投稿者: FairWind

  • 【浪人を経て東大へ】浪人時代の体験記

    【浪人を経て東大へ】浪人時代の体験記

    はじめに

    あなたは「浪人」ということに対してどのようなイメージを持っていますか? 一般的には現役合格について語られることが多いかもしれません。しかし、浪人だからこそ得られる経験もあります。そこでこの記事では、私が浪人を経験して東大に合格するまでの道のりを紹介しながら、浪人期に考えていたことを正直に綴ろうと思います。手本になれない部分もたくさんありますが、一つの浪人体験記として参考になれば幸いです。


    現役での大学受験を終えて

    初めての大学受験が明けた春先。合格者一覧の中に自分の番号はありませんでした。しかし、不合格を突きつけられた私は、正直涙も出ませんでした。自分の弱さなどずっと感じていたからです。十分な努力ができず、やるべきことをかなり残したまま受験に臨んだことに後悔がありました。本番も得意だった数学で失敗し、他の教科でもうまくいかず。不合格は当然の結果でもありました。そして、現役の頃はその弱さから、「このまま合格して大学でうまくやっていけるのだろうか」「まだやり残したことはある」といった思いがあり、合格が本当に良いものなのか、葛藤すら抱えていたのです。

    そして直面した不合格。だったらもっと自分に磨きをかけるため「もう一度チャンスをくれ」と。その思いを胸に、浪人への覚悟はいち早く決めました。


    再挑戦の第一歩

    浪人生活を始めるとき、多くの人が予備校などの所属先を考えます。私も相当悩みました。百聞は一見にしかずということで、実際東京に赴いて駿台の体験授業を受けましたが、それでもなお地元に残るか東京で下宿するかで頭を悩ませ続け、行き詰まった私はここで初めて泣いてしまったのを憶えています。やはり受験とは辛さも伴うもの。それまでは実感のなかった「もう一年」という大きな選択を前にして、一度は屈してしまいました。

    最終的には、家族や先生に相談しながら、長期戦を乗り越える上で自分の過ごしやすい方として、地元に残って新たな生活を始めることに決めました。このとき母校の先生がかけてくれた言葉を今でも憶えています。

    大事なのはどこで勉強するかよりもどう勉強するかだ、と。

    これは再スタートの覚悟を決める上で印象的な言葉でした。今でも思うことですが、何事においても主体性が鍵を握っています。特に受験において誰かに依存していては非生産的な結果しか生まれません。確かに勉強をする環境も非常に大事ですが、受験は自分の工夫次第で大きく変えられるということを、今この記事を読んでくれているあなたにも肝に銘じていただきたいと思っています。


    自分と向き合う2度目の受験勉強

    3月下旬、心機一転として地元の新たな塾に身を置き、もう一度合格に向けて進み始めました。しかし、ふりだしに戻ったわけではありません。浪人の強みは大きく3つあります。これまでの学力の積み上げが1年分大きいこと、現役で一度失敗を経験していること、そして失敗の原因となった弱点を補完するための時間が存分に与えられていること。これらの強みを活かせば、現役生よりも不利であることは決してないはずです。

    しかし、浪人はそんなに甘くはありません。学力の積み上げがあると言っても、勉強の方向性がずれていては伸びが悪く現役生にあっという間に追い抜かされてしまうし、時間も適切に使わなければあっという間に過ぎていきます。浪人生が学力的にリードしているのは当然なので、もはや模試の判定にも安心できない世界でした。現役時にA判定を出していたので、浪人してからの記述模試ではA判定から下がれないと思っていました。そんな浪人期は、未習分野もなく生活スタイルも違う点で、現役の時とは全く違う一年になりました。

    ここで、浪人期に行っていた勉強を記そうと思います。自習ベースの予備校だったのですが、その際に添削や映像授業を頻繁に利用していました。自分の間違い方の癖や答案における論理の不備などを指摘してもらえる添削は大切な武器になります。私は、主に過去問の添削を予備校の先生方にお願いし、浪人期は毎週取り組んでいました。加えて、英語は英作文の添削を秋以降集中的に受けていました。その他にも現役時から使っていたZ会も利用したりと、独りよがりの勉強にならないような工夫を心がけていました。また、映像授業も、自学自習だけでは身につかない考え方をプロから学べる点で強力でした。地方にいながらトップレベルの授業を受けられるのは現代の科学技術の恩恵ではないでしょうか。自分と向き合った勉強を大事にする一方で、プロからフィードバックや新たな知見を得ることは、長い受験勉強をする上でも安心材料となります。

