投稿者: FairWind

  • 【東大生が教える】日本史の勉強法

    【東大生が教える】日本史の勉強法

    はじめに

    中学校で習う日本史に比べると、高校日本史の内容は格段に深く細かくなっており、学習に苦労している方も多いと思います。確かに暗記が多く大変な科目ではありますが、高得点をとることができるか否かで試験にも大きく影響する重要な科目です。

    そこで、今回は日本史の勉強について共通テストや私大受験、二次試験のための対策にも言及しながらアドバイスをしていきます。


    日本史を勉強する上で

    これから日本史を学習していく人は、事前に日本史を概観できていると学習した内容が頭に入りやすくなります。

    そこでおすすめするのが、「学習漫画日本の歴史」などの日本史を通史形式で描いた漫画を読むことです。漫画なので読み終えるのにそれほど時間がかからず、楽しみながら読むことができ、内容を吸収しやすいと思います。ただし、内容を「覚えよう」とするのではなく、あくまでざっくりと理解する姿勢が重要です。「覚えなければ」という意識があるとどうしても楽しむことができず、読むのに時間をかけてしまいがちだからです。既に高校で日本史を学んでいる人にもおすすめなので、ぜひ一度試してみてください。

    そして、歴史はおもしろいと感じられると覚えやすくなるものなので、日本史は楽しんだ人勝ちだといえます。私が高校日本史を学習していたときは、教科書に載っている人物や出来事などについて、電子辞書に搭載されている百科事典やウィキペディアを使っておもしろいエピソードを探していました。皆さんも日本史の学習を楽しむ姿勢を持ち、工夫して学習すると良いと思います。


    日本史の勉強の基本

    1. 勉強法総論

    どの教科にも通ずることではありますが、最も重要なことは授業をきちんと聞くことです。高校日本史の中には、教科書の記述がわかりにくく自力では理解が難しい事柄も多くあります。しかも、そのようなポイントに限って試験の頻出事項であることが多いです。授業では当然そのようなポイントを先生方が解説することになるので、それを聞き逃さないようにしましょう。また、わからないことがある場合は先生に質問をしてすぐに疑問を解消する癖をつけましょう。これを怠ると、理解できていないことが多いのに受験直前期になって気づき、結局それらを解消できないまま本番を迎えてしまう可能性が高くなるからです。

    授業後の学習の流れとしては、まず最初に教科書の精読をすべきです。教科書の精読をすることで、歴史の流れや語句の定義、出来事の背景・意義・影響を掴みましょう。私大入試を除き、試験で解答となるものは全て教科書に書いてあるのでこの作業は非常に重要になります。教科書を精読した後は、単語のチェックをしましょう。この際、用語集をただ眺めるだけでは良くありません。日本史は漢字を含めて覚えなければならないため、書き取りをして漢字ミスのないようにする必要があります。一点を争う本番では漢字のミスが非常に痛い失点となることを心に留めておきましょう。学校で何らかの空欄補充問題集をもらっている人はぜひそれを活用してください。学校でもらっていない人も同じような問題集はたくさん市販されているので、それを購入することをおすすめします。

    自分でまとめノートを作る人もいるかと思いますが、ノート作りは必要な労力が大きいので、時間の限られた高校生にはあまりおすすめしません。ただし、テストで間違ったポイントなどをまとめた復習ノートは、いつでもどこでもノート一冊で間違いを潰していけるのでとても便利です。

    2. 分野ごとの勉強法

    政治史

    政治史では、各時代の統治機構をしっかりと理解しておくことが重要です。教科書には詳しく書かれているので、精読をして確実に押さえましょう。外交関係については、日本を取り巻く国際情勢もよく理解しておく必要があるので、世界史の知識が役立ちます。世界史を選択していない人は、日本の周辺国について成立時期・最盛期・衰退時期などの知識は最低限押さえておきましょう。また、近現代の政治史を苦手とする人は多いですが、それは近現代以前の時代の歴史に比べて、近現代を学習する時間が少ないことが大きな原因だと思います。それゆえに、時間的余裕がある人は、近現代史については授業前に教科書を読んでおくなど先取りをして授業に臨むと良いと思います。

    経済史

    経済用語については漠然とした理解で済ませてしまうことが多いですが、経済史を理解する上で経済用語は非常に重要なので、わからない用語は先生に聞いたりネットで調べたりしてしっかり理解できるように努めましょう。

    社会史

    町や村落の様相、庶民の生活などを扱う社会史も、内容が複雑なゆえに理解が疎かになりがちな分野です。しかし、近年この分野の研究が進んでいることもあり、入試では頻出の分野体的に理解していくことが良いと思います。

    文化史

    暗記の負担が重いため後回しにしがちですが、試験では文化史の問題で正確に答えられると周囲に差をつけることができます。文化史を学習する際は必ず資料集を手元におき、絵画・仏像などについては図版を見て用語と一致させましょう。また、文学作品についてはその作品の内容を少し知っているだけでもかなり覚えやすくなります。


    日本史の入試対策

    1. 共通テスト

    受験生がするべきことはセンター試験のときと変わらず、試験までにしっかりとした理解に基づいた知識の吸収をすることです。ただし、問題傾向が変わるので問題演習は入念にしておく必要があります。直前期(試験の1〜2ヶ月前)にはインプットよりもアウトプットに重点を置き、その過程で知識に漏れがあったら潰すという作業を繰り返すことが効率的でおすすめです。

    2. 私大試験

    私大の日本史では教科書に載っていないマニアックな事柄が当たり前のように出題されます。とはいえ、問題の多くは教科書に載っている事項なので、まずは教科書の内容の吸収を最優先しましょう。全体的に難易度が高く他の問題での挽回がしにくい私大入試では、こういった基本問題を落とすと致命傷になりかねません。教科書に載っていない事項については、用語集や資料集に載っている知識の吸収に留めるべきです。深入りするとキリがないため、基本が疎かになってしまう可能性があります。

    3. 国公立二次試験

    東大

    東大の二次試験の日本史の出題形式は他大学に見られない独特のものです。細かい知識は必要ありませんが、教科書を中心として学習したことを確実に理解していなければならないうえ、短時間で資料の読み取りを行い、厳しい制限字数に収まるよう解答をまとめる論理な力や文章力も問われます。また、古代・中世・近世・近現代から一題ずつ出題されるため、万遍なく勉強しておく必要があります。それゆえに、東大日本史には特に入念な過去問演習が必要になります。
    演習を行った後には、高校や塾の先生に添削をしていただき、それを踏まえて解答を修正し自分で納得のいく答案を仕上げるという作業を繰り返すことが理想的です。もし、添削していただくのが厳しいのであれば、ネットや過去問集で公開されている各予備校の解答例を比較し、完璧な解答に必要な要素を拾い集めていく作業が有効だと思います。過去問に手をつけてしばらくは、制限時間を気にせずじっくり考えて解くのがおすすめですが、共通テスト終了後は時間を測って制限時間内に質の良い解答を仕上げられるように練習しましょう。
    なお、駿台文庫の『日本史の論点』は論述に必要な視点を身につけることができる優れた参考書なので、ぜひ使ってみてください。

    東大以外

    東大以外の大学の論述問題は、短い問題文の指示に従って事実を並べていく形のものが多い印象があります。過去問が十分に手に入らない大学も多いので、似通った出題形式をとる他大学の問題に取り組むなどしないと十分な演習量を確保できない恐れがあります。制限字数が多く、書き始めると修正が難しい場合もあるので、あらかじめ論述の要素をまとめた簡単な設計図を書いてから清書をすることをおすすめします。
    なお、前述の参考書『日本史の論点』は論述問題を課す多くの大学の対策として使えるものになっています。


    おわりに

    いかがでしたでしょうか?日本史は負担の大きい教科ではありますが、しっかりと取り組めば高得点を狙える科目でもあります。この記事の内容は私の経験から考えたことなので、あくまでも参考程度にしてください。人それぞれ合う勉強法と合わない勉強法があります。この記事に書かれたことを実践してみてももちろん良いですが、自分に合わないなと感じたらすぐにやめてください。自分で納得のいく勉強をすることが何より大切です。

    最後まで読んでいただいてありがとうございました。

  • 2021/02/13 諫早高等学校 オンライン

    2021/02/13 諫早高等学校 オンライン

    企画概要

    2021年2月13日(土曜日)に長崎県立諫早高等学校の生徒様65名を対象に諫早ツアーを実施いたしました。

    今回のツアーでは「ここから始まる、諫高アップデート!」というコンセプトのもと、
    「高校生に学びの楽しさを知ってもらう」
    そしてそれを高校生活に落とし込むために
    「理想の学校をイメージする」
    そして
    「理想の学校を作るための合意形成を行う」
    ということを目標としました。

    以下では実施した四つのコンテンツについて、その内容や生徒様の様子をご報告いたします。


    距離を縮めよう:アイスブレイク

    高校生との距離を縮めるため、自己紹介の後、絵しりとりをして交流しました。


    勉強の楽しさを知ろう:プレゼンテーション&パネルディスカッション

    大学の学問紹介プレゼンと、そうした学問と高校時代の勉強がどう結びついていたかについて話すPDを行いました。


    東大生vs東大生 ガチディベート

    諫早高校の特徴を含む三つの観点(中高一貫か?現役主義か?文武両道か?)それぞれについて、大学生が二手に分かれ、用意したスライドを示しながら制限時間内でディベートを行いました。


    理想の諫高をデザインしよう:ワークショップ

    DBにて理想の学校像について思いを馳せた上で、その理想に近づくには今後どうしていけばいいかを見出すことを目標としました。メインファシリを高校生1名、サブファシリを大学生2名が担当し、
    ①諫早の良いところと良くないところを探す
    ②良くないところの改善案を出す
    というステップを設けて話し合いました。
    作業中にまとめたワークシートは、後日学校に掲示していただくことにしました。


    まとめ

    今回のツアーは、団体で初めてとなる高校生と合同作成の企画でした。
    高校生との連絡の取り方、mtg運営の仕方、合同練習会の組み方などについて十分考えを深め、実施まで漕ぎ着けたことには大いに意義があると思います。
    一方で、コンテンツの敲きなどに高校生がどこまで踏み込むのか・もっと自由闊達に意見を共有できる高校生との連絡の取り方はなかったのかなどの反省点があるため、今後同様の企画を依頼された場合に改善されたいです。

  • 【東大生がやっていた】 睡眠との向き合い方

    【東大生がやっていた】 睡眠との向き合い方

    はじめに

    受験に向けて勉強に集中したい!そう思っていてもどうしても眠くなってしまうことってありますよね。今回は僕の経験をもとに、睡眠との向き合い方についてのポイントをご紹介していきたいと思います!

    ただし、一つ断っておきます。これからご紹介するのはあくまで僕一人の経験に基づいたアドバイスであり、みなさんに上手く当てはまるかは分かりません。今回の記事は参考程度にして、自分なりの睡眠への向き合い方を探していくことが大切です!


    一、眠くならないために

    そもそも、ふと眠くなることがなければ、それが一番良いですよね。そこでまずは、眠気に襲われる回数を減らすため睡眠リズムについて考えていきましょう!

    ①睡眠リズムを習慣化しよう!

    まずはなんと言っても、睡眠リズムを確立することが大切です。寝る時間や起きる時間が毎日バラバラだと、勉強できる時間帯が定まらず、計画的に勉強を進めることができません。毎日同じ時間に寝て同じ時間に起きる、これが鉄則です!

    とは言っても、部活の朝練があったりなかったりで、毎日寝る時間と起きる時間を揃えるのは難しい人もいるでしょう。そういった方は、1週間単位の睡眠リズムを確立することをお勧めします!

    ②自分に合った睡眠リズムを見つけよう!

    睡眠リズムを習慣化しようと思っても、自分に合わない睡眠リズムでは結局長続きはしません。だから、自分にあった睡眠リズムを見つけることが大切です!

    みなさんに合った睡眠リズムは僕にも分からないので、自分で見つけていただくしかありません。しかし、一つアドバイスとして、定説に囚われないことが大事です!

    例えば、朝型生活に切り替えることが良しとされる風潮が強いですが、どうしても朝型の生活が合わない人もいます。僕もその一人です。僕は現役時に朝型生活をしようと試みたましたが、どうしても上手くいかず、開き直って浪人時には夜型生活に切り替え、上手くいきました(もちろん、学校がある皆さんは夜型生活といっても限界があるかとは思いますが)。この「朝型信仰」の例から分かるように、定説に振り回されない姿勢が自分に合った睡眠リズムを見つけるコツの一つです!


    二、ふと眠くなった時

    自分に合った睡眠リズムを確立したとて、人間誰しも眠くなってしまうことはあります。ここでは、眠くなった時の僕なりの対処法をご紹介します。

    ①少し寝る

    王道ですが、個人的にはこれが一番です。やはり人間眠気にはどうしても敵わない部分があるので、いっそのこと寝てしまいましょう。その際、時間と寝方を意識しましょう。

    一般的には、「15分睡眠だと寝起きがスッキリする」だとか「机に突っ伏して寝ると眠りが深くなりすぎない」などと言われます。しかし、時間に関して、僕は15分睡眠だと逆に起きた時に眠かったため、眠い時は30分寝るようにしていました。寝方に関しても、机に突っ伏すと呼吸がし辛く眠れなかったため、僕は横になって寝ていました。みなさんもぜひ、自分に合った時間・寝方を模索して寝るようにしてください!

    ②シャワーを浴びる

    軽くシャワーを浴びるのも、僕が実践していた方法です。よく「顔を洗う」というのが眠気対策として挙げられますね。しかし、僕は顔を洗ったくらいでは5分後にはまた眠くなってしまうので、その全身バージョンとしてシャワーを浴びていました。少々時間と手間がかかるのがネックですが、その後の意識のスッキリ具合は格別なので、お勧めです。

    ③ブラックコーヒーを飲む

    ふと眠気に襲われるのが自分で勉強している時だけとは限りません。時には授業中にも睡魔は容赦無く訪れます。そこで、僕はどうしても眠くなってしまう授業の前にはブラックコーヒーを飲み、カフェインを摂取して寝ないようにしていました。こちらも一定の効果はありましたが、頻繁に行ってしまうと確実に体に悪いので、ここぞという時だけに行うようにしましょう。


    おわりに

    以上が僕が実践していた睡眠との向き合い方です。参考になったでしょうか?

    繰り返しになりますが、これはあくまで僕の経験であり、万人に当てはまるものではありません。この記事を参考にしつつ、自分に合った睡眠との向き合い方をぜひご自身で考えてください!

    最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


    YouTubeでも睡眠についての動画をあげています。ぜひチェックしてみてください!

  • 都市計画の世界へようこそ!【東京大学工学部都市工学科都市計画コース】

    都市計画の世界へようこそ!【東京大学工学部都市工学科都市計画コース】

    はじめに

    みなさんこんにちは!工学部都市工学科都市計画コース4年の齋藤と申します。私からは東大工学部、そして都市工学・都市計画についてみなさんにお伝えしたいと思います。現時点で興味がある人もない人も、是非一読していただけると嬉しいです。


    東大工学部とは?

    東京大学工学部は全16学科からなり、1学年約1000人を抱える東大の中で最も大きな学部です。機械系や化学系、建築系など幅広い学問分野を扱う学部であり、一口に東大工学部と言っても学科によって学んでいることは全然違います(詳しくは工学部のホームページをご覧ください!)

    私が所属している都市工学科は、建築学科、社会基盤学科と共に、工学部の中では建築系としてまとめられます。3学科とも私たちが暮らす”まち”を構成する様々な要素について学び、研究する学科となっており、建築学科はその名の通り建築を、社会基盤学科は道路や橋などの社会基盤(インフラ)を、そして都市工学科は都市そのものを主に扱います(詳しくはリンク先の各学科ホームページをご覧ください!)。それぞれの学科が扱う分野はお互いに関連することもあり、学科をまたいで授業を受けに行くこともしばしばあります。


    都市工学科とは?

    ここからは私が所属する都市工学科について詳しくご紹介していきます。都市工学科は「都市計画コース」と「都市環境工学コース」の2つのコースに分かれています。多くの人は理科一類から進学していますが、文系科類を含む他の科類からも一定数進学しています。個人的な印象ですが、他の工学部の学科に比べて文系出身者が多いように思います。

    都市計画コース

    都市計画コースは、都市計画や都市デザイン、交通、住宅、防災など都市空間そのものや都市を構成する様々な要素を扱っています。詳しくは後述します。

    都市環境工学コース

    都市環境工学コースは、大気汚染や水質汚濁、廃棄物など都市の環境問題を構成する様々な要素を扱っています。授業ではそれぞれの要素についての基礎知識から現在に至るまでの歴史や対策、これから期待される解決法などを学んでいきます。また、実験演習では様々な物質の測定・分析などを行い、実際の現場で使える技能も身につけていきます。


    都市計画コースとは?

    ここでは私の所属する都市計画コースについてさらに深く迫っていきたいと思います。

    授業について

    2年生の秋から本郷キャンパスで学科の本格的な勉強が始まり、4年生の夏までの2年間で都市について研究していく上での基礎知識を授業を通して獲得していきます。計画論について学ぶ「都市計画概論」、デザイン論について学ぶ「都市デザイン概論」、公園など緑地について学ぶ「緑地計画概論」、都市交通について学ぶ「都市交通論」、都市防災について学ぶ「都市安全計画」、広域的な計画について学ぶ「広域計画」など、幅広い分野に関する授業が開講されており、これらの授業を通して都市を見て分析する目を養っていきます。また、都市計画に関わる法律を学ぶ「都市・まちづくりと法」、歴史から様々な思想を学ぶ「都市計画史」といった授業を通して、都市計画を考える上で必要なルールや思想も学んでいきます。そして、一通り基礎知識を身につけた4年生の秋以降は、卒業論文に向けて研究を集中的に進めていきます。

    ここまで読んだ人の中には、「工学部なのに文系っぽくない?」と思った人もいるのではないでしょうか。実際、理系学部の中でもかなり文系によっているのがこのコースの特徴で、『文科四類』と比喩されることもしばしばあります(笑)。こういう特徴があるために、文系出身者が多いのではないかと思います。とは言っても理系学部なので、都市を分析する上での数理的手法を学ぶ「都市工学数理」など、理系っぽい授業も開講されています。ただ、多くの授業は理系的知識を必要とせず、数理系の授業も難しい計算をするわけでもないため、文系出身者がついていけないということはありません。安心してください。


    演習について

    都市計画コースの授業の中でも、唯一の必修科目となっている授業が「演習」と呼ばれる授業です。この演習では、実際の敷地を対象とした都市空間の設計や、実際の自治体・エリアを対象とした都市計画マスタープランの策定を通して、都市計画に関わる上で必要になってくる技能を身につけていきます。自分の手を動かしたりグループでの議論を行ったりしながら、その土地に暮らす人やライフスタイルをイメージして一つのものを作り上げていくのがこの演習の特徴です。自分たちの考えを突き詰めながら実際のものに落とし込んでいくため、多くの人がかなりの時間を演習に費やします。模型製作や発表準備のために泊まり込んで作業することもしばしばあり、周りからは”ブラック学科”と揶揄されることもありますが、やっている本人たちは作業を通して自分のイメージがどんどん具体的な形になっていくので割と楽しんでいます(笑)


    研究について

    4年生になると、学生は研究室に配属され、卒業論文に向けて1年かけて準備をしていきます。前期で研究の道筋をたて、後期でゴリゴリと研究を進めていく形になります。

    都市計画コースには「都市計画」「都市デザイン」「地域デザイン」「環境デザイン」「まちづくり」「住宅・都市解析」「都市交通」「国際都市計画・地域計画」「都市情報・安全システム」「空間デザイン」の全部で10個の研究室があります(空間デザイン研究室は厳密には大学院新領域創成科学研究科の所属です)。授業では各分野を総合的に学んでいましたが、研究室は各分野について専門的に深く研究する場所になっています。各研究室は数名の教員と学部生、修士課程・博士課程の大学院生によって構成されており、学科に比べて教員との距離が近いことが特徴です。

    ちなみに私は都市情報・安全システム研究室に所属しています。この研究室は主に都市防災に関する研究を行っており、災害に対して都市がどのようにあるべきか、被害を抑えるために都市計画はどうあるべきかについて日々考えています。


    進路について

    工学部はほとんどの学生が大学院に進学します(最も進学率が高い機械情報工学科はなんと進学率98%!)が、都市計画コースの大学院進学率は6〜7割とやや低めになっています(ちなみに都市環境工学コースも同じくらいです)。大学院は工学系研究科都市工学専攻のほか、新領域創成科学研究科や情報学環・学際情報学府を選ぶ人もいます。就職先は国家公務員や地方公務員、不動産・デベロッパーといった民間企業が多いですが、コンサルタントや金融関係などその幅は多岐にわたっています。


    おわりに

    ここまで都市工学科・都市計画コースについて紹介してきましたがいかがでしたでしょうか? この学科・このコースは、私たちが日々暮らしている”まち”について深く考えていくことができるところになっています。拙い文章でしたが、興味を持っていただけたら嬉しいです!

    最後までお読みいただき、ありがとうございました!
    (執筆:2019年)

  • 【東大法学部】法学部での学び

    【東大法学部】法学部での学び

    はじめに

    このページに足を運んでいただきありがとうございます。法学部第一類3年の髙橋と申します。このページでは、東大法学部の特徴や学生生活、法学部でどんなことを勉強するのかといったことをお話していきます。少しでも東大法学部や法学そのものに興味を抱いていただけたら幸いです。


    法学部とは

    東大法学部では類という制度を設けて、法学部の誰もが政治や法学を学習できるようにしています。法学部の類は4年生進級時に他の類への転類が容易であり、履修の仕方によってはどの類に所属していても内容上かなり似た学習ができるようになっています。他学部の学科のように高い障壁で区切られているものではありません。学生は以下の3つの類のいずれかに所属しています。

    第一類(法学総合コース)

    第一類の特徴は法学・政治学の科目の中で選択できる科目の自由度が比較的高いことです。筆者も第一類ですが、同じ第一類の友人と互いの時間割を比べてみると履修している科目にかなりの違いが見られます。また、外国語科目が必修であることから、法学を幅広い視点から理解することを目指す理念が窺われます。将来は公務員や民間企業に就職する人が比較的多いです。

    第二類(法律プロフェッションコース)

    第二類の特徴は必修科目が他の科類に比べて多いことです。必修科目のほぼすべてが、憲法、民法、刑法、民事訴訟法、刑事訴訟法、商法、行政法といった司法試験に合格するために必要となる科目です。そのため第二類は弁護士、検察官、裁判官などの法曹志望者を中心に、将来「法律のプロ」となることを目指す学生が多く集まっています。

    第三類(政治コース)

    第一類と同様、第三類は選択できる科目の自由度が比較的高いですが、「政治コース」という名前の通り、取らなければならない政治系の単位が多いことが特徴です。また、第三類のもう一つの特徴として、リサーチペーパーの提出が必須であることがあります。これは他の学部でいう卒業論文のようなもので、法学・政治学の特定科目のテーマについて、指導教員の指導を受けながら、一定程度掘り下げた研究を行ったうえで論文を執筆するものです。民間や公務員、研究者など多様な進路を志望している人がいるように見受けられます。

    ちなみに、どの類を選んだとしても、卒業までに取らないといけない単位の数は80単位と共通です。ただ、後述の通り法学部の授業は2年生から前倒しで開講されるので、80単位全てを3,4年生で取得する必要はありません。


    法学部の授業

    法学部の授業形態には講義演習の2種類があります。

    講義

    さまざまな規模の教室で、教員が語りかけるというのが基本です。先生が一方的に話し続ける形態になりがちですが、先生方もその道の最先端の研究を続けている方ばかりですから、含蓄豊かで興味をそそられ、印象に残る内容も多いです。また、講義のなかにも、憲法や民法第一部など、誰もが履修するような定番科目もあれば、医事法や都市行政学、情報社会と法など、特定の先端的な課題について講義する特別講義と呼ばれる科目もあります。

    演習(通称ゼミ)

    演習は、特定の主題について自ら調査・発表し、教員や他のゼミ生と議論をしてその主題について議論を深めることが狙いです。30名以下の少人数で開講されることが基本で、講義形式の授業よりも教員や他の履修者との距離が短く、交流を深め、より切磋琢磨することができます。東大法学部では、どの類に所属している学生も、最低1回はいずれかの演習を履修することが求められていますが、自分の興味関心に応じてさまざまな演習に参加する学生も多いです。


    法学部で勉強すること

    例えば、民法709条という非常に有名な条文を例にとってみます。

    (不法行為による損害賠償)
    故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害したものは、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

    ここでは「故意」というのは「わざと」、「過失」というのは「不注意で」くらいの意味だと理解してもらえたら大丈夫です。709条は、不法行為制度の中核となる条文です。不法行為制度とは、「他人の行為または他人の物により権利を侵害された者(被害者)が、その他人または他人とかかわりのある人に対して、侵害からの救済を求めることのできる制度」です(潮見佳男著『基本講義 債権各論Ⅱ』1p)。

    自らの権利を侵害されたら、相手に救済を求めることができる―非常にシンプルなことを言っているようにも思います。しかしながら、709条一つとってみても、考えないといけない問題は多岐にわたります。例えば、以下のような論点が挙げられます。

    因果関係の問題

    2つ以上のものの間に原因と結果の関係があることを因果関係といいます。不法行為の場面で損害賠償を認めるためには、加害者の行為が原因となって被害者の権利や利益が侵害されたという結果が発生したこと、つまり両者の間に因果関係があることが必要です。
    しかしながら、何をもって因果関係があると判断するかは時として難しい問題です。その典型例が公害です。工場の稼働による汚水で水質汚濁が発生し、近隣住民の健康被害が発生したとします。水質汚濁から健康被害への過程は目には見えないメカニズムで動いている以上、何をもって、工場の稼働が原因で健康被害という結果が発生したと判断するのか ― その枠組みが必要となります。

    損害の算出方法

    仮に加害者の行為と被害者の権利や利益の侵害について因果関係があると認められても、被害者に具体的にどのような損害が発生し、どのような形でその損害分を算出するのかが問題となる場合があります。
    例えば、公害で化学物質が体内に取り込まれたことで体が自由に動かなくなり、働けなくなった場合のことを考えます。賃金などの将来得られるはずであった利益は逸失利益(いっしつりえき)と呼ばれます。将来得られるはずだった利益が得られなくなったことも立派な損害ですから、被害者は逸失利益分も加害者に賠償請求ができるはずです。しかし、もし事故が起こらなかった場合将来得られたであろう利益がどれくらいの額だったかなんて本当のところは誰にも分かりません。とはいえ、被害者側に逸失利益分の損害を認めるなら、その算出をする必要があります。そのため、どのような統計的データを用いて、どのような算出方法を採るのが妥当と考えるかが問題となります。

    実際に法を運用し、以上のような事例や他の様々な論点に対処するためには、法の解釈という作業が必要不可欠となります。解釈は判例や他国の事例、時には法律が作られた際の立法の議論なども参考にしつつ、妥当な見解を探求する行為のことです。

    一体なぜ解釈という作業が必要なのでしょうか。それは世の中で起こっている様々な事象のうち、どのような事態が、どの条文の要件に該当するのかを予め記述しておくことは不可能だからです。また、仮に世の中のあらゆる事態に対して網羅的に対処できるように条文を整備できたとしても、要件を満たした場合の効果(709条で言えば、効果は「加害者が賠償する責任を負う」ことを指します)が条文に載っている内容で妥当なのかは議論が残ります。このように、実際に法を運用していくには解釈という作業が必要不可欠なのです。

    以上のように、法の趣旨を解釈によって探求していく学問を法解釈学といいます。法学系の科目の大半はこれにあたります。法解釈学は、社会で実際に用いられている法である実定法に関する研究を行う実定法学の主要な学問です。(ちなみに実定法とは異なる法概念として、人間や事物の本性をその基礎とする自然法があります。高校世界史で習った方もいるかもしれません。)一方で、法学の基礎をなす理論的な学問分野の総称を基礎法学と呼びます。基礎法学を通じて、より多角的な視点から法を分析することができるようになります。以下に簡単に例を挙げておきます。

    • 法社会学…法にまつわる社会の現象を分析する学問。
    • 法哲学…法と法学の諸問題を原理的なレベルにさかのぼって哲学的に考察する学問。
    • 法史学…過去の法現象、法制度、法的慣行、法観念、法思想などを研究する学問。
    • 比較法学…各国や各社会の法を比較研究する学問。

    もちろん東大法学部では法学だけでなく政治学も学べます。筆者が第一類のため政治学の学問紹介は割愛させていただきますが、政治学も大変刺激的な学問です。文献を通じて高校の現代社会で出てくるような歴史上の政治思想家の思想を深く探求したり、統計学的な手法を用いて選挙制度と選挙結果などの因果関係などを分析したりするようなことも行います。


    進学選択

    文科一類の学生の大半が法学部に進学します。文一の学生の場合、前期教養学部で取らないといけない単位を取り切ればほぼ確実に法学部に進学することが可能です(2020年現在)。いっぽう、他の科類から法学部に進学しようとする場合はある程度良い成績を収めなければなりません。


    卒業までの流れ

    1年生

    文一の学生を含め、法学部の専門科目は開講されません。ただ、前期教養学部の準必修科目として「法Ⅰ」や「政治Ⅰ」などの法学や政治学の入門科目が開講されており、これらを履修する文一生も多いです。文一生は、自分が興味ある分野を中心に、法学に限らないさまざまな教養科目を履修します。またすでに司法試験を目指すことを決めているような人の中には、1年生のころから司法試験予備校に入って法律の勉強を進めている人もいます。

    2年生

    本来は後期課程の専門科目は3年生から開始されるはずなのですが、法学部の場合は前倒しで2年生の4月から法学部の専門科目が開講されます。駒場キャンパスの900番教室という大教室で、憲法や民法、刑法などの科目の基本を1年かけて勉強します。

    3年生~4年生

    各類に分かれて自分が取りたい、取らなければならない科目を履修する一方で、司法試験予備試験や国家公務員試験にチャレンジする学生もたくさんいます。東大法学部では自発的に各種試験の勉強会が生成される土壌があり、その勉強会で交友を深めたり、仲間と切磋琢磨して法学への理解を深めたりします。

    卒業後

    2019年のデータによると、民間就職者は96人、公務員となった人は47人、法曹や研究者などを目指して大学院に進学した人は83人となっています。以前は東大法学部といえば公務員や法曹、研究者になる人がほとんどで民間就職者はあまりいなかったようですが、現在ではむしろ民間就職者が全体のかなりの割合を占めていることが分かります。


    最後に

    筆者は前期教養学部時代に、「災害復興と法」という、防災や災害復興に法がいかなるかかわりを持つべきかについて考えるゼミに入っていました。そのゼミの中でのとある外部講師の講演が印象に残っています。その講師の方は大学の教員を務めるかたわら、震災などの災害に遭った方を弁護士の立場から支援する活動を行っていました。

    「災害に遭ったら、まず何よりも役所にり災証明書を発行してもらってください! この証明書があるかないかで、その後に受けられる支援やその手続きの早さが全然違ってきます!」「震災が起こっても、手続きさえ踏めば、予め法律で定められている内容はちゃんと履行されるはずです」と熱っぽく語るその講師は、他の誰よりも法や法律の持つ力を信じていたように感じられました。筆者は今でもたまにこの講師の姿を思い出しては、法や法律が秘めている大きな可能性について考えさせられます。

    法律はこの社会の在り方を規定しているものです。法学部で既存の法の趣旨をとらえ、それを活用していくための素養を養うこと、現実世界を法律という観点から分析し、それが正しいのか問い続けることは、皆さんにとっても、皆さんを取り巻く社会全体にとっても有意義なものになると思います。皆さんが今後法学を学ばれる日が訪れることを心からお待ちしています。
    最後までお読みいただきありがとうございました。

  • 【東大生が教える】物理の勉強法

    【東大生が教える】物理の勉強法

    はじめに

    「物理は公式ゲーだ」

    こんな言葉を時々耳にしますが、これは本当でしょうか?

    確かに、一部の大学では「教科書に書いてある多くの公式の中から、その問題に必要なものを選び出す」ような力を測っていると思える問題もあります。

    しかし、東京大学をはじめとする難関大学では、「物理学の本質を理解しているか」を問うような問題が出題されており、とても公式の当てはめだけで解けるものではないでしょう。

    ここでは、そのような難関大学を志望する人向けに、自分や友人の体験などを基にしながら、物理の勉強法の一例を紹介します。


    高校物理に微積は必要?

    高校の教科書では、大学以降のものと比べて、微積などの数学をほとんど用いることなく物理を説明しています。また同時に、専門書のように微積分を用いて高校物理の授業をすることを、一部では「微積物理」などと揶揄する人がいます。

    しかし、私は物理において、微積やベクトルなどの数学は「道具」として積極的に使っていくべきだと思います。ここでは、その理由を「文字」になぞらえて考えてみましょう。

    文字がない時代は、情報交換などの大半が口伝えで行われていたでしょう。これでは、後世に正確な記録を残すことができない上に、複雑な情報を処理することが出来ません。

    しかし、文字の発明によって、それらのことが出来るようになりました。
    現代では、「手段」としての文字の性質を高めた「速記」などが、国会の会議録作成など、様々な場所で用いられています。

    一方で、手段であるはずの文字自体を「目的」にしたものもあります。

    その一つが「習字」です。習字はただの道具でしかなかった文字の美しさを追求していくもので、速記などの「手段文字」とは一線を画するものだと言えるでしょう。

    では本題に戻り、物理における数学はどうでしょうか。

    これは前者のように「手段」としての数学だと思います。

    逆に、大学入試の数学で出るようなものが、習字などと同じ、目的としての数学だと言えます。たとえば、高校物理において、確率の計算などを用いるような場面はほとんどないでしょう。

    物理で用いる数学は、高校から登場するベクトルや微積分をはじめ、言わば自然の世界にはない「人の手によって創られた数学」だと言えるでしょう。

    このような、物理学からの要請によって誕生し共に発展してきた「物理数学」は、物理学を正確に深く理解するために必要不可欠ではないでしょうか?

    確かに通常の高校物理に比べると、数学を用いて記述する物理学は、新たに学ばなければいけないことがあり、大変ではあるでしょう。しかし、それだけの価値があると私は思います。


    物理学を理解する

    大学入試は教科書の内容を基にして出題されるので、教科書を完璧に理解すれば、入試で満点を取ることはできると言えるかもしれません。

    しかし、教科書だけで物理学を完璧に理解することは難しく、従って難関大学の入試で満点を取るのは難しいでしょう。こう言うと「それでは教科書の意味がないじゃないか」という言葉が聞こえてきそうです。しかしそうではなく、これは「高校の教科書が、物理を志す人だけでなく、生物など他の分野を志望している人へも向けて作られているからだ」と私は考えています。とは言え、もちろん教科書の内容を理解することはスタートラインであり大切なことです。

    そもそも「物理を理解する」とはどういうことでしょう? 私は「原理を理解し、他の問題にも応用できる」ということだと思います。公式を全く用いてはならないということではありません。公式では対処できない難しい問題に出会った時に、すぐ原理に立ち返り必要なものに切り替えられるということが大事です。私の恩師が「物理は『知識を学ぶ科目』ではなく『考え方を学ぶ科目』だ」と仰っていましたが、まさにその通りだと思います。

    教科書だけで物理学を理解するのは難しいですが、一方で慣れない専門書や学術論文を高校生が読んでも、労力に見合うだけの成果を得ることは難しいでしょう。そこで、ここでは高校生が物理を理解する手助けとなるような、1冊の参考書を紹介したいと思います。

    それは、駿台文庫の『新物理入門』です。タイトルに「入門」とありますが、その内容は東大京大受験者でも難しいと感じるレベルで、高校物理と大学以降の物理学との橋渡しになるような本です。この中では周回積分のような少し高度な数学が出てきますが、その使い方は専門書とは違い、数式をいじって深く追っていくためというよりも、簡潔に分かりやすく表記するために使われています。そのため専門書を読み解くような数学力のない高校生でも学びやすい本となっています。(ただし、専門書では数式を用いるところが言葉によって説明されているので、理解するのが大変であることには変わりはありません。)

    勉強方法としては、高校2年生以下の人は一つ一つの式や説明を全てノートに書いていきながらその過程をゆっくり追っていくことをお勧めします。それにより、「一見当たり前に思えるが実は非自明である」ような内容を見つけられ、自分の理解を深めることができるでしょう。しかしこの方法は莫大な時間を要するため、受験生の人は一通り理解した分野について物理入門を辞書のように用いながら、必要な部分だけ書いて理解していくのが良いでしょう。

    また最近は「ヨビノリ」(予備校のノリで学ぶ「大学の物理・数学」)をはじめとする教育系YouTuberの動画や、スタディサプリ・学研プライムゼミなどの有料動画コンテンツが数多く出回っています。塾などに行っていないが学校の授業以外で学びたいという人や、物理入門を読む取っ掛かりにしたい人などは、このようなものを用いてみるのもいいでしょう。


    演習は大切

    上で紹介した『新物理入門』をただ読み込んだからといって大学入試で点が取れるわけではありません。野球のルールブックを読んでも試合で点が取れるわけではないでしょう。実戦で学んだことを自在に使いこなせるようにするには、演習を積むことが重要です。

    取り組む問題については、1・2年生や3年生の前期などでは『リードα』・『セミナー』などの学校指定問題集や『体系物理』などの問題文が短い問題集をやり、受験が近づくにつれて『標準問題精講』大学の過去問に手をつけていくのが一般的です。『難問題の系統とその解き方』、通称「難系」という問題集(最近改訂されて2冊になったようです)などもありますが、これに収録されている問題は数が多い上にかなり難易度が高く、一つ一つの問題もかなりの曲者なので『標準問題精講』をおすすめします。しかし難系も1問ごとに得るものが他の問題集と比べても多いので、上にあげた問題集が終わって時間と余裕があるのなら、取り組んでみるのも良いでしょう。また過去問については基本的に、解説が充実している駿台文庫の「青本」がおすすめです。

    予備校に通っている高卒生に関しては、予備校の授業で用いたテキストを何度も復習することが何よりも大切です。ここで重要なのが、問題そのものを復習することではなく、習ったことが充分使いこなせているかをその問題を通して確認することです。通常の問題集とは異なり、予備校のテキストでは授業内容をうまく反映させた問題が選択・創作されています。そのため安易に演習量を増やそうとして復習が不十分のまま市販の問題集に手を出すのではなく、ノートを見なくても全て思い出せるというレベルまで何度もテキストを繰り返して質を高めることが大切です。

    最後に演習の方法についてですが、過去問や模試以外では、過程もノートに書いていくべきだと思います。これは後で復習する際に、どのような部分で間違えたのか、もっとスマートに解くことができなかったかなどを考えることができるからです。特に後者は重要で、物理では使う式の選択で大きく計算量が変わってきます。例えば弾性衝突の問題で、はね返り係数の式(e=1)を用いるかエネルギー保存則を用いるかでどのくらい変わるか試してみれば分かるでしょう。過去問演習については計算スペースの量を本番に寄せて演習してみるのが良いと思います。東大は記述式ですが、京大などは答えだけを記入する解答用紙なので、問題用紙の狭い余白で計算しなくてはいけません。そのような問題に対してどう対処していけば良いかなどを学んでいくのも良いでしょう。


    分野別の勉強法

    力学

    力学は物理の根幹とも言える分野であり、他の分野の基礎になっています。その上力学は物理の中でも最初に習う分野なので受験生の理解度も高く、レベルの高い争いになることが多いです。仕事への深い理解、2体・多体運動における重心運動と相対運動、中心力と面積速度一定の法則(角運動量保存則)などは、余裕があれば見ておくと良いと思います。

    熱学

    熱学は入試において波動と隔年で出題されることが多い印象ですが、波動よりも受験生の理解度が高いです。熱力学第一法則を軸として、定積・定圧・等温・断熱過程における熱・仕事・内部エネルギーの関係は特にしっかりと押さえておきましょう。

    波動

    この分野は受験生の理解が薄いため、しっかり押さえておけば大きなアドバンテージになるでしょう。ドップラー効果・定常波の数学的表現・凹凸レンズ・波の干渉など、内容が多岐にわたるため大変ではありますが、時間を多めにとって克服していくと良いでしょう。

    電磁気学

    多くの人がつまずく分野であり、最大の難所とも言えるでしょう。電気分野において、特にガウスの法則やコンデンサーの原理については、公式を暗記しただけで本質を何もわかっていない人が多いように感じます。これらの部分は公式に頼らずに、なぜそのような式が得られるのかを一度自分でしっかりと考えてみてください。磁気分野についても同様で、公式に頼りきりの人が大半だと感じます。電磁誘導やRLC回路について、自分で公式を導出することを、一度でいいので行ってください。

    原子

    この分野にまで手が回らない人も多いと思われますが、原子分野は物理の入試問題で一番解きやすいと言っても過言ではありません。原子分野は前期量子論と原子核分野から成りますが、前者については、アインシュタインやボーアなどのノーベル賞論文が基になっているので、論文の内容から外れにくい=どの大学でも問題が似ているのが大きな特徴です。そのため冬休みなどの期間に一度集中して取り組めば、入試でかなり高得点を取ることができるでしょう。後者の原子核分野については、「質量とエネルギーが等価である」、つまり円とドルのように、質量はいつでもエネルギーに「両替」できるということを常に意識しておけば大丈夫です。


    おわりに

    ここでは物理入門や演習の方法など、様々な勉強法について紹介してきました。ただし、勉強法に正解はありません。「ノーフリーランチ定理」というものがありますが、これは「あらゆる人にとって最適であるような方法は存在しない」ということを示しており、この勉強法が完璧ではないことが分かるでしょう。

    ここで紹介する勉強法が合う人もいれば別の勉強法のほうが合うという人もいるでしょう。合わないと感じた時は別の勉強法と組み合わせてみるなど、何か策を講じるのもありだと思います。自分にとって最適だと思える、自分だけの勉強法を模索してください。
    最後まで読んでいただきありがとうございました。

  • 【東大生が教える】英文解釈の勉強法

    【東大生が教える】英文解釈の勉強法

    はじめに

    この記事を読んでくださっている皆さんは、英語を正確に読むことができますか? なんとなく英文の意味はわかるけど、英語を正確に読めるとは言い切れない人が多いのではないでしょうか。

    ここでお勧めしたいのが、文法を踏まえて文章を正確に読み、日本語に訳す練習をすることです。

    これは「英文解釈」などと呼ばれる勉強で、英語の実力を伸ばすためにとても大切なものです。志望校で英文和訳問題が出なくても、是非取り組んでみてください。

    この記事では、主に難関大学を志望している、または英語が好き/得意な高校生を対象に、なぜ英文解釈の勉強が必要なのかを説明した上で、具体的な学習方法と参考書の紹介をしていきます。

    英語の勉強法は人によって様々ですから、ここに書かれていることを全て受け入れる必要はありません。
    自分の勉強に活かせるところを見つけながら読んでください。


    なぜ英文解釈の勉強が必要なのか

    英文解釈を勉強すると、文法や単語の知識を駆使して英文を正確に読むことができるようになります。

    文法を軽視したまま英語を読もうとすると、単語の訳語をなんとなくつなぎ合わせるような読み方になってしまいますが、それでは難しい文章に歯が立ちません。

    大学入試に出てくる英文を読めるようにするには、あるいは大学入学後に出会う英語の論文や書籍などを読めるようにするには、文法を踏まえて正確に英語を読む力を身に付けることが不可欠なのです。

    また、英文解釈の勉強は、英文法の大切さに気付く良い機会でもあります。

    英文法の勉強というと、膨大な規則と表現を覚え込み、ひたすらに穴埋め問題や並べ替え問題を解いていく辛い作業のように感じられてしまうかも知れません。

    しかし本来、英文法とは英語の文を組み立てるルールのことですから、英語の文を読んだり書いたりするときにこそ必要なものです。
    文法にのっとって英文を読む練習をすると、英文法の大切さがよくわかりますし、英文を読む上でどのような文法の知識が必要なのかがわかるようになります。

    英文解釈の勉強をすることで英文法に対する理解が深まれば、英文法の正しい学び方が理解でき、英作文なども英文法を意識しながら勉強できるようになるはずです。


    英文解釈の勉強法

    英文解釈を勉強する際には、文法と単語の知識がある程度身についていることが必要になります。

    英文解釈の勉強の主な目的は、文法や単語の知識を使いこなして英文を読むことです。しかし、基本的な知識の抜けが多いと、抜けを埋めるのに手一杯になってしまい、結局学ぶべきことが学べなくなってしまいます。

    目安として、一度勉強したものを、1週間ほど時間をおいて何も見ずに解き直してみてください。

    これで前回からの成長を実感できるようなら、勉強の仕方が自分に適していることが分かります。
    逆に、前回からの成長があまり無いようなら、勉強の仕方が自分に適していない可能性が高いので、文法と単語の勉強をやり直すか、もっと簡単な英文解釈の参考書に切り替えた方が良いです。

    英文解釈の勉強では、英文を読み、構造を分析した上で和訳を書いていきます。

    「構造を分析する」というのは、主語・動詞・目的語・補語を見付け、修飾関係を明らかにすることです。

    このとき大切なのは、分からないことがあっても安易に解答を読まず、辞書や文法書を調べて自分なりの解答を書くことです。解答を読んでなんとなく納得してしまうだけでは、自分に足りない部分がどこなのかが曖昧になってしまいます。

    後ほど詳しく書きますが、自分ができなかったことを明確にして一つ一つ潰していくことが、英文解釈の勉強ではとても大切になります。

    自分なりの解答が書けたら、解答解説を読み、自分の考えや解答と一つ一つ照らし合わせていきます。不明な点を先生に質問したり、答案を添削してもらうのも良いでしょう。

    このとき、自分がうまくできなかった部分を明確にすることが大切です。

    文法と単語の知識はある程度持っていて、しかも辞書や文法書を調べることができるのですから、「知識がないから分からなかった」ということはあまりないはずです。

    調べ方がまずかったのなら、辞書や文法書の読み方を改善できます。

    知識は持っていたのにその使い方が分かっていなかったのならば、どのように頭を働かせて知識を活用すればいいのかが明確になりますし、どのような形で知識を身につければ活用しやすいのかを理解することもできます。

    英文解釈の勉強は、知識を身に付けるだけでなく、知識の見つけ方、その活用の仕方、英文を読むための頭の使い方などを勉強するものでもあるので、じっくり時間をかけて取り組むようにしてください。

    英文解釈の勉強をするときは、辞書を常に手元に置き、頻繁に参照するようにしてください。辞書を引くときは訳語を読むだけでなく、例文や解説を熟読し、単語の使い方も含めて理解することが必要です。たとえば、

    • 品詞は何か
    • 動詞なら自動詞なのか他動詞なのか
    • 名詞なら可算名詞なのか不可算名詞なのか
    • 形容詞なら限定用法で使うのか叙述用法で使うのか
    • 一緒に使われやすい単語は何か

    など、使い方を細かく理解しておかないと、英文を正確に解釈できないことがあります。

    これ以外にも注目すべきことはたくさんありますから、辞書を引くときには、辞書のどこに注目しながら読むと英文解釈に役立つのかを考えてみてください。簡単な単語ほど豊かな意味や用法があるので、簡単な単語でも積極的に辞書を引くようにしてください。

    辞書と同様に、文法書も頻繁に参照し、例文や解説を熟読しておくことが大切です。一般的な高校生向けの文法書(『ジーニアス総合英語』や『総合英語Evergreen』など)は、分厚くてとっつきにくく思われるかもしれませんが、その内容は、ほぼすべて大学入試に出てくる可能性がある事項ですから、きちんと理解しておく必要があります。

    特に英語が得意な人は、さらに上のレベルの文法書(『ロイヤル英文法』や『英文法解説』など)を使ってもいいでしょう。

    辞書や文法書の使い方を身に付けておくと、英文解釈に限らず英語全般の勉強、あるいは英語以外の語学の勉強もしやすくなりますから、英文解釈の勉強をする際に練習しておくと良いです。

    ここまでじっくり英文に取り組むと、かなり英文が理解できるようになっているはずです。

    英文が理解できてスラスラ読めるようになったら、英文の音声を聞いたり、自分で発音したりするとさらに効果的です。こうすることで、リーディングだけでなくリスニングやスピーキングの練習にもなります。
    英文が短い場合には、和訳だけをみて元の英文を書き出す練習もすると良いでしょう。

    このような勉強法を実行すると、かなり時間がかかってしまうはずです。なかなか勉強が進まないことに対して、イライラしてしまうかもしれません。

    しかし、じっくり英文に取り組む練習は不可欠ですし、地道に努力を続けていけば必ず成果が出てきます

    受験が近付いてくるとこのような勉強はなかなかできないでしょうから、早いうちから取り組んでみてください。


    英文解釈の参考書

    ここでは、英文解釈の勉強をするときに有用な参考書をいくつか紹介しています。

    ここに書かれていることやネット上の評判だけで選ばず、必ず自分の目で確かめて、自分のレベルや好みに合わせて選んでみてください。

    ・基礎徹底 そこが知りたい 英文読解 (駿台文庫)
    ・英文読解入門 基本はここだ! (代々木ライブラリー)

    最も基本的な英文解釈の参考書で、とても短い英文とその和訳、解説が掲載されています。

    いずれの参考書も、「主語と動詞」「節」などの概念が丁寧に導入されています。

    簡単に感じられる部分も多いかもしれませんが、基本的な概念に馴染んでおくと後の勉強がやりやすくなるので、これらの概念を読解の中で使うことに慣れていない人にとってはいい参考書です。

    ・入門英文問題精講 (旺文社)
    やや簡単〜標準ほどの英文を扱った参考書です。英文解釈に必要になる知識が多く載っています。英文を読み上げた音声が利用できたり、講義動画が見られたりするなど、使い勝手のいいつくりになっています。

    ・ビジュアル英文解釈 PartⅠ・Ⅱ (駿台文庫)
    基本的なレベルから始まり、やや難しいレベルまで扱われています。英文を読むときの頭の働かせ方などに重点がおかれているのが特徴です。

    量が多めなので、内容を身に付けるにはかなり時間がかかると思いますが、時間をかけて取り組めば、得られるものは多いはずです。

    ・英文読解の透視図 (研究社)
    大学受験の参考書としては最も難しいものの一つです。読みにくい文章が多く取り上げられているので、苦手な人が安易に手を出すと挫折してしまうでしょうが、英文解釈がかなり得意な人にとってはやりごたえのある参考書です。

    ・英文解体新書 (研究社)
    大学受験レベルを超えた文章も扱われており、かなり難易度の高い参考書です。

    ほとんどの人にとって大学受験の対策としては不要ですが、大学入学後には難しい英文に触れる機会が増えますから、他の科目との時間配分を考えた上で取り組んでみてもいいかもしれません。


    おわりに

    最後まで読んでいただき、ありがとうございます。皆さんの日々の勉強に生かせる部分が少しでもあったなら嬉しく思います。

    この記事の内容はかなり抽象的ですから、一度読んだだけでは腑に落ちない部分も多いと思います。できることなら、英文解釈の勉強を始めた後にも、定期的にこの記事を読み返していただけると嬉しいです。

    勉強が進んでいくうちに、この記事に書いてあることの意味がわかって共感できたり、あるいは逆にこの記事に書いてあることが間違っているように感じられたりすれば、それはたぶん、自分の中で勉強の仕方が固まってきたということです。

    最初にも書いた通り、ここに書かれていることを全て受け入れる必要はありません。この記事の内容の多くは私や私の友人などの経験に基づいていますが、それがすべての人にとって参考になるわけではありません。

    いろいろな人の話を聞き、自分で試しながら、自分なりの勉強法を確立していってください。

  • 2021/01/04 岩手県5校合同 オンライン

    2021/01/04 岩手県5校合同 オンライン

    企画概要

    2021年1月4日(月曜日)に岩手県立大船渡・釜石・久慈・福岡・宮古高等学校の生徒様計50名を対象にオンラインセミナーを実施いたしました。 今回のツアーでは「主体的に大学を目指す」をコンセプトに、以下のコンテンツを実施しました。

    プレゼンテーション「大学ってどんなとこ?」

    大学生活の中から、学習・サークル・一人暮らしの具体的内容や魅力を紹介するプレゼンテーションを行いました。企画に参加した多くの生徒様から「大学生活についてより具体的なイメージを持つことができた」という声をいただき、好評でした。今回のプレゼンテーションを通して、生徒様に大学を身近に感じていただき、受験を乗り越えるモチベーションとしていただければ幸いです。

    ワークショップ「どっちの大学を志望すべき?」

    進路選択を根拠を持って主体的に考えていただくために、架空の高校生の大学選択を擬似的に体験していただきました。その後、生徒様一人ひとりに自分だったらどちらの大学がよいかを考えてもらい、意見の共有を行いました。 生徒様からは「多角的な視点で大学進学について考えられた」などの意見を頂きました。このワークショップがより主体的な進路選択の助けになれば幸いです。

    個別相談会

    大学生1人に対し、生徒様2〜3名の少人数で、座談会を行いました。受験勉強や進路選択など様々な分野について質問を頂き、話し合うことで、生徒様の不安を解消できたのではないかと思います。「東大生の方に質問できるという貴重な経験をすることができ、進路実現のために努力していこうと改めて決意できる時間になりました」などの声を頂きました。

    まとめ

    短い時間ではありましたが、生徒様が積極的にメモをとっていたり、質問をしていた姿が印象的でした。 このセミナーが進路選択や将来について考えるきっかけとなることを祈っています。

  • 【根性論じゃない】「部活と勉強の両立」に必要な3つのこと

    【根性論じゃない】「部活と勉強の両立」に必要な3つのこと

    はじめに

    「部活と勉強の両立」これは古来より多くの高校生を苦しめている難敵です。この記事を見に来たあなたはそんな多くの高校生の1人ではないでしょうか。この記事を書いている私も、例に漏れずその悩める高校生の1人でした。

    私は高校1年生から3年生の6月まで弓道部として週5日か6日で活動していました。(もちろん幽霊部員ではありません。2、3年時は副部長でした。)2年生の頃は夜の8時まで活動することも多々ありました。

    そして、東大にも現役で合格することができました。これは「部活と勉強の両立」という難敵を攻略することができたからだ、と私は確信しています。

    しかし、私も最初から両立ができたわけではなく、両立する方法を考え、検証を重ねていくうちにできるようになったのです。その結果、たった3つのことを生活の中で意識するといいのだとわかりました。これからその3つのことについてお話ししていきます。

    先にお伝えしておきますが、この3つに気合い、根性、精神力の類は含まれません。いわゆる「とにかく頑張る!」は除外し、できるだけ実践できる方法をお伝えします。


    〜その1〜 徹底した時間管理

    部活をしている人の一番の敵はやはり「時間が足りない」ことでしょう。私もかつては口癖のように「時間が足りない〜」と言って何かを切り捨てる選択をしていた時期もありました。

    しかし、私の恩師の1人が「時間はあるものではなく作るものだ」と教えてくれました。つまり、自分から時間を生み出す努力をしようということです。

    それから私は時間管理を徹底するようにしました。といってもアプリを使ったり、その他にも特別なことをしていたわけではありません。

    私は自転車で通学をしていたので通学時間に勉強はできませんでした。その代わり、通学時間中(特に帰り道)はずっとその日の時間の使い方について考えていました。

    ここでは登下校中に私が頭の中で考えていた具体的なことを記載します。

    1. その日にしなければいけないこと、その日にすべきこと、その日にしなくてもいいこと、を考えて優先順位をつける。
    2. 各々にかかる時間を見積もり、その日使える時間内でできることを当てはめる。
    3. 完成したその日のスケジュールを実行する。
    4. これを毎日繰り返す。

    こうすることで時間の使い方が整理され、かなり効率的な生活を送ることができるようになりました。

    また、この方法のもうひとつの良い点は、自分が持っている時間と必要とする時間に自覚的になれるということです。これらがわからないと、自分にできることとできないことの区別がつかなくなります。何か長期的な勉強の計画を立てようとしても、今の自分にできることがわからないと不可能な計画を立てかねません。

    最初は「かかる時間の見積もり」が難しいかもしれません。ですが、繰り返していくうちに自分の能力や特性を把握できるようになり、やがてうまくいくようになるでしょう。


    〜その2〜 眠気の克服

    部活をしている人、特に運動部で活動している人にとっては眠気も大敵ですね。疲れ果てた後に晩ご飯を食べ、お風呂に入る、この †黄金コンボ† が決まるとほとんどの人間は必然的に眠くなります。

    では、どうすればいいのでしょうか?この答えは無数に存在します。つまり、自分に合った方法を見つけられるかが重要になります。しかし、それはどのようにして見つければよいのでしょうか?そのヒントを私の体験をもとにお話ししたいと思います。

    私は多くの方法を試しました。朝型人間になろうとしたこともありましたが、朝起きても勉強する気になれず、自分に合わないと割り切ってやめました。また、カフェインの入っている飲料を飲むのは就寝時に寝つきが悪くなり、体質にも左右されやすいのでおすすめしません。

    そして私が採用した戦法は、「少しだけ寝る」でした。これもオーソドックスな手法の1つですが、弱点があります。それは寝過ぎてしまうということです。この弱点を克服するために私はできるだけ眠りにくい環境で寝ることを心がけました。具体的には机に突っ伏して、アップテンポの音楽を聞きながら10分ほど寝ていました。

    これは「学校の休み時間に机で寝ると、授業が眠気無くすっきりと受けられる」という経験から思いついた方法です。この姿勢だと、寝過ぎたとしても15分ほどで必ず目が覚め、目が覚めた時もアップテンポの曲を聞いているので気分が良く、ノリノリで勉強に向かうことができました。

    しかし、この方法も人を選びます。机で寝ることが苦手だったり、起きてすぐにはテンションを上げにくいという人は他の方法が合っていると思います。

    あなたにはあなたに合った方法が必ず存在します。そして、その方法は私の例のように意外と身近な出来事から見つかったりするものです。つまり、日々の何気ない行動を意識して、センサーを張り巡らせることが自分に合う方法を見つける近道です。眠気に悩まされている人は、インターネットからだけでなく、ぜひ生活の中からも答えを探してみてください。


    〜その3〜 スイッチを作る

    人間は休憩をとらずに活動し続けることはできません。私も土日にはよく友達や先輩とカラオケやボウリングに行っていました。精神的にも肉体的にも休憩は必須です。なので、休憩を取ること自体には何の問題もありません。

    しかし、休憩にも難しい点があります。それは、休憩と勉強のメリハリをつけることです。そして、それが難しいのは休憩から復帰するときにかなりのエネルギーが必要になるからです。電化製品は電源をつけた直後が一番電力を消費します。同様に人間もスイッチを入れる瞬間が一番大変で、これを苦手とする人も多いでしょう。逆にスイッチが入ったら続けられるという気持ちもよくわかります。

    その点で言うと、先ほど挙げたカラオケやボウリングのような比較的長時間外出して遊びにいく類の休憩は、帰ったらおしまいなので切り替えやすいですね。「結構遊んだし、そろそろ勉強するかー」という気持ちも働きます。

    ですが、これは休日の話です。平日はどうでしょうか?

    1日は24時間ですから、部活も勉強もしていたら遊ぶ時間はそんなにないはずです。しかし、休憩の時間はあります。ご飯を食べたり、お風呂に入ることも休憩の一つですね。それらが終わった後、つまり、ご飯を食べ終わった後、お風呂から出た後、すぐに勉強に復帰できますか?私はこれが難しかったです。なんとなくだらけてしまう、というのはこの勉強と休憩の間で生じます。ここからスイッチを入れるにはどうすればいいでしょうか?

    こちらも結論としては「自分に合ったスイッチを作る」になってしまいます。

    しかし、ある2つのポイントを守ったスイッチにしないと正解にはたどり着けません。その2つを守った上であなたに合ったものは何かを考えましょう。

    1. 明確な終わりがある

    「なんとなく時間を消費する」はスイッチに明確な終わりがない場合に多々起こります。一番の例はネットサーフィンやtwitterの巡回です。これらは情報の底無し沼と言っても過言ではありません。「〇分までネット or twitter見よー」のような感じで、少し休憩しようと思ったときにこれらに手を出してしまうと、沼にはまってしまうかもしれません。することが無くなって時間が余ったときにのみ、手を出すようにしましょう。

    Youtubeなどで動画を見るのはグレーゾーンです。動画の一つ一つには明確な終わりがあります。しかし、こういったサイトは私たちに次の動画を勧めてきてしまいます。これも沼の入り口です。自制心を持ち、休憩時間内に終えることができるのであれば、使っても問題ないでしょう。そうでない場合、短い休憩では触らないようにしましょう。

    2. ある程度の時間がかかる

    スイッチを急に切り替えることは難しいです。そこで、徐々に切り替えることを意識して時間的長さを持ったスイッチを作りましょう。これを時間のロスと考えるか、切り替えるまでの助走として必要な時間と考えるかは人によって異なるかもしれません。しかし、切り替えが苦手だった私は必要な時間だと考えています。onとoffを明確に分けるのではなく、徐々に勉強する気持ちに持っていくために、ゆっくりスイッチを入れていきましょう。

    この2点を踏まえて私は「好きな音楽を自分のスイッチ用の音楽に決めて、そろそろ勉強に取り掛かろうというときにはその一曲を聞く」ということをしていました。野球選手の登場曲のような感じです。

    その他にもこの条件に当てはまるものの例を挙げると、軽いジョギングや運動、飴を一つ食べる、小説などを一章だけ読む、が考えられます。これが全てではありませんが、あなたの生活に無理なく取り入れられるものを選びましょう。


    最後に

    部活と勉強の両立についての方法を述べてきました。いかがでしたか?

    部活をしている多くの人に当てはまるもののみを記しているので、これだけでは両立できない人もいるかもしれません。しかし、どんな場合も、原因を見つけ、それを解決する方法を考えるというステップは本質的には同じです。この積み重ねが勉強と部活の両立への近道です。

    部活動に励む全ての高校生の役に立てば幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました。

  • 【東大生が教える】世界史の勉強法

    【東大生が教える】世界史の勉強法

    はじめに

    「範囲が膨大すぎて何から覚えていいかわからない……」
    「覚えたはずなのにすぐにごちゃごちゃになってしまう……」
    世界史について、こんな悩みを抱えている人もいるのではないでしょうか。

    暗記科目の代名詞である世界史には、苦手意識を持つ人も少なくないでしょう。
    ですが、裏を返せば、一度しっかりと覚えてしまえば安定して高得点を狙える科目でもあります。

    今回は、世界史が大の苦手だった私が、苦手を克服しセンター世界史で満点、東大二次で約8割を取ることができた勉強法をご紹介します。


    効果的な暗記のためのポイント

    私が世界史を勉強するときに意識していたのは、以下の4点です。


    1. 復習は反復して行う

    みなさんは、いつ、何度復習をするのか、決めて学習に取り組んでいますか?

    復習は面倒くさいからと放置したり、その結果として、問題を解いているうちに知識の欠落に気付き慌てて復習したり……といったことをすれば、成績の向上は見込めないでしょう。
    何より、一度忘れてしまってから覚え直すのは、とても効率が悪いです。

    受験生ならば一度は聞いたことがあるであろう、エビングハウスの忘却曲線。これに基づいて、忘れきってしまう前にこまめに復習することで、一から覚え直すよりも遥かに少ない労力で記憶の定着を図ることができます。

    記憶は、エビングハウスの忘却曲線に合わせたスパンで繰り返し復習することで定着します。翌日、三日後、一週間後……というように段々間隔を延ばしながら復習に取り組んでみてください。

    「何度も復習をするなんて大変すぎる」
    「世界史にそんなに時間をかけられない」

    と思うかもしれません。ですが、先に述べた通り、ほとんど覚えてない状態から覚え直すのと、ある程度覚えている状態から覚え直すのとでは、労力もかかる時間も違います。何度も繰り返し復習することが、結果として近道になるのです。


    2. 文脈を知る

    ここで言う「文脈」とは、出来事の背景・意義や、出来事と出来事のつながりなど、言わば世界史における事象に関する「ストーリー」です。

    これを知ることで、単なる暗記に陥るのを避けることができるため、知識がごちゃごちゃになりにくくなります。さらには、論述問題にも活かせるようになります。

    「文脈」を意識して授業を聞いたり、教科書を読んだりしてみてください。
    より理解を深めたければ、流れを理解することに重点を置いた参考書を手に取ってみるのも良いでしょう。

    3. 重要なものから覚える

    世界史で出てくる事項が、全て同じ重要性を持つわけではありません。

    絶対に覚えるべき頻出事項から、国公立二次試験レベルのもの、私大レベルのものとまちまちで、受験する大学によっても各事項の重要度は異なります。
    自分の志望校の出題傾向を知り、どこまで覚えなければならないか把握しましょう。

    「覚えるのがどうしても苦手だ」という人は特に、教科書の太字や、一問一答で一番高い重要度がつけられている事項から覚えましょう。
    最重要の事項を覚えて大きな枠組みを作り、そこに必要に応じて細々とした事項を嵌め込んでいくイメージで知識を増やしていくと良いです。


    4. 自分の傾向を知る

    これは世界史に限らず勉強全般に言えることですが、まず自分の傾向を把握することに努めましょう。

    黙読して覚えるのが合っている人もいれば、口に出して覚えることが合っている人、手を動かして覚えることが合っている人もいます。私の知人の中には、「口に出しながら歩き回るのが一番覚えやすい」と言う人もいます。また、記憶力も人によって違います。

    どれぐらいのスパンで復習するのが自分に一番合っているのか、実際に試して探ってみてください。

    私の場合は、具体的なイメージやストーリーを伴った方が覚えやすかったので、資料集で地図と照らし合わせながら出来事の暗記をしていました。

    文化史は特に苦手でしたが、固有名詞を時代やジャンルごとに羅列しただけの暗記に陥ってしまっていたことが原因でした。
    作者と作品名だけを覚えるのではなく、物語のあらすじや絵画の実物を把握するようにしたところ、以前より格段に覚えやすくなりました。

    同様に、どうしても覚えにくい人物や出来事については、自分で調べてみて知識を補完するようにしていました。


    基本の世界史勉強サイクル

    ここで、実際に私が行なっていた勉強サイクルを一例としてご紹介します。

    1. 授業を受ける

    私が受けていた授業は、基本的に先生自作のプリントに穴埋めをしていくスタイルでした。
    このとき、括弧の中に入る単語や年号は絶対に聞き漏らさないように気を付けつつ、先生が喋った内容をなるべくたくさんメモするようにしていました。

     2. その日のうちに復習する

    休憩時間や移動時間、寝る前のちょっとした時間などを使って、その日使ったプリント全てにざっと目を通しました。

    このとき重視していたのは、「その日の授業で扱った範囲の流れがきちんと掴めているか」ということです。

    括弧の中を隠して覚えているか確認することは特にしていませんでした。その代わり、復習中に思い出した授業中にメモしきれなかったことや、因果関係を自分なりに言語化したもの、気付きなどを書き足していました。

    授業中や復習中になるべくたくさんメモを残すようにしていたのは、ストーリーがある方が覚えやすいという自分の傾向を踏まえ、そういう些細な記憶が暗記や思い出すときに役立つことを経験的に知っていたためです。

    3. 3日以内に復習と論述演習をする

    「3日以内に」と書きましたが、模試などでどうしても時間が取れなかったときを除いて、復習は翌日に行っていました。論述演習のタイミングはまちまちでしたが、記憶の定着を図るために必ず3日以内に行っていました。これについては後述します。

    このときの復習では、穴埋めの暗記・確認、穴埋め式問題集の演習を行っていました。間違えたところは時間を置いて見直しをし、ほとんど覚えられたら論述に移る、という形でした。

    4. 翌授業日までに教科書の習った範囲を読む

    世界史のために週に何度もまとまった時間をとる余裕のある人は、おそらく少数です。そして、世界史の教科書は分量も多く、通読するにはかなりの時間と根気が必要になります。

    そのため私は、休憩時間などを活用して次の授業までにその授業で習った範囲を読み、分割して全体を読み切れるようにしていました。

    5. 翌授業日にさっと復習する

    私の場合は、世界史の授業の前に昼休憩があったので、そこで復習していました。
    授業前の休憩でざっと見返す程度でよく、時間が取れなければ前日でも良いでしょう。次の授業までに済ませるのは、内容が混ざってしまうのを防ぐためです。

    このとき授業の内容をほとんど思い出せるようであれば問題なく、思い出せなければ次の分とまとめて復習し、次からの復習のスパンを見直します。こうして、自分に合った復習のサイクルを作りました。


    論述対策について

    ここでは、論述を課す大学を受験する人向けに論述対策について説明します。

    私が推奨するのは、授業で習った範囲の論述問題にすぐに取り組むことです。

    授業の進度にもよりますが、だいたい週2題ほどで十分です。私は、200字〜600字のものを2, 3題、合計800字程度を目安にして毎週取り組んでいました。せっかく解いた問題は、ぜひ先生に添削してもらいましょう。

    論述問題にすぐに取り組むことを推奨する理由は、2つあります。

    まず1つ目は、単純に論述問題に慣れることです。
    早いうちから論述問題に取り組んでいれば、その分多くの論述問題を解くことができます。加えて、論述の作法や論述に必要な知識・着目すべき観点を知り、それ以降の学習に活かすことができます。

    2つ目は、復習の完成度をチェックし、アウトプットすることによりさらに記憶の定着させられることです。
    覚えたつもり・理解したつもりだったができていなかったという事態はよくあります。アウトプットに取り組むことで、それになるべく早く気付き、修正することができるのです。

    ↓論述問題についてはこちらの記事もチェック↓
    【東大二次試験対策】世界史大論述の書き方


    おわりに

    私自身は、世界史は完全なる暗記科目ではないと思っています。論述問題は、暗記していれば解けるような問題ではないからです。

    一方で、一定の知識がなければ話にならないのも確かであり、どこまで覚えなければならないか、見極めながら取り組む必要がある科目です。

    「自分の傾向を知る」で触れた通り、人によって向いている暗記法は様々で、記憶力も違います。様々な方法を試し、自分に合った学習のサイクルをつくってみてください