過ぎに起床することがままありましたが、昼食後(朝食なのかもしれませんが)そのまま勉強を始め、夕食後から深夜にかけて勉強していたので勉強量自体はそこそこ取れていました。昼過ぎに起きたなら昼下がりから明け方にかけて勉強すれば何も問題はないでしょう。

    ②予備校で浪人するのに比べて金銭面の負担がない/予備校という強制力(やお金を払っているという事実の重み)がない、という点について。

    突然ですが一つ質問です。あなたにとって浪人、特に宅浪という選択はどれくらい異常な選択ですか。あるいは勇気の要る選択ですか。私にとっては安直に浪人する、宅浪する、という選択は到底できないものでした。私はそれ相応の覚悟をもって宅浪を選びました。私見ですが、ことの本質は覚悟にあるのではないでしょうか。予備校という強制力が仮にあったとしても覚悟もなしに、安直に浪人している人が勉強をどれだけできるのかは疑問ですし、仮に強制されて嫌々勉強したところで、どれだけ知識や解法を理解・習得できるのか、私には心配です。

    ここで覚悟について一つ述べておきます。覚悟というのは要するに「勉強をどれだけ懸命にしようとも、あるいは逆にどれだけ怠惰になろうとも、それによって得られた結果は何であれ文句を言わずに自ら引き受けよう」と決心するということです。覚悟とは決して「1年間真面目に勉強するぞ!」と息巻くことではありませんし、まして「第一志望に合格するぞ!」と願望を表明することではありません。自分の選択で不利益を被ることを甘んじて受け入れる決心をすることが私の考える覚悟です。

    ③一人で勉強できる/孤独で辛い時に悩みを共有できる人がいない、という点について。

    私は元来、勉強とは一人でするものだ、という考えの人だったので、また、私は孤独を耐えなければならないこともあらかじめ覚悟の上で宅浪を選んでいたのでこの点は甘んじて受け入れていました。あくまで私見にすぎませんが、仮に私が予備校に通っていたとしても、私が宅浪期に耐え忍んだ孤独感や悩みは変わらなかったのではないかと思います。というのは、他人の悩みに対して、特に受験という人生の大きな関門を前にした人の切実な悩みに対して適切な助けの手を差し伸べられるほど私たちは力強い存在ではないように感じられるからです。一応、悩みを共有するだけでも当人の苦痛は和らぐでしょう。しかし、それも一時のことで、本質的には受験が終わるまでその苦悩は終わり得ないでしょう。

    私の場合、一次試験前まで、概ね12月前までは模試でも良い判定、素点を取っていたので特に精神的に辛くはありませんでした。より一般的には試験当日から遠ければ遠いほど切実に悩むことも少なくなりがちなので精神的に辛くなりづらいというのもあるでしょう。しかし、やはり一次試験、二次試験と受験当日が迫ってくるごとに相当しんどくなりました。どうしても不合格や当日の大失敗を想像すると辛くなります。私はそこである程度自分の精神力の限界を悟りました。即ち、「ああ、もう一年これを繰り返すのは無理だな」と。私はこれは幸福なことだったと思います。というのは自分の限度を理解できるというのは貴重なことだからです。自分の精神力の限界を知るというのも受験の合否は別として、重要な受験を通して得るべきことの一つではないでしょうか。


    宅浪は選択肢になりうるか

    私は宅浪して東大に合格しましたから、そのような「成功」例を念頭におけば宅浪して第一志望にこだわるのも悪くない、と強弁することも可能でしょう。しかし、私としてはそのような安直な、あるいは欺瞞的な主張は容認できません。

    私としては高い目標にこだわるのも悪くはないですが、しかし一方で「頑張らないでいいや」と妥協することもまた悪くはないのではないかとも思います。私が思うのは、通俗的に「正しい」「良い」とされている選択肢を安直に選ぶということが果たして良いのかどうか、ということです。そしてさらに踏み込めば、通俗的に「正しい」とされている選択肢に飛びつくのの一体何が悪いのか、ということです。「頑張る」ことは通俗的にはいいことですが、しかしそれは何故でしょうか、「妥協すること」や「行きたい大学より行ける大学」という選択の何が問題なのでしょうか。

    「頑張ることは良いことだ」という言明に対して「それは間違っている」とはっきり言うことは難しいけれども、反対に「別に頑張らなくてもいい」と言い切ることもまた、とても難しいでしょう。
    要するに社会的に許容されている限度で頑張ることは正しいことだが、それを逸脱した頑張りは間違っているというところでしょうか。その社会なるものがある人に対しては現役合格を強要し、またある人に対しては「浪人してでも第一志望に拘れ」と命令するのかもしれません。ではその社会なるものの命令に従わなければならないのでしょうか。従わなければならないのならそれは何故でしょうか。

    宅浪は選択肢になりうるのでしょうか。なりうる。しかし、ならないのかもしれません。答えはとても曖昧で「なる」と言える場合もあるし「ならない」場合もあるでしょう。安直に答えを求めて良いものでしょうか。「良い」宅浪と「悪い」宅浪があるのでしょうか。その良し悪しの判断自体が安易なものではないでしょうか。

    宅浪の話のはずがいつの間にか随分とズレた話をしていたように思います。あるいはわざとそのような文章を書いていたのかもしれません。しかし、私は、宅浪すべきか、否か、と問われるべきではなく、そもそものところ「どこまで頑張るのか、あるいはどこまで頑張らないか」そして「良し悪しとは何か」という問いの方が本源的であると思います。宅浪という問題はその問いの付属品にすぎません。

    私自身は「現役で地元の大学に進学するべきだ」という周りの、つまりは社会なるものの命令にあえて逆らって一年宅浪し、東大に進学しました。それが正しい保証はないし、間違っている保証もないです。正しくもないし間違ってもいない、という何とも歯切れの悪いことを書いていますが、私は安直に「正しい」あるいは「悪い」と述べることに抵抗感があります。
    人の人生には、安易に「正しい」とも「間違っている」とも言えないです。そもそも「正しい」ことをすることが「良いこと」で「間違った」選択を「してしまう」ことが「悪いこと」なのでしょうか。あえて間違った選択をすることの何が問題なのでしょうか。それは自由なのではないでしょうか。こう考えると軽率な判断は不可能でしょう。だから、私は宅浪が選択肢になりうるか、測りかねるのです。


    おわりに

    この記事では宅浪について歯切れの良いことはあまり書きませんでした。というのも私自身が宅浪したことに対して「良かった」とも「悪かった」とも総括できていないからでしょう。宅浪して東大に進学できた。これは客観的事実です。しかしそこから宅浪して第一志望にこだわるのは良いことだ、という価値観は出てきません。これは言い換えれば現役で行ける大学で妥協することは悪いことだ、という価値観も導けないということでもあります。

    本質的には宅浪を考えることは現役合格を考えることと異なりません。現役合格にこだわるのも、第一志望にこだわるのも本質的には同じだと思います。どちらであっても熟慮なしには良いものにはならないのではないでしょうか。熟慮を、あるいは葛藤を素通りして、見て見ぬ振りをして大学受験を終えることもできるでしょう。しかし、それで本当に良いのでしょうか。私は良くないと考えますが、それが本当なのか、私には分かりません。

    ここまで明快さを犠牲にし続けた読みづらい文章を書き連ねてしまいました。本当にごめんなさい。ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます。

    あなたに追い風が届くことを祈っています。陰ながら応援しています

  • 【合格体験記】教育学部推薦入試

    【合格体験記】教育学部推薦入試


    はじめに

    こんにちは。私は福岡県立小倉高等学校出身です。小中高と公立校に通った、地方出身の女子です。関東出身者や男子の多い東京大学では珍しいタイプの人間ですね。そんな私の推薦についての話を書かせてもらいます。


    これまでの活動について

    まず、前提として、私は貧困問題について関心があり、自分なりに活動や勉強を行ってきた者です。その前提を踏まえて、これまでどのような経験をしてきたのかを書きます。

    まず、小学校の時に貧困を目の当たりにして、「何とかしたい!自分にも何かできることはないのか?」と関心を持つところから始まりました。

    中学校3年生の時に、国連やユニセフで働く方から直接お話を聞いてみたいと思い、JCI主催の少年少女国連大使となりました。ニューヨークの国連本部で、当時まだできたばかりのUNSDGssについて学び、帰国後にSDGssの啓発活動を行いました。

    高校でも、そのまま啓発活動を続けていました。また、地元北九州が得意とするものづくりで国際協力をしていて、それがただ支援をするだけでなく、現地の人たちだけでも続けていけるような持続可能な支援の仕組みだったのです。現地に行ってみてみたいと思い、北九州市、JICA九州共催の「上下水道ユース研修」でベトナムの共同事業を見てきました。そこでは、(言い方は本当に良くありませんが)支援をする側とされる側での需要と供給のミスマッチや、教育の重要性を学びました。


    なぜ推薦入試を受験しようと思ったのか

    一番大きいのは、推薦生に与えられている、進学選択振り分けを行わずに学部に行けるという権利があることでした。東大では、行きたい学部に行くためには進学選択振り分けで高い点数を取らなければならないことが多いです。しかし、推薦生は元入学時から学部が決まっているので、高い点数を取ることは考えずに、自分が学びを深めたいことをのびのびと学ぶことが出来ます。また、その分自由に活動ができるので、私は今、教育推薦の先輩を誘って、一緒に学習支援団体の代表をしてます。

    もう一つの理由は、私が一般入試よりも推薦入試の方が向いていたからです。人前で話したり、自分の思っていることを伝えることが好きで、その方法で大学に入ることが出来たら、自分の得意分野で勝負できると思い、受験を決めました。


    出願要件は何か

    各学部によって全く異なります。

    ちなみに、2020年度の教育学部の要件は、

    以下の全てに該当する者とします。

    ① 本学のカリキュラム履修に必要な,教科の基礎学力があること。

    ② 探究学習の卓越した実績・能力を,論文,作品,発表等を通じて示すことができること。

    です。自分で興味のある学部について調べてみてくださいね。


    提出資料は何か

    調査書など、必要書類以外に、私が提出したものを具体的に例示しておきます。

    ①タウンミーティングのポスター

    ②タウンミーティングでの発表資料

    ③市議会に向けた陳情の新聞記事

    ④海外研修の新聞記事

    ⑤海外研修の発表資料

    ⑥エッセイコンテストの賞状

    ⑦エッセイコンテストの本文

    ⑧小論文コンクールの賞状

    ⑨小論文コンクールの新聞記事

    ⑩小論文コンクールの本文

    ⑪英検の合格証書

    ⑫漢検の合格証書

    ⑬論文

    このように、第三者が、自分に対して評価しているものや、自分で執筆したものを提出します。新聞記事など、自分が載っているものはきちんと取っておくといいと思います。


    入試はどのようなものか

    募集要項を見ていただけるとわかると思いますが、まず資料提出による書類審査があります。これが一次試験です。

    晴れて一次試験に合格したら、二次試験は実際に東京大学まで行って受験をします。教育学部の場合は、まず、受験生全員、先生方の前で、プレゼンテーションを行います。一人の持ち時間は、質疑応答を含めて15分間です。このプレゼン、とても楽しいです。まず、他の受験生の発表は、様々な着眼点の高い水準のものなので、発表を聞きながら多くのことを学べますし、他の受験生の教育に対する考えを聞くことが出来ます。発表に対する質問は、受験生がするのですが、発表を聞いて生じた疑問を尋ねることが出来ます。また、自分が質問をされるときには、(試験なので当たり前ですが)自分の発表に対して疑問を持つくらい考えながら聞いてくれたことが嬉しいですし、私がもっと説明したかった所を引き出してくれるようなことを聞いてくれるので、わくわくしながら答えていました。

    次に面接があります。人によって時間はまちまちですが、持ち時間は15分です。現在東大で研究されている先生方が、私の論文や発表に対して鋭い意見や質問をくださいます。まず、とてもありがたいです。しかし、鋭すぎてけっこうへこみます!!

    二次試験が終わると次は共通テストです。共通テストは、8割とることが条件となっています。

    そして、二次試験と共通テストの結果を総合的に見て合否が出ます。


    どのように対策をしたのか

    まず、提出資料についてです。とにかく書き直します。回数は数えられないほど書き直しました。高校の先生方には、完成品を見ていただいたので、そのうえでの書き直しはほぼなかったです。また、二次試験のプレゼンテーションは、とにかく練習をしました。当日の朝まで、40~50回ほど練習をしていましたね。

    また、面接対策は、自分がこれまで行ってきた活動を振り返ったり、自分の書いた論文を見直したりしました。発表、面接は主に両親に対して練習をしていました。ありがたかったです。

    先生方には、3回ほど見ていただきました。私は、推薦対策の塾に通いませんでした。推薦受験をする方の中で、推薦用の塾に通っていないが大丈夫であろうかと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、何も問題はありません。何度も繰り返し書き直したり練習を行ったりすることで十分だと思います。


    面接では、どのようなことを聞かれるのか

    私が聞かれたことは、私がこれまで行ってきた活動や、私の書いた論文についてでした。これは、ご自身がこれまで行ってきた活動や書いてきたものに対しての質問なので、振り返りをしていれば、答えられないものはほぼないと思います。


    推薦を考えている人に対して伝えたいこと

    私が、推薦入試で最も大切であると考えることは、いかに学問に対して熱意があるかです。推薦生で多いと感じるのが、SGHやSSHの指定校で、そこで行ってきたもので受験をする人です。しかし、自分はそうでないから研究なんてできないと思わないでください。私はSSH指定校でしたが、小学校の時に関心を持ったことを中学校、高校と自分で学び続けました。環境の影響は大きいですが、その条件を除けばどんな人でも研究はできると思います。諦めずに、熱量をもって学問に取り組んでいたら、きっと大丈夫だと思います。将来したいことが明確にあり、やる気にあふれている人は、是非受験してほしいと思います。



  • 【合格体験記】海外から東大を目指す【帰国子女】

    【合格体験記】海外から東大を目指す【帰国子女】

    僕はアメリカの高校を卒業して東京大学に入った、いわゆる帰国子女ってやつです。
    僕は中1の終わりから高校卒業までの5年と少しの間、アメリカに住んでいました。現地では、普通のアメリカ人の生徒が通うような公立学校に通っていました。
    そんな僕の受験経験について書いていこうと思います。


    なぜ日本の大学?

    アメリカの高校は選択授業の選択肢がとても多くて、いろんなことにチャレンジできる環境でした。
    なんとなくで受けてみたプログラミングの授業が面白くて、人工知能などに興味を持つようになりました。人間が入力したものに対して何か返答をする「チャットボット」を授業で作ったのは今でもよく覚えています。
    このような経験から、大学で何を学びたいかを考えたときに真っ先に浮かんだのが「人工知能」でした。

    人工知能についてはアメリカの方が学ぶのに適した環境が整っていますよね。僕がアメリカの大学ではなく、日本の東京大学を選んだのには大きく2つの理由がありました。

    1. 日本語の自然言語処理をやってみたかった

    僕は人工知能の中でも特に自然言語処理に興味がありました。チャットボット以外にも、アメリカに来てからお世話になった機械翻訳は僕の興味をそそりました。
    英語の研究はすでに多く行われているので、日本語の自然言語処理をやってみたいと思い日本の大学を目指すようになりました。東京大学では自然言語処理をやっている研究室がたくさんありましたし、また東京大学の教養学部では理系でも言語学のような文系科目を受講できるのも魅力でした。

    2. 日本の学校生活に憧れがあった

    中高のほとんどを海外で過ごしたので、ドラマやアニメで見る日本の、特に東京の生活に憧れがありました。アメリカの学校には文化祭や修学旅行といったイベントがなかったので、クラス制度があってイベントも充実している東京大学は魅力的でした。
    また、アメリカの生活もとても好きだったのですが、それ以外の国での生活も体験したい思いがありました。

    他にも、アメリカの大学の方が学費が高かったり、アメリカに滞在中も日本の勉強を少しずつではあるものの続けていたことも日本への進学を後押ししました。


    海外から日本の大学を受ける苦労

    海外の高校を卒業して日本の大学を受験するには、日本国内から受験するのとは違った苦労がありました。

    1. 情報の不足

    地方にいる高校生が東京の大学に進学するときに感じることと同じですね。
    アメリカと日本では受験制度が大きく違うので、高校の進路担当のカウンセラーと話しても得られる情報はそこまで多くなかったです。

    自分でインターネットで調べるしかないのですか、調べられる情報はかなり限られていました。
    帰国までになにをどのくらい準備しておけばいいのか、信用できる情報源は皆無に等しかったです。

    僕はアメリカの高校を6月に卒業して以降、東京の大手予備校に通っていたのですが、情報量の差にかなり驚きました。
    勉強の方法や、各大学の試験や面接、その他受験に関すること全ての面について情報が集まっており、都会の大手予備校に通えることがどれだけ優遇されているのか身をもって体験しました。

    2. 勉強

    アメリカの高校と日本の高校とで学ぶ範囲は大きく違います

    僕がいた州では、化学では、日本ではやらない電子配置や量子化学について詳しくやったのに対し、有機化学は範囲外でした。
    数学もアメリカでは、T検定などの統計的手法やテイラー展開などについても習ったのに対し、日本の高校では習う複素数平面や数列などはほとんど扱わなかったです。
    物理はアメリカでは力学しか履修してないです。

    アメリカの高校で勉強しなかったことはすべて帰国後、 受験までの8ヶ月で詰め込みました。

    8ヶ月本気で勉強すれば案外どうにかなるものです。
    7〜9月で範囲を一周して基礎固めをして、10〜12月で標準レベルの勉強をし、年明けは問題演習をひたすらやっていました。

    帰国子女入試では、理系は数学と理科2科目は一般受験と同じ試験問題なのですが、一般受験生と比べてもあまり遜色ない点数が取れたと思います。

    3. 思考力・個性

    帰国子女として、一般入試とは違う基準で合格するためには、一般入試だけでは測れない何かを持っている必要があります。
    海外で得た知見、広い視野はもちろん、大学で学ぶ強い意思や、思考力も必要になります。

    東大の帰国子女受験では、一次試験で志望理由書、二次試験で日本語小論文と英語エッセイをそれぞれ書かされます。
    東大のHPから過去問をぜひみていただきたいのですが、どれも強い思考力が試される問題ばかりです。

    自分の個性を出しつつ、論理的な文章をつくるのってとても難しいんです。


    実際に入学してみて

    僕は東大にこれてすごく良かったと思っています。
    東大に来てみると、異色な経歴を持つ人や、僕よりも海外経験が豊富な人がたくさんいます。
    レベルが高い人が集まっているので、自分を高められる環境にあると思います。
    こうやってFairWindでたくさんのいい人にも出会えましたしね。

    いままで学んできた内容が違うので、授業で躓くことはありますが、その反面海外経験が生かせることもたくさんあります。

    帰国してみて逆カルチャーショックを感じることもあります。日本人は仲良くなるまでの心の壁が高いなぁとか思ったりしますし。


    おわりに

    僕みたいに海外から日本の大学を受ける人、日本から海外の大学を受ける人、それ以外にも他の人と違う進路を選ぶ人はとても大変だと思いますが、ぜひ勇気を持ってチャレンジしてくださいね。きっとチャレンジして良かったと思えるはずです。