    ところで、時間を適切に使わなければあっという間に過ぎていくと書きましたが、私自身気の緩みはたくさんありました。予備校から帰った後、息抜きと称して無駄な時間を過ごしてしまったことは受験時代の後悔です。確かに、最適なペースで進み続けるのはとても難しく、だらけてしまうこともありますが、一生懸命努力をして臨んだ受験はきっと輝かしい思い出になります。未練のない努力をしてほしいということを、受験を終えた身として伝えさせてください。


    迎えたリベンジの冬

    私は長丁場の受験で勉強の方向性を見失わないように、長期的なスケジュールと、そこから割り出される日々のスケジュールを立てることを大切にしていました。しかし、一年間スケジューリングを行っていたものの、冬になっても完成には程遠く、課題を残したままセンター試験はやってきました。順風満帆に受験が進むとは限りません。ここまでくると、重視すべきは積み上げた学力よりも本番でいかに力を発揮できるかです。私は受験に対する不安や緊張はあまり感じないタイプだったのですが、一発勝負の試験で体調不良でダウンするのはなんとしても避けたい思いがあり、そういう意味での緊張を抱えて臨みました。これも母校の先生から頂いた言葉なのですが、私は、過度に緊張しないように「槍が降っても気にしない」精神を大事にしていました。センター試験の受験会場は自宅からだいぶ離れたところにあり慣れない場所でしたが、多少の緊張があっても緊張している自分を受け止めて落ち着いて受けきることができ、一つ大きな安心を得ることができました。

    最後のセンター試験では、現役時より点数を伸ばし、東大の足切りも越えたものの、9割には届きませんでした。しかし自分は東大に合格する一心で受験をしてきたので、引き下がる意味もありませんでした。合格者のセンター平均点は9割と言われますが、実際は9割に届かなかった合格者も割といる印象です。根拠のない自信は盲進になりかねませんが、これまで培った自分の能力を信じて、怯まず強気でいることは私にとっての合格の秘訣でした。

    センター試験が終われば東大への最後の道が始まります。去年と違ってここで勝負は決着。出した結果が次の進路。なんとしても勝たねばという気持ちは去年より強くなりました。現役の時よりもセンター利用を多く取り入れたり私大受験数を増やしたりと、浪人時は現役時より詰まったスケジュールでした。その分効率よく勉強すべきでしたが、要領の悪かった私は課題を計画通りに進められませんでした。やり残した勉強を仕上げるのが当初の目標だったのに、センター前と同様この時期でもやり残したことはたくさんあって、一年を後悔することもありました。でも腹を括らなければなりません。私は一年間、予備校で毎日現状報告の日記を書いていたのですが、東大受験のために上京する直前の日、覚悟をノートに宣言しました。

    これまでに解いた問題を手にとって振り返ってみて、積み重ねてきたことの多さに気づきました。何もかもを完璧にやってきたわけではなく、できずに終わることもたくさんあります。でも、それもこの一年で自分がしてきた選択なので、自分自身で可能性を潰すことなく、最後は合格という“正解”を描けるようにしようと思います。

    合格した今振り返ってみると、この言葉を記して良かったなと思っています。これまでの受験勉強の結晶として、最後に自信を繋いでくれた言葉でした。完璧な準備をして受験に臨める人はいません。そのため、できなかったことに目を向けて萎縮したり不安を感じるのではなく、これまでの自分の道のりを肯定的に認めてあげることが大切です。受験勉強をする上で周りの人に頼ることも時には必要ですが、本番で受験をするのは自分自身なので、自分なりの覚悟を持つことがとても大切なのではないでしょうか。

    ここで、私が出願した併願校について少しお話しします。センター利用は、取りやすい理科大や明治大に加え、早稲田にも出願しました。結果として早稲田以外のセンター利用に合格しましたが、これらは東大受験前に合格が決まるので、取っておけば安心材料になるはずです。一般受験は早慶と明治に出願しましたが、センター利用の合格が濃厚だったこと、移動の負担もあることを踏まえて早慶の受験に絞りました。本命の受験に支障が出ないように併願校の受け過ぎには注意ですが、やはり本命の前に併願校を受験しておくのは良い練習にもなります。

    東大入試本番。この時期はちょうど国内にコロナウイルスが現れ始めた頃なので、体調にはより一層の注意を払っていました。ただでさえ特別な場で、通常とは違った空気感がありましたが、試験も通常通りに運ぶわけではありませんでした。国語は時間が間に合わず、現役時と同じ過ちはしないと一年間注意し続けてきた数学で二の舞を踏み、理科も序盤から詰まり、英語でも挽回できるほどではありませんでした。1日目の夜は、澄ました顔をして実は不安を募らせていた気がします。2日目最後の英語でも、想定外に周りがペンを走らせる音が気になってしまいました。焦って問題に手がつかなくなりましたが、私は、その時取り組んでいた大問から一旦離れ、これまでにない解き順に舵を切って状況をたて直しました。試験ではこれまで通りの平常心で臨む一方で、臨機応変さも大切です。本番でのトラブルは即座に対応できるようできるだけ想定しておいた方が良いので、事前に対策を考えたり調べておくと安心ではないでしょうか。

    色々ありましたが、かくして2度目の3月10日、東京大学への合格を果たしました。もしかしたら失敗していたかもしれないと思うと、改めて合格まで走り抜けられたことに感謝が溢れる一年でした。振り返ってみると、浪人の一年は長いようで意外と短く、自分にとっては一瞬でした。浪人に限らず今受験勉強を頑張っている方には、辛いことも乗り越えて、「今、ここ」を大切に合格への道を歩んでほしいと思っています。


    浪人経験から得たこと

    ここでは浪人経験から得たことを大きく二つに分けて示したいと思います。

    • 途中見出しにも掲げたように、自分と向き合うことは勉強に限らず大切です。受験勉強は、簡単に言えば「分からない」を「分かる」に、そして「分かる」を「解ける」に変えていくものです。自分がこのうちのどこに位置するのかを把握することは、やるべき勉強を決める上での基盤となります。例えば三角関数自体がよく分かっていなければ基本からやり直すことになり、三角関数の基本や公式の意味が分かっているもののいざという場面で運用できないのなら問題集で練習する、といったように立ち位置によって課題は違います。その位置を把握するための手段として有用なのが模試や添削です。実践的な場で自分が出した解答や第三者のフィードバックをもとに、自分が見えていなかった自分まで見つけ出し、成長へとつなげていってください。
    • よく「浪人生は伸びない」と言われますが、決してそんなことはありません。そのように言われるのは、実際に勉強量を増やしても実力が伸びないケースが多いからです。しかし浪人の一年間で大きく成績を伸ばす人もおり、私自身現役時は38点足りませんでしたが、浪人をして合格最低点を16点上回ることができました。点数は学力の本質ではないので証拠とするのもおこがましいですが、ここで言いたいのは自分次第でいくらでも成績を伸ばすことが可能だということです。成績を伸ばす具体的な方法は人それぞれなので、ここで明確な答えを呈示することはできませんが、迷った時には先達の様々な意見を参考にして自分なりの勉強を確立すると良いのではないでしょうか。

    おわりに

    ここまで読んでいただきありがとうございました。私は一年浪人して東大に合格することができましたが、理論を積み重ねるばかりで行動力に欠けた人間でした。正直、もう一度同じ道を経て受験をしても合格する保証はないですし、もっと頑張ればよかったという後悔もあります。だからあくまで参考程度に留めてもらえると幸いです。むしろ大事なのは自分の生き方です。受験勉強、特に浪人となると辛いこともありますが、それを乗り越えた先には今よりももっと素晴らしい自分が咲くはずです。共通テストの導入や指導要領の改訂、そしてコロナ禍という新たな局面での受験が控えていますが、その状況で今できること、やるべきことを見つけて受験勉強に励んでほしいと思っています。

    応援しています。

  • 2021/03/13 昭和薬科大学附属高等学校・中学校 オンライン

    2021/03/13 昭和薬科大学附属高等学校・中学校 オンライン

    企画概要

    2021年3月13日(土曜日)に、昭和薬科大学附属中学・高等学校の生徒様30名を対象に昭和薬科ツアーを実施いたしました。 今回のツアーでは「努力すれば合格できる可能性が十分にあるのにもかかわらず、無理そうだと思い、東大受験を諦めてしまう中高生に、本企画を通して東大受験により積極的になってもらい、不安や迷いを少しでも払拭した状態で東大合格のための勉強を続けて欲しい」というコンセプトのもと、東大の魅力や東大生の魅力を伝え、東大受験に対するモチベーションアップを目指し、東大受験のための勉強の後押しをすることを最終目標といたしました。

    以下では実施した3つのコンテンツについて、その内容や生徒様の様子をご報告いたします。


    東大の制度・魅力:プレゼンテーション

    プレゼンテーションは「進学選択制度の説明」「進学選択制度の良さ」「後期専門課程の授業」の3部構成で行いました。他大学の似た制度と進学選択制度の比較を交えたことで、より具体的に進学選択制度とは何か?良さとは何か?を伝えることができたのではないかと思います。


    東大生の生活、徹底解剖!:パネルディスカッション

    司会と3名のパネラーによって、地方出身の東大生の一人暮らし事情や、東大の授業やテストについて、サークル事情についてお話ししました。パネルディスカッションでは東大生の学生生活を話すことによって、東大生になることを楽しそうだと思ってもらうことを目標にしていたのですが、企画後アンケートにて「楽しそうだった」という感想をいただいたので、目標を達成できたのではないかと嬉しく思っています。


    模擬授業:ワークショップ

    大学と中高の授業の違いを、理系と文系に分け、実際に授業を行うことでお伝えしました。


    個別相談会

    高校生1人に対し、大学生1人を配置することで、プライベートな質問がしやすいようにしました。しかしながら、高校生は1人の大学生からのみアドバイスをもらうという形になってしまったので、より多くの大学生に質問しやすいように改善したいと思いました。


    まとめ

    今回のツアーでは、sli.doというツールを利用したのですが、完全匿名という性質からzoomのプライベートチャット等での質問募集よりも多くの質問をいただくことができました。企画後アンケートにも質問がしやすかったという意見が複数ありました。今後、質問を積極的にもらいたいコンテンツを行う場合は、ぜひsli.doを使うことをお勧めします。 このツアーが中高生が東大や大学での学問に興味を持つ機会になってくれることをお祈りします。

  • 応用化学ってどんな学問?【東大工学部応用化学科】

    応用化学ってどんな学問?【東大工学部応用化学科】

    1. はじめに

    こんにちは!この記事では応用化学という学問について紹介しようと思います。一口に「応用化学」とはいっても非常に範囲が広いので、主に私の所属する東京大学工学部の応用化学科についての話になる部分もありますのでご了承ください……。
    この記事では、応用化学がどんな学問であるのか、応用化学科がどんな学科であるのかをはじめ、大学の学問と高校の学問の違いなどについても少し触れていきたいと思います。学部選びに悩んでいる方などぜひ読んでみてください!


    2. 応用化学とは

    まずは応用化学という学問について紹介します。簡単に言うと、「応用」とついている通り、世の中に「応用」できる技術や素材などを化学を通じて開発することを目指す学問です。役に立つかどうか、コストや安全性などの面で実用可能かどうかが重要になるので、工学部のもとで学ぶことが多く、東大でも応用化学科は工学部に属しています。

    応用化学は実学なので、自分の学んだ理論や紙面上の学問が、現実ではどのように活用されているのかについて興味のある人におすすめです。他にも、化学に興味のある人はもちろん、情報やIT系など実態の見えにくいものより「物質」を扱いたい人や、一般的にイメージされる科学者・研究者のような職業に憧れる人、世の中の役に立ちたい人などは、楽しんで応用化学を学べると思います。

    ここまでの説明を読んでわかったかもしれませんが、非常に幅の広い学問なので、化学方面に興味があるけどいまいち自分の興味が定まらない……。という人にとっても、化学を幅広く学べるという点で良い学問だと思います。


    3. 応用化学科での勉強

    次に、工学部応用化学科がどのような学部であるかを紹介していきます。先ほども述べた通り、応用化学は化学一般を扱うので、座学で学ぶべきことが非常に多いです。以下に例として、応用化学科で私が学んでいることをいくつかあげてみます。

    ・高校範囲の延長の学問

    応用化学は実学だと言いましたが、そうはいっても「応用」するためには「基礎」も重要です。応用化学科においては、化学の基礎を満遍なく知っておく必要があるので、無機化学や有機化学、化学反応論、高分子化学など高校範囲で習ったような分野をより専門的に学んでいきます。

    例えば有機化学では、高校化学ではどんな反応が起こるかなど丸暗記しないといけない部分が多いと思いますが、大学で分子の構造を詳しく学んだり、電子の動きから化学反応を捉えたりすることである程度理論的に反応を説明することができます。また、実際の研究では反応機構をどのように突き止めているのかなど、実用的な知識も学んでいきます。

    ・より実学的な化学分野

    高校範囲の延長に加えて、より実学の要素が強い学問も学びます。
    例えば、未知の化学物質の分析方法についての学問である分析化学などがその一例です。赤外線やX線を使ったり、電極を利用したりと、様々な方法で分析が行われているので、その原理と応用方法を学びます。

    高校化学では未知物質を扱うことをあまり想定しないと思うので、あまりピンとこない方も多いと思いますが、研究の場ではこの分析化学がかなり重要です。例えば未知の化学反応を発見したとして、結果的に何がどのくらいの割合でできたのかを確かめられなければ論文は書けませんし、応用もできません。つまり、分析化学は応用のための学問と言うことができるため、これは実学だと言うことができます。一方で、分析化学では、何に着目して物質の濃度や構造を調べるかが重要なので、現在では様々な観点からの分析方法が考案されており、実学としてだけではなく純粋に学問としても楽しめます。原子同士のミクロな結合や振動に着目したり、分子の質量で分類したり、分子の作る磁場を利用したりと、高度な理論に基づいて分析機器が作られたりしているので、勉強のしがいがあると思います。

    また、工場や反応器(リアクター)での化学反応効率などを議論する学問である化学工学などもあります。これは特に企業に就職した後に役立つ学問です。化学反応に伴う熱の出入りなどは高校範囲でも扱うと思いますが、実際に工場でその化学反応を起こすとなると、キログラムやトンの単位で物質を反応させることになります。すると反応に伴って発生する熱の量は膨大になってしまい、一歩間違えれば爆発や火事を引き起こしてしまうこともあります。ここまで極端な例でなくても、反応器の形や反応条件によって反応効率に大きな違いが出ることもあります。このように、実際に化学反応や物質の分離を工場のスケールで行うことを想定し、安全な、効率的な化学システムの設計を目指す学問を化学工学と言います。学ぶことが実際にどう生かされているか見えやすい学問なので勉強していて面白いと思います。

    ・融合分野の学問

    上で述べた化学系の分野の他にも、物理の範囲も融合した熱力学や物理化学、ミクロな世界の力学を扱う量子化学、微分方程式やフーリエ変換などを学ぶ実用的な数学、化学反応や分子構造のシミュレーションなどに使うプログラミングの知識……、というように、化学に限らず幅広く様々な学問に触れることができます。高校の理科では物理・化学・生物というように分野がはっきり分かれていると思いますが、大学では学問分野の境界が曖昧になっていきます。例えば化学を突き詰めていくと物理の知識や理論が必要になる、といったようなことが多々あるので、化学に興味があるからといって他の教科や分野をないがしろにせず取り組んでみるといいと思います。

    上では座学を紹介しましたが、もう一つ高校での勉強と違うところは、実験が本格的なところです。これは理系学部一般に言えることなのでおまけ程度に書きますが、高校の時よりも予習をしっかりしたり、レポートも本格的に書くことになるので、理論と現象が結びついて楽しいと思います。私が履修したカリキュラムでは、有機化学、分析化学についての実験と、プログラミングを中心としたコンピュータ演習に取り組みました。本格的な実験は4年生になり研究室に入ってからですが、学生実験でも十分に実験の基本は学べると思います。


    4. 最後に

    長くなってしまいましたが、述べてきた通り応用化学科は化学と化学にまつわる融合分野を幅広く学べる学科です。実社会での研究の場で活躍するために必要な知識をたくさん得られるので、少しでも化学に興味のある人はぜひ検討してみてください!

  • 2021/03/07 春の学校 オンライン

    2021/03/07 春の学校 オンライン

    はじめに

    2021年3月7日(日)に、山形県立酒田東高校(21名)、新庄北高校(10名)、東桜学館高校(5名)、山形東高校(2名)、米沢興譲館高校(2名)の生徒様を対象に、Zoomにてオンラインツアーを行いました。
    今回のツアーでは「より良い“未来”へのきっかけを」をコンセプトに、以下のコンテンツを実施しました。


    プレゼンテーション

    プレゼンテーションは、以下のワークショップ内で行うことの目的、主な方法を日常の身近な例を用いて紹介しました。比較的短時間のプレゼンテーションでしたが、ワークショップで役立つのはもちろん、ユーモアのあるものを行ったことで高校生のみなさんの企画への良い導入になったと考えております。 


    ワークショップ

    ワークショップでは、自分の進学今の高校生活という身近な未来について大学生がアドバイスをしながら一緒に考える作業を行いました。進学先という目標から身近な月、週単位での計画まで落とし込んで考えました。自己分析、そして目標までの計画立案を実際にやっていただいたことで、主体的な行動に繋がるものになっていましたら幸いです。


    個別相談会

    以上のコンテンツでは補いきれなかった、参加生徒さんのお悩みや質問等を大学生が個別に相談に乗りました。聞きたかった話が聞けて満足していただけていたら嬉しいです。


    終わりに

    春の学校は例年山形県にて合宿形式の企画として実施させていただいておりました。しかし今年はオンラインでの実施となってしまいました。その中でも生徒様には例年のものとできるだけ同じ体験を得ていただけるよう工夫し実施いたしました。参加生徒さんにとって良い“きっかけ”となったことを祈っております。

  • 2021/03/06 山口高等学校 オンライン

    2021/03/06 山口高等学校 オンライン

    企画概要

    2021年3月6日(土曜日)に山口高等学校の生徒様35名を対象に山高セミナーを実施いたしました。今回のツアーでは「東大と自分をつなぐ」というコンセプトのもと、東大に関する生きた情報を「知る」さらに、東大を目指す自分や東大入学後の自分を「思い描く」という二つの段階を経て東大を身近に感じてもらい、東大を志望したいと思う生徒様が一人でも多くなることを最終目標としました。

    以下では実施した二つのコンテンツについて、その内容や生徒様の様子をご報告いたします。


    東大の制度:プレゼンテーション

    前半では、科類や進学選択制度といった、生徒様全員に知っておいていただきたい「東大の基本的な制度」について紹介しました。
    後半では、次に行うワークショップの導入として、その流れや履修の組み方について説明しました。


    大学生の一週間:ワークショップ

    生徒様を2〜3人のグループに分け、大学生のサポートを受けながら実際に履修を組んでみてもらいました。
    東大生の日常に加え、幅広い教養科目といった東大の魅力も知ることで、大学生活を思い描くとともにモチベーションを高めてもらえたのではないかと思います。


    東大を知る:プレゼンテーション

    生徒様の興味に合った話を聞いていただくために「受験期」「大学の学問」「大学生活」の3ジャンルの話題それぞれ3種類ずつについて聞きたいプレゼンテーションを事前に調査し、3種類同時並行形式で1人あたり3つのプレゼンテーションを聞いてもらいました。
    班内で行ったアンケート結果を用いつつ各プレゼンターの体験に基づく話もしました。


    個別相談会

    少人数のグループに分かれて高校生の質問や相談に大学生が答えました。
    大学生を入れ替えて二回行うことで、多様なアドバイスを聞いてもらえるようにしました。


    まとめ

    今回の参加高校生にとって東大生と交流する機会はなかなか無いものであったため、とても興味を持って話を聞いてくれていた印象があります。
    このセミナーが、高校生のモチベーション上昇や大学のイメージをより鮮明に描くことのきっかけになれば幸いです。

  • 2021/03/06 大分東明高等学校 オンライン

    2021/03/06 大分東明高等学校 オンライン

    企画概要

    2021年3月6日(土)に大分東明高校2年生55名の生徒様を対象に、Zoomにてオンラインツアーを行いました。今回のツアーでは「最後まで走り抜くために」というコンセプトのもと、受験までの残り一年を諦めずに戦い抜く強い気持ちを持っていただくことを目的として、以下のコンテンツを実施しました。


    走り出すために 〜合格までの壁を知る〜【プレゼンテーション】

    先生方も懸念されていた「メンタル面」および「情報格差」の二つを大きなテーマとして、プレゼンテーションを行いました。一般論に留まらず、大学生の個人的な経験を踏まえたアドバイスもあわせて伝えることができました。また、企画後のアンケートにて質問を送ってもらい、後日回答を送付することで、双方向性ある企画が実現できたと思われます。


    走り続けるために 〜合格への道のりを考える〜【ワークショップ】

    やるべきことの量を把握して計画を立てることの大切さを知っていただくために、一年間で使用する参考書をリストアップした上で受験までの一年間の勉強計画を立てていただきました。その後、大学生の受験生当時の体験談を聞いていただき、その経験やアドバイスを踏まえた上で班で話し合って一つの計画を立てていただきました。「先輩のスケジュールを参考にしながら一年間の計画を立てるのは取り組みやすかった」「(自分で計画を立てる)きっかけができてよかった」などのお声をいただきました。


    終わりに

    今回はオンラインでの開催となりましたが、Zoomのトラブルが起きた時も生徒様が積極的に対処してくださり、終始和やかな雰囲気で企画を行うことができました。また事前に送付したパンフレットも多くの生徒様に楽しんでいただけたようです。今回の企画が、生徒様が受験を乗り越える手助けになったことを祈っています。

  • 2021/03/03 太田高等学校 オンライン

    2021/03/03 太田高等学校 オンライン

    企画概要

    2021年3月3日(水)に太田高等学校の生徒様32名を対象にオンラインセミナーを実施いたしました。
    今回のツアーでは「違いに力に」というコンセプトのもと、東大と他大学の違いを高校生に知っていただき、進路選択の参考にしてもらうことを目指しました。
    以下では実施した2つのコンテンツについて、その内容や生徒様の様子をご報告いたします。


    どこが違うの、東大?:パネルディスカッション

    このコンテンツは、司会と3名のパネラーが、東大生の大学生活や東大の制度について実体験を踏まえながら紹介することで、
    東大・大学生活についての具体的なイメージを持っていただくこと、
    またそうした生活や制度といった側面の中から、東大特有のものや高校生自身にとっての魅力を見出してもらい、
    主体的な進路選択のきっかけ・材料としていただくことを目標として行いました。

    具体的には、「進学選択制度」の利用や、前期教養課程の幅広い学び、最先端の研究環境や多様な人との出会いについて紹介しました。

    今回のお話をもとに、生徒のみなさんが自身の大学選択において重視したいポイントを見出し、主体的な進路選択を行う一助となっていれば幸いです。


    個別相談会

    少人数のグループに分かれて、高校生の質問や相談に大学生が答えました。東大生との対話を通じて、単に相談し悩みを解消する以上の刺激を受けた高校生もいらっしゃったようです。


    まとめ

    企画時間の最後まで相談をしてくれる生徒さんもいらっしゃり、その積極的な姿勢が印象に残っています。
    高校生が自らの進路選択を見直す機会に、今回のセミナーがなってくれることを祈ってます。

  • 2021/03/01 安田女子中学校 オンライン

    2021/03/01 安田女子中学校 オンライン

    はじめに

    2021年3月1日(月)に、広島県の安田女子中学校の3年生3名、1年生6名を対象に、オンライン会議ツールZoomにてオンラインツアーを行いました。今回のセミナーでは、「『未来の自分』へのスタートダッシュ」をコンセプトに、以下のコンテンツを実施しました。


    アイスブレイク

    中学生との距離を縮めるため、FairWindメンバーへのアンケートを元にクイズを出題しました。
    WSと同じグループで行い、それぞれで話しやすい雰囲気を作ることができました。


    プレゼンテーション

    3人の大学生がプレゼンテーションで「東大生の一日」について紹介しました。学問や一人暮らしの生活、課外活動など幅広いことを紹介することで、中学生が大学や大学生活に興味を持つきっかけを作れたと思います。


    グループディスカッション

    大学や進路選びについて中学生と大学生がお互いの意見を話し合うディスカッションを行いました。大学生が自身の経緯を話したり、中学生の現時点での考えを深めたりすることで、中学生に将来の大学や進路選びのときに考えて欲しいことを伝えることができたと思います。


    おわりに

    今回の企画では中学生の皆様の積極的な姿勢によって、オンライン下でも充実した企画を行うことができました。今回の企画が参加者の皆さんにとって将来について考えるきっかけになっていれば幸いです。

  • 【東大の授業】ドイツ語【第二外国語】

    【東大の授業】ドイツ語【第二外国語】

    Guten Tag! このページでは第二外国語としてドイツ語を紹介します。

    「アルバイト」や「ウイルス」、「アレルギー」など、実はドイツ語は意外と身近なところにあります。


    どんな言語?

    英語とそこはかとなく似ている

    ゲルマン語族の兄弟なだけあります。
    冒頭の挨拶も、Guten=good,  Tag=dayと、ほのかに英語の香りがしなくもないです。垢抜ける前の英語って感じです。

    基本的にローマ字読み

    ほんの二、三例を除いてほぼローマ字読みです。素晴らしい!
    エスツェット、ウムラウトという特殊な文字が4つあります。
    (ß,ü,ä,ö←こんなの。可愛くないですか? 超可愛い)

    言われているほど難しくない

    難しいことには難しいですが、他のヨーロッパ系の言語と比べて格段に難しいかといったらそんなことないです。筆者としては第三外国語で学んだフランス語やロシア語と大差なかったです。
    どうせ英語以外のヨーロッパ言語はだいたい名詞に性別がついてる(フランス語のページを参照)し! 変わらん変わらん!

    めんどくさい

    似ているはずの英語にはないルールがめちゃくちゃ多くてめんどくさいです。逆にいうと規則がとてもしっかりしていて例外を覚える必要がない言語です。


    どんなクラス?

    こちらも気になる人が多いと思うので書いておきます。

    勉学にも趣味にも励んでいる人多め

    好きなことをとことん愛している、個性の強い人が多いです。
    コツコツ勉強する人も多い気がしますが、もちろんそうじゃない人もたくさんいます。私もその1人です。ご安心ください。

    生存しやすい

    東大のドイツ語クラスは俗に「インキャ」が多いとも言われています。正直な話、私は入学直前にこの話を聞いて「言語選択ミスったかな!?」と思いました。失礼な。
    でも安心してください。確かにめちゃくちゃウェイウェイしているわけではありませんが、程よいテンションで話しやすい人がとても多いです。今ではドイツ語クラスでよかったと心底感じています。


    第二外国語はぜひドイツ語を

    そんなドイツ語ですが、実は東大ではなぜか年々履修者が減っています。
    言語にはもちろん合う合わないがありますが、意外と先入観だけでドイツ語を避けている人は多いのではないでしょうか。そんなのめちゃくちゃもったいない!
    ぜひドイツ語も選択肢に。面白いですよ〜!

    Tschüß!

  • 【東大の授業】韓国朝鮮語【第二外国語】

    【東大の授業】韓国朝鮮語【第二外国語】

    안녕하세요!!

    このページでは韓国朝鮮語(通称、コリ語)について紹介します。
    コリ語は東大の第二外国語の中では選択者がとても少なく、文系理系ともに2クラスずつしかないマイナー言語です。
    コリ語クラスは雰囲気も男女比も学年によって変わってきますが、わざわざコリ語を選んだもの同士クラス内のまとまりはよく、似た趣味を持った人が多い印象です。
    それでは、コリ語の特徴について書いていこうと思います。


    ①日本語と文法が近い

    みなさんは英語を勉強していて日本語との語順の違いを考えたことはあるでしょうか。英語はSVOの構造をとるのに対し、日本語はSOVの構造をとります。この語順の違いに初めのころ苦戦した人も多いでしょう。
    しかし、韓国語においてその心配は一切無用です。日本語と同じくSOVの構造をとりますし、助詞の使い方も日本語ととても似ています。
    また、日本語も韓国語も漢字由来の共通した言葉が多数あるので、単語も似たものが多いです。例えば「準備」は韓国語で “준비(ジュンビ)” となります。
    このように日本語を母語とする私たちにとって韓国語はとても勉強しやすい言語なのです。


    ②ハングルは母音と子音の組み合わせ

    意味不明な記号のイメージがあるハングルですが、実は母音と子音の組み合わせでできた単なる表音文字です。
    例えば、ㄱ(g)という子音とㅏ(a)という母音が組み合わさって가(ga)という文字ができます。簡単ですよね。要は母音と子音を全て覚えてしまえば、もうハングルが読めるようになるわけです。(もちろん文法と単語を知らないと意味はわかりませんが…)


    ③母音子音が多い

    韓国語の(唯一の)欠点です。母音は21個、子音は19個あります。しかし、韓国語においてヤ行とワ行の音も母音となるので、実際に発音の違いで苦戦するのは子音の方です。
    例えばㄱ(平音),ㅋ(激音),ㄲ(濃音)を区別しないといけません。激音は平音よりも強く息を吐いて出す音、濃音は喉を詰まらせて息を吐かないようにして出す音です。
    このように発音は少し厄介かもしれませんが、韓国語は他の言語と比べると比較的簡単な言語だと思います。

    ここ数年は第3次韓流ブームにあたり、K-popや韓国ドラマはもちろんのこと、韓国のコスメやファッション、グルメなども浸透してきており、韓国に興味を持っている人も多いのではないでしょうか?街中のハングルが読めるようになったり、K-popの歌詞が分かり歌えるようになるとかっこいいと思いませんか?

    ぜひ、二外はコリ語へ